やはり一色いろはの青春ラブコメはまちがっていない   作:シシャン

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少し遅くなってしまいましたが3話です
お気に入りくださった皆さんありがとうございます!
もう少しで50件を超えそうなので嬉しい限りです
駄文ですがこれからも続けていきたいのでよろしくお願いします

2話が短めになってしまったので長めに書こうと思ったのですが、なかなか書き進められず結局2話と同じぐらいの長さになってしまいました… 改めて文章を書く力がないと実感させられます(><)


3話

 

「…よし まぁこんなもんだな ちゃんと後で復習しておけよ」

 

 

「はーい」

 

問題を一緒に解き、解説してもらったが先輩の説明は普通にわかりやすかった。それに真面目にしてる時の顔は普通にカッコイイ。…目は相変わらずボケーッとしてるけど

 

 

「そろそろ授業も終わる時間だしちょうどよかったな」

 

 

「そうですね〜 久しぶりにお話出来て楽しかったし、先輩の解説もわかりやすかったです ありがとうございました」

 

 

「おう、それはよかった じゃあ俺は帰るから」

 

先輩はいそいそと支度を整え、帰ろうとしたので、そこをすかさず袖を引っ張る。

そうはいきませんよ?先輩♡

 

 

「先輩、解き終わったら大学教えてくれる約束でしたよね?」

 

じっと見つめながら言うと、先輩はたじろき

 

「お、おう そうだったな でもそんな真剣にされると言いにくいんだが…」

 

 

「先輩がさっさと帰ろうとするからですよ! は〜や〜く〜」

 

先輩はため息をつくと、ぼそっと大学名を告げた。

 

 

「…先輩 頭良すぎじゃないですかね」

 

 

「だから言っただろ あんま参考にならないと思うぞって」

 

 

「そうですけど〜」

 

先輩が言った大学名は、誰もが1度は聞いたことがある有名なものだった。

 

うーん、同じところに行くのは結構ハードル高いなぁ…

 

 

「…もう言ったんだからはやく袖離して? 伸びちゃうし」

 

 

「あ、すみません でも帰るにはまだはやいですよ?」

 

 

「え なんで もう終わったでしょ」

 

 

「悩みも聞いてくれる約束でしたよね?」

 

 

「それ今日の話だったのかよ…」

 

 

「もちろんですよ~ このままうちで聞いてもらってもいいんですけど、なんかそれだと味気ないのでどっかカフェにでも行きましょう」

 

 

「はぁ… まぁ暇だしいいけどね…」

 

 

「やった! じゃあ準備してくるので待っててください 逃げちゃダメですよ? なんなら縛っておきましょうか?」

 

 

「わかったわかった 逃げないからちゃっちゃと仕上げてこい」

 

先輩はそう言うと、腰を下ろしてカバンから文庫本を取り出す。その姿を見て、つい立ち止まってしまう。

 

 

「…なにどしたの」

 

 

「あ いえ なんかそれ懐かしいなーなんて」

 

 

「あぁ いつもあそこでは本読んでたからな」

 

 

「はい… すみません準備してきますね」

 

 

「おう」

 

そそくさとリビングを後にして自室に向かう。

 

先輩たちが卒業した今、奉仕部の使っていた教室は資材置き場となっていた。いわば物置みたいなものだ。

 

今でもふと本を読みながら椅子に座っている先輩を思い浮かべて、ふらっとあの教室に行ってみたりするが、もちろん誰かいるはずもなくしんと静まり返っているだけだ。

 

それを見る度に悲しくなっていた。卒業式から三ヶ月しか経っていないのに何度も何度もあの教室を訪れてしまう。

 

ある程度予想はしていたけれど、まさかここまで寂しいと感じるとは思わなかった。まさに心に穴が空いたような感覚だった。

あの空間がなくなったことでもう先輩を見られないのかも 会えないのかもと。

 

だから今さっき、本を手にして座る先輩を見ることが出来てとても安心した。

 

そして欲しいと思った。今は私のものではない彼を…




1話からずっと家の中のシーンなので、流石にそろそろ外出させたい…

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