やはり一色いろはの青春ラブコメはまちがっていない   作:シシャン

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4話です。
お気に入り70件突破ありがとうございます!
2週間に1回ぐらいの投稿ペースになると思いますが、よろしくお願いします。


4話

準備を終えてリビングに戻ると、先輩はさっきと同じ体勢で本を読んでいた。

 

 

「すみません お待たせしましたー」

 

 

「おう 意外と早かったな」

 

 

「先輩のために急ぎましたからね〜」

 

この人はこんなふうにちょいちょいくすぐる言葉を入れても、

 

「はいはい そういうの俺にはいらないからな」

 

こんな感じに流される なんでか知らないけど、慣れてるんだよなぁ……

 

 

まぁ先輩が今日うちに来るのは分かってたから、メイクはバッチリだし 準備といっても財布の用意とちょっとした身だしなみチェックぐらいだったんですけどね!

 

とりあえずデートに連れ出すことには成功したので、後は連絡先さえ聞き出せれば今日のノルマは達成かな。

 

それもそもそも小町ちゃんに聞けばいいだけなんだけど、あの子鋭いから好きなのがバレて、からかわれてしまいそうなので恥ずかしくて躊躇していた。本人に直接聞いても、なんで?とか言って教えてくれないだろうし…… うーん なんか正当な理由があればなぁ。

 

 

私の唸り声が漏れてしまったのか、先輩が口を開いた。

 

 

「そんなにどこのカフェ行くかで迷ってんのか?」

 

 

「え?あ はい そ、そうなんですよ〜 ある程度考えてはいたんですけど、折角だからもっといい所ないかなーって考えてまして」

 

 

「へぇ そんなもんなのね まぁ俺はどこでもいいけども」

 

 

「先輩は気になってるとことかないんですか? あるわけないかぁ」

 

 

「おい 俺が答える前に落胆するのをやめろ ありませんけどね」

 

 

「結局ないんじゃないですか…… まぁ迷ってても仕方ないので、私が目つけてたとこ行ってみましょ!」

 

 

「はいよ で、その一色セレクトはどの辺にあるんだ? 歩いて行ける距離なの?」

 

 

「駅のはずれの方にあるので、歩いていくには少し遠いですねー でも先輩どうせ自転車ですよね?」

 

 

「なんだよどうせって…… チャリはかなり実用的なんだぞ」

 

 

家出て、先輩が自転車にがちゃんと鍵をいれて跨ると私もその後ろに腰を下ろした。

 

すると先輩が怪訝そうにこちら見て言う。

 

 

「……何やってんの」

 

 

「えへへ 実は私、二人乗りに憧れてたんですよね」

 

 

「流石にチャリを持ってないなんてことはないだろ はやく出してこい」

 

 

「先輩 話聞いてました?」

 

 

「いや、まぁ別に載せてくのは構わないんだが帰りは歩きになるぞ」

 

 

「何言ってるんですか ちゃんと家まで見送るのが先輩の使命です」

 

 

「マジですか……」

 

 

「当たり前です」

 

 

「はぁ わかりましたよ…… 駅の方だったな」

 

 

「はい~! お願いします♪」

 

先輩は頷くと、前を向いて自転車を漕ぎだす。 これで今日は家に帰るまで一緒にいれることになった。

 

文句は必ず言うけど、なんだかんだいって先輩は優しい。

 

そしてその優しさが嬉しい。 やばい ニヤける。

 

前には先輩の背中がある 痩せ型でも男の人なので、大きくて広い。 イタズラとかする気はなかったのだが、なんだか触れたくなってしまい、手を伸ばしてしまった。

 

「ちょ、おい おま くすぐったいからやめろ」

 

 

「す すみません つい手を出したくなってしまったというか……」

 

 

「…お前結構危ないこと言ってるけど、大丈夫か?」

 

 

「そ、そういう意味じゃないですぅ!」

 

ほんと先輩はデリカシーがない。全くもう……

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

目的地のカフェは隠れ家的な雰囲気のあるオシャレな所だった。こういうのに興味のなさそうな先輩が、珍しく感心したように店内を見回している。

 

 

「そんなに気に入ったんですか?」

 

 

「あぁ、なんかこの落ち着いた感じが好きだ」

 

 

「へぇ 意外ですねー」

 

 

「親近感ってヤツだな 人目を避ける様に佇んでるし」

 

 

「隠れ家のイメージをそんな風に捉えて親近感を持つ人が存在するんですねぇ……」

 

 

「その言い方だと俺の存在が否定されてるみたいに聞こえちゃうからやめてね? それに隠れ家=人目を避けるってのはあながち間違ってないだろ」

 

 

「まぁ確かにそうですけど……」

 

するとそこで聞き覚えのある明るい声が耳に入ってきた。

 

「あれ?ヒッキーだ やっはろー!」

 

振り向くと、結衣先輩が手を振りながらこちらに笑顔を向けていた。そして隣りには雪ノ下先輩の姿もあった。




ようやくお家から脱出しました
4話でようやく場面が変わるってだいぶテンポ遅いですね^^; はやく文章を書くことになれなければ……

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