ロキファミリアで長男でいるのは間違っているだろうか?   作:ニャンゴロ

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新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

週一にすると言って時間がかかりスミマセンでした。今回の話はかなり難産で加筆と修正、添削を繰り返しました。
連載は続けようと思いますのでよろしくお願いします。
通算UA11000、お気に入り260overありがとうございます。これからもみまもっていただけるとありがたいです。
では、ほんぺんをどーぞ。


第6話 子は兄弟が出来、母は新たな子を得る。

ロキは我が子に二つ名を教えようと意気揚々と家に着く。

 

「たーだーいーまーー!!って、なんやこれ!!」

 

「おかえり。母さん。」

 

ロキが驚いているのをよそにサガは涼しい顔で返事をする。たが、ロキが驚いているのには理由がある。それは、鍛錬場のサガの近くにパルムの青年が汗だくで四つん這いになっており、ドワーフの青年も同じように片膝を立て壁にもたれかかっている。そして、ロキを見て集中の糸が切れたのか眠り出してしまった。どう見ても非日常な光景がそこに広がっていた。

 

「どないな状況やねんこれ?」

 

「ふむ、どこから話したものか」

 

 

 

 

 

時間はサガが瞑想しているところまで戻る。

ドワーフの青年が巨斧を振り下ろし、サガの体が真っ二つになるとパルムの青年が思った瞬間、異変は起きた。

ドワーフの青年の斧をサガは座禅をした姿勢のまま右手だけを上げ、人差し指と中指で斧を挟み止めていた。

 

「敵意が感じなかったから、ほかって置いたが、まさかこんな挨拶をされるとはな」

 

サガはなんでもないように喋りながら、立ち上がる。もちろん、2本の指で斧を掴みドワーフの青年ごと持ち上げながら。

 

「んなっ!」

 

「嘘だろ」

 

ドワーフの青年とパルムの青年が驚いているのを他所にサガは手首だけでドワーフの青年をほおり投げる。

 

「さて、貴様はどうする気だ?」

 

サガがパルムの青年に問いかける。

パルムの青年は目の前のサガがやった行為で自分に力が足らないことは嫌というほど分かっていた。しかし、答えは、

 

「もちろん、挑ましてもらうよ!」

 

パルムの青年は獰猛な笑みを浮かべ自分の獲物の槍を構える。賢いものならここは挑まずにファミリアに入れて欲しいと正直に言うだろう。決してパルムの青年は愚かなわけではない。ではなぜ、こう答えのか。その理由は簡単だった。青年が根っからの『冒険者』だからこれに尽きるだろう。確かにパルムの青年は未だにファミリアに入っていない。だが、現状冒険者ではないからといってこの圧倒的強者と戦うことを『冒険』と言わずなんというのか。

 

「行くぞ!!」

 

パルムの青年は自分の素早さを活かし、左右に持ちうる最高速で近づきサガに渾身の突きを出す。しかし、サガはそれを目を瞑った状態で無難に避ける。

 

「まだだ!」

 

だが、パルムの青年は突きを細かく連続で出す。サガはそれを難なく避けていると、

 

「ワシのことを忘れとるぞ!!」

 

背後からドワーフの青年が巨斧を振り下ろす。

 

「忘れてなどいないさ。」

 

そう言ってサガは右足を半歩引くことで、それを躱すさらに右手で、パルムの青年の槍をの柄をつかむと、自分の体を起点にしてパルムの青年は自体をハンマーに見立て、ドワーフの青年にぶつける。

 

「なっ!!」

 

「なんじゃ!」

 

2人はぶつかった勢いが消えずそのまま奥の壁に強打する。

サガは何も言わず2人を見る。

2人はゆっくり立ち上がり再び構える。サガはその様子を見て微笑み語りかける。

 

「さぁ、こい。」

 

「ウァァァ!!」

「ウォォォ!!」

 

サガの語りかけに答えるように2人は吠えながらサガに仕掛ける。

 

 

あれから、どれくらいたったろう。パルムの青年は戦いながら考える。気に食わないドワーフの男と一緒に攻めているがどれだけ攻めても崩すことが出来ない。それだけでなく、教育までされ出している始末だ。

 

「二人とも自分の獲物に振り回されているぞ。」

 

そう言ってサガは二人の攻撃を止めるでも避けるでもなく受け流す。二人とも受け流された勢いを殺せず、お互いの頭をぶつける。

 

「「ッツ!!」」

 

二人ともほんとなら悶絶するほど痛い。だが、そんなこと関係ないかのように再びサガに襲いかかる。しかし、

 

「折角、2対1なのに同時に攻撃してどうする。」

 

2人が声が聞こえた時には、二人の間にサガがいた。そして、彼の右手はパルムの青年の顔を彼の左手はドワーフの青年の顔を掴み、そのまま、後頭部を地面にぶつけた。通常なら、圧倒的戦力差に心が折られている。だが、2人は弱音を吐かずに立ち上がる。普段なら二人共、同じくらいの年のヒューマンに武を学ぶなどプライドが許さない。だが、二人の青年は顔に笑みを浮かべ立ち上がる。二人とも悔しさより自分たちの技術が目に見えて上がっていることが嬉しいのである。そして、二人は何度でもサガに挑みかかる。

 

 

それから4時間ほどたち、二人とも疲労困憊で限界になり、ロキが見た状況になっていたのである。

 

「まぁ、二人とも、よう恩恵もなしでサガに4時間もやりあったな」

 

「あぁ、根性があるよ」

 

「この2人どないするねん?」

 

「おそらく、入団希望者だから寝かしとくさ。」

 

「りょーかい。で、自分はどこいくねん?」

 

背中を見したサガにロキが聞く。

 

「そこの2人のポーションなどを神ミアハのとこまで買いに行くさ。あとは、子供たちにあってくるよだから、帰りは遅くなるよ。」

 

「うん、行ってらっしゃい!きーつけてなー」

 

「あぁ、行ってくる」

 

 

 

 

「ほら、これがポーション二つと包帯だ」

 

そう言って神ミアハは、荷物をロキに渡す。

 

「ありがとうございます。」

 

サガは礼を言ってうけとる。

 

「そういえば、サガよ。お前も大変だな。」

 

「?なんのことでしょうか神ミアハ?」

 

「なんだ、聞いてないのか。バルドルのエルフを倒したのを聞いて、王族のハイエルフがオラリオに来ているという話だぞ。」

 

「それはまた、厄介なことになりそうですね」

 

サガは、溜息をつきながら答える。

 

「これも有名税として受け取っておきなさい」

 

神ミアハは、優しく言う。

 

神ミアハと別れた後、サガはダイダロス通りに足を向けていた。それは、ここの子達と遊んだり、勉学を教えるためである。ダイダロス通りの子は、訳ありが多く孤児であったり親が仕事で家にいない子が多い。そのような子達は一般常識や学が乏しいためサガが教育しているのである。ただ、これに関してサガは可哀想と思っておらず、誰かがしなければいけないことだから自分がやる程度にしか思っていない。何よりもサガが子供好きというのも大きいだろう。

 

「「「「サガにーちゃんだー!!」」」」

 

多くの子供たちがサガの近くによってくる。サガは、一番に来た子を抱え子供たちに聞く。

 

「お利口にしていたかい?」

 

「もちろんだよ!」

 

そういってかかえられたアマゾネスの少女が笑顔で答える。

 

「何言ってんのさっきまでおにーちゃん来ないってぐずってたくせに」

 

そう言って、サガが抱えていた女の子にそっくりのアマゾネスの女の子が喋る。

 

「ぐ、ぐずってなんかないもん!」

「ぐずってましたー」

 

幼いアマゾネスの少女たちが言い争う。

そんななか、サガは抱えていた女の子を地面に下ろし、

 

「ティオナはよく泣かずにまてたな、ティオネもちゃんとお姉ちゃんできたな」

 

そう言ってサガは二人の頭を撫でる。

 

「「うん!!」」

 

二人は同時に眩しい笑顔で返事をする。

すると後ろから、

 

「隙あり!!」

 

いきなり後ろから狼人(ウェアウルフ)の少年が後ろから跳び蹴りを放つ。だが、サガは余裕綽々とかわし少年の足をつかみ地面と少年の顔面がスレスレになるようにしたあと上に思いっきり放り投げる。

 

「ウワァァァァ!!!」

 

そう言って少年が屋根より高い位置から落ちてくるのをサガは着地点で華麗にキャッチをする。周りが拍手し、盛り上がる。

 

「おもしろかったか?」

 

「殺す気か!!」

 

サガの問に狼人の少年は怒って答える。サガは少年の反応が予想外だったのか、「スリルが欲しいのかと思ったんだが」と間抜けなことを呟いている。

 

「すごい、すごいお兄ちゃんあたしもして!」

 

そう言って両腕を広げてティオナがサガにお願いをする。

 

「あぁ、かまわないさ」

 

そう言ってサガは要望に答える。

 

「わー!たのしーー!!!」

 

投げられたティオナは空中で嬉しそうに言う。

 

「やっぱり、ベートはビビリね」

 

「びびってなんかねー!」

 

姉のティオネがベートという先程の狼人の少年をバカにする。ベートもその発言に噛み付く。

サガが落ちてくるティオナをキャッチしたあと、

 

「今日は何するんすか?」

 

そう言ってヒューマンの少年が話しかけてくる。

 

「みんなの好きなことをやろうか、ラウル。その前にまずは勉学だな」

 

「「「えぇー」」」

 

子供たちは嫌そうな顔をするがすぐにサガの話を聞く体制に入る。これは、サガが怖いのではなくサガの教え方がよく、子供達が勉強も楽しみだからこそ起こることである。

 

「今日は何を話してくれるの?」

 

たくさんいる子供たちの誰かが言う。

 

「そうだな、今日は種族について話そうか」

 

「ティオナね知ってるよ!」

 

「ほぉ、ならティオナみんなにご教授してあげくれ」

 

サガは笑みを浮かべていう。

 

「うん!!うんとね、《ヒューマン》と《デミヒューマン》でしょ!」

 

「あぁ、正解だ。なら、今日はより詳しく説明しようか。」

 

「まず、ヒューマンは俺やラウルのような種のことだな。特徴としては、最も平均というのが特徴だ」

 

サガがそういうゆうと、皆ラウルの方を見て納得する。

 

「わかりやすいな」

「わかりやすいわね」

 

べートとティオネがラウルを見ながらつぶやく。

 

「なんか、わかんないけど不服っす」

 

そう言ってラウルはむくれる。サガはむくれるラウルの頭を撫でると授業を続ける。

 

「次はデミヒューマンの説明だが、デミヒューマンには様々な種類の人達がいる。それもここのみんなに当てはめていこうか。最初は獣人だな。これは、狼人のべートや猫人のアキがこれになる。じゃ、特徴は何かわかるかな?」

 

「強えことだ!」

 

べートが自信満々に答える。

 

「それでも正解なんだが、正しくはないな。アキは分かるかい?」

 

アキは首をかしげて自身なさげに答える。

 

「うーんと、耳がいいとか、かな?」

 

「正解だ。獣人と特徴としては、五感と身体能力が高いということだな」

 

サガは正解を言った、アキの頭を撫でて話を続ける。

 

「次は、ティオナ、ティオネのような。アマゾネスだ。分かるかい?」

 

「「美しい!!」」

 

ティオナとティオネは双子特有の同時の発言をすると、

 

「へ?」

 

「はっ」

 

ラウルは不思議な顔をし、べートは鼻で笑う。その2人に双子のアマゾネスが怒りの表情を、見せる。サガは、話を続ける。

 

「間違いではないぞ、ラウル、べート。アマゾネスの特徴は美しく、戦闘に特化している事だ。また、強い男が好きということだからな、2人に全く見てもらえてない、自分たちこそ笑われてしまうぞ」

 

サガは笑顔で言う。

 

「「なっ」」

「「はっ」」

 

ラウルとべートは言葉につまり、それに対して双子は鼻で笑う。

 

「じゃ、次はドワーフだな。わかる子はいるかい?」

 

「体が大きい人たちだよ!あとね、手先が起用で鍛冶をする人もいるんだよ!」

 

物語好きのティオナが元気に答える。

 

「あとは、体が彼らは、とても頑丈だな」

 

サガは苦笑いを浮かべながらホームで戦ったドワーフの青年の事を思い出す。どれだけ、サガにやられても立ち上がったあのドワーフの青年を。そしてもう一人のことも思い出し語る。

 

「それじゃ、パルムは、わかるかな?」

 

「小さくて臆病な奴らでしょ」

 

ティオネが答える。

 

「ティオネ、それは違う。彼らは誰よりも勇気のある一族さ」

 

サガは今日の青年を思い出しながら言う。自分があの身体能力で、自分に戦いを挑むなど、無理なことだ。

 

「わたし、自分に諦めついたやつ嫌いだもん」

 

ティオネは拗ねながらいう。サガはティオネの頭を撫でながらいう。

 

「じゃぁ、予言しよう。いつか、ティオネはパルムの戦士に惚れるだろうさ」

 

「もし、その予言外れたら、あたしの言うこと聞いてね!」

 

「いいとも」

 

サガは笑顔でいう。だが、サガもティオネも知らない。ほんとにティオネが将来のロキファミリアの団長になる、パルムの戦士にぞっこんになることを。

 

「さて、最後にエルフだが、それはそちらにいる方から聞こうか?」

 

そう言ってサガは建物の影に目をやる。子供たちも同じようにそちらを向くと、

 

「気付いていたのか」

 

物陰から美しい耳長の女性が出てくる。彼女は驚いた表情をしながら、サガと子供の前に立つ。

 

「この通りに出た当たりから、つけていたかな?」

 

「正解だ。初めてこの街に来たはいいが迷子になってしまってな、丁度君がいたから後ろをついて行ってしまった。そしたら、面白そうなことをしていたから、見入ってしまった」

 

長耳の女性は、自分が迷子になったのが恥ずかしいのか、苦笑いを浮かべて答える。

 

「そうえば、エルフの特徴だったな。身体的特徴は、肌が白いのと耳が長いことだな。魔法が得意な種族でもある。その反面肉体、特に耐久面で優れてもいないな。あと、プライドが高い。これでいかがな先生?」

 

エルフの少女は、イタズラな笑みを浮かべてサガに聞く。

 

「大正解だな。模範的な回答だよ。さ、みんなも分かったかな?」

 

「「「「うん!!!」」」」

 

子供たちは笑顔で返事をする。サガはそれを見て、満足そうに頷くと、

 

「じゃ、勉強はここまでだ。遊ぼうか。」

 

サガがそう言うと、子供たちは、

 

「「「「やったーーー!!」」」」

 

手を上に上げて喜ぶとサガとエルフの少女の手を引っ張り遊びに興じる。

 

 

 

しばらく、子供たちと遊んだ後サガは外れでひとり子供たちが遊んでいるのを眺める。すると、隣にエルフの少女が腰をかける。

 

「お前は子供が好きなのだな」

 

「あぁ。子供は純真だからこそ、物事の本質をしっかり捉える。大人になると忘れてしまうことさ。」

 

「そうだな、ここの子供たちはいいな」

 

エルフの少女は、寂しそうな顔で呟く。

 

「羨ましいのか?」

 

「あぁ、私はあの子達が羨ましいよ。自分の好きなように生き自分の知らないものを自分の意思で知ることが出来る。私はいままで私として生きたことがない。私は籠の中の鳥と一緒さ。」

 

少女は、今までの自分の人生を思い返し言う。少女は今まで大切に育てられてきた。だご、それは、愛ゆえのものではなかった。少女に接する人々は皆王女としてしか、接して来なかった。自分にされた教育も一緒だった。少女のための教育ではなく、王女にするための教育であった。いつしか、少女は、自分の事を籠の中の鳥のように感じていた。そんなつまらない日々を過ごしていた時少女に転機が訪れた。冒険者である自分の許嫁がオラリオでヒューマンの青年と試合をするというものであった。少女は親が決めたこととはいえ許嫁の試合を見るために親と付き添いと共にオラリオに来て試合を見た。そこで見れたのは不自由な自分とは違う自由なサガの姿だった。周りの下馬評をひっくり返したその姿は、少女には眩しかった。自分とは違いサガは大空を飛び回る勇猛な鷹のようだった。それから数日たったが少女はサガのことが忘れられずサガに会うために自分のこの感情を知るためにオラリオに家族に内緒で来た。

 

そんな少女の気持ちを知ってか知らずかサガは立ち上がり右手をさして出していう。

 

「なら、おすすめの職業がある『冒険者』だ。彼らは自由に生きている。まぁ、なる為にはファミリアに入らなければならないのだがちょうど募集中のファミリアがあるんだがどうだろうか?」

 

少女は、サガの問に驚く。何も知らない自分なんか入れてくれるのだろうかという悩みと自分が自由になれるという期待があった。少女は右手を半ば出し問う。

 

「いいのか?」

 

少女は不安げに聞く。

 

「いいも何も、こちらから頼んでいるからかまわないさ」

 

そういって、サガは少女の右手をつかみいう。

 

「ロキファミリアの団長、ロキズ・サガだ。よろしく頼む。」

 

少女は笑顔で答える。

 

「私の名前はリヴ「ここにいましたか、お嬢様。」

 

少女の名前を遮る声が入る。サガと少女は声のした方を向くと、そこには若い男のエルフを四人連れた老齢で片眼鏡を掛けた執事服のエルフがいた。

 

「下郎、お嬢さまから手を離しなさい。お前のような低俗なヒューマンが触れていいお方ではない。」

 

そう言って、老齢のエルフはサガにプレッシャーを送る。

 

少女はサガに迷惑がかからぬように手を振りほどき戻ろうとした、だが、少女は何かに引っ張られ受け止められてしまう。顔を上げてみると、サガが自分の肩を抱いて無理やり体を寄せていた。少女は初めて異性との密着にどうしていいかわからずあたふたし出す。エルフは許した相手としか、肌の接触を許さない。普通ならこんな状況になれば平手打ちをするはずなのだが、何故か少女は嫌な気がしなかった。そのため自分からさらにサガに寄り添ってしまった。

 

「貴様!!その方を誰と心得るか!ハイエルフ(王族)の姫君であるぞ!」

 

老齢のエルフがそう叫ぶ。少女は自分の立場がバレてしまい、離れてしまうと考え自然と寄り添ったサガの服をつかむ手に力がこもる。

 

「ハイエルフがどうとかなど知ったことか。」

 

サガは嘲笑を浮かべて言う。

 

「ッ!」

 

サガのセリフにその場の全員が驚く。

 

「オレはハイエルフだからこの子をファミリアに誘った訳ではない。」

 

「では、なんだというのだ!!」

 

「単なる一目惚れさ」

 

「「「は?はぁーーーー!!!!」」」

 

少女や老齢のエルフだけでなく近くにいた子供たちですら声が重なり驚く。

 

「帰ってこい、ティオナーーー!」

 

「お兄ちゃんが一目惚れ、、、さよなら、私の初恋、、、」

 

「まだ、潰えるには早いわよ!」

 

ティオナがブツブツ呟き死んだ目で遠くを見ているのを、べートとティオネが方をゆすりながら必死に呼び戻す。

 

「にゃにゃ、、な、何をいきなり言い出すんだ貴様は!!」

 

サガに肩を抱き寄せられていた、少女もテンパりながら問いただす。

 

「人としてここまで美しくあるんだ。なら、自由になってより美しくなるのを見たいと思ってはいけないか?」

 

「な、な、なな」

 

少女は予想外の猛追に頭がショートし言語がおいついていない。

 

「ティオナさんの口から魂みたいなのが漏れだしてるっす!!」

「急いで、戻せ!!」

「ティオナー!かえってきなさーい!」

 

後ろでは子供たちも大変なことになっていた。

 

「ふむ、どうしてこうなった?」

 

サガは不思議そうに首を傾げる。

 

「お前が変な事言うからだろ!」

 

少女が怒鳴ると、

 

「思ったことを言った迄なんだが」

 

少女は本日二回目のショートモードにはいる。

 

「ククク、どうやらお嬢様にはやはり街は早かったようですな」

 

笑いながら、老齢のエルフは語る。

 

「女ととしでなく、人としてお嬢さまの素晴らしさに気付いたその鑑識眼は認めよう。」

 

「うん?人として?」

 

少女が不思議そうにつぶやくとサガは答える。

 

「そう言ったじゃないか。」

 

「そ、そうだな。」

 

少女は急に顔を赤くし下を向いてモジモジしだす。

 

「おっしゃ!ふっかーーつ!」

 

「やっと元に戻った」

「すげー疲れたっす」

 

後ろも後ろでまた、騒がしくなる。

 

「さて、それでは、お嬢さまを返してもらおうか、ヒューマン。」

 

「返して欲しかったら力づくで来い」

 

「それもそうだな。お前達相手してあげなさい。お嬢さまには乱暴をしてはらならんぞ。」

 

「「「「はい。」」」」

 

老齢のエルフが語ると若い4人のエルフが前に出る。

 

「や、やめるんだ。」

 

少女はこれから起こる凄惨を止めるために、1歩前に出る。しかし、

 

「わっ!」

 

いきなり頭を撫でられ後ろに追いやられる。そして、頭を撫でた本人のサガは笑顔を向け言う。

 

「すぐ、終わらせるから安心しろ。」

 

そう言ってサガは四人の前に立つ。

 

「さ、面倒だから四人まとめてこい」

 

「舐めるなぁっ!」

 

1人が斬りかかるが、サガは手刀で剣を止める。残る3人も攻撃に参加する。しかし、サガは彼らを時に手刀で剣と鍔迫り合いをし、時に相手の攻撃を避け、時に攻撃を受け流し、時に相打ちをさせたりと四対一のはハンデをものともせずに捌いていく。

 

「貴様ほんとにレベル1なのか!」

 

「あぁ、貴様らと一緒さ」

 

そう言ってサガが1人を蹴り飛ばし距離をとる。すると4人はフォーメーションを作り攻める。

 

1人が正面から突きの構えで突貫し、左右から2人が横薙ぎの切り払いで1人が上から剣を振り下ろす形で迫る。サガは正面から来る1人の突きを避けると頭をつかみ地面に叩きつける。左右からくる2人の刃をそれぞれ人差し指と中指で掴み、止めるのではなくより勢いをつけて振りぬかせる。いきなりの事に2人がバランスを崩したのをサガは見逃さず二人の顎を撃ち抜くように右足での回し蹴りを入れる。最後に上から来るひとりよりも上に飛びそのままカカト落としを決める。

 

「すまないが、しばらく大人しくしててもらおうか」

 

そう言うと、サガは己の右手を4人の近くの地面に置くと吠える。

 

「タイタンズ・ノヴァ!!」

 

地面が割れ、割れた地面が盛り上がり4人の上に落ちてくる。4人はそこで戦闘不能になる。

 

「ふむ、闘技場で見た時も思ったが規格外じゃな」

 

老齢のエルフが出てくる。サガは瞬時に気づく、この男は確実に自分より格上であると。何よりも、老人の持つオーラが今までのものとは別格である。

 

「小僧。わしに剣を抜かしたんじゃから、失望させるなよ」

 

老齢のエルフが呟くのと同時にサガは本能的に首をかばうように右手を出し右手の小宇宙《コスモ》を最大限にする。

 

ギッィィン!!!

 

ただの偶然だった。ただ、何かが来る気がして守っただけである。

 

「よくぞ、受け止めた」

 

「ほんとに年寄りかあなたは?」

 

サガは普段通りの調子で答える。しかし、余裕はない。何合もの老齢のエルフの剣とサガの手刀が交わる。

 

「ふむ、手を合わしてみれば余計レベル1とは思えんのぅ」

 

「あまり無茶をすると体に響きますよ、御老公」

 

「まだまだ、若いもんには負けんわい!」

 

2人は一般人には、認識ギリギリのレベルで戦闘を繰り返す。傍から見れば互角に見えるこの勝負。しかし、拮抗は続かない。

 

「ッッッ」

 

「ようやく欠けたか」

 

老齢のエルフはサガの右手を見る。サガの右手は最早血の出てないところがない程の裂傷であった。

 

そこからは一方的であった。サガは必死で避けたり攻撃をずらしたりしているが、全部上手くいっているわけではなく、生傷がどんどん増えていく。

 

「貴様に気を付けなければならないのは、三つある。攻撃面のよく切れるその手刀と、闘技場で見せたあの腕組からの抜腕術。防御面では、あの魔法を防ぐ防御魔法。」

 

サガは苦笑いを浮かべる、否、喋る余裕がないのである。老齢のエルフはさらに分析を続ける。

 

「その手刀は武器とステータスの差で潰せば事足りる。さらに、抜腕術の方はあの威力を出すのには暫しのインターバルがいると見た。だから、こうして溜める隙を与えなければ良い。どうだ?」

 

サガは答える余裕が無いが、老齢のエルフが言うことはほぼ正解であった。サガの手刀は、まだ完成系には程遠く、自分より二つ上のステータスの武器と力を使われたら刃毀れが起きるレベルである。老齢のエルフが言った抜腕術《グレートホーン》も相手との距離があったり、相手に隙があれば繰り出せるが、直進的な攻撃のためこちらの隙も大きくなる。そのため、今のように高速、高等戦闘では、使う暇もない。さらにこのレベルの相手なら使った瞬間にやられるのは自明の理である。

 

「そして、防御魔法においてはこちらが使わなければ問題ない。しかし、」

 

老齢のエルフはサガを蹴り飛ばすと自ら後ろに下がる。

 

「エルフの魔法がどれも一緒と思われたら心外なのでな、最後に味わってもらおう。」

 

「ヌゥァ!!」

 

サガは相手が魔法を使うのを感じありったけのコスモの塊を投げつける。しかし、蹴り飛ばされて打ち出したコスモの塊は途中で七つに分裂し、相手の上空に飛んでいってしまう。

 

老齢のエルフは、勝ちを確信して笑みを浮かべ魔法を詠唱する

 

「大地よ我らは風を所望する。森の民に仇なすものを排斥する風を所望する。風は集う、集いて脅威となる。

《ヒューレー・アネモス》!!」

 

サガの体の周りに四つの風の渦が出来上がり、サガの体を切り裂こうとする瞬間、サガは笑みを浮かべいう。

 

「御老公、根比べといこうか!」

 

サガは両手を握りしめクロスして上にあげると叫ぶ。

 

「《プレアデス・ノヴァ》!!!」

 

サガが技名を叫ぶと同時に老齢のエルフから悲鳴が上がる。

 

「グァァァァァァァ!!」

 

周りでいた者たちが、老齢のエルフの方を見ると、老齢のエルフの上空にある七つの星々から、雷が落ちてきていた。老齢のエルフの体を引き裂いていた。この星々は、サガが先程投げつけたコスモの塊である。サガは相手が魔法を使うことを読み、賭けに出た。それは、自分とエルフの耐久力勝負である。

 

「小童め!!」

 

老齢のエルフは叫ぶ。だが、老齢のエルフも魔力を送ることをやめておらず、四つの竜巻がサガの肉体を削っていく。

 

「グゥゥゥゥ!!!」

 

老人が痛みに耐えるよう魔力を込め叫ぶ。

 

「ウォォォォォ!!!」

 

サガが痛みを無視して吠える。

 

同時に両者の攻撃が止む。ボロボロになった両者は互いに相手の目を見る。

 

「クッ、」

 

サガが先に膝をつく

 

「見事じゃ」

 

そして、老齢のエルフが倒れ込む。

 

「や、やったーーー!!」

 

誰の声か分からぬが多くの子供たちがサガに駆け寄る。

 

「すごかったよ!お兄ちゃん!!」

 

ティオナが飛び跳ねながらいう。

 

「俺が超える兄貴なんだからあれぐれぇ、当たり前だ」

 

べートがそっぽを向いて言う。

 

「兄ちゃん、かっこよかったわよ」

 

ティオナが嬉しそういう。

 

「サガ兄さん、いけてたっす!」

 

ラウルがティオナと一緒に飛び跳ねながらいう。

 

「ありがとう、みんな」

 

サガは柔らかい笑みを浮かべ答える。

 

エルフの少女は、戦いが終わると同時に安堵のあまり腰を抜かし、立ち上がれなかった。そして、目の前の現実が信じられなかった。サガが戦った相手はレベル3になる、熟練の戦士。それを、耐久力に欠点のあるエルフとはいえ、魔法で勝負したのである。そして、何よりも不可能を可能にした姿に震えてしまった。

 

彼女がサガに駆け寄ろうとしたその時、

 

「何をしているセバス。娘を連れて来いと言ったはずだが」

 

1人の男のエルフがやってきた。その男は、少女と同じ色の髪をし、男のサガが見ても美しいと思える男だった。なにより、醸し出す雰囲気が先程サガが破った男より強いことがわかる。そしてその男はサガが倒した老齢のエルフに問いかけ人睨みする。

 

「いやぁ、申し訳ございません旦那様。この若造思ったよりやる男でしたゆえ、年甲斐もなく楽しんでしまいました。」

 

老齢のエルフ、セバスはなんでもないように立ち上がる。サガはセバスの回復力の高さに驚愕するが、戦闘に巻き込まないためにすぐに子供たちを下げ、男とエルフの少女の間に立つ。

 

「貴様はリンドを破ったヒューマンか。何故俺と娘の間に立つ?」

 

「彼女の希望(のぞみ)を聞いてもらえないだろうか?」

 

「希望(のぞみ)?必要ないな。その子はハイエルフとしての血を紡がなければならない。ほかのことは不要だ。」

 

少女は、現実を再確認して絶望した。自分はやはり籠の中の鳥であり、自由は望んではいけないものだと。

 

「そうですか、」

 

そして、先程格上を破ったサガでも自分の父は倒せないとわかり下がる姿勢にも現実を押し付けられた気がした。

 

 

そうだ、分かっていた事じゃないか。結局、私は一時でもいいから都合のいい夢を見たかったんだ。

 

少女が辛い現実に押しつぶされそうになると、

 

「ハイエルフの長よ、俺は試練を乗り越えよう。」

 

サガは語りかけると同時に、周りのものがわかるくらい先程のセバスとの戦闘の時を凌駕する。闘気を晒し出す。

 

「ほぉ」

 

「なんと!」

 

「うそ、」

 

ハイエルフの男とセバスあとは少女が、サガの異変にいち早く気づいた。エルフは魔法に長けた一族というのもあり、魔力の流れを敏感に感じ取る。先程のセバスとの戦いでほとんど魔力を使い果たしたはずのサガの魔力が最初以上になっているのである。

 

サガが他者からもわかるほどの戦闘意欲を持って構えると、

 

「満身創痍の貴様とやり合っても価値はない、だが、試練を望むなら与えよう。それを乗り越えたら娘の希望ぐらい聞いてやる。リンドの魔法を止めたあの技で耐えてみよ、ヒューマン」

 

ハイエルフの男は右手を出し魔法を詠唱する。

 

「間もなく、焔は放たれる。忍び寄る戦火、免れえぬ破滅。開戦の角笛は高らかに鳴り響き、暴虐なる争乱が全てを包み込む。至れ、紅蓮の炎、無慈悲な猛火。汝は業火の化身なり。ことごとくを一掃し、大いなる騒乱に幕引きを。焼き尽くせ、スルトの剣--我が名はアールヴ、、、」

 

サガは男が詠唱を唱えた瞬間一気に少宇宙《コスモ》を高めた。通常魔法は詠唱が長いほど魔法の威力が高い。なら、この長さの魔法は危険である。下手をしたら子供たちにまで被害が出かねない。それなら、自分の力から、すべて絞り出すしかない。

 

「《レア・ラーヴァティン》」

 

「《クリスタル・ウォール》!!!」

 

サガの目の前に広がったのは真紅の地獄であった。何もかもを焼き尽くす。灼熱の地獄。生命の立つ場所など許されることのない紅蓮の地獄。だが、サガの《クリスタル・ウォール》は未だ砕けず耐えている。だが、それも時間の問題である。炎の出力が時間が経つにつれ徐々に確実に上がっている。サガの《クリスタル・ウォール》に込める力が上がる度それを嘲笑うかのようにその上を行く火力で襲いかかってくる。

 

 

--遊んでいるのか?いや、違うな彼は試しているんだならば超えなければならない。

 

サガは、より強固な壁を作り上げる。だが、炎の暴力は優しくはなかった。今までのが児戯に感じるほど炎の威力が爆発的に上がる。サガの作り上げた壁に綻びが出来出す。壁のかけた場所から熱気が入り込む。それだけでサガの肉体を焼いていく。

 

少女はもう耐えれなかった。自分のせいで傷ついていくサガを見るのは耐えれなかった。だが、少女は考える。自分に出来ることを。すぐに声をかけることしかできないと気づいた。では、なんと声をかける?がんばれ!違う。やめて!違う。彼の顔を見る。必死の形相で父の魔法を止めてる彼は何故そんな事をしているのか。彼とはあってまだ、数刻だが、すぐにわかった。自分がしたいからである。自分の思ったとおりに行動しているからである。なら、言うことは決まっている。

 

「勝って!!」

 

少女はサガの後ろ姿しか見えないはずなのに確かに見えた気がした。サガが微笑んだのを。

 

 

「ウォォォォォ!!!!」

 

少女の言葉に呼応するようにサガは雄叫びをあげる。

サガは魔法の熱により、もはや痛覚が麻痺していた。凄まじい炎の光に視覚も機能していなかった。《クリスタル・ウォール》に衝突する大火の衝突音、威力が上がる度に轟く爆発音、壁をとかそうとする焼却音、それらでサガの耳は役割を果たせずにいた。空気を吸う度にに凶悪な熱風で、鼻、喉、舌が焼かれていた。

サガの感覚は、すべて死んでいた。たが、少女の願いの声が聞こえた気がした。いや、確実に聞こえた。サガ本人は気付いていないが、これは《セブンセンシズ》に目覚めたことを意味していた。

 

彼女が自分の欲を言ったんだ。なら、男なら、あの人の息子ならやらなければいけない。

 

 

輝きとともに、炎が消える。

 

周囲の人間は何が起こったか分からなかった。だが、セバスとハイエルフの男は理解していた。サガの《クリスタル・ウォール》が一瞬とはいえ、確実にハイエルフの魔法を凌駕したのである。しかし、その代償によってサガは肉体は損傷していない場所を見つけのは困難な状況であり、魔力も枯渇しており、精神もズタボロであった。

少女はボロボロの少年を抱き抱える。

 

「無茶をして!!」

 

「大丈夫、問題は無いさ」

 

少女はサガを心配し、サガはかれた声で答える。

 

「約束は約束だ。」

 

そういって、ハイエルフの男は少女をみる。

 

「お前の希望(のぞみ)をいえ」

 

「父様、私は、、、」

 

少女は願いを拒絶されることを恐れて、口が回らない。すると、自分の手が握られていることに気付く。ボロボロのサガが、彼女の手を握り真っ直ぐに見つめる。

 

--この男が私のためにここまでしてくれたんだ。言わねばな

 

「自由になりたい!この街で、この男の側で冒険者になりたい!」

 

少女は、真っ直ぐ父であるハイエルフの目を見て答える。しばらく沈黙が流れると、ハイエルフの男は背を向ける。

 

--だめだったか、しかし、悔いは無い。

 

少女が諦めそうになったその時、

 

「3年だ。3年で結果がなければ連れ戻す。結果があったならば勝手にするが良い。」

 

そういって、ハイエルフの男は去ろうとする。

 

「待ってくれ!あなたの名を教えてくれ。」

 

「ハイン・エンペル・アルーブだ。」

 

「俺の名はロキズ・サガ!いつかあなたが認めるレベルまで行こう!」

 

ハイエルフの男性は何を言わずに去っていく。

 

「心躍る闘いをしてくれたんだ礼じゃ。飲むが良い。」

 

セバスはサガに小瓶を渡し、倒れている四人のエルフを起こし、ハイエルフについていく。

 

「早く飲め!」

 

少女はサガの口に小瓶を押し付ける。

 

すると、サガの肉体はみるみる傷が塞がっていく。それだけでなく、枯渇していた魔力までも回復している。

 

「もう、大丈夫か?」

 

少女が心配そうに聞く。

 

「あぁ」

 

サガは笑顔で答えると少女の頭を撫で子供たちのところに行く。

 

「怖い思いをさしてしまったな。」

 

そう言って子供たちを抱きしめる。子供たちは最初は何が起きたか分かっていなかったが、サガの抱擁により、サガにしがみつき泣き出してしまった。

 

 

 

サガは子供たちをあやして、家まで送り届ける。その間だ、少女もずっと横についていた。

全ての子供たちを家に返し、サガは少女に向き直る。

 

「やり直しになってしまうが。俺の名はロキズ・サガ。1人しかいないファミリアの団長だ。冒険者を募集しているんだがどうだろうか?」

 

サガは右手を差し出して少女に問う。

 

「私の名前はリヴェリア・リヨス・アールヴ。喜んであなたのファミリアに入ろう。」

 

そういって、リヴェリアはサガの右手をとり握手する。そして、少女は気づく自分が抱えていた謎の感情は、サガといると胸が高鳴るこの感情は恋慕であると。

そして2人はホームに向かう。

 

 

 

 

 

2人がホームの前に立っている。もう時は既に夕刻である。すると、リヴェリアがソワソワしだす。

 

「どうしたんだ?」

 

「いや、少し緊張をしているだけだ。お前ほどの男を育てた女神なら無礼があってはいけない。」

 

そういって、リヴェリアは急ごしらえの身支度をしている。

 

「そのなんだ、たしかに母さんのことを俺は尊敬しているが、あまり期待しない方がいいぞ」

 

「?」

 

サガは苦笑いで答える。リヴェリアはなんのことかわかっておらず首を傾げる。そして、サガが扉を開くと、

 

「おーーーかーーーえーーーりーー!!!」

 

一人の女性がサガにロケットもびっくりの推進力で抱きつく。だがサガはなんでもないように受け止めいう。

 

「ただいま。母さん。」

 

「どこまで、いっとたんや!ミアハのとこに行って帰るには時間かかりすぎやろ!」

 

「色々あったのさ。それより紹介するよ、こちらは、」

 

サガが続きの言葉を続けながら左手でリヴェリアを指すのと同時に、ロキもリヴェリアをみて叫ぶ。

 

「今夜はお赤飯や!!!!!」

 

 

「「?」」

 

サガとリヴェリアは不思議に首を傾げる。ロキが言った言葉は、東洋の風習であるため、リヴェリアが知らないのも仕方ない。サガは書物で読んでいるため知っているが、ロキがなぜ叫んだのかを理解出来ていないのである。

 

「わ、私は!リヴェリア・リヨス・アールヴです!今日からお世話になります。」

 

「おう!よろしくな、リヴェリア!」

 

リヴェリアは丁寧に挨拶し、ロキは笑顔で答える。すると、

 

「僕も自己紹介いいだろうか?」

 

「わしもじゃ!」

 

ロキの後ろから、昼間サガと戦った、パルムの青年とドワーフの青年が顔を出す。

 

「僕の名前はフィン・ディムナ!僕もこのファミリアに入れてくれ!」

 

「儂の名前はガレス・ランドロック!儂もこのファミリア所望だ!」

 

2人は己を強く主張するように声を出して自己紹介をする。

 

「ロキ・ファミリア団長のロキズ・サガだ。二人共よろしく頼む。」

 

サガは2人に握手をする。

 

「そうえば、立派な建物だか名前はあるのか?」

 

リヴェリアが着いてからの疑問を口にする。

 

「そーえば、きめてへんかったなー。サガなんかある?」

 

「ふむ。そうだな。初めて他の人たちが来てファミリアになったんだ。今の時の名を頂いて『黄昏の館』でどうだろうか?」

 

「ええ名前やんけ!そうしよか!さ、新しい家族もできたし、ごはんにしよーや!」

 

ロキが部屋に行くのにほかの面々もついていく。

 

こうしてロキファミリアの創世の四人が揃いスタートを切った。




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