そんなことは置いておいて本編どうぞっ!
「・・・・・堕天使に襲われたっていうのに良く無傷でいられたわね安童君・・・」
俺が堕天使に襲われた翌日の放課後。俺はリアスさんのいるオカルト研究部に来ていた。その理由は昨夜の堕天使に関して念のため言っておく必要があると思ったからだ。確か管轄内だとか言ってた気がするからな
部室には兵藤の姿もあり、今は子猫ちゃんと共にお菓子を食べていた。緊張感がないのか単なる馬鹿なのか・・・
「まぁ・・・神器使って立ち向かったからな。使ってなかったら死んでただろうけど」
「まぁそれは置いておくわ。それにしても堕天使の計画がなんなのか気になるわね・・・」
「なんか魔女がどうこうって言ってた気がするから十中八九なんか良からぬことなんだとは思う」
「なるほどね・・・連絡をありがとう安童君」
「あぁ。んじゃあ俺は平和に暮らすとしますよ」
「あ、ちょっと待ってくれるかしら?」
俺はそう言い残し、部室を出ようとするが、後ろからリアスさんに止められてしまった。
まだなんか聞きたいこととかあるのかな?堕天使の件で俺の知ってることは全部教えたんだけれども。
「私たち、これから仕事があるんだけれど、よければ同行してくれないかしら?」
「仕事?悪魔の仕事になんで俺が?」
「単なる私の興味よ。あなたの実力を見たい・・・ってね」
リアスさんは笑顔でそう言ってきた
頼むから帰らせてくれよぉ・・・
「・・・断る選択肢は?」
「・・・ふふっ」
リアス先輩は不敵な笑みを浮かべながら右手に禍々しい魔力を凝縮していってる。あれっていわゆる脅し、もしくは脅迫ですよね?私に選択肢はないですかー!!
・・・・・・・・・――――――
「・・・で、この寂れた倉庫にいんの?その『はぐれ悪魔』って呼ばれるやつが」
「依頼のとおりならね。稀に移動し続けてる者もいるわ」
現在俺はリアスさんに悪魔の仕事を(無理やり)見せて貰うところだ。リアスさんの仕事の中に自分の管轄内に侵入している『はぐれ悪魔』の討伐があるらしい。
『はぐれ悪魔』っていうのは元々眷属悪魔なのだが、主を殺したりしてしまい、主を失った悪魔のことを総称した名前らしい
救いの手は討伐のみらしく、救いはないらしい。今回もその一例らしい
そして俺がここにいる理由は先ほどリアスさんに俺の力を見せてくれとのお願い(脅迫)があった為。この前見せただろうに・・・・・・
「・・・いますね」
ふとリアスさんの『女王』姫島朱乃さんがそんなことを呟いていた。俺もなんとなくわかってはいたが、この中に何かがいる。何かが混ざってるような、思わず吐き気が出てくるような気配が。恐らくこれが『はぐれ悪魔』なのだろう
「扉を開けます」
木場さんが先導して倉庫の扉を開ける。中はとても暗く、月明かりが入口付近を照らしていた。乱雑に散っている雑芥類がこの中で何があったのかを物語っている。
そして木場さんは入口付近に設置されている照明スイッチを起動させ、倉庫内を明るく照らす。
すると奥の方に人影があった。少し遠目だから見ずらいが、おそらく170センチ位ははあるだろう。
そしてその人影はゆっくりとこっちに向かってくる。
歩いてるとは思えないズリズリという音を出しながら
「はぐれ悪魔のバイサーね?私はリアス・グレモリー。依頼通りの姿ね・・・」
するとバイサーと呼ばれたはぐれ悪魔はこちらを目を向けてきた。この瞳は恐ろしい程開いており、瞬きをしている仕草すら見えない程の不気味さだった
「オマエ・・・グレモリーの者か・・・」
少しカタコトな話し方ではあるがバイサーと呼ばれたはぐれ悪魔は会話をし始めた。まだ意識は残っているようだな
「そうよ。依頼があったの。貴方を滅せよ、とね」
「オモシロイ・・・我を滅してみせよ・・・ッ!!!!」
ボゴっボゴっとバイサーの身体が突如膨らみ始め、腕、脚、胴体、その他全てが人の姿からかけ離れた姿へと変貌させていく。
暫く経つとバイサーの身体は上半身が人間、胴体が蜘蛛の様な姿に変貌していた。その大きさは5m程あるだろうかと思えるほどだ。デカイ・・・
「さぁ、安童君。あなたの力、見せてちょうだい!」
「え、うそ!?まじでソロ?!」
「当然よ。あなたの力が見たいんだもの?」
「楽しそうに最後を疑問形で答えないで欲しかったな?!!アァもうヤケだこの野郎!!バイサーとかいうやつ!!俺が相手だ!かかってきやがれ!!!」
『charge!!!!』
神器を展開し、半分涙目になりながらもリアスさんたちの前に立つ俺。本当に一人で戦うのかよぉ・・・
「オモシロイ・・・嬲り殺してヤロウ!!」
バイサーはその巨体とは思えないほどの俊敏な動きでこちらに迫ってくる!
そしてそのままの勢いで両手を広げ、俺を捕獲しようとしてくる
「遅えぞ!!」
稲妻を纏った俺にとってはすごくスローで動いているように感じるから避けることなんて動作もないんだよ!!
「ナニ!?こしゃくな・・・!!!」
物理では無理だと感じたのか、バイサーは自分の顔の目の前に小さな魔力玉を生成し始めた
「まずいわ!!あんなに魔力が凝縮された玉を放たれたら一溜りもない!安童君!その魔力玉をやつが放つ前に壊して!!」
リアスさんから指示が出されてしまった。あれってあんなにやばいもんかよ!!
『Full charge!!!』
よし!充電完了!!これで一気に畳み掛けてやる!!
「まずはその危なっかしい魔力弾からだ!!雷神剣!!」
『Thunder Blade Full charge!!!!』
前回は槍をイメージしたが今回は剣だ!
剣は剣でも雷を宿ってる剣を造る!!
しかもフルチャージ分の力全部プラスだ!!
「よっしゃ!!くらえええ!!」
俺は剣を大きく振りかぶり、バイサー目掛けて大きく縦に振り下ろす。振りかぶった時の衝撃により少し地面が割れるが、その割れた所から凄まじい速さでバイサーに高電圧の雷が襲いかかる!
「グゲゲゲ?!!!オアガァアァア!!!」
凄まじい程の悲鳴を叫びながらバイサーの体を雷が襲う。雷が収まり、バイサーを見ると、先程までの巨体は無く、腕等の体の一部がその場に無残に残っているだけだった
「・・・やり過ぎた」
・・・・・・・・・―――
―――・・・・・・
【side:木場祐斗】
僕は今目の前で起こったことに唖然としていた。
僕らの学校の後輩にあたる安童君が目の前ではぐれ悪魔のバイサーに無傷で圧倒しているからだ。彼は一体何者なのだろうか・・・少なくともただの人間では済まされない何かがある。僕はそう感じていた
「ああ・・・姿が若干消滅しちゃってる・・・加減むず・・・」
安童君は溜め息を吐きながらそんなことを呟いたのが聞こえた。あれが安童君の力か・・・恐ろしい程に強い・・・そしてあの剣・・・僕の『魔剣創造』で生成出来るものとは何かかけ離れた力を感じていた。
安童君・・・君は一体本当に何者なんだい?
ただ身体に稲妻を纏って身体能力を底上げするだけじゃない、それとは全く別の何かが君の中に宿ってるのかい?
僕には彼の底が見えそうにはない・・・
【side out:木場祐斗】
・・・・・・・・・―――
―――・・・・・・・・・
無事にバイサーを倒した俺は神器をしまい、リアスさん達のところに戻った
「すみませんリアスさん・・・少ししかバイサーの原形を留められなくて・・・」
「それについては問題ないわ。別に回収をするわけじゃないから」
リアスさんは微笑んでそう言ってくれた。その後ろでは木場さんと兵藤さんが俺の事をじっと見ていた
「あの、木場さん、兵藤さん?俺の顔に何かついてますか?」
「い、いや、違うんだ。なんというか、強いなーって・・・」
兵藤さんは少し視線を逸らしながらそう言ってきた
「俺が強いんじゃないんですよ。あいつの行動が単純で、それを読むのが楽だっただけですから」
「すげぇ・・・俺には出来そうにないよそんなの!!」
すごく目を輝かせてるよ兵藤さん・・・
別にバイサーは強くはなかったんだけれどなぁ。
兵藤さんの後ろにいる木場さんは何やらすごく真剣な眼差しを向けてきていた
「安童君、あの剣は一体・・・」
「あぁ、雷神剣の事ですか?実は俺も詳しくはわからないんですよ」
「分からない?自分の神器なのに?」
「そうなんすけど・・・未だに俺の神器には不明なところが多くてですね・・・」
俺の神器には不明なところがある。昨日の槍だってそうだ。何故作れるのか、俺自身も分からない。だが作れるという気持ちが確かにあったんだ
「へぇ・・・君とは手合わせをしてみたいものだよ」
「木場さん・・・よしてくださいよ。俺は木場さんには及ばないと思いますよ?」
俺がそう言うと、リアスさんが微笑んだまま俺を見る
「なら安童君。これから私の眷属達と手合わせしてみない?転生したてのイッセーにも駒の役割を実際に見てもらった方が分かりやすいしいいと思うの。良ければでいいのよ?」
突然のリアスさんの提案にみんな驚いているが、その旨が分かったのか、みんな頷いていた
これは俺にとってもチャンスかもしれない。さっきの違和感が何がわかるかもしれないしな
「別に構いませんよ。俺ももっと自分の神器のことが知りたいですし、何か掴めるかも知れませんし」
「なら、決まりね。イッセー。これを機に色々と教えてあげるわ」
「は、はい!」
リアスさんはそういうと、地面に魔法陣を展開する。学校に戻る転移魔法らしい。
だが俺は無理だとのこと。この魔法陣リアスさん、そしてその眷属のみが使えるらしい
「ごめんなさいね安童君・・・」
「あー、いいですよ。走りますから。神器解放!」
『Charge!!!!』
俺は神器を展開し、身体に稲妻を纏う
「よし、じゃあグラウンドで合流でお願いしますね」
俺はそう言い、音速の速さでその場から走り去る
「「「速?!」」」
リアスさん達の驚きの声は俺に届くことはなく、倉庫の中に響き渡った事だろう・・・
「っしゃついた!!!」
俺が駒王学園に到着するとリアスさんたちがグラウンドで待っていた。やっぱ魔法陣の方が速いよなぁ・・・
「安童君・・・アナタ速すぎよ・・・」
「そりゃ電気を身体に纏ってますし・・・」
「流石の僕もあれほどの速さは自分では出せないかな・・・」
木場さんが苦笑いしながら言ってくる。木場さん・・・頬が引きつってますぞ
「さて、それじゃあ最初は誰が安童君と手合わせをするのかしら?」
さらっと話を本題に持ってくところ、ある意味尊敬しますよリアスさん・・・
リアスさんが眷属の人たちの方に問いかけると、木場さんが初めに名乗り出てきた。
たしか『騎士』だっけか?
「祐斗が先鋒ね。騎士は速度が格段にアップするわ。スピード重視の駒ね」
なるほどな。持ち前のスピードで相手を翻弄するパターンか。わかりやすいな
「よろしくね安童君」
爽やかなイケメンスマイルを俺に向けてくる木場さん。こんな人も悪魔になるもんだなぁ・・・
「宜しくお願いします。んじゃあ、俺が神器を展開したら開始ということでいいですかね?」
木場さんは了承してくれた。木場さんがどんな攻撃を仕掛けてくるかが分からない以上、慎重にやらないとな・・・
「いきます!解放!」
『Charge!!!!』
「いくよ・・・っは!!!」
俺の神器の発声と共に木場さんは行動を開始した!とてつもないスピードだ!これが騎士の特性か!!確かにとんでもなく速い!!
「くそ!速すぎる・・・まだ充電終わってないけど・・・雷神剣!!!!」
『Thunder Blade Charging!!!!!』
なんとかチャージし終えてないが剣は出せた!後は木場さんの速さをどう攻略するかだが・・・その時俺の中にあるアイデアが浮かび上がった
・・・・・・賭けるしかない!
「・・・稲妻よ・・・我に加護を与えよっ!」
『Spark!!!!』
神器から声が発せられた途端、俺の身体に纏っている稲妻の量が格段に増える!速さには速さで対抗だ!!
「っそこ!!」
俺が上空に向かって剣を振るうと、そこには炎と氷の剣を持った木場さんがいた!!!
「何!?僕の速さについてくるのか!?」
「追いつけないなら追い付くように工夫する!それが俺の戦い方だっ!!」
そのまま俺は剣を木場さん目掛けて大きく振り上げる!だけれど木場さんの剣によって防がれてしまう!
思わず舌打ちをしてしまった・・・
だがそんなことはお構い無しに木場さんの攻撃は続く。俺の剣と思い切り鍔迫り合いを行い、徐々に俺が押され始める。流石に上からの勢いもあるから厳しいんだよなこれ・・・!!
「これで終わりだ・・・
木場さんがそう叫ぶと俺の周りの地面から無数の剣が生えてきた!!これが木場さんの神器か?!
流石にこれは逃げなければ不味いと感じ、俺は高速の速さで木場さんから距離をとる
地面から生えてきた剣は木場さんの周りを浮遊していた
「・・・それが木場さんの神器っすか」
「そう・・・これは魔剣創造・・・魔剣を無数に創造できるのさ。君とは武器の手数の違いがはっきりと分かるだろう?」
確かにとんでもなく強い神器だ・・・・・
騎士にはぴったりな能力だとは思う。
「確かに手数の違いがすごいですね・・・だけど、個々の力はどうですかね?」
『Thunder Blade Full Charge!!!!!!!!』
「俺の雷神剣と木場さんの魔剣・・・どちらが上か・・・試してみましょう?」
すると木場さんの顔つきが先程よりも真剣なものへと変わった。あれが本気なのだろう
「いいよ・・・安童君・・・一太刀で決めよう」
「それがアナタの騎士道なのならば・・・!!」
俺は口を閉じると共に高速の速さで木場さんめがけて直進する。対する木場さんもフェイントをかける素振りもなく俺に向かってくる。騎士としてのプライドなのだろう
ガキィイィンッ!!!
そして甲高く互いの剣が互いの剣と重なり合い、辺り一面に衝撃波が響き渡す
「うおおおおっ!!!」
「はあああああっ!!!!」
俺と木場さんは自分の持っている力全てを出し切る勢いで叫ぶ。そして勝負の行方は・・・・・・
「・・・参りました」
木場さんの魔剣が真っ二つに折れ、俺の雷神剣が勝利を収める
「・・・木場さん。あれが、あなたの本気なのですか?」
地面に座り込む木場さんは俺の言葉を聞いて目を見開いた
「なんでそう思うのかな?」
「剣を交えた瞬間、あなたの力がどこかブレる様な感触が若干感じ取れました。なにか、心の中で巣くってるものがあるのですか?」
「・・・どうだろうね」
木場さんはそう言うと立ち上がり、俺に向けて右手を差し出してきた
俺はその右手をとり、握手を交わした
そうしているとリアスさんたちが俺と木場さんのところにやってきた
「良い戦いだったわね。まさか安童君がアソコまで祐斗と対等に戦うとは思ってなかったわ。ただの人間じゃないわよ」
「ホントに何もんだよオマエ・・・」
後ろでは兵藤さんが若干引き気味に言ってきた。てかこの人の正体俺は知ってるんだが、吐いた方が良さそうだな
「アンタには負けるよ・・・『赤龍帝』の兵藤さん?」
「せき・・・りゅうてい・・・?何だそりゃ?」
「赤龍帝ってのはだな・・・兵藤さんに宿っている神器のあだ名さ。そうだろう?赤龍帝ドライグさん・・・?」
俺が兵藤さんの左腕に向かってそう言うと、兵藤さんの左腕に赤い龍の手のようなものが出現した
「おわ!?俺の腕が!?」
『・・・貴様、何者だ?』
そしてその赤い龍の手の甲に装着されている緑色の宝玉から声が発せられる
「俺は安童。ただの神器使いさ」
俺がドライグさんと会話を始めるとリアスさんたちは驚きが隠せない様子だった。そりゃあいきなり眷属の人が龍帝なんて言われてんだからな。ドライグさんが何者なのかは兵藤さん以外知ってるだろうし
「俺はアンタを知ってるぜ。神さえ屠る
『・・・貴様、ただの人間ではないな?』
「さぁな?どうだか。ま、白いのも目覚めてるって話だし、今のうちに自分のことを宿主に教えてあげなよ?」
『そうか・・・白いのも目覚めているのか』
「あ、あのー・・・安童・・・説明してくれる?」
何が何やら分からない兵藤さんが恐る恐る俺に向かって言ってきた
「あぁ、すんません。んじゃ軽く説明しますね」
俺は神器の中には神滅具というものが複数あること、兵藤さんの神器が神滅具の一つである『赤龍帝の篭手』であるということ、『赤龍帝の篭手』ともう一つの神滅具で【二天龍】という名前がついてるということを説明した
「こんな感じですね」
「はー・・・俺の神器が神滅具・・・」
「どんな力かは直接ドライグさんに聞いてください。俺はそこまで知らないんで」
「それにしても、貴方、そんなことまで知ってるなんてね・・・恐れ入るわ」
「それほどでもないっすよ・・・知り合いに情報通がいるので・・・んじゃ、手合わせは続けるのですか?」
「いえ、流石に今日はもういいわ。また後日、ね。祐斗も何かを掴んだようだしね」
「えぇ。安童君のお陰で。ありがとう」
そうやって素直にお礼言われるとなんかこそばゆい感じがする・・・別に何も言ってないんだけれどなぁ
その後俺はバイサーを一人で倒したご褒美として駅前の美味しいスイーツ屋さんのクーポン券を貰った。何故にスイーツ屋やねん・・・
―――・・・・・・
【side:三人称】
「まさかあの若造が武人の末裔だとはの・・・本人は知らないとは思うが・・・」
「どうかなされたのですか?」
「いや、儂が以前転生させた若造の事をちょいと調べての。奴には神器を宿したのじゃが、それとは違う力が働いたようなのじゃ」
「なぜそのことがお分かりで?」
「これでも神じゃからのう・・・それにしてもこれは楽しい事がおきそうじゃの・・・楽しみにしておるぞ・・・安童遊魔」
かなり長めになってしまいましたね・・・
それではまた次回お会いしましょう