DRAGON QUESTⅤ~父はいつまでも、傍にいる~   作:トンヌラ

10 / 16
お気に入り400突破しました!ありがとうございます!!

ドラクエの最大のポイントといっても過言ではない結婚パート、スタートです。

それと章分けをしようと思います。


Episode10:幸せを考えるさすらいの旅人

 カボチ村での一件があった後、リュカたちはポートセルミから西にある町、ルラフェンを訪れた。そこにはいつも奇妙な呪文を開発、研究している老人がいるというので、奇妙な構造を成している町に戸惑いながらも彼が住んでいる家を見つけて中に入った。

 老人はリュカたちの話を聞くと、行ったことのある場所なら瞬時に行ける新しい転移呪文《ルーラ》の開発をしていることを教えてもらった。そしてそのために必要な材料であるルラムーン草を手に入れてきてほしいと頼まれた。ここから西の野原に夜になると現れるようなので夜になるのを待つが、その間に町の人間からラインハットで結婚式があったことを知った。結婚したのは王の兄であるヘンリーのようだが、大方、というか間違いなくマリアと結婚したのだろう。しかし、ヘンリーと別れてからそんなに時間はたってないはずだが、全く手が早いものだ。

 夜になってルラムーン草を採取するとすぐに老人の元に戻った。ありがたいと喜んだ老人は早速大きな釜にそれを入れる。すると突如爆発が起こった。衝撃にどうにか耐え、老人がよろよろと立ち上がりながらリュカにためしに使ってみろと言われたので唱えてみた。丁度ラインハットでヘンリーが結婚したことを聞いていたので、リュカは試しにヘンリーのいるラインハットへと転移しようと思い、呪文を口に出した。

 すると、リュカの体は一瞬にして地から浮き始め、やがてぱっと弾け飛ぶように消えていった。そして気がついたら、ラインハットの門の前に立っていたのだった。

 リュカたちはラインハットの城下町へと足を踏み入れる。町の人々は笑顔に満ちており、商店も活気に溢れている。国自体も豊かになったようで空気も美味しく感じる。

 あの戦いの後の兄弟の頑張りが現れていることが分かって安心したところで城の中に入った。名前を名乗ると兵士は深く頭を下げて簡単に通してくれた。迷うことなく玉座まで向かい、デール王にも挨拶をする。デール王によると、ヘンリーはその上の階で暮らしているそうだ。

 また、デール王がとあることを教えてくれた。

 

「いやぁ、本当にお久しぶりですリュカさん。兄から色々聞きました。ですのでせめてものの恩返しとして部下たちに色々調べさせました。それによるとかつて勇者が使っていた伝説の盾がサラボナにあるそうです。サラボナはルラフェンの南にあるそうです。頑張ってくださいね」

 

 これはなかなか大きな情報だ。伝説の武具の有りかがまたひとつわかったのだ。次の目的地はサラボナに決定したところでパパスとリュカは大きく頭を下げて感謝を示した。

 玉座を去り、階を上がっていくとそこには、かつて大后が住んでいた部屋が見えた。最上階に住むなんて、実に"親分"らしいなと密かに笑いながらドアを開けた。すると、部屋にいるヘンリーとマリアが目を大きく見開いて歓声をあげた。

 

「おおっ、リュカにパパスじゃないか! ずいぶんお前を探したんだぜ! その……結婚式に来てもらいたくてな」

 

「ごめん、ヘンリー。君たちの結婚式にいけなくて」

 

「いいっていいって。こうして会いに来てくれたんだしな」

 

「リュカさん、パパスさん。本当にお久しぶりです」

 

 マリアはぺこりと二人に頭を下げる。マリアの服は修道院でのローブ姿ではなく、ピンク色のドレスだった。彼女はもうシスターとしてではなく、ラインハットの女王として、ヘンリーの妻として振る舞っているのだろう。

 

「マリア、結婚おめでとう。シスターはやめちゃったのかい?」

 

「いえ、シスターの方は続けています。たまにですが教会の方に戻ってお祈りをしたりしております」

 

「そうなんだ……」

 

 マリアはふふと慈愛溢れる笑みを浮かべながらヘンリーの側に戻った。

 

「俺もたまにマリアと一緒にあの海辺の教会に行っているよ。その、まだ俺たちと同じだった奴隷たちがいるわけだしな。せめて俺たちにできることといったらこうして祈ることだと思ったんだ」

 

 本当は俺の権限でぶっ潰してやりたいけどと悔しそうに笑っていった。しかし残念ながら光の教団はラインハット一国よりも強大な力を持っているため、立ち向かえないことは自他共に分かっていることだ。

 ヘンリーはこほんと小さく咳き込むとわははと笑ってリュカを改めて歓迎する。

 

「まあそれはともかくお前に会えてよかったよ! 結婚式には呼べなかったけどせめて記念品は持っていってくれ。昔の俺の部屋の宝箱覚えてるだろ? あそこにいれておいたからな」

 

 リュカはしっかり覚えていた。ヘンリー王子と初めてあったとき、部屋の宝箱の中にある子分の証をとってこいと言われて見たのだが、中身はなかった。その隙にヘンリーは部屋の隠し階段で下に逃げたのだ。

 

「分かった。取りに行くよ」

 

「おう、ここで待ってるぜ」

 

 リュカは昔のヘンリーの部屋まで迷わずに向かった。そこには昔は護衛兵が一人もいなかったが、今ではきちんといる。でも、ヘンリーが住んでいない以上守る必要は皆無だ。では、他の誰かがいるのか?

 門番に断りをいれて入ると、そこには意外な人物がいた。

 

「おおっ、そなたか! 誠に久しぶりじゃの!」

 

「た、大后様? どうしてこのようなところに?」

 

 なんとそこには大后が住んでいた。大后はおしとやかに笑いながら答える。なんでも、ヘンリーが最上階に住むから自分が前に住んでいた部屋にすんでくれと頼み込まれたそうだ。

 

「てっきり妾は追い出されると思ったのじゃがな。だから安心したわ。しかし、妾は思うのじゃ」

 

 リュカは耳を傾けて話を聞く。

 

「先のことでは妾と魔物がすり変わってしまったことが起因のひとつである。が、これはすなわち魔が世界を蝕みつつあるということであろう。いつ平和が蝕まれるのか解らん。だからお主も気を付けるのじゃぞ?」

 

 リュカはその話を聞いて、真っ先に光の教団のことを思い浮かべた。奴等は世界を光が救うといい、信者を取り込んでいるが、リュカはその邪を10年間身を持って体験した。奴等も世界を闇に包むつもりなのだろうか。

 リュカはそんな懸念を抱きながら大后の言葉にはいと頷いた。

 立ち上がったリュカは大后に断って隣部屋のドアを開けて中に入る。部屋の中央に宝箱が鎮座しており、そっとリュカは開けてみる。

 しかしーー中には何も入っていなかった。

 

「え?」

 

 リュカはよく中を見て何か入っていないか探した。しかし、チリひとつない。

 また騙されたと思い、リュカは少しムッとしながら宝箱を閉じようとした。

 だが、リュカは宝箱のそこに何かが刻まれているのを見つけた。気になってもう一度開け、じっと覗いてみる。どうやら、文字のようだ。

 

「どれどれ……」

 

 リュカはその文字を心のなかで読み上げた。

 

 

『リュカ。

 お前に直接話すのは照れくさいから、ここに書き残しておく。お前の親父さんのことは、生きてたとはいえ今でも1日だって忘れたことはない。あのドレイの日々にオレが生き残れたのは、いつかお前に借りを返さなくてはと……そのためにがんばれたからだと思っている。

 伝説の勇者をさがすというお前の目的は、オレの力などとても役に立ちそうにないものだが……この国を守り人びとを見守ってゆくことが、やがてお前の助けになるんじゃないかと思う。

 リュカ、お前はいつまでもオレの子分……じゃなかった友だちだぜ。

 

ヘンリー』

 

 

「…………」

 

 リュカはそっと宝箱を閉じ、瞳を閉じた。するとじわっと熱い液体がこみ上げてくるのを感じた。リュカはそっと指でそれを拭うと、部屋を出ていった。

 リュカは大后に挨拶もせず真っ直ぐにヘンリーの元へと向かう。最上階の部屋を開けると、ヘンリーが奥の広いソファに揺ったりと座っていた。

 

「おっ、帰ってきたか! 記念品はとってきたか?」

 

 ヘンリーは何食わぬ顔をしてリュカを出迎えた。

 リュカは俯いて、目をきつくつぶる。けれどすぐに顔をあげて不満そうな顔を作った。

 

「何も入ってなかったぞ、ヘンリー」

 

「え? ……くっくっく、あっはっはっは!! 全くお前は相変わらず騙されやすい奴だな! じゃあ今度こそ本当に渡すよ」

 

 大笑いしたヘンリーはソファの後ろから何かを取りだし、リュカに見せる。箱のようなものにぐるぐる回すハンドルがついている。どうやら美しい装飾が施された、オルゴールのようだ。

 

「ラインハットの職人に作らせたオルゴールだ。これを持っていってくれよ」

 

「いいのかい、こんな素敵なオルゴールをもらって」

 

「ああ。だからたまには遊びに来いよ?」

 

「ありがとう……」

 

 リュカは大事にオルゴールを袋に入れると、そっと目を指で拭って笑って見せた。

 オルゴールを渡し終えたヘンリーは今晩は泊まっていけといい、ヘンリーたちの住む部屋と謙遜ないくらいの豪華な部屋に通されたが、どうやらそこは国賓クラスの客専用の部屋だそうだ。またこれでひとつヘンリーに貸しができてしまったが有りがたく寛がせてもらった。食事の時はヘンリーと色々話をし、過酷だった昔の話でもなぜか大いに盛り上がってしまった。思い出となってしまえば、笑い種なのかもしれない。

 

 

 食事を終えるとリュカはヘンリーと二人でベランダに出ていた。外はすっかり暗くなっていて、満月がよく見える。空気は冷え込んでいて、少し風が吹いている。

 互いに満腹感を覚えながらも、お菓子と飲み物を持ち運んで腰を下ろしていた。

 

「ふぅ、久しぶりにたくさん食べたなあ」

 

「まあな。旅の時はそんな食えないもんな。うちのシェフも結構イケるだろ?」

 

「最高だったよ! 僕はあまりああいう豪華な食事はしたことないけどほんと美味しかったよ」

 

「そいつはよかった。あとで伝えておくぞ。……それはそうと、リュカ」

 

「なんだい?」

 

 リュカが聞き返すと、ヘンリーはここからが本題というように人差し指を立てながら話した。

 

「お前はきっといろいろ苦労をしているだろう。しかしお前はその苦労を共にする女性がほしいとは思わないか?」

 

 若干ニヤリと笑いかけながらリュカに迫る。リュカは少し困ったような顔を見せて、うーんと渋る。

 

「分からないなあ。要は結婚ってことだよね? そういうの考えたことないなあ」

 

「……まあ今のお前には母親を探しだすほうが先決だろうな。たぶんパパスもそれが一番なんだろうし。ただな、リュカ」

 

 ヘンリーは一度言葉を切ってリュカに注意を向けさせると話を再開する。

 

「その母親もきっとお前の幸せを願っているはずだ。だから、お前が幸せになってからでも、きっと遅くないと思うぜ。お前の人生なんだから、まずはお前が幸せにならないとな」

 

 ヘンリーはポンとリュカの肩を叩くと、ぱりっと焼き菓子をかじった。リュカも一個同じ焼き菓子を手に取ると、ため息をはく。

 

「……でも、僕には相手がいないよ」

 

「ビアンカちゃんはダメなのか? お前幼馴染みがいただろ?」

 

 ヘンリーはごくりと菓子を胃に入れながら聞く。しかし、リュカは疑問に思う。ヘンリーはビアンカとは全く面識が無い筈だ。それにも拘らずビアンカの存在を知っている。リュカは口に甘ったるい味を味わいながら尋ねようと口を開きかけた。

 だが、その直前リュカは思い出した。ヘンリーとまだ旅をしていたころ、リュカたちはある田舎町に訪れていた。サンタローズの近くにある、ビアンカの故郷アルパカだ。ひそかにビアンカにまた会えるのではないかと期待したのだが、どうやら家業であった宿を離れ山奥の村へと引っ越してしまったらしい。ビアンカのお父さんが病気持ちであり、その療養のためであるそうだ。

 その時にリュカはビアンカの話をしたのだが、あまり詳しくは話していない。精々小さいころ一緒に遊んだことくらいだ。

 リュカはどうにかそのことを思い出しながらヘンリーの質問に答えた。

 

「ビアンカか……うーん」

 

 リュカは想像してみた。ビアンカがもし自分の妻になったらと。お転婆で、活気がよくて、強気で、冒険好きな彼女が自分の妻だ。だけど、リュカが思い起こせるビアンカのイメージは、10年前のもので、成長していない子供の姿だ。無論ビアンカだって大きくなっているのだろうけど、成長した彼女の姿はあまり想像できない。

 リュカは考えるのを止めて頭を振った。

 

「正直想像できないや。でも……もう一度会いたいな」

 

「その時はリュカがぶったまげるほどにキレイになってたりしてな」

 

「ははは、どうだろうね」

 

 リュカは甘ったるい味を流し込むようにお茶を口に入れ、ふうと一息ついた。

 そしてリュカはぼそりと、呟いた。

 

「……ありがとな、ヘンリー」

 

「ん? 何がだ」

 

 ヘンリーは優しい目でリュカを見る。リュカは少し耳が赤くなるが、構わずに言葉を紡ぐ。

 

「僕はさ、この10年間とっても辛かった。父さんは死んだと思ってたし、鞭でずっと打たれるし、ろくに食べられないし、言葉も良くわからなかった。でも、君がいたからこうして生きてこれた。僕はそう思っているよ。もちろん、今日にもらったプレゼントもありがたいよ」

 

 リュカは当初はヘンリーのことが嫌いだった。一緒に奴隷にされたときは心底嫌だった。でも、ヘンリーは負けていなかった。不平不満は漏らしていたけれど、リュカを励まし、支えてくれた。だから、リュカはいつしかヘンリーに対する嫌悪を解き、一緒に耐えることを決意した。そのお陰で、今があると思う。

 

「……俺も、お前がいたからこそ生きて帰ってこれたんだ。どうしようもなくワガママだった俺がこうして変われたのもお前と出会ったお陰だ。ラインハットを救えたのもお前のお陰だ。お前にはいろいろもらったから、これくらいのお返しなんて当然さ」

 

 ヘンリーは捕らわれた日から決めていた。リュカを絶対に守ると。死なせはしないと。だから、リュカに嫌われているとわかっていても、リュカのそばを離れることはしなかった。その結果、永遠に切れない友情が生まれた。

 互いに感謝を伝え会うと、リュカはヘンリーの手を握り、ヘンリーも握り返した。そしてーー。

 

「ありがとう。今まで、本当に、ありがとう」

 

「ああ。……頑張れよ、親友」

 

 二人はそっと抱擁を交わした。

 

 

 

 その後、リュカたちに眠気が襲いかかり、そろそろ寝ようと二人して結論を出したところで、リュカたちは立ち上がり、お菓子などを片付けると中に戻った。ヘンリーは今日はマリアと寝ると言って階を上がり、リュカは例の部屋に向かった。そこではすでにパパスが寝ており、ぐうぐうと静かに寝息を立てている。リュカは起こさないように音を立てずに寝る支度を済ませ、すぐにベッドに潜り込んだ。ふかふかのベッドがとても温かくて心地よく、はあと愉悦たっぷりな声をあげた。けれど、どこか落ち着かない。あの奴隷時代の寝床は堅くて冷たくて最悪だったが、10年間もそれで寝続けていれば、慣れてしまうものである。だからむしろこういうベッドに寝るとあまり寝つきがよくなかったりする。

 だが、そんなことは数十分も経てば関係なくなり、すぐに意識は微睡みの中に消えていった。

 

 

 

 

 翌朝になり、リュカとパパスとその仲間たちはヘンリーたちの別れを告げてラインハットを去った。次の目的地はサラボナだが、ルラフェンの南にあるという。そこでリュカは昨日覚えたばかりの呪文ルーラを使ってルラフェンまで飛んでいった。南に下ると洞窟が見え、少し緊張したがどうやら整備されているようで魔物は出なかったので安心した。

 こうして一行は伝説の盾があるという次の町、サラボナにたどり着いた。

 

「大きな町だな。ここに伝説の盾があるのか……」

 

 パパスが腰に手を当てながら呟いた。確かにあのポートセルミに勝るとも劣らない賑わいっぷりだ。入り口からも見える商店もずいぶん栄えており、町はきっと豊かであると予想が出来る。

 とりあえず伝説の盾についての情報を集めなくてはならない。リュカたちは町へと足を踏み入れた。

 その時だった。

 

「わん、わん!!」

 

 小さな犬が吠えながらこちらへと走ってくるのが見えた。結構なスピードでこちらへと向かっている。どうしたのだろうかと首をかしげていると、声が聞こえた。

 声のする方を向くと、前方から誰かが走ってきていた。

 

「はぁ……はぁ……すみません! その犬を捕まえてください!!」

 

 どうやら犬を追って走ってきているようだ。リュカは犬へと手を差し出し、その小さな体を抱き止めた。

 

「はぁ……はぁ……ごめんなさい、この犬が突然走り出しまして……」

 

 犬を追っていた人がリュカのもとへと辿り着くと、はあはあと息を乱しながらもお礼の言葉を言った。その人は青と白のコントラストが美しいドレスを着こなし、海のように深くそれでいて透き通った豊かな髪をしている。そこでリュカは初めて、その人が女性であると分かった。

 

「いえ、お構い無く」

 

 リュカはにこっと愛想よく笑うと、女性はぺこりと頭を下げてリュカの持つ犬へと手を伸ばす。

 

「さっ、帰るわよ。いらっしゃいリリアン! ……あら?」

 

 女性はリュカの腕からリリアンという名前の犬を受け取ろうとしたが、その手を引いた。なんと、犬はリュカの頬をペロペロと舐め始めたのだ。

 

「はははっ、くすぐったいなあ! 全く、かわいい奴だな!! あはは!」

 

 リュカは犬の頭を撫でて、くぅーんと嬉しそうに鳴くのを聞いてさらに激しく撫でてやった。

 

「まあ、リリアンが私以外の人間になつくなんて……この子ったら他の人にはすぐに噛みついたりするのに……」

 

 女性は俯いて首をかしげる。リュカはなおも犬と戯れていたが、女性が急に雰囲気を変えたのを察知したのか、犬と共に女性を見つめていた。

 女性はその視線に気づき、慌てて言葉を出した。

 

「あ、あははは……ごめんなさい、私ったらお名前も聞かずにぼーっとしちゃって。お名前はなんですの?」

 

「気にしないでください。リュカです。それで、僕のとなりにいるのが父のパパスです」

 

「パパスです。貴女のお名前は?」

 

「申し遅れました。私はフローラと申します。あの、貴殿方は旅のお方ですか?」

 

「ええ、そうですが」

 

「そうですか。恐らくお疲れでしょうから、御礼に私の家に招待いたしますわ」

 

「おお、それは助かりますフローラ殿」

 

 パパスは丁重に礼をするとフローラはとんでもないというように頭を振るとではご案内しますとリュカ達を連れていってくれた。

 

 

 

 リュカとパパスは知る由がなかった。このフローラという女性との出会いは、リュカの人生を大きく動かすことになることを。

 この大河のように長い長い人生に、一滴の波紋を呼び起こす出来事が今、始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 




そういえばパパスは少しとはいえ、ルドマンと面識があるんだったな……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。