ロキファミリアで長男でいるのは間違っているだろうか?   作:ニャンゴロ

5 / 7
いつも読んでくださってありがとうございます!
ニャンごろです
サガをダンまちのアテナではなくロキにしたのは原作でのロキが神話と違い家族思いだったので、なぜなったのかをサガと絡めて作りたかったからです。
うまく出来てませんが、これからもよろしくお願いします。


第4話 子は感謝し、母は安堵する

そして、運命の日はやってくる。

開始十分前、既にバルドルファミリアの代表リンドは闘技場の中心で立ち瞑想をしている。VIP席にいる多くの神々は今から起こるワンサイドゲームを待ちわびている。だが、一般席で二つの考えであった。サガと関わりがない冒険者は彼を愚か者と蔑み、サガと関わってきたり、サガのことを知る一般の人々は母(ロキ)のために戦おうとする彼を聖人のように思い彼の勝利を願った。そして、現在ロキは控え室でサガに最後の恩恵の更新を行った。

 

「ほんま、ようやったな、サガ!あとは勝つだけや!」

 

「あぁ。行ってくるよ母さん。」

 

ロキとサガは控え室を出て、ロキは神のVIP席に、サガは闘技場に向かう。

 

ロキとサガが控え室にいる頃、VIP席の片隅では、フレイヤがミアとオッタルから、鍛錬の報告を聞いていた。

 

「サガは強くなったかしら?」

 

「フレイヤ様それは、違うよ。あの子は元々強いあたしは二度とあの子と訓練したくないね」

 

ミアは顔をしかめて答えた。ミアの返答にフレイヤは不思議に感じ、フレイヤしか感じない違和感も二人から感じる。フレイヤは違和感の正体に問いかける。

 

「どうしたのかしら、オッタル?」

 

オッタルは、フレイヤを心の底から崇拝している。そのオッタルが口を開かず下を向いて震えているのだ。異常としか言えない。オッタルは顔を上げて口を開く。

 

「フレイヤ様。俺は必ずあの男と同等の勝負であなたに勝利を捧げます!!」

 

この答えだけで何が起こったのかフレイヤは悟った。レベル2のオッタルがレベル1に成り立てのサガに圧倒的差で負けたの事を。

 

「ミア、彼はそんなにだったの?」

 

「アタシはレベル1がレベル2相手に視覚を封じて勝つなんて想像すらできなかったね。」

 

フレイヤは興奮した。元々、サガの魂を初めて見た時から欲しくてたまらなかったのだ。人の魂は、それぞれ色がある。成人と呼ばれる善人の魂は清ければ清いほど白く。極悪人の魂は悪に行けば行くほど黒く。情熱があるものは赤く。冷静に考え生きるものは青く。このように魂には状態に応じ混ざった色を示す。しかし、サガはそれがフレイヤが一目惚れするほど美しかった。

フレイヤは二人を下げたあと、人知れず性の興奮に耐えていた。

 

ロキもやってきた、VIP席でバルドルはロキに語りかける。

 

「よく来たな、ロキ。来ないかと思ったぞ!」

 

「うちはうちの子を信じてんねん、黙って試合見とき。」

 

それを聞いて、バルドルは口角を少しあげると闘技場に目をやった。

闘技場にサガが入ってきた瞬間、観客席では様々な声が上がっていた。

 

「おれらの『聖人』頑張ってくれ!!」

一般人からは応援が、

 

「あれが、ダンジョンに一人で行って1ヶ月のくせにオールEに挑む『愚者』か」

冒険者からは、侮蔑と観察の声があがっていた。

だが、サガの姿をはっきり見えて、更に会場が騒然となる。それもそのはずだ、サガは、装備など一個もつけていない。鎧も、プロテクターも、小手も剣もナイフも。まるで、買い物に来たかのような通常の服である。観客の席の冒険者からは、「やはり、『愚者』は『愚者』か」と、声が聞こえてくる。

リンドはその姿を見て侮蔑の視線を向けて言う。

 

「逃げずによく来た。だが、その装備はなんだ?」

 

「我が母に晴れ舞台を見せたいのでね、来ないわけにはいかないさ。お前を本気でたおすためだ。全力で来いよ。」

サガはなんでもないように答える。

 

そして、2人は闘技場の中央で向き合い構えをとる。

リンドは、愛用のロングソードで切り割けるように。

サガはリラックスした状態で立っている。

 

そして、会場をまとめるためにアナウンスが流れる。

 

「実況はこの僕!神ヘルメスと解説はこの人!」

 

「俺がガネーシャだ!!!」

 

「で、お送りします!」

 

と、なんとも、間の抜けた実況が始まる。

 

「さぁ、通常ならレベル1になりたてがステータスオールEに勝つのは不可能だけどそこら辺どうでしょうか?」

 

「俺がガネーシャだ!!」

 

「うん。聞いた僕が馬鹿だったね」

 

ガネーシャとヘルメスのコントのようなアナウンスに会場の人々がずっこけそうになる。

 

「最後にオッズの報告だよ!へファイトス、フレイヤ、ロキ、僕以外はみんなバルドルに賭けてるね!賭けはもう締め切ったから変更はなしだよ!さて、ゼウス!こっちは終わったから、開始の合図をしてくれ!」

 

それを聞いてゼウスは立ち上がりいう。

 

「始めぇ!」

 

ドラムがなり、それと同時にリンドはロングソードで突く体制でサガに突っ込む。するとサガは目をつむり出す。

 

「勝負を捨てたか!」

 

そう言ってリンドがロングソードを突き抜く。だが、サガは紙一重で左に躱す。

 

「ッ!!」

 

リンドは驚きながらも突いたロングソードを戻さずそのまま左に流し、サガの首を狙う。しかし、サガはそれすら、バックステップで躱し、リンドはロングソードを上にあげしたに振り抜く。だが、サガはそれを右に避ける。リンドは、流れるように右上にロングソードを切り上げる。やはり、サガはそれを紙一重に躱し、前に踏み込む。

 

「そろそろ、こちらからいかしてもらおうか!」

 

サガは右手で手刀を作るとそれをリンドに向けて振る。

 

「馬鹿め!」

 

リンドが、ロングソードでそれを迎えうつ。誰もがサガの手が切り裂かれるそう思ったその時、

ギィンッッ!!!

人の手とロングソードがぶつかっては、鳴らない音が会場の全体に響いた。

 

「なっ!!!」

 

リンドが驚くのは無理がない。どうんな武闘家でも手刀で刃物と唾競り合いが起こるなど聞いたことがないからだ。しかし、現実ではそれが起きている。サガは、そのまま力だけでリンドごとロングソードを押しのけた。

 

その後も何度もリルドのロングソードとサガの手刀は、ぶつかり合う。異様な光景であった。好奇心の塊である神達は、その光景に目を輝かしながら見ており、何人かは、どんなレアスキルかロキに問いただしていた。一般の観客は新たな英雄の誕生に大喜びであり、冒険者達はありえないものを見る目で見ている。自分達がどれだけレベルあげてもできる気がしないからである。

「やはりまだ、俺が目指すものには程遠いようだ。」

 

サガは血すら出てない己の右手を見て言う。

リンドは驚きながらもサガとの距離が充分に取りサガを睨みながら言う。

 

「確かに肉体は頑丈で動きも俊敏。お前は強くなるだろう。だが、舐めるなヒューマン!!誇り高きエルフの力を見してやろう!!」

 

そう言うと、リンドは魔法を詠唱する。

 

「我は誇り高き森の民。我は邪魔するものを許さない。我は犯すものを許さない。我は罪人を許さない。精霊よ、我が一族の誇りのために力を貸したまえ。」

 

リンドが詠唱している間、サガはただ見つめて立っている。それが余計に苛つかせた。そして、魔法名を言う。

 

「エア・スプラッシュ!!!」

 

エア・スプラッシュは風の広範囲炸裂魔法。さらに、リンドの魔力の殆どを消費する、これならば、サガの体を切り裂け、避けることも不可能である。リンドは勝利を確信した。

 

 

しかし、砂埃が晴れてそこに見えたのは右の掌をこちらに向け、クリスタルでできた壁の無効にいるサガであった。

 

「クリスタル・ウォール。だが、これも不完全だな」

 

サガが、つぶやくと同時にクリスタの壁が崩れる。

 

「終わりにしよう。」

 

そう言って、サガは腕を組む。リンドはサガが舐めていると思い、ロングソードを両手に持ってサガに突貫する。今持てるすべての力が乗った突きの剣先がサガの首に当たる瞬間、リンドは「勝った!!」と思った。だが、サガの

「グレート・ホーン」

という言葉と共にリンドの意識は黒く染まった。

 

誰もがリンドのロングソードがサガの首を貫いたと思った瞬間。サガの視界の延長線上の壁が重い音と振動を立てた。壁を見るとそこには大の字で壁にのめり込むリンドがいた。壁にのめり込んだリンドが地面に落ちると同時に、

 

「そこまで!!」

 

ゼウスの終りを告げる声が響いた。

その主観、観客席には歓声が響いた。多くの一般人は、何が起きたかわからぬがサガの勝利を喜び、冒険者達は驚愕した。下級冒険者は、一ヶ月未満の男がステータスオールEに何をしたかは分からないが圧勝したことに、上級冒険者は、サガの最後の技が組んでた腕を居合抜きの要領で抜き撃った事は分かった。だが、驚くべきはそこまでに無駄な流れがなかったのである。決して上級冒険者が見えないほど早いわけではない。だが、無駄のない動きで自然だったために結果で何をしたのかわかったのである。多くの上級冒険者はその技術の、高さに必ず上のレベルに来ることを確信した。

 

この日の戦いは多くの者に様々な影響を与えた。

レベル2の猪人は自分よりはレベルが下だが、必ずサガに勝つことを、己の女神に誓い。

冒険者になる前の一人のパルムはサガの元で自分の野望を叶えたいと望み。

ハーフドワーフの鍛治師の少女は、サガの認める武器と防具を作ることを己自身に約束し。

自由奔放な神を主審とするエルフの少女はサガと話してみたいと思い。

正義の神に使えるエルフの少女は、サガに師事したいと考え。

ドワーフの青年は、サガに背中を預けて戦いたいと思った。

籠の中にいた王族のエルフの少女は美しく強い姿に心を惹かれた。

 

 

VIP席では、喧騒の嵐となった。「俺の財産の半分ーー!!」と叫んでいる神もいれば、「大波乱だァーー!!」と叫ぶ神もいた。そんななか、全く騒がない神が二人いた。ロキとバルドルである。

 

「よかったわねロキ」

 

そう言って話しかけるのはロキの神友のフレイヤである。へファイトスも隣で嬉しそうにしている。話しかけられているロキはというと、下を向いて、

 

「無事に終わってホンマによかった」

 

と、つぶやき泣いている。ほかの神々もそれを見てロキが本当に家族を大切にしていると実感した。そんなロキにバルドルは静かに近づき、

 

「良き家族を持ったなロキ」

 

とまるで父のような雰囲気でロキの頭を撫でたあと去って行った。

バルドルの事を宴の時の印象でしか、知らない神達は驚愕した。

 

 

バルドルが闘技場の入口の近くで、自分の眷属であるリンドに励ましの言葉を送ろうと待っていると一人の神が話しかける。

 

「随分遠回しなことをしたのね、バルドル」

 

バルドルに話しかけた神はフレイヤであった。

 

「なに、ロキの真の成長を見れるならやすいものさ。ロキが子供を拾ったと聞いた時、おもちゃにするものだと思った。だが私のとこに来て泣きながら金を貸してくれと言った時にあの子の本気さはわかったさ。けれど、ちゃんと人の親になれてるかの確認が必要だった。まぁ、最後の涙を見て彼女が子供をいかに愛しているかわかったよ。ロキの子供とリンドには、悪いことをしたがね。しかし、リンドは悪い子ではないんだが種族で人を判断する悪い癖があった。それも今回ので良くなるとは思うがね。」

 

フレイヤは、どれほどバルドルが優しき神か知っていた。そして、バルドルは自分達が下界に降りたことで天界が人が足らず困っている事も知っており、それに心を痛めていることも知っていた。だからフレイヤは安心した顔で言う。

 

「貴方が私の知るバルドルでよかったわ。リルドは私が預かるから安心しなさい。」

 

「なら、よかった。私はホームに帰ってファミリアと話すことにするよ。」

 

「あら、その前に彼が言いたいことがあるようよ。」

 

バルドルがそう言われ振り向くとそこにはサガがいた。そして、サガは、バルドルに頭を下げると、

 

「神バルドルよありがとうございました。あなたのおかげで俺と母は、先に進めた。」

 

バルドルは、驚いたあと笑顔で

 

「あの子を頼むよ。」

 

そう言ってバルドルはさって行く。そのバルドルの背中に向けてサガは、

 

「あなたには悪者は似合いませんよ。」

 

最後に冗談ぽく伝えた。

 

サガが闘技場をでると、

 

「おーめーでとー!!!!サガーーー!!!」

 

と、泣きながら笑顔でロキが抱きついた。サガは笑顔で抱き返し、

 

「ただいま、母さん。」

 

「おう!おかえり!」

 

ロキは笑顔でそれに応えた。

 

こうして、親子の最初の難関は幕を閉じた。




以上で4話を終わります。
サガがチート気味になっていますが、普通に格上には、負ける程度です。

2回ワザと出さなかったステータスは出した方がいいでしょうか?

意見や感想などお待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。