無事、地獄から脱出した達也は明里達と共に帰宅……。
しかし……!?
そこに待ち受けていたのは、悲惨な里沙さんの死体と凶悪な獣神・アグニだった。
人を食すアグニに対して怒りの達也が挑むが……、
負けてしまう……。
あの日から数日経つと明里の母親里沙さんの葬儀が行われた。
式の最中、明里はずっと泣いていた。
明里、そんな表情しないでくれ!
明里のそんな顔見たくない!!
だから、泣かないでくれ!!
俺は、届かない心の声を明里にずっと届けていた。
葬儀が終わると俺は明里と火燐と共に会場から少し離れた場所に移動していた。
「明里……」
俺は、そう言って明里に近づく。俺の身体のアチコチには包帯で治療された跡が残っていた。
しかし、明里は泣き止まない。俺は、どうすれば明里に元気を与えれるのかわからなかった。
「達也……お願い、今は一人にして……。」
暗い明里の声を聞くと俺は、静かにその場を離れた。
「火野、悲しいの?」
俺は、明里から離れたベンチに座り込むと近くで遊んでた閻魔大王がやって来た。
「あぁ、人が死ぬのは悲しいさ。だから、アグニだけは許さない。何があっても倒す!」
「そうか……僕もあいつら許さない。」
「閻魔大王……。そうか、あんたは昔から悪い奴らを成敗してきたんだもんな。」
俺がそう言うと閻魔大王は、笑顔で「うん!」と答える。それが子供ぽくって……。
そう思ってたら暗かったはずの俺に笑顔が零れた。
「安心しろ!お前もあの世に送ってやる!」
「誰だ!!」
俺はそう言って立ち上がるとそこには、死神の格好をしたバケモノが立っていた。
「俺の名は、獣神・チェルノボクだ。」
「チェルノボク!?……死神か!」
チェルノボクは、空間から鎌を取り出して構える。
「さぁ、変身しろ!仮面ライダーマーズ!!」
「こうなったらやってやる!!」
俺は、そう言ってベルトを体内から出現させると、
左手を左腰に右手を真上に掲げると、ゆっくり目の前に下ろしえ横へ右手を持っていくと右胸の所へ寄せるとベルトの左腰にある四神フォルダーから赤い朱雀のメダルを抜き取ると右手首より少し下にたる四神ブレスにセットした。
《Are you lady?》
という音声が流れると両腕を大きく回して右手を斜め右下に左手を右肩に構える。
「変身!!」
と叫ぶと右手を右斜め上に左手を左腰に移動させる途中に左手で四神ブレスを擦ると右手を右斜め上に持ってくると気を貯めるように握り拳を作って右胸に持ってくると同時に左手も握り拳を作った。
《チェンジ!マールス!…スザク!!》
ベルトがいつも通りに光輝くと四神ブレスから赤い炎の鳥朱雀が出てきて俺の体を包み込み仮面ライダーマーズ・スザクフォームに変身した。
「炎の翼で悪を討つ!」
「GAME START」
死神は、そう言って鎌を振り回すがそれを避けながらマールスブレスレットを変形させて爆炎カリバーにすると、強く握り死神の鎌を弾く。
「うおりゃぁぁぁ!!」
叫びながら何発も死神に切り込んでいく。
だが、他の獣神に比べては何かが違う気がした。
「お前……何か隠してないか?」
「ほう、たったの数ヶ月でそこまで敵を見極める事が出来る様になったのか……。良いだろう、フルパワーにしてやろお!」
俺は、それを聞くと一旦チェルノボクから離れた。
「下等な人間相手にこれを使うのは不本意だが、仕方がない。」
そう呟きながら懐からUSBメモリーとブレスレットを取り出した。
「何だ!?それ???」
「俺は、ポセイドンに続く新たな仮面ライダーだ。」
そう言うと同時に海人もやって来た。
「何をやってるんだ!チェルノボク!!」
「ポセイドーンか、安心しろ。別にこいつを殺すわけではない。」
そう言ってチェルノボクは、メモリをタップした。
《REAPER!》
暗い音声が鳴り響く。チェルノボクは、左手にブレスレットを巻き付けると左手に持っていたメモリを右手に持ち変えると左手を目の前に持ってくる……。
「変身……」
そう言って右手に持ったメモリーブレスレットに挿入すると展開している挿入レバーを閉じた。
《HENSHIN!CHANGE REAPER!!》
チェルノボクは、魔進チェイサーのような重そうな鎧を身にまとい変身した。
「仮面ライダー……リーパー」
そう言うとリーパーから放たれたオーラで公園のベンチが吹き飛ばされた。リーパーは、腰の横にある二つの手のひらサイズの細長い棒を縦に繋げると、そこから赤いビームが飛び出て剣の武器になった。
「リーパーサーベルだ。さぁ、本気やりあおうぜ!仮面ライダーマーズ!!」
そう言ってリーパーは、さっきより速いスピードで近づきリーパーサーベルで切りつけてきた。火花を散らしながら後ろに倒れ込むとリーパーは、リーパーサーベルで突いてきた。それを転がりながら連続で躱すと爆炎カリバー盾に防いだ。そして、リーパーの腹部を蹴ると俺は再び起き上がる。
「これでGAME OVERだ。」
そう言ってリーパーは、メモリの挿入レバーを展開すると上にあるボタンを押してレバーと閉じる。
《HISSATU!KIMEWAZA!!》
「……ライダーパンチ!」
リーパーは、そう呟くとブレスレットのある左手にエネルギーが集中する。
俺は、それを見るとバックルにある球体を上へ回転させた。
「喰らえ!!」
俺は、そう言うと炎に包まれた右手を構えるとリーパーに近づく。
「ライダーパンチ!!」
そう叫びながら一撃必殺であるライダーパンチをリーパーの顔面に浴びせる。
しかし!?
「ドンッ!!」
とても思い一撃が俺の心臓に命中した……。
不味い……呼吸が出来ない……。
俺は、変身を強制解除するとその場に倒れ込んだ。
口からは、大量の血を吐き出していた。
「所詮、人間などこの程度だ。早く戦場から引き下がるんだな!」
そう言い残してアグニの様にリーパーも去ろうとしていた。
「ま……待て!」
一旦体を浮かすも視界が完全に見えなくなってしまい、意識をなくした。
「ん!?」
俺は、目を覚ますと天井を見つめていた。俺は、悔しかった。何で最近こんなに悔しくならないといけないんだろう……。
そんな事を考えていた。
「あ、お兄ちゃん起きたんだね!おはよう!!」
「なぁ、明里は??」
「明里ちゃんなら、部屋で寝込んでるよ。昨日お兄ちゃんを連れてくるの大変だったんだからね!」
そう呆れなぎら言うも俺が起きたことに安心を感じている火燐の姿があった。
「それとお兄ちゃん、これ没収ね!」
そう言って笑顔で俺にある物を見せた。
「あーーーーー!!!四神ブレスとメダル!返せ!!」
そう、気絶してる間に取られたのだ……。
俺は、勢いよく起き上がるとこの間の傷が痛む。
「もう戦うのやめてよ!!」
静かな部屋に火燐の声が響く。俺は、それを聞くと動かず火燐の方を見る。
「火燐……」
「だって、他に仮面ライダーが二人もいるならお兄ちゃんがわざわざ戦う必要性はないじゃん!お兄ちゃんばかりこんな目にあって欲しくない!だから……普通の生活に戻ろ?」
涙目になりながら火燐は、そう訴える。しかし、それは出来ない選択だった……。
この力を手にした瞬間から、戦う運命なのかもしれない……。
「火燐……運命って分かるか?」
「さだめ!?」
「そう、お前には流れてないみたいだけど……俺や親父や母さん、そして叔父さんの体内には、ある物が流れている。何だと思う!?」
「知ってるよ……宇宙人の血でしょ?それも戦うことしか考えない戦闘民族の血……。小さい時にお母さんから聞いたの。」
「その通りだ。俺は、この血が流れている限り戦わないといけない。そんな気がするんだ。それは、俺が宇宙人の血を受け継いだ運命だと思ってる。だから、そう簡単に引き下がる訳にはいかないんだ。」
「だからと言っても明里ちゃんの気持ちも少しは、考えてよ!!」
そう言って火燐は、部屋を飛び出てしまった。
「明里の……気持ちか……。」
俺は、一人でそう呟きながら考える……。
そして、ある決断をすると明里の部屋へ向かった。
「明里!入っていいか?」
「……どうぞ。」
明里の了承を得ると俺は、部屋に入ると毛布に中に潜り込んでいる明里の姿があった。
「……何!?」
「なぁ、明里。いつまで落ち込んでるんだ?」
「達也には、関係ないよ。私が落ち込んでようが私の勝手じゃん!!」
俺は、明里のベットに座ると明里の毛布を剥ぎ取った。
「な、何するの!?」
明里は、少し頬を赤くしながら怒っていた。その瞳は、泣き疲れて腫れていた。
「お前、また言わせる気か??」
「え!?」
俺は、明里の手を握る。
「大丈夫!明里の両親は、ずっと見てるから……。
だから、いつまでも泣くなよな!両親に怒られるぞ?」
そう、この台詞は俺が昔こうやって泣きじゃくる明里に言った台詞だ。
火燐曰く、この間俺がゼウス様や両親に会ってた時に落ちこんでる火燐に対して明里が言ったらしい。
「その言葉……何で?」
「何でって……俺が言ったからな。それよりさ、今日火燐に四神ブレス取られて変身禁止令出されてるんだ。暇だから少し付き合えよ!」
そう言って明里を立たせると外へ連れ出そうとした。
「待って待って!まだ、準備してないからそれだけさせて!!」
俺は、先に外に出て待ってると着替えてきた明里がやって来た。春を感じさせる可愛らしいコーデに少し頬を赤くするも俺は、明里にヘルメットを渡して出発した。
「何処に行くの?」
「何処がいい?」
「え!?」
「わざわざ引っ張り出したんだからお前の行きたい所に行くよ。」
「嘘!本当に!!じゃあ、遊園地行こうよ!!」
「遊園地か……OK!飛ばすからちゃんと掴まってろよ!」
俺は、そう言ってスピードをあげた。
遊園地に着くと明里は、背伸びしながら「今日は、トコトン遊ぶぞーー!!」と言う。
そんな明里の笑顔を見ることが見ることが出来て少し嬉しかった。
しかし、初回からいきなりのジェットコースター……。
明里は、結構嬉しがっていたが俺は疲れた……。
「ねぇ、ねぇ!次はあれに乗ろうよ!」
色々なアトラクションを周り、午後6時前になると明里はあるのもに指さしてそういった。
それは観覧車だった。
「そうだな。行くか!!」
俺は、そう言うと観覧車の乗り場へ向かった。
「ふぅー、間に合った。」
明里は、そう言って座席に座る。
観覧車内には、俺と明里二人だけだった。
変な緊張がはしる……。
明里の頬は、さっきから赤くなっていて違和感を感じていた。
「なぁ、明里……何が始まるっていうんだ!?」
「良いから……じっと座ってて。」
「は、はい。」
俺は、そう言うと黙って座り込む。
明里の頬も観覧車が上へ向かうと同時に赤くなっていった。
「そ、そろそろ頂上だよね?」
天井に差し掛かると明里がそう聞いてきた。
「そうだな。」
俺は、そう答えると明里は時計を気にした。
何が起こるんだろう……。
そう考えていると「バン!」と言う大きな音が鳴った。
「達也!あれ見て!!」
指を指して興奮する明里を見た俺は、ゆっくり窓の方を向くとそこにはピンク色で大きな花火が打ち上げられていた。
「綺麗……」
そう言いながら明里は、花火を見ていた。そんな明里を見ていて今日は、いろいろ連れ回されたけど楽しかったと思えてきた。
「ねぇ、達也。」
そう言って明里は、隣に座ってきた。
「ど、どうした!?」
俺は、そう言って聞き直す。
心臓の音が明里に聞こえそうなくらいにまで大きな音になっていた。明里は、凄く顔を赤くしながら視線を逸らすと俺の目をしっかり見直す。すると、観覧車の動きが止まる。
「達也!!」
俺は、目をはっきりと開くと後ろへ押し倒された。目の前には、目を閉じている明里が見えた。しかし、近すぎるので目とか額しか見えなかった。
しばらく唇の上に何か押されている感覚がした。
この明里の近さ……。
そう思うと俺は初めて自分が何をされているのかがハッキリした。
そう、明里と初めての
そう思うと俺の頬も赤くなった。
10秒……20秒……30……1分……3分……。
時間だけがゆっくり流れていってた。
しばらくして、明里は俺の唇から離れ始めた。
そして、頬を赤くして照れながら俺の方を向く。
「達也、私の想いを受け取って!!」
そう言うと今度は俺の懐に向かうとギュッと抱きしめてきた。そして、顔を俺の服で思いっきり隠した。
「受け取ってって明里、大丈夫か?」
「だ、大丈夫だよ!てか、まだ分かんないの?」
明里は、少し怒り気味で言うとまた俺の唇に自分の唇を重ねてくる。
「明里!キスも良いけど、言いたいことや伝えたい事があるならちゃんと口で言えよ!」
俺は、明里が離れるとそう言った。
しかし、それを聞くと明里は照れながら視線を逸らすと再び俺の方へ向く。
「もう、これだけアプローチしてるのに分からないってやっぱり達也どうにかしてるよ!」
「そうなのか?」
「そうだよ!でも、ちゃんと言うから聞いてね!」
「うん……。」
すると、明里は笑をこぼす。
「達也、好きだよ!」
《次回予告》
明里の必死の告白は成功するのか!?
そして、火燐と仲直りが出来るのか!?
第22話「達也の時間」