ある日ダンまちの世界に行ったら   作:なて

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先輩

ユニ達がファミリアに入った翌日、俺はダンジョンの一階層で小手調べをしようとしていた。

武具に関しては、冒険者ギルドで買ったものがあるため心配はない。まぁ、全員が短剣だから後ろからの支援はするつもりである。

ていうか、何気に後輩育てるのって初めてなんだよね。ガルは後輩ってよりもライバルって言う方があってるし、俺もその時は新米だったからガーディーが教えたんだよね。だから少しワクワクしている。

 

一階層は、俺の初日の時みたいにコボルトが何体も出なければ危険度は少ない。本当にあの時の俺は運が悪かったみたいだ。俺の場合は原作などの知識のおかげで、余り手こずらずに済んだけど、他の冒険者は初見である。それでも、コボルト一体に手間取るようではいけないけど。

 

では方法だが、俺が索敵で見つけたゴブリンを一体連れてきて、各々に戦わせる感じだ。ゴブリンの戦い方でどのくらい戦闘ができるのかが分かるからな。

この戦闘で心配なのはユニだけだ。あの子だけは昨日行った簡単な運動能力テストで少し残念な結果を出したからだ。ロウとルウは獣人だけあって、初期の俺よりも遥かに速かった。鍛え甲斐があるよ。

 

あ、伝え忘れてたが、レベル2になって運動能力が気持ち悪いぐらい上昇した。ちょっと試しでゴブリンを相手にしたら、指一本のデコピンで吹っ飛んで死んだ。グーパンしたら顔が吹っ飛んでSAN値が少し減った。

 

では試験の開始だ。

最初はロウだ。ゴブリンを見ると、少し怖がるような顔をしていたが、短剣で腕を攻撃した時、自分でもモンスターに攻撃を与えられるとわかった途端、攻撃的になってすぐに倒してしまった。

ルウも同様で、ロウの戦闘を見てダンジョンに入った時のような緊張感は無くなり、すぐに倒してしまった。

でも、魔石を取る時だけはどちらも顔を歪めて、頑張ってゴブリンの胸をほじっていた。

 

最後のユニだが、やっぱり俺の予想した通り苦戦をした。

最初からゴブリンに怖がり、攻撃は受けていないものの、いつ有効打が来るか分からないような避け方をしていた。

 

うーん、これは少しやばいな。ゴブリンはそこまで体が弱くなければ、よっぽどのことがない限り簡単に倒せる。ゴブリンは新米冒険者にとってステイタスがあれば自分は戦えると勇気と自信を与えてくれる存在なのだ。俺も最初の相手はコボルトだったけど、拙い剣の技術でもモンスターを倒せると知るとすぐに自信がついたよ。なので、最初の関門であるゴブリンが倒せないと話にならないし、このゴブリンを倒し、ステイタスを更新して次の日にゴブリンを倒すと自分は成長しているという実感も得られるのだ。最初のうち、戦闘に慣れるまでは、ゴブリンでも二、三体でステイタスは魔力以外は5以上は上がる。それだけ、最初に手に入る経験値は得やすいのだ。

なので、この恐怖に自分で勝たないとダメなのだ、とルミが言っていた。どうだ、俺かっこいいと思っただろ。残念でした、ルミの請け売りです。ん? そんなにかっこよくなかった。そんなはずはないぞ。長ったらしく200字以上は語ったのだから・・・・・・

 

そんなことはどうでもいい。本当にどうしよう。助言だけならいいよね。別に戦闘を直接助けてるわけじゃないから大丈夫だよね。

 

「ユニ、落ち着け。相手はモンスターだけど、こっちはステイタスで自分の体を強化しているんだ。大丈夫、今のお前なら倒せるはずだよ」

 

そう、テストを行ったのはあくまでファルナを授かる前なので、ファルナを授かった後なら、身体能力は多少なりとも上がっているのだ。昔の俺は勘違いしてこれが自分の力とか思ってたけど、このファルナで上がった初期値は決して少なくはないのだ。懸垂が5回しかできない人が8回に上がるぐらいには身体能力は上がる。え? 例えが分かりづらいだって? そこはほら・・・・・・自分で考えて。

 

俺に助言をもらったユニは少しだが、気持ちを落ち書かせるために深呼吸をし、強張っていた顔を元に戻していった。

すると、さっきまで押されていたユニが押し返し始めた。ゴブリンの攻撃をきちんとかわせるようになり、ナイフでの攻撃をするようになった。そうして、最初に当てた浅い傷は、回数を重ねるごとに深くなっていき、最後はゴブリンの喉元を貫いた。

 

「やった、倒したよ私」

 

「うん、倒したよユニ。頑張ったね」

 

「そうだぜ、村の時みたいな運動音痴じゃなくなったぜ」

 

「いや、別に私は運動音痴ではないよ。あんたたち獣人の運動能力がおかしいだけだから。それと、さっきはありがとうね」

 

お、デレたよ。まぁ、ツンはないからギャップ萌え的なのはないけど。てか、普通に可愛いからそう言うの関係なしにもあるけどね。

 

「どういたしまして。さて、次からは俺はモンスターを探さず、お前らの後ろを付いてくから、自分たちで頑張れよ」

 

「よっし、このままゴブリン倒しまくって強くなるぞ」

 

「いや、ゴブリンだけじゃ強くなれないでしょ」

 

「はは。そういえばさ、ガルって今日もダンジョンに1人で潜っているんだよね」

 

「そうだけど、別に危ないことはしてないぞ。俺らの専属鍛冶師の依頼の材料を取りに行っているだけだからな。階層は少し下だから危険はないはずだよ」

 

「そっか、なら良かった」

 

うん、ガルは本当にいい子に好かれたね。それも集落にいた時からって、なんでガルはひとりでオラリオに来たんだろう。ユニに聞いたら独り立ちして集落の外に行っていいのは15歳からで、ガルが出て行ったのは14歳だ。親と喧嘩をしたわけでもないらしいし、集落のみんなは心配してたそうだ。なぜ過去形かというと、ルウと一回会って話をしたらしく、それ経由でガルは大丈夫だと判断されたからだ。

ちなみに、ガルとルウは関係を持っていなくて、俺の勘違いだった。でも、ルウがガルを好きなのは本当だし、多分ガルもルウのことを悪くは思ってないはず。そうじゃないと、あんな楽しそうに会いに行かないからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっし、今日はここまでにしよう。帰りのは俺が倒すからみんな休憩ね」

 

「「「ハア、ハア、ありがとうございました」」」

 

相当疲れてるみたいだね。でも、思ったより大丈夫そうだ。全員知った仲だったためなのか、連携は初めてにしては良く出来ていたしこいつらだけでも大丈夫かな。まぁ、最初の1ヶ月は一緒にいるつもりだけど。

それからは、こいつらだけで潜って、週一で付き添って少し上の階層に行くって感じだな。そうした方が早く強くなれそうだし。

 

そんなことを前や後ろから現れるゴブリンたちを仕留めながら考えていると、3人がなんかこっちを見ていた。

 

「ん? どうした? なんかあったのか?」

 

「え、いや、そんなわけじゃないけど。えっと、なんていうか、ユウタってすごく強いね」

 

と顔を赤くしながら答えるユニ。ヤバイ、マジで可愛いな。これはちょっと惚れるかも。

 

「うんうん、面接の時とは大違いよね。普段は地味なのに戦闘になると途端に雰囲気変わるから」

 

「俺もそう思うぜ。超かっこいいよ。ガルもこんなことができるんだろ。あー、早く追いつきたいな」

 

「大丈夫だよ。いつかは同じところにこれるよ。俺が行けたんだから、お前らも努力をすれば絶対に来ることができるぞ」

 

「本当か! おっしゃー頑張るぞ。だったらさユウタたちの訓練に参加させてよ。朝キンキン鳴ってたのはそれだろ」

 

「あ、うっさかった? ごめんな。訓練は別に来ていいよ。最初は簡単なことしかできないけどいいか?」

 

「おう、見てるだけでも勉強になるからな」

 

「それ私も混ぜなさいよ」

 

「私も入っていい?」

 

「いいよ。ていうかそっちの方が効率よくお前らを鍛えれるから好都合だよ」

 

「おう、望むところだぜ!(うん、望むところよ!)」

 

「お手柔らかにお願いします」

 

そうして、新しい家族の初めての冒険が終わったのであった。

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