ロキファミリアで長男でいるのは間違っているだろうか?   作:ニャンゴロ

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第3話 子は母を安心させるために進み、母は子を信じて待つ

  ロキとサガは、ガネーシャの宴で宣言したあと、戦争遊戯《ウォーゲーム》に備えて急いで帰った。そして現在ロキはサガに恩恵を刻むために、サガに告げる。

 

「恩恵刻むで服脱ぎ」

 

「わかったよ。母さん。」

 

  神とはいえ女性であるロキに服を脱ぐように言われたら、サガほどの年齢の子なら思春期で、照れるものだがロキは何の戸惑いもなく上着を脱ごうとする。それを見てロキは、

 

「簡単に脱ぐなんてつまらんなー」

 

 とぼやき。サガもさがで

 

「親に発情したらそれこそ問題だろ。」

 

 となんでもないように答える。

  そしてロキは上着を脱いだサガの肉体を見て驚愕した。確かに普段服を着ていてもサガの肉体は無駄のないいい肉体だとは思っていたが、実際に脱いだその肉体は恩恵の無いレベル0の人間とは思えないぐらい締まって出来上がっていた。誰がどう見ても戦士の肉体だからである。

 

「いつの間にそんなに体に仕上げてたねん」

 

  ロキが驚きながら聞くとサガは照れるように答える。

 

「母さんを守れるぐらい強くなりたいと思ってたから、あの本の戦士と同じ鍛え方をしたんだ。」

 

  サガは照れて言っている。しかし、本の内容を知っているものからすれば物語の戦士達の鍛え方は常軌を逸している。例えば、人より大きい岩を一撃で粉砕できるようようにすること。大滝の流れを拳の拳圧だけで押し戻す。猛毒の薔薇の中生活し自分の血液自体を猛毒にする。拳を出すレベル光速と同レベルにするなど。どれを見ても常人が耐えて行える鍛錬をこえている。物語をサガに読み聞かしたことで物語を熟知しているロキ。だからこそ、ロキは聞いた。

 

「どのトレーニングをやってたんや!?」

 

  サガは平然と答える。

 

「現状できるものはどれも手をつけたさ流石に毒バラ、みつけられなかったけどね」

 

  ロキは驚くしかなかった。自分と生活を共にしながら悟られないようにそれをサガがこなしていたからだ。だが、同時に申し訳なくとも感じた。母として、子供の苦痛と努力を知ってあげれなかったからである。だからロキは呟いた。

 

「だめな、オカンでホンマにゴメンな。」

 

「それは違うぞ、母さん。あなたが俺の修行を知らなかったようにあなたが俺のために借金を背負っていたことを俺も知らなかった。これは、お互い様さ。だから、お互いすまなかったッということにしよう。」

 

  サガは、笑いながら少し申し訳なさそうに言った。それを見たからこそロキは笑顔で、

 

「せやな!なら、その修行のおかげでサガがどんなもんか見よーやないか!」

 

 あっけらかんという母にサガはやはり母には勝てないと再認識し苦笑いした。

 

「ほら!早く背中出して寝転がり!」

 

  言われた通りサガベッドの上に背を上にして寝転がると、その上をロキが跨ぎ背中にロキの血液を垂らし恩恵を刻んだ。

 

「どうする?紙に共通語《コイネー》で書くか?」

 

「いや、そのままで大丈夫だよ。」

 

  サガの言う通り神にサガのステータスを書いていく。

 

「サガのステータスはこんな感じやな!」

 

 ロキズ・サガ

 Lv1

 力:0

 耐久:0

 器用:0

 敏速:0

 魔力:0

 幸運:0

 

 《スキル》

 《母神子愛《ゴッズ・アンド・ソンズ・ラブ》》

 ・母との絆がある限りスキルは作動する。絆が無くなった瞬間に消失

 ・両方の思いが強いほど効果が強くなる。

 ・思いの強さに比例して取得経験値とステータスに補正がかかる。

 

 《小宇宙燃焼《バーニング・コスモ》》

 ・魔力をコスモに変換できる。

 ・コスモの付加が可能になる。

 ・コスモでの技の使用が可能。

 

 《感覚進化《レボリューション・センス》》

 ・五感の感覚の発達促進。

 ・第六感の使用可能。

 ・第六感の先への挑戦権獲得。

 

 《魔法》

 

「なんというかぁ、まぁ、サガの求める力がよくわかるレアスキルしかでてへんな」

 

 ロキは顔をひきつけながら言う。それもそのはずだ、レベル1の最初でスキルがあるのが異常なのにそれが三つである。さらにいえばそれの能力がすへで規格外だからである。

 

「でも、これで自分の明確な強さの目標がわかるから助かる」

 

  サガは、自分の目指すべきものが間違ってなかったと確信した。そして、強くなるために今何をしなければ行けないのかもすぐに考えついた。

 

「母さん、俺はこれからダンジョンに潜りに行くよ。3週間は帰ってこないかもしれない」

 

 サガは何事もないかのようにさも当たり前のように言った。

 

「なにいうてんねん!それ以外にやることがあるやろ!ギルドにファミリアと冒険者の登録しなあかんし、なんも装備しずにどうする気やねん!」

 

  ロキの言うことはもっともである。ギルドに登録しなければ、ダンジョンに冒険には行けない。なおかつ、何も装備せずにダンジョンに行くなど死にに行くようなものである。いくら、ロキが規格外でもそれを許すわけにはいかない。

 

「もちろん、登録はするさ。ただ装備はいらないよ。あの話の物語の戦士達もある程度のレベルまで行かないと装備なんて無かったんだし、それに素手でモンスターを倒すのは慣れてる。」

 

「アホ!あの戦士達は特殊なんや!思春期のガキみたいに一人の女神のためやで、あないな偉業ができんねん!それに慣れてるってどういうことやねん!」

 

「なれてる理由は簡単さ、何回も自分の力試しに潜ったからだよ。それに、俺も母さんという名の一人の女神のためにやるんだ変わらないさ」

 

  ロキは恥ずかしくなった。あの物語の戦士達が守る女神は地上の平和のためいるのであってロキは違う。それを、サガは当たり前のように同格として発言したのだから気恥しくもなる。

 ロキは根気負けし、サガを連れてギルドに行きファミリアと冒険者登録した後、知り合いのミアハ・ファミリアでポーション三つとマジックポーションを、1個買って、サガと3週間後に家で再開する約束をして、サガを送り出した。

 

「さて、ロキに買って貰って申し訳なくは思うが、これも勝つためだ仕方ない。すべてが終わったらしっかり謝ろう。」

 

  ダンジョンに入ったサガがなぜこのように言うかというと、せっかく買ってもらったポーションとマジックポーション計4個をほかの冒険者たちにお願いして、モンスターを集める匂い袋20個ほどと交換したからである。そして、現在サガがいるのは11階層下級冒険者が行けるライン限界ギリギリのところだ、そこでサガは、匂い袋を広げモンスターをおびき寄せる。すると、5匹のゴブリンと数匹のコボルト初心者殺しで名高いウォーシャドーが3匹、モンスターパレードも顔負けの量である。それを見てサガは普段は見せない獰猛な顔になりモンスターに宣告する。

 

「悪いが、俺と母のために糧になれ」

 

  この日から約3週間下級冒険者は、11階層にある大広間に近づかなくなる。冒険者たち曰くそこは、地獄だからと。

 

 

  サガが、ダンジョンに入り3週間がたったころ、家でロキは2週間ほど前にあった。緊急神会《デナトゥス》を思い出す。

 この神会が開かれた理由は決まっている。前日ガネーシャの宴で起きたロキとバルドルの冒険者である。サガとリンドによる戦争遊戯の内容と敗北者の処遇を決めるためである。

  他の神々は、どちらが勝つなど明白なため、どのような試合運びになるかを一ヶ月前なのに話し合っている。バルドルは、自分の冒険者が負けるわけないと笑みを浮かべ、ロキの神友である、へファイトスはどうにかして助けれないか考え、フレイヤはサガがお気に入りのため何かあったらどうやってバルドルを潰すか考えている。そんな中ロキは飄々とした態度で椅子に座っている。すると、一番上座にすわる老けた男神が語り出す。

 

「さて、一ヶ月後に行われるロキとバルドルとの戦争遊戯について、話し合おうか。」

 

  司会を始めたこの男神こそがこのオラリオで1位2位を争うファミリアの主神、セクハラジジイことゼウスである。

 

「さて、それでは両者希望する戦争方法は?」

 

 ゼウスが問いかける。すると、

 

「「タイマン/一対一の決闘」」

 

 と、両者とも言葉は違えど同じ回答をした。

 

「ふむ、では戦争方法は一対一による決闘とする。異議はないな?」

 

 ゼウスが聞くと、

 

「「「「「「意義なーし」」」」」」

 

 と、ほかの神々が間の伸びた返事をする。

 

「次に敗者の処遇について、バルドルから述べよ」

 

「ロキには無許可での、自分の意思で神界に戻ることを禁じ、半永久的にバルドルファミリに一定の額を払ってもらうことそれと、全財産の没収だ。サガには我がファミリアで死ぬまで働いてもらうことである。」

 

  他の神々が「エゲツねぇ」、「容赦ねぇ」と呟いているそれもそのはずだ、負けたら神の身でありながら、神に隷属しなければいけないからだ。だがロキは何語もないかのように答える。

 

「ええで」

 

  ほかの神々は、即答に驚きを隠せず騒然とする。

 

「静粛に。次はロキよ要望を述べよ」

 

 ロキは静かに深呼吸をすると、立ち上がり語る。

 

「バルドルの下界永久追放。バルドルファミリアの財産をロキファミリアに全額譲渡。物資も含めてや。また、これらをファミリアのメンバーの次の職や居住先を3日以内に見つけてから行うこと。それと、なんでも1個サガのいうことを聞くことや。」

 

  負ける可能性など感じないバルドルは、これを即了承。

 

「ふむ。では、両者異論なしとして、以下の条件で戦争遊戯を行う。日時は日中。場所はガネーシャファミリア所有のコロシアムで行うものとする。以上、解散」

 

  こうして、戦争遊戯の条件が揃ったというのが3週間前の出来事だ。ロキが3週間前の出来事を思い出していると、めったに来ないお客が家の戸を叩く音が鳴った。

 

「ちょっと、まってなー」

 

  ロキがそう言いながら、扉を開けるとそこにいたのは二人の眷属を連れている神友フレイヤと一人の可愛いらしい眷属を連れている神友へファイトスがいた。

 

「どうしたねん?二人共子供たち連れて。」

 

「どうしたねん?じゃないわよ、戦争遊戯一週間前だから気になってフレイヤと来たのよ。」

 

  そう答えるのはヘファイトスである。

 

「そうよ、神界からの仲でしょ、手伝うことがあれば手伝うわよ」

 

「じぶんは、サガにちょっかい出したいだけやろ!」

 

「否定はしないわ」

 

 フレイヤは全く悪気がないように言う。

 

「そんなことよりも、あなたの眷属はどこなの?」

 

 へファイトスが呆れ気味に問う。

 

「ダンジョンやで!」

 

 ロキはあっけらかんに答える。

 

「ギリギリまでファルナを伸ばそうなんて感心ね。いつから潜ってるの?」

 

 フレイヤが問うと、

 

「三週間前からやで」

 

「「「「「は?」」」」」

 

  ロキが当たり前のように行ったがここにいる二人の神とその眷属の冒険者3人は唖然とする。なぜなら、そんな、自殺同然の事を行うこ眷属もそれを許す主神も以上極まりないからである。

 

「あなた!!自分の子供が心配じゃないの!?」

 

「サガになにかあったらどうするの!?」

 

  へファイトスだけでなく、フレイヤも珍しく声を荒らげていう。二人に怒鳴られながら、ロキは両手で両耳を塞ぎながら笑顔でいう。

 

「なんも心配することなんかあらへんよ。あたしがここで待っとるんやあいつが約束破るはずないで」

 

  へファイトスとフレイヤは絶句した。へファイトスは、このファミリアの親バカとマザコン具合に呆れ、フレイヤはサガを引き抜くことの難しさを痛感した。だが、へファイトスは気を取り直しいう。

 

「神界の一のトリックスターがついているんだからまぁ、大丈夫でしょうね」

 

「うちは今回は何もシーへんよ。なんなら、うちの仕事は神会の時に終わっとるし、あとは、サガを信じて待つだけや!」

 

 本日何回目になるか分からない飽きれタイムである。

 

 5人が唖然していると後ろから声がする。

 

「久しぶりに帰っみれば今日はお客様が多いな」

 

  サガが帰ってきたのである。

  ロキは他の二人の神を押しのけてサガに飛んで抱きつき言う。

 

「おーかーえーりー、サーガー!!!」

 

 サガはそれ受け止め笑顔でいう

 

「ただいま母さん。」

 

  こうして三週間にも及ぶサガの狂気とも言える修行とロキの待ちは終わった。

  ここで、お客様のことを忘れないのがサガという男である。

 

「お久しぶりです。神へファイトス、神フレイヤ。眷属を連れて本日はどの様なご用事でしょうか?」

 

「ええ、久しぶりね。私もフレイヤも手伝えることはないか顔を出してきただけよ。」

 

「そうですか。なら、おふたりにお願いがございます。」

 

「言ってみなさい。」

 

「神へファイトスには戦争後何時になるかはわかりませんが工房を貸していただきたい。」

 

「それぐらいなら構わないわ」

 

「神フレイヤには後ろの眷属2人と稽古をさしていただきたい。」

 

「そんなことなら、かまわないわ。ほら、二人共自己紹介なさい」

 

 フレイヤがそういうと、へファイトスも思い出したように言う。

 

「なら、うちの子も紹介しなきゃね」

 

「フレイヤ・ファミリア団長 Lv4ミア・グランドだよ。」

 そう言って、ドワーフの女性ミアは、右手を差し出して握手をする。

 

「フレイヤ・ファミリア Lv2 オッタル 二つ名は『猛る物』だ」

 そう言って、猪人(ボアズ)のオッタルは自己紹介をする。

 

「今回は手伝う事が無さそうで残念だが、へファイトス・ファミリア、レベル1だが団長の椿・コルブランドだ」と、ハーフドワーフの椿と握手をする。

 

「3人とも今回もこれからもよろしく頼む。ロキ・ファミリア団長のサガだよろしくたのむ。」

 

  そう言ってサガは、深く頭を下げる。

 

  その光景を見てロキの神ともふたりは、

 

「ロキのもとで育ってなんでこんなお利口になるのかしら?」

 

「きっと反面教師にしてたのよ。」

 

 とこそこそ話す。

 

「やかましーー!!サガも、ラストスパートの前にステータスの更新があるやろ!」

 

  そう言ってほかの面々を表に出し扉をしめる。その間にもサガは「申し訳ないと」一言みんなに謝罪を入れていた。サガに跨りロキはステータスを更新し、一言サガに告げる。

 

「よう、がんばったな!」

 

「まだ、戦いは終わってないから、油断はできないさ。だがありがとう」

 

  そういって、表に出てそれから1週間、自分より格上のオッタルとミアと対人練習をして過ごした。

 そして、運命の日は来る。

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