ドラゴンクエストⅧ 空と大地と竜を継ぎし者   作:加賀りょう

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リーザス村をでてから、ポルトリンク到着までです。


リーザス村出発

「おーい!」

 

 村を出ようとすると、ポルクが後ろを追いかけてきた。

 

「どうかした、ポルク?」

「お前たちはこれからどこにいくんだ?」

「……そうだな。とりあえずは、情報を集めるために人がいるところを目指すつもりだよ」

「なら、ポルトリンクだな。ゼシカ姉ちゃんも怪しいやつの噂を聞いたってんで、そっちに向かったぞ!」

 

 ヤンガスとレイフェリオは顔を見合わせる。

 怪しい奴、それがドルマゲスの可能性はある。であるならば、そちらに向かうのがいいだろう。

 

「ありがとう。俺たちもそこへ向かうよ」

「……お前たちには世話になったからな。けど……」

「なんでがすか?」

 

 ポルクは何かを言いたそうにしているが、言いにくいことなのか中々言葉になってこない。

 後ろにはマルクがいるが、ポルクが言うのを待っているようだ。

 

「ポルク?」

「あ……あのさ」

 

 ポルクが顔を上げて真剣な表情をしてきた。そこから大方の予想はできたが、それは外れていなかった。

 

「ゼシカ姉ちゃんを手伝ってほしいんだ!」

「手伝うったって、アッシらは──―」

 

 ヤンガスの言葉をレイフェリオは手で止めた。レイフェリオたちの目的は、トロデ王たちの呪いの件を解決する。そのためにドルマゲスを追っているのだ。

 

「……わかったよ。ただし、それをゼシカが望んでいたら、だ。そうでないならば約束はできないよ」

「……う、うん。わかった。それでいい」

「兄貴……」

「ポルク、マルク。ゼシカのことは俺たちに任せて、この村を頼んだよ」

「が、がってん! あ……それと、お前……じゃなくてえっと……な、名前教えろ、よ」

 

 しおらしく名前を教えてほしいと聞きたいが、素直にそれを言えないのがまだ子供らしいということだろう。

 レイフェリオは左手を差し出した。

 

「えっ?」

「俺の名は、レイフェリオ」

「……アッシはヤンガスでげす」

「……レイフェリオ、ヤンガス。うん、わかった! ありがとな、レイフェリオとヤンガス!」

「ありがと」

 

 ポルクが言うと、マルクも声は小さいが礼を言った。

 最初にこの村に来た時は勇ましいくらいにとびかかってきたのが嘘のようだ。

 

 二人に手を振ると、リーザス村を後にした。

 

 

「遅い!!! ……何をしておったのじゃ」

 

 村を出た途端にトロデ王がぶつくさと文句を言いながら近寄ってくる。

 

「お主らが疲れてるとはいえ、あのゼシカという娘はとっくに出ていったのだぞ!」

「ちゃんと情報収集をしてたんでぃ! トロデのおっさんは待ってるだけじゃねぇか」

「なんじゃと!」

「なんだよ!」

「ぐぬぬぬ……」

 

 確かにトロデ王は村に入れないのだから待っているしかないし、少し寄り道をしていたのは事実だから遅れたのはこちらだろう。

 

「すみません、トロデ王。少し時間をかけてしまったようです」

「う……ま、まぁ、仕方がないのじゃろうが」

 

 素直に非を受け入れられると戸惑うのか、素直になれないトロデ王だった。だが、これでひとまず気は収まったようだ。

 

「ポルトリンクへ、向かおうと思います。何やら怪しい奴の噂があるとのことで、ドルマゲスの可能性があります」

「なんと! こうしてはおれん! 早速向かうのじゃ」

 

 情報を聞くや否や颯爽と御者台に乗り込むトロデ王。その様にレイフェリオは苦笑した。

 

「ポルトリンクは、リーザスの塔へ行く途中にあった分かれ道を右手に進むらしい」

「あの立て札があったところでがすね」

「あぁ」

「何をしておる! 行くぞ!」

 

 トロデ王に急き立てられるように、レイフェリオ達はポルトリンクの方へと向かった。

 

 

 ポルトリンクへ魔物を倒しながら進んでいると、少し時間を拓けたところに出た。

 

「あ、兄貴! 海でがす」

「あぁそうだね。見るのはトロデーン城を離れて以来かな」

「ふん、海くらいで騒ぐでない。大して珍しいものでもないわ」

「兄貴と見るのは初めてでがすからね。感慨深いでがすよ」

「そ、そういうもの?」

 

 トロデ王と同じ感想を持っていたレイフェリオからしてみれば、ヤンガスの考えは同意出来るものではなかった。

 本当に、年上にここまで懐かれるのは妙にくすぐったい気分だ。しかし、少しずつそれに慣れている自分もいる。レイフェリオは苦笑した。

 

「……そう言えばヤンガスはこの大陸出身じゃないんだよね?」

「そうでがすよ!」

「なら、ここに来るときはポルトリンクを通ったんじゃない?」

 

 無論、レイフェリオもそうだ。サザンビークからは船旅をしていたのだから。

 だが、ヤンガスははっきりと言わず言葉を濁す。

 

「えっとでがすね……その」

「……まさか」

「いえっ! アッシはちゃんと金を払おうとしたんでがすよ! あっちが怯えてたというか……その払いそびれたんでがす」

「無賃乗船か……」

「不可抗力なんでがす……たまたま船長がいなくて代わりの奴だったみてぇでがすが、弱腰の男でがした」

「どんな理由があってもダメなものはダメだ。ポルトリンクに着いたら払わないとな」

「面目ねぇでがす……」

 

 故意にやったことではないにしろ、今からポルトリンクに行こうというところだ。変な騒ぎにでもなっては困る。

 

 そんな他愛ない話をしながら歩いていると、ポルトリンクの街の入り口が見えてきた。

 

 

 

 

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