ハッカドールがSCPに挑むようです 作:3号の三号
夜の闇に包まれた、暗い暗い森の中。博士と1号は背中合わせになりながら、さながらジョ█ョでやってたアレのように、ゆっくりとぎこちなく歩いていた。
「確か、他に二人いたよな? 2号と3号」
「はい。でもどこにいるのか」
月の光は木々に遮られ、夜の蝉の声ばかりが響いている。時々葉っぱが落ちてきて、1号の顔に当たった。博士はライトをつけた。
「瞬きは極力するな。政見放送中の人みたいに、じっと我慢するんだ」
「あっ! あれ」
1号は指差した。そこには3号がいた。なにか色々と折られていて、「見せられないよ!」な状態であった。
「青い髪、3号か」
ブライト博士はそういうと、歩み寄ってしゃがみ、ポケットから赤い錠剤を出し、口に含ませた。3号の体がみるみるうちに修復していく。
「それは?」
「SCP-500、万能薬だ。ちょっとした方法でコピーするために持ってきたんだが正解だった」
「う、僕は一体何を」
「起きろ。私はブライト博士だ」
「?」
二人は事情を説明した。
「やられる前に、何があった?」
「……確か、2号がしゃがんで、何か拾ったんだ。泥を払った瞬間にこっちに投げてきて、それで」
「それで?」
「なぜか目の前が真っ暗になって、それでその後誰かに頭を触られて、首のあたりにジンときたんだ。次の瞬間には気を失ってた」
「おそらく頭を触ってきたのは173だろう。あいつは首をへし折ってくるからな。しかし、その直前に目の前が真っ暗になるとは、どういうことだろう」
「SCPでしょうか」
「その可能性が高いが」
「博士って、何でトラックであれを運んでたの?」
「“聖地”ってのがあってな。そこでSCPを増やせるんだが、要するにそこへ行く途中だったんだ。O5――つまり、最高責任者に実験をするよう言われた。そしたら、道の途中に誰かが立ってた。――実はそのとき、私もお前たちと同じ状況に陥ったんだ。目が見えなくなって、車が止まった。他の“私”に連絡したから今ここは包囲されてるはずだが――収容違反を起こした事がバレれば、ことだ。“私”と君たちで片付けたい」
「ということは、この森の中に他に誰かいるってことでしょうか」
「そういうことになる」
「因みに、その“聖地”とやらはどこに」
「ここだ」
博士が指差すと、そこには大きなトンネルがあった。
「これが?」
割とすぐ近くにあったことにご都合主義的な感覚を抱きながらも、二人はそれを見た。
トンネルは小さいもので、トラック一台入れるかどうか怪しいものだった。細く長いせいか、それとも夜の闇に包まれているせいか、向こう側が見えない。さながら黒い絵の具を塗りたくったようだった。
「ここを私が往復すると、私が増える」
博士は歩いてそこに入った。
「これを何度も繰り返す」
暫くして、二人に増えた博士が出てきた。
「人数を増やせば捜索も楽になるしな――昼には使えないから、夜になるまで待ってたんだが」
二人に増えた博士はまた、そろってトンネルに入っていく。出てきた時は四人に増えていた。
「これからどうしましょうか」
再び入っていく博士に3号が尋ねた。博士は歩きながら答える。
「2号が心配だ。視角遮断のSCPやその“持ち主”も気になる。さっきの場所に行くべきだな。持ち物が地面に落ちてたってことはもう死んでるんだろうが」
その時だった。
「みんなー!」
声のする方向に、博士と1号、3号が向いた。その場にいた誰もが、戦慄を隠せなかった。
視覚を奪われ、今は森のどこかで関節をへし折られて倒れているはずの2号が、何事もなかったかのように歩いてきた。
今回登場したSCP
SCP-500 - Panacea (万能薬) © 転載far2 改稿snorlison (原著者不明) 2008
http://www.scp-wiki.net/scp-500
訳者不明:http://scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/SCP-500
SCP-500-JP - 聖地 ©soilence 2014
http://ja.scp-wiki.net/scp-500-jp