鋼鉄の咆哮~わかさ級戦艦空母わかさの物語~   作:ならや

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どーもならやです
それではどうぞ!


第18海里 旋風、襲来

「敵艦!超高速巡洋戦艦ウィルベルウィントと判別!」

「対超兵器戦用意!」

「対超兵器戦よぉーーい!」

CICの動きが慌ただしい

久々の超兵器戦で全員が緊張している

艦長わかさの命令を副長が復唱する

攻撃隊から成果報告があったのはそのすぐ後だった

「攻撃隊より報告!損害無しだが敵艦無傷との事」

「チッ!やはりウィルベルウィントに空撃でダメージを与えるのは難しかったですか」

「あのスピードだからな、仕方ない。太平洋沿岸の時とは違って最高速だ。主砲射程内に入り次第照準、砲撃せよ」

「了解!」

副長が空撃の成果に悪態をつく

ウィルベルウィントはその艦名の表す通り高速で100ノットを超える

その為航空機による攻撃だと避けられる事が多いのだ

更にわかさがウィルベルウィントを沈めた時は米軍最後の猛攻により損傷を受け最高速が出せない状況だった

わかさは初めて戦うような物だ

「敵艦進路変わらず!速度120ノットです!」

「速いな。砲撃される可能性があるのに突っ込んで来るか」

「自分を狩る側だと勘違いしているのか、避けれる自信があるのかのどちらかですね」

「どちらにせよ立場を自覚させてやる。砲撃開始!」

わかさの号令で既に照準を獲物に定めていた前部61cm砲が一気に火を吹いた

砲撃の反動で船体が一瞬止まる

最高速56ノットを誇るわかさを持ってしても一瞬止まる程、61cm砲の反動は強力なのだ

61cm砲3基9門から飛び出した砲弾は放物線を描きウィルベルウィントに飛んでいく

だが、ウィルベルウィントの速力と距離のせいもあり1発も命中する事は無かった

「命中弾ゼロ!」

「やっぱり避けられましたか。この距離なら仕方ないですね」

「ああ。両舷魚雷発射管にエサ(囮魚雷)を装填しておけ。近距離砲撃で仕留めるぞ」

わかさは分かっていた様に次の指示を出す

ウィルベルウィントの主兵装である魚雷の中には誘導魚雷もある

誘導魚雷に対しては迎撃用の魚雷を当てるより囮魚雷を鼻先に放ってそちらを追尾させた方が楽なのだ

また、ウィルベルウィントの搭載する誘導魚雷は初期型で誘導性能があまり良くないと言う欠点がある

その為囮魚雷に引き付けられて燃料切れを起こし沈降したり対潜ヘリの投下するマスカー弾や艦のマスカー装置に妨害される事が多かった

それでも超兵器に採用されたのは通常の魚雷よりかは命中しやすいからだろうと分析されていた

「艦長!ウィルベルウィント9km圏内に入ります!」

「8kmになったら砲撃再開!囮魚雷とマスカー装置、CIWSによる迎撃準備!シーホークにマスカー弾と対潜弾の投下用意をさせろ!」

「了解!」

戦闘に先立って飛び立ったわかさ航空隊のシーホーク5機にいずも航空隊のシーホーク5機を加えた計10機のシーホークがわかさ周辺でマスカー弾、対潜弾の投下用意を済ませている

ウィルベルウィントの搭載する誘導魚雷、YR97は最大射程が9kmあり、既に射程内に入っていると考えられた

その考えを肯定したのがウィルベルウィントの行動だった

「ソナー、望遠カメラよりウィルベルウィント魚雷発射を確認!恐らくYR97と思われます!」

「エサを鼻先に撒け。囮魚雷発射!」

「囮魚雷発射!」

右舷側の魚雷発射管が露出し囮魚雷が飛び出す

装填された3発を撃ちきるとすぐさま再装填が行われる

「再装填開始!次弾発射可能まで10秒!」

「エサに食いついたか!?」

「ちょっと待ってください..........やりました!食いついて本艦直撃コースから外れだしました!」

「よし!奴に砲弾をくれてやれ!」

囮魚雷をわかさと誤認しYR97誘導魚雷は進路を変えわかさから遠ざかる

その一連の回避行動を行う内にウィルベルウィントとの距離が8kmになりわかさは砲撃命令を出す

「撃てぇぇぇぇ!」

その数秒後に砲雷長の叫び声がCICに響いた

叫び声に弾かれるように飛び出した砲弾は、ウィルベルウィントの重力防壁を貫き船体に直撃した




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