ある日ダンまちの世界に行ったら   作:なて

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今回は早く書くことができました。
いつもこんな感じがいいですが、次もまたこんなだとはわかりません。でも頑張ります。
ではどうぞ。


さらなる脅威への挑み

「おいおいおい、これはマジでやばい」

 

 巨体の割にスリムな体型のリザードマン強化種。普通の大きさのリザードマンをそのまま拡大したような感じだ。

 だが、その体に秘められている力はその大きさ以上のものだと理解ができるほどのプレッシャーを感じる。

 

 今の俺だと多分互角いや、少し下ぐらいか。攻撃を与えることはできないけど、逆にこっちも攻撃を当てれない、持久戦でじきに俺の方が倒れるだろう。

 

 クソ! もっと念を入れて、アリエルを連れて来るべきだった。アリエルは猫の体をしているため、爪の攻撃が恐ろしいほど強くなっているんだ。アリエルの攻撃なら少しは通る、はずだ。致命傷にはならないが、これだとこっち体力が持つうちに倒すことができるはずだ。

 

 ああ、クソ! グダクダ考えるな。今は現状の回避が先決だ。

 

「ガル! 俺がしんがりを務める。すぐにユニ達を連れて下に降りて応援を頼む」

 

「・・・・・・分かった。たぶん今18階層でロキファミリアの人達がいるはずだ。すぐに助けを呼ぶからそれまで耐えてよ」

 

 そう、今ロキファミリアは遠征の後で18階層で休んでいた。遠くでしか見ていないが、確かにいたはずだ。1日は滞在するから本当に運が良かったな。

 

「ユウタ、その、死なないでよ」

 

 クゥー、ユニにこんなこと言われるなんて最高だな。同じはヒューマンだし、唯一同じ立場で話す異性なんだよな。他の団員は俺が団長でちょっと尊敬の眼差しで見つめて来るし、ルミはギルド職員の立場があって少し違うんだよな。ああ、最高ユニ。

 

「了解だ」

 

「かかって来いやトカゲモドキ」

 

 グルァアアアアア!

 

 そんな挑発が分かったのか、リザードマンは爆発音のような叫び声をあげる。

 

 うう、ピリッと張り詰めた空気に寒気が走るな。だが、そんな中でも緊張はしていない。この世界に馴染んだ証拠だな。あまり馴染みたくはない空気だけど。

 

 

 先に攻撃を仕掛けたのは敵側だ。

 攻撃のために使う剣は、多分元は他の冒険者のものだ。その剣にはモンスターではない人間の血が赤くこびり付いている。

 そんな紅色の剣は、リザードマンの膂力と天性として持っている自慢のスピードが合わさってとてつもない風切り音を出しながら俺の頭めがけて差し出して来た。

 

 その攻撃を体を斜めにすることで回避し、その腰の回転による力を利用してリザードマンの剣を弾いた、と思われが向こうの力が優ったようだ。ビクともしない。

 

 まじか。1ミリの動かないのは予想してなかったな。

 けどやっぱ図体がでかいから力が上がった分速さはそうでもない。前に一回戦ったリザードマンより少し速いぐらいだから、強化種の割には倒しやすいな。

 ・・・・・・なんでこんな意見が出せるほど強化種と戦ってるんだ俺は。週一で強化種と戦うから忘れがちだけど、これらの種って普通の冒険者なら一生に一度会うのも難しいし、あっても強いから倒せないことも多いから他の冒険者は畏怖の存在なのに、俺らのファミリアはもう他のモンスターとあんま変わらんな。いつも通りって感じだ。

 

 って、余裕ぶっこいてんな俺。まぁ、スピードが優ってるからあんま気を張らんでもいいけど。攻撃当たったら一発で再起不能だからどうかとも思うけど。

 

 そんな高速の思考に浸る中で時は止まることはなく、リザードマンは俺の攻撃が止まったのが分かると、すぐさま後ろにいる俺に向かって横薙ぎを払って来たが、それをジャンプで回避し、足元に来た大剣を足場にして、目の玉をえぐり返した。

 

 ヴァアアアアア!

 

 そんな叫び声と共に飛び散る血。

 これでもっと戦いやすくなったよな。

 

 そして、余裕を持つため深呼吸をし、周りの気配を探る。

 

 よし、なんとかあいつらはここからの脱出はできたな。後は俺が逃げるだけだけど、多分無理だ。本気で走っても追いつかれる。戦いの時は技術の差で俺が勝っているが、ステイタスの差では圧倒的差で負けてるからな。

 

 その時、なりふり構わず振り回された腕を避けようとしたが、攻撃がランダムだったためかなり強く受けてしまった。

 

 グハッ!

 

 そんな空気が漏れる音を肺で感じながら、空中で一回転し、衝撃を和らげて着地をする。

 

 やばっ、油断した。ガーディーの防具がなかったら二、三秒は地面で悶えてたぞ。

 

 どうする。向こうは目が見えないせいで混乱し腕を振り回している。近づきづらいが、動きに合わせて動くうでの間を攻撃すればどうにか剣を体に通すことができるかな。でも、当たったとこでかすり傷にもならないからな。

 

 どうすれば攻撃が通る・・・・・・あれ?そういえば、ドラゴンとかの竜種って排便のためにケツの穴は柔らかいって聞いたことがあるな。あとは逆鱗を見つけるって常套手段もあるけど、リザードマンは竜種でもトカゲだからまず鱗がないし、どうしよ。まぁ、趣味じゃないけど、ケツの穴開通させるしかないか。

 

 ぶるっ。

 

 なんか想像しただけで背筋が寒くなるな。ちょっと相手のトカゲ人には同情の念を感じてしまう。そこは敵同士だからご了承くださいってことにしとくか。

 

 ランダムに振り回される腕は人の体を称した所為なのか、背中はガラ空きだ。これだったら難易度もグッと下がるな。

 

 すぐさまリザードマンに近づき剣を尻の中に入れようとした途端、リザードマンの体がとてつもない速度で俺の前を向き、強烈なパンチを繰り出して来た。

 

 え? まじか!

 

 一瞬の攻撃に体は回避はできないと判断し、盾を構えて防御に専念する。

 

 その拳が盾に吸い込まれていき、レベル2の体はいとも簡単に後ろに飛ばされた。

 

 くの字に飛ばされ、地面に叩きつけられてもなお止まることはない程の凄まじい威力の攻撃は、俺の体を数十メートルも飛ばした。

 

 ヤバい、まじでヤバい。これからだ動くのかな。

 

 横たわっていた体動かすと、わずかにだが動いた。

 

 これは魔法じゃなくてポーション飲んだほうがいいな。

 

 そうしてほとんど動かない体に鞭を打ってポーションを飲んだ。

 

 エリクサーほどではないが、2、3万コルを払って買った高級ポーションはきちんとその役目を果たして俺の体が普通に動くぐらいに回復させた。

 

 あいつ、気配が読めるのか。多分視覚以外の五感をフル活用した結果だろうな。あんな雑な演技に騙されるなんて俺馬鹿だろ。ああいう輩は中層でいっぱいでて来たじゃねえか。

 

 クソ、これであいつの尻への攻撃はほぼ不可能に近くなったな。

 

 ・・・・・・あれを使うしかないか。

 

 ほぼ無音に近い動作でリザードマンへあらゆる角度からの攻撃を繰り返し、その間にクリエイトアローの詠唱を済ます。

 

 そして、相手の隙を突き、剣が敵の皮膚に触れる直前、

 

「クリエイトアロー」

 

 その一言で剣付近に、規模は小さいが決して弱くはない威力の爆発を起こし、剣の推進力を上げ、攻撃力をました。

 

 ザグッ

 

 そんな何かが潰れるような低い音を起こした。

 

 よし、この攻撃は敵に通用するようだな。

 

 攻撃をした箇所には少しではあるが確かにえぐられた跡があり、まともに攻撃が当たったことを語ってくれている。

 

 だが、俺の剣を見ると、少しだがキズが入っている。やっぱもたないな。この攻撃は17階層で出てくるビックタートルという亀のモンスターの強化種と対峙した時に考えた攻撃、名前は爆風連撃(ブラストブレイド)

 クリエイトアローの攻撃をその場の爆発矢に変えることでその爆風を剣に乗せ攻撃する。だが、この攻撃は獲物の耐久値を著しく下げ、今のも3割の魔力しか入れていない、全力でやったら3回ほどで壊れてしまうはずだ。

 

 だが、今の3割で攻撃を与えれたから、剣は持たせることはできるが、その前にマインドダウンしそうだな。だが、連発して攻撃するしか無いしな。ここで覚悟決めようか。

 

 ・・・・・・スゥ〜、フゥッ!

 

 気持ちを戦闘モードに切り替え、意識をリザードマンに集中させた。

 

 向こうも俺のスイッチが入ったことがわかったのか、さっきまで緩んでいた体が緊張しているのが分かる。

 

 先に動いたのは俺だ。

 今出せる本気のスピードで乱撃し、リザードマンの早いが大振りな一撃を最小限の動きで回避し、その都度爆風連撃で少しではあるがダメージを与える。

 

 一回二回と少しではあるが着実にダメージを与えていく。

 その間にも敵からの攻撃は止まないが、きちんと対応してカウンターを入れる。

 

 だが、そんな時間は長く続くわけではなく、魔力、体力の減少に伴う集中力の低下でついに足がもつれてしまい、今度はまともにレベル3ほどもある力の拳を受けてしまった。

 

 ガハッ!

 

 その攻撃にやって壁に打ち付けられた。

 壁が崩れながら塵と一緒に体は重力によって地面に打ち付けられた。

 

 あ、死ぬ。

 

 そう本能が死を悟り、だが死に抗うために体を丸めた。そんな防御とは言い難いものにリザードマンはゆっくりと近づいていき、勝利と言わんばかりに腕を掲げそのまま下に下ろす、筈だったがその巨体は横に倒れた。

 

 え? まさか無効が死んだのか。

 ほとんど麻痺に近い体を立たせ、リザードマンの元に歩んでいく。

 耳をすますが、呼吸の音は聞こえない。

 

 やった、やった。

 

 倒した、倒したぞ!

 

 その声は響くことなく、ただ、パタン、という音だけがその大樹の迷宮に響いた。

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