俺達はイッセー先輩の熱意で教会に乗り込み、アーシアさんを連れ戻しに階段を降りている
そして階段を降りた先には開けた空間があり、その奥に1箇所山のようになっている場所があり、そこの頂点に十字架に縛り付けられているアーシアさんの姿があった!
そしてその横にはレイナーレの姿があった。
レイナーレはアーシアさんをどうするのかは大体察しがつく!
「アーシア!アーシアぁぁぁ!!!」
イッセー先輩がアーシアさんに向かって叫ぶとアーシアさんは我を取り戻したかの様にイッセー先輩の事を見つめる
「イッセーさん…信じてました…!」
弱々しくも発言したアーシアさんの頬を一筋、また一筋と涙が伝っていく
「アーシア…待ってろ!今助ける!!」
イッセー先輩がアーシアさんの方に向かおうとすると大量の神父が壁のように立ち塞がる
「あっははははは!助ける?この魔女を?アナタ、馬鹿じゃないの?もうこの子は助からないの。分かる?」
レイナーレはそう言うとアーシアの心臓があるであろう部分に向かって手を広げる。するとアーシアからライトグリーンのような光が発光し始める
「あ、ああああっ!!あぁあああぁああっっ!!!!」
そしてアーシアさんから悲痛に耐えるような叫びがこの地下に響き渡る!
くそ!考えたくなかった結論がこうも現実になるとはな!!
「レイナーレ!お前の目的はアーシアさんの神器か!!今すぐ戻せ!!」
「っはははは!今更戻すわけないでしょう?この計画のために上層部を騙しに騙したのよ?」
・・・なんだよそれ…自分の目的の為ならこんな女の子を犠牲にしてもいいって言うのかよ
イッセー先輩はレイナーレに向かって怒鳴り始め、木場先輩と子猫さんは神父たちと退治し始めた。
だが俺はこの場から動くことが出来ずにいた。
いや、今動いたら止まらないと分かっているから動かなかった
まったく…なんで赤の他人であるアーシアさんの為にこんなに感情が現れるんだろうな俺は…!
「・・・・・イッセー先輩。木場先輩。子猫さん…アンタらはアーシアさんの事を救出してこの場からすぐに離れてくれ。俺は神父共を片付ける」
「っ!?危険だ安童君!こんな大人数に1人で立ち向かうなんて無謀な「うるせえ!!早く行け!!」…っ安童君・・・・・?」
「木場先輩…気持ちはありがたく受け取ります。ですが俺はもう・・・・・耐えられないんです。だからこそ…彼女をお願いします」
俺は木場先輩にそう言い、神父たちの目の前に行く。そして意識せずに神器が展開され、俺の身体中に不気味なほど青白い稲妻が迸り始め、その稲妻は収まることなく逆に電圧を高めるように音が大きくなっていく!
そして一瞬激しく輝きを放つ神器!
【Over Charge Start!!!!!】
その言葉が神器から発せられた瞬間、輝きは収まっていき、俺の身体に青白い稲妻がゆっくりと迸ってるのがわかった。
そして髪の毛がいつもの黒髪から激しく輝く銀髪へと変貌していた
「なるほど・・・・そうか。これが神器は宿主の思いに反映し繁華するって事か…行こうか・・・俺の更なる高みへと!」
【Creative!!!! Hi Voltage!!!!!!】
俺が歩を進める度に足元に稲妻が迸り、近くにいた神父に感電し、高電圧の攻撃を放っている
そしてそのまま右手を上に向けると手の上に魔法陣が展開され、中から3メートルはありそうな大剣が出現する!
そして掴んだ刹那、その刀身が青白い稲妻を放ち始め、稲妻が更に大きく迸り始める!
「安童さん…その姿は一体…」
「話はあとだ。子猫さん。今は3人で目的を果たしてくれ。レイナーレとアーシアさんは任せたぞ!イッセー先輩!木場先輩!」
「おう!任せろ!」
「分かったよ安童君!」
俺のことを信じてくれてるのか、二人に続いて子猫さんも悪魔の翼を羽ばたかせて神父達の頭上を飛んでいき、一気にレイナーレの目の前に行ってくれた
ありがとうよ…3人とも!
さてと、あんなにカッコつけて3人を行かせたんだ。俺もやるべき事を片付けるとするか
「さてと…あんたらは…はぐれ神父だな?」
「っ…殺せ!相手は一人だ!数で押せ!」
ひとりの神父の声で神父たちは俺に向かって襲いかかってきた
だけどそれじゃあ…
「そんなんじゃ俺に傷の一つも付けられやしないよ!!」
俺は神父たちの攻撃を必要最低限の動きで回避していく。時に顔を少し横にずらしたりしていた
そして一瞬の攻撃の隙を見つけ、すぐさま凄まじい速さでその場から後方に下がる。そして手に持っていた大剣を構える!
「加減出来ねえから…死にたくなければ逃げなっ!!」
低い声でそう唱えると大剣を纏っていた稲妻が刀身の形になり、元の大剣を包み込むように大きくなっていく────
「だぁぁぁぁらぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
──── 一気に振り下ろす!!
凄まじい音を立て、部屋を大きく揺らしながら放った俺の一撃は神父たちのだけではなく、レイナーレやイッセー先輩たちの方にまで響き渡ってしまった!!
あ、これやばいやつだ!!
「イッセー先輩!木場先輩!子猫さん!無事ですか?!」
急いでイッセー先輩達がいるであろう場所まで走る。
だがそこには漆黒の羽根が舞ってるのみでイッセー先輩たちの姿がない・・・・・まさか巻き込んじまったか…?!
俺は急いでアーシアさんが囚われていた場所に向かうがそこにはもう何もなく、殺風景な光景が広がっているだけだった。そして俺は持っていた大剣を地面に突き刺し、上を見上げた。
「…穴?」
そこには人が通れそうなくらいの穴が開いていたのだ
たしか俺達が入ってきた時にはあんな穴は存在してなかったはずだ。だとするなら・・・
「おーい安童ー!!無事かー??」
その穴の先から兵藤先輩が顔をひょっこり出してきたのだ!
あれはイッセー先輩達が開けた穴か!
「ギリギリだったね。安童君お疲れ様」
「…加減を考えてください」
そして木場先輩と子猫さんも同じように顔を出してきた。よかった…3人とも無事だな
「いや、すんません…初めて使ったものですから・・・・」
俺は階段からそちらに向かうと伝え、入ってきた時に降りてきた階段を登る────
「…っ?!」
刹那。突然俺の身体に異変が発生した。
凄まじい、頭痛だった。
ただの頭痛ではない。頭が破裂してしまいそうな、引き裂かれるような痛みだ…!
《やっと私の力を使ったわね!!早く私の所に来なさい!!このバカユウマ!!!》
頭痛に耐える中、そんな少女の声が俺の頭の中に響き渡った・・・・なんだ今のは…?
この声を俺は知らない…だが────
────俺は彼女を知っている…!
その声が聞こえなくなると次第に頭痛も和らいでいった。そして完全に痛みがなくなる頃にまた止めていた足を動かして階段を上がり始めた
「おーい!安童ー!大丈夫かー??」
途中からイッセー先輩が俺の元に駆けつけてくれた
「…お前、安童・・・なのか?」
そうだ…今は髪の毛が銀髪に変わってるんだっけか。
いつも黒髪だからな。疑問に思っても仕方ない
「そうですよ…先輩。俺は安童です。この通り、ボロボロですけど生きてますよ」
「そうか…無事ならいいさ。さ、行こうぜ。木場達が待ってる」
イッセー先輩が俺の身体を支えてくれたおかげでなんとか階段を登り終えることが出来た。そして登り終える頃には髪も元に戻っていた。
そして長椅子の一角に横に寝かされているアーシアさん、その周りを木場先輩、子猫さん、姫島先輩、リアス先輩が囲んでいた
「あら、安童君も帰ってきたわね」
「お疲れ様ですわ…うふふ」
「あ、どうもっす…すみません…堕天使を跡形もなくかき消してしまって…」
「それは心配ないわ。どちらにせよあの堕天使…レイナーレは消し飛ばすつもりだったから。それよりも今はこの子のことよ」
リアスさんの視線は再びアーシアさんに向けられた。そうか…アーシアさんは神器をレイナーレに奪われたからもう・・・・
その時、リアスさんがアーシアさんに近づくと右手をアーシアさんに向かって開いた。そしてその中から淡い緑色の光を放つものがあった。
あれは・・・・・アーシアさんの神器…!
「安童があのすげえ技をぶっぱなした後、レイナーレがいた所からあれが出てきたんだ。そしたらアーシアのところに留まってさ。消えなかったんだよ」
「…神器がアーシアさんを認めている、という事ですか」
「神器と相性が良く、どんな存在も癒す…それが彼女。イッセー。貴方は彼女と一緒にいたい?」
「っ!もちろんっす!友達ですから!」
イッセー先輩の答えにリアスさんは微笑むと、ポケットから『僧侶』の駒を取り出した
「彼女の回復能力はこれからの私に欠かせないと思うの」
「それはつまり…悪魔に転生させる、という事か?」
「えぇ。シスターを悪魔になんて誰もしたことがないでしょう?」
たしかにそんな経験はあまりないはずだ・・・
・・・・・一部は除くがな。
リアスさんはアーシアさんの胸元に神器と『僧侶』の駒を一つ置くと、イッセー先輩を転生させた時と同様の呪文を唱えはじめる
暫くすると神器と駒がアーシアさんの中に入っていき、次第に光は収まっていった。
どうやら成功したみたいだ
「これでひとまず大丈夫ね。イッセー。きちんと面倒見るのよ?」
「っ!はい!!ありがとうございます!部長!」
これでアーシアさんも救えたってことか。めでたしめでたし、ってところか。
「んじゃ、私はそろそろ行きますよ。お疲れ様でした」
「あら、安童君もう行くの?このあとアーシアの歓迎会をしようと思ってるのだけれど」
「まぁ、家にクロを置いてきてしまってるので流石に帰らないと…」
「あらあら、でしたらクロちゃんも一緒に来ては如何ですか?」
んー、黒歌がどう反応するかだよなぁ。ちょいと問題があると思うし…
ま、聞いてみるか
「まぁ行けたら行きますよ。ひとまずお先に帰ります」
「ええ。分かったわ。また後で」
俺はそのまま真夜中の駒王町を飛びながら駆け巡り、家に帰った
・・・・・のはいいんだが。
「・・・・・・・・・・これはやばい」
自宅の扉の前には来たんだが、何やら不気味なオーラがむんむんと感じ取れる。間違いない。これは
「…ただい「遊魔!!!!」はいぃ!!!」
やっぱり…黒歌だった。しかもすごい怒ってるよ!
そりゃもう背後に黒いオーラが出るほどだよ!
よっぽどじゃん!!!
「遊魔…なんで私が怒ってるか…分かる?」
「え、えー…なんでかなぁ…わからないなー」
「…なんで私も連れていかなかったのかしら…?」
あ、やっぱりそうなりますよなぁ…
「いや、ぐっすり寝てたし…起こすのも悪いかな…って。すまん」
「ったく…何のための契約なのよ。ご主人のいるところに私あり。次からはちゃんと連れてってほしいにゃん」
どうやら本当に怒ってる訳ではなく、少し寂しかっただけみたいだな。これは悪いことしちまったな
「すまなかったな黒歌。このあと学校に行くんだが、お前も来るか?」
「んー・・・流石にまたお留守番は寂しいから猫の姿で行くにゃ」
そう言うと黒歌は変身して黒猫になり、俺の方に乗っかってきた。よし。行けるな
「まぁなんで行くかは向かいながら説明するさ」
『そうしてもらうとありがたいにゃ。ご主人が私をひとりにしてる時に何をしてたのか気になってるにゃ』
ひとまず今回の堕天使の件を大雑把に説明し、リアスさんの眷属が増えたことを教えた。
『なるほどにゃ。あの時男を殺した堕天使の女が独断でそんな計画を…ただの馬鹿だにゃ』
「っはは!ごもっともだよ。すごく馬鹿馬鹿しがった。だけれどな、女の子を救出しに行った時、俺の中の何かが動いたような気がするんだ。こう、眠っていた力が目覚めたような感じ」
『ふぅん…ますます遊魔が不思議に思えてくるにゃ…いっそのこと自分のことを知りに行く旅に行ってみるかにゃ??』
確かにそれもありだな。よし。今夜のパーティーがおわったら行ってみよう。オーディン様は北欧の神だから…ヨーロッパのどこに行けばいいのだろうか…行けばわかるかな?
そして観光もついでに行こう。一度行ってみたいと思ってたしな!
「まぁ、そうだな。旅行もついでだ。行こうか」
『それはデートって事でいいのかにゃ?』
「ん?まぁ、そうなるかな?念の為服とか買っといて正解だったな。明日の朝出ようか」
『楽しみにゃん』
まぁ学校のことは問題ないだろ。一生行くわけでもないだろうしな
こうして黒歌とオーディン様に会いにいく事が決まって少し経った頃、目的地の駒王学園に到着した。そしてそのままオカルト研究部の扉の前に到着する。中から賑やかな声が聞こえてくることから、既に始まってるのかもな
俺はノックをし、そのまま部室の中に入る。中には飲み物が入ったコップを持つみんなの姿。そしてそこには悪魔に転生したアーシアさんの姿もあった。
「あ、あなたはたしか…協会の外でお会いした…」
「安童です。そしてこいつは相棒のクロ。貴方の名前はそちらの兵藤先輩から聞いてますよ。アーシア・アルジェントさん」
「あ、あの!私のことを助けていただき、ありがとうございます!!」
アーシアさんはそのまま深々とお辞儀をする
「いえいえ。私は何もしていませんよ。貴方を助けたのはそちらの皆さんです」
「いや!安童も本当に凄かったぞ!あの神父共を1発で倒しちまうんだからな!もっと自信を持てって!」
『確かにお前の力は相当なものだ。威力だけなら悪魔界でかなり上の方に行けるんじゃないのか?』
イッセー先輩の左腕の篭手からドライグさんも俺のことを賞賛してくれた
「僕は悪魔ではないんですがね。それでも二天龍の一角に賞賛されるのは嬉しいですね。ありがとうございます。それにそちらも今はかなり大人しくしているではありませんか?」
『今は別のことに興味が湧いてる。暫くはな』
ドライグの興味…恐らくイッセー先輩の事だろうな。
イッセー先輩はもうドライグと何回か会話をしていてお互いを相棒だと思ってるみたいだ
「まぁその話は乾杯が終わってからにしましょう?ほら安堂君もジュースを持って」
リアスさんからオレンジジュースが入ったコップを渡され、そのまま受け取る
「さて、それじゃあ…晴れて私の眷属の一員になったアーシアからなにか一言もらおうかしら?」
「ふぇ?!あ、えと、その…こ、これからよろしくお願いします!」
アーシアさんの挨拶の後、乾杯の音頭が取られ、旧校舎の一部屋から明かりが消えることは無いまま、楽しい時間を過ごしていく
────こうしてパーティーは無事に終わり、彼女『アーシア・アルジェント』さんは悪魔へと転生し、リアスさんの眷属【僧侶】として人生を歩むこととなった。パーティーの最中はずっと笑顔が絶えない女の子だった。
そして楽しい時間は過ぎるのが早く、パーティーもお開きになろうとしていた。俺はこのパーティーで今の悪魔界の現状を色々と聞いていた。聞けば今の魔王は称号のようなものだとか、チェスに見立てたゲームがあるだとか、他の種族との関係だとか。ほぼ知ってる内容が聞かされたがそんなことも言えるわけもなくただ聞いていた。
黒歌は子猫ちゃんの膝に乗って心地よさそうな声を出していた。
まぁあの二人の関係も知ってるから何も言わなかった。
「さて、そろそろ僕は上がりますよ。クロ。おいで」
おれが黒歌にそう言うと黒歌は一鳴きして俺の肩に乗っかって来た
「あら、もう帰るの?」
「えぇ。明日からしばらくの間この国から出なくては行けなくて」
「・・・一応どこに行くか聞いてもいいかしら?理事長や先生達の記憶を操作しなければいけないから」
「…なんか凄いこと聞いたのですけど…北欧ってところ。俺をこの世界に転生させた張本人に会いにね」
「成程ね・・・自分自身の真実を聞きに行くってことね。分かったわ。だけど期間を与えるわ・・・・1ヶ月。それ以上は保証出来ないわ。1ヶ月したら帰ってきてちょうだい。学生なのだから」
「いや、俺はここに来る気はなかったんだが…まぁ分かったよ。感謝する」
「そういえば、貴方を転生させた張本人って一体誰なの?」
リアスさんがふとそんな事を聞いてきた。
そして俺は扉を開いて後ろに振り向き────
「オーディン」
とだけ発し、扉を閉め、その場から離れる。
すると部室の中から
『えぇえぇええぇえええっ?!!』
という驚きの声が聞こえてきた。俺知〜らね〜
「よし。クロ。一カ月しかないけれど楽しい旅をしようぜ」
『ご主人と二人っきりのデートのお誘いかにゃ?』
まぁたしかにそうだな。てかそれさっき同じ感じのこと言ってたよな
この1ヶ月。何か楽しいことが起きる予感がするぜ!
other side
「ふむ・・・やはりあの者はこちらに顔を出すか・・・」
「だがそれも予想の範囲内・・・でしょう?」
「まぁの。それにお主が儂に頼み事をするのも珍しいからの。これから楽しいことが彼を待ち構えるだろう」
「だけれどあの子は・・・ユウマは本当の自分を知らないから…知ってしまったら元には戻れないもの」
「ほっほっほ…もう既に戻れぬよ。この世界に来てしまってはの・・・ほれ。お主もやるべき事があるであろう?遣いの者は出しておくからやるべき事をやるのじゃ」
「そうね…ありがとう。オーディン」
「なに、礼を言うのはこちらじゃよ。
わし達『神』という存在を生んでくれたのじゃからな」
「ふふ・・・ユウマ。私はついに貴方と・・・・・たっくさんプレゼントもあるのよ・・・?っふふふふ・・・・」
これにてディアボロス編、完結となります。
随分と間が空いてしまいましたが私は元気です。ただスランプがかなり長く続いてます。
それでもちゃんと執筆はしてますよ。
そして次はライザーとの勝負なのですが、オリジナル要素が含まれるため少々時系列を弄ります。
そして安童自身のことも触れていくのでおそらく長くなるのではないかと思いますがのんびり頑張ります
それではまたお会いしましょう。