「ではどちらも刃引きした剣を持ったね。では始め!」
フィンの掛け声と共に俺とアイズは足を踏み出した。
レベル4であるアイズはその一歩で俺の胸元までやってきた。やっぱりレベルが二つ違うとこんなに差が出るんだな。だが予想の範囲内だ。
「はっ!」
声を張り上げ俺の持てる全力の力を持ってアイズの剣を受け流すした。
一瞬静止した二つの剣はすぐに下がっていき、腰の位置まで行くと青く光を放つ剣が斜め円を描きながら剣姫の首に迫った。
だが、その攻撃を剣姫は見逃さず、素早い反応で対応した。
・・・・・・何あれ? どうやったらあんな反応できるんだよ。アイズの死角を狙ったつもりなのに。
1回目の攻撃が終わったあと、アイズと俺は体勢を整えるため後ろに飛び、平然とした様子のアイズとは裏腹に俺は数秒のやりとりで乱れた呼吸を整えた。
「すごいね、君。レベル4の私と対等にやりあってる。でも次はないよ。全力で行くね」
やっぱり向こうも全力ではなかったか。でもこっちはステイタスの面では本気出してるからな。
「マジかー、流石にこれ以上はきついな。まぁ俺も全力じゃなかったけど」
今回の戦いは長期戦じゃない。なので魔力をいろいろなことに使えるし、消耗については考えなくていいから本当の全力でいける。戦術の面で本気になるということだ。
そして、この戦いは次の一回で決まる。せめてもう少し善戦しないとね。
「・・・・・・クリエイトアロー!」
「テンペスト!」
緑の風を纏った姫と白の氷柱を十、頭の上に浮かせた異人。
最初に動いたのはアイズだ。
動いた挙動が見えたと思ったら、目の前にはもう白い影が見えていた。
だが、おれもそんなことでやられるほど弱くはない。相手の挙動が見えた瞬間に、三本の氷柱で剣姫が動く位置に射出。
その三本の鋭い攻撃は的確にアイズを狙っていた。だが、その攻撃をいともたやすく弾き、すぐさま反撃を仕掛けていた。
凄まじいスピードの攻撃が来たが、なんとか反応することに成功した俺は白い悪魔を真上に弾き、同時に自分の腹に移動させた一本の氷柱をアイズの腹に突き刺した。
攻撃はアイズの素早い剣の引き戻しによって防がれ、下段からのカウンターを仕掛けられた。それを氷柱によって剣の勢いを無くし、それでも俺の本気の受け流しでようやく止まった剣はすぐ行動を開始し、体の回転で遠心力を乗せた追撃が頭の上へとやって来た。
その攻撃は自分の反応速度を超えていたが、体全身が剣の纏う気を察知し、反射で氷柱と剣の受け流しの混合の守りでギリギリの対処をした。
そこからアイズの剣から受け流した力を利用して、足を地から離し、空中での縦回転の今までで一番威力のある攻撃を残りの氷柱と一緒に放った。
アイズは俺の凄まじい剣の攻撃を受け流すことには成功したが体勢を崩し、氷柱の攻撃を受けた。だが、お返しの加減を超えたレベル2の耐久では耐えられない攻撃を放った。
それをギリギリ後ろに身体をそらすことで攻撃を少し受け流したが、それでも三メートル身体が浮いた。
「そこまで! それ以上はユウタの身体がもたない。この勝負はアイズの勝ちでいいかな?」
レベル4の攻撃を身体を逸らしたとはいえまともに食らった俺は、それでも立つ程度には気力が残っていたので、少しふらつきながらも立ち上がった。
「あ、はい。それで、お願いします」
クソッ。勝てないとわかってはいたけれど、やっぱり悔しいな。
「ハァハァ。ユウタ、すごいね。ここまで苦戦するとは思っていなかった」
「なら良かったかな。でももう少し善戦したかったな」
「イヤイヤ、レベル差が2もあるのにここまでの戦闘ができるのは素直に喜ぶべきだよ。アイズ、ユウタがランクアップしたら多分負けるよ」
うわ、フィン悪い顔してる。せっかくのイケメ・・・・・・いやこれでもかっこいい。クソ、羨ましい。
「わかってる。でも、ユウタ次も負けないよ」
「ああ? 次は俺が勝ってやる。首を長くして待ってろ」
目線でスパークが発生したが、ユニとリヴェリアの熱い拳によって消滅した。
「フィン! アイズを囃し立てるようなことをするな。それだとユウタにも迷惑がかかるではないか。アイズ、決闘をするのはいいが、せめてもう少し穏便に済ませろ。お前たちの戦いでこの広間はしばらく治らないぞ」
「・・・ゴメン。ユウタ、もっと穏便にやろう」
「ああ、そうだな。こっちもこっちで怖いし」
「「あん?」」
目線が怖いですよ、美女達よ。
そんなわけで、18階層で休んでいたロキ・ファミリアの人達と地上へ帰った。
ーーーーーー
「ユウタ。君はいつも無茶しすぎだよ。何回説教しても治らない。だからもう怒らない。でも絶対に帰ってくるんだ。そして今今回のようなことは最後にしよう」
「うん」
今回起きたことを話すと、ルニセにまた説教された。なんか帰るごとに怒られてる気がするな。
「じゃあみんな、ステイタス更新をしよう。今日はユウタが最後だよ」
そうして自分の番が回って来た。
「じゃあ横になったね。では・・・・・・ユウタおめでとう。2回目のランクアップだ」
「やっとか。結構かかったな」
「イヤイヤ、冒険者の中ではトップだからね」
そんなこと言われてもあと三年後には超高速でランクアップする白いうさぎくんが出てくるからね。
「新しいスキルが発現したよ」
・自分より強い者と戦闘時、全能力の超高補正
・戦う者が強い、そしてそう思われているほど効果向上
・戦闘時の挑戦欲求が高いほど効果向上
「なんか俺にぴったりのスキルだね」
「うん、これで強いモンスターと戦う時に少しは安心できるけど、これが出る程ユウタよりも強いモンスター戦ったことの説明になるから少し複雑な気持ちだよ」
「はは、まぁそれはもう今更だよ」
「・・・じゃあ発展アビリティを決めようか。今出てるのは対異常、連攻、精癒、魔導、盾術だ」
「また多く出たな」
「どうするの、ユウタ」
どうしよう。今のところ魔法関連は要らない。対異常もガーディーが作る装備と薬でなんとかなる。てか、俺とガル以外はみんな対異常とったから薬も少なく済むからまだ取る必要はないかな。
そうなると残るは連攻と盾術だけど、今までの俺だったら堅実に盾術だったけど、今は連攻だ。
アイズとの戦いで決定打に欠けるという課題を見つけ、そして、格上相手に防御は通じないことはリザードマンとの戦いで思い知らされた。
「よし、連攻にする。理由は今の俺には決定打に欠けること。そして、格上相手だと防御が通じないからだ。あとは消去法で」
「ああ、分かったよ。じゃあそういう風にしとくね。ではこれでランクアップ終了だ。器の昇華おめでとう。出来れば安全に成長してくれればと思うよ」
「あはは」
そういうわけでランクアップだ。次のランクアップも記録更新してやるぞ。
ーーーーーー
冒険者ユウタ・ジユウガオカ
所要期間13ヶ月
モンスター撃破スコア約10万体
レベル3到達記録レコードホルダー
最終ステイタス
力S912
耐久S999
器用A896
俊敏S992
魔力S999
発展アビリティ
回避H
≪魔法≫
【魔力の造形】
【回復する傷】
≪スキル≫
【共に歩む者】
【魔力の循環】
【強者への挑戦】
投稿遅くなりました。
やっとランクアップです。出来れば早くベル登場をさせたいのですが、それまで道のりが長いです。また今度も遅くなると思います。楽しみにしている方はすいません。いるか分からないけど。
次からはまた新しい冒険が始まります。ではまた。