情報屋を出た後、ここからオリジナルルートに入ります。
色々意見はあるかと思いますが、見守っていてください・・・。
ルーラで一気にパルミドに着くと、そのまま情報屋へと向かった。
ヤンガスが扉を開けると、眼鏡を掛けた男がそこにはいた。彼が情報屋なのだろう。
「お久しぶりでがすダンナ。やっと帰ってきたんでがすね」
「おや? ヤンガスくんじゃないですか。留守の間に来たんですか? それは悪いことをしました」
「それはいいでがすよ。それよりダンナ聞きたいことがあるんでがすが……今、道化師の格好をしたドルマゲスって奴を追っているんだ」
「ふむふむ」
「こいつが逃げ足が速くて見失っちまってね。何とかならねぇもんですかね?」
「道化師の男なら聞いていますよ。何でもマイエラ修道院の院長を殺害した犯人だとか……」
「そう! そいつでがすよ!」
「私が得た情報ではそのドルマゲスは海の上を歩いて、西の大陸の方へ渡ったそうですよ」
「!」
西の大陸へ渡った、その言葉にレイフェリオが反応する。ゼシカもそっとレイフェリオを盗み見た。
二人の様子を知ることのないヤンガスは会話を続ける。
「西の大陸ぅ? もちっと詳しくわかんねぇんでげすかい?」
「残念ながらそこまでは……、チカラになれず申し訳ありません」
「まぁダンナにわかんねぇんならこれ以上知りようがねえでがすがね。とにかく、西の大陸へ向かうでがす」
「お待ちなさい! 行動が早いのは結構ですが、どうやって西の大陸へ渡るつもりですか?」
「へっ……?」
「このところ魔物が狂暴化していますので、この大陸やトロデーン国の大陸からは西の大陸への定期船は出ていませんよ。自分の船でも持っていれば別ですが、君船なんて持ってないでしょう? どうやって渡るつもりですか?」
「そ、それは……これっぽっちも考えてなかったでがす」
「やれやれ……」
情報屋の旦那は、呆れたように首を振った。良くも悪くも一直線なのがヤンガスだ。逆にそこまで考えているヤンガスは想像できない。
「そんなキミに耳よりな情報です」
「何でがす?」
「ポルトリンクから崖づたいに西へ進むと荒野が広がってるんですが、そこに打ち捨てられた古い船があるそうです」
「何でそんなところに船が?」
「それはわかりませんが、ウワサでは古代の魔法船だとか。もし、その船を復活させることが出来ればきっと世界中の海を自由に渡ることができるでしょうね」
「なるほど! 助かったでげすよ、ダンナ!」
良い情報が手に入ったとばかりに、ヤンガスがこちらへ戻ってくる。
「兄貴! 聞こえてたでがすか? ドルマゲスは西へ向かったようでがすよ」
「……わかってる」
「兄貴?」
「船がどうこうって言ってたが、復活させるっていっても手掛かりがないんじゃどうにもできないだろ? どうするんだ?」
「ねぇ、ここで話すのも何だし、宿屋に戻って相談しない? ……例の船はポルトリンクの近くらしいからそこでどう?」
宿屋といえどもパルミドでは何があるかわからない。ミーティアの件もあり、ひとまずポルトリンクの宿屋で休憩がてら、相談することになった。
ルーラでポルトリンクへ来ると、トロデはまたいつものように外で待っててもらうことになった。
「で、どうするでがすか?」
「……レイフェリオ、どうするの?」
知ってて聞くなと言いたいのをレイフェリオはこらえた。ふぅ、と息を吐き心を落ち着かせる。
「西の大陸に行くなら船は必要ない」
「どういうことだ?」
「……ククールには言ってなかったけど、俺はサザンビークの出身なんだ。だから、あの大陸にはルーラで行ける」
「そういや兄貴はサザンビークから旅をしていたんでがしたね」
「あぁ」
サザンビークと何度か訪れたことがあるベルガラックにはそのままいつでも行ける。
問題はドルマゲスが大陸のどこへ向かったかだ。
「……ポルトリンクから真っ直ぐに西へ向かったのだとすれば方角から察するにベルガラックだろう」
「ということは次の目的地はベルガラックになるのか?」
「そうだな」
直ぐに向かえるならばわざわざ船を用意する必要はない、という事で明日の朝ベルガラックへ向かうことになった。
夜はもう遅い、このまま就寝することになり各々がベッドに入った。
「……」
だが、レイフェリオは妙に目が冴えてしまい眠れなかった。
皆が寝静まっているのを確認すると、宿屋の外にでる。町は深夜ということもあり流石に静かだった。
波の音に誘われるように、そのまま港へと足を向ける。
防波堤に打ち付ける波が、リズムを刻む。故郷は海に近くなかったため、それほど身近にあるものではなかった。
サザンビークは山と川に囲まれた国。海を見たことがないわけではなかったが、一人で見たのはこの旅が初めてだ。
「……ベルガラックでドルマゲスに追い付けるか」
ドルマゲスが渡ったであろう西の海を見る。
船でもなく歩いて渡ったという人成らざる事象で西へ向かった奴が、既に目的を完了している可能性もあるだろう。
「キュッ?」
「どうした、トーポ?」
レイフェリオのポケットから顔を出すと、そのまま腕を伝い肩までやってくる。
「キュッキュッ」
「……平気さ。心配しなくても、俺は大丈夫だよ」
「キュイ?」
「ありがとう」
地平線から徐々に明るくなる海を、トーポと共に見つめていた。