デュエルアカデミアーNew Generationー   作:ネコ耳族

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今回はストーリー重視になると思います!
新たなキャラも登場させれたらなぁって思ってます!





精霊と授業と光の王

 

 

 

 

 

遊華は夢を見ていた。幼い日の夢・・・そこで遊華は草原を走り回っている。

 

 

遊華「皆早く!こっちだよ!」

 

 

???「待ってよ、お姉ちゃん!」

 

 

???「2人とも転ばないようにね」

 

 

???「怪我するなよ!」

 

 

遊華が草原を走る。その後を妹が走ってくる。その後を両親が歩いて追いかけてくる。

 

 

遊華「皆早くしないと置いて行っちゃうよ!」

 

 

遊華はさらに勢いよく走る。だんだん家族との距離が開いてしまう。不安になった遊華は立ち止まった。

しかし、それでも家族との距離が埋まらない。むしろどんどん離れていく。

 

 

遊華「皆どうしたの?なんで遊華の方に来てくれないの?ねえ、置いて行かないでよ!」

 

 

遊華が慌てて家族のいる方へ駆け出すとそこでいつも夢は終わる・・・

 

 

 

 

ーオシリスレッド寮103号室ー

 

 

 

 

遊華・咲・ルナの3人は全員一緒に眠れるキングサイズのベットで眠りについていた。

穏やかな朝。そんな中遊華は少しうなされている。

 

 

遊華は目を覚ます・・・しかし、まだ意識は朦朧としている。

 

 

遊華「(またあの夢・・・)」

 

 

冷たいものが頬を伝う感覚を感じ、遊華は頬を少し触る。

この夢を見た日は決まって涙が流れている。遊華にとっては家族の思い出は悲しみの思い出でもある。

遊華の視界にまだ眠っている咲とルナの姿が映る。

 

 

遊華「(しっかりしなきゃ・・・あの時、約束したんだし)」

 

 

涙を拭くと、反対側に向かって寝返りをうつ。そこには誰もいないはずだったのだが・・・

 

 

「きゅ~」

 

 

遊華の目の前に虹色の玉を額にはめた子供のキツネが丸まって眠っていた。しかも、体が半透明だ。

 

 

遊華「きゃあぁぁぁ!!」

 

 

遊華は思わず部屋中に響き渡る声で悲鳴を上げて飛び起きた。

 

 

「きゅー!!」

 

 

すると子キツネも驚いたのか部屋の隅に逃げてしまった。

 

 

咲「遊華・・・何なの、こんな朝早くから・・・」

 

 

遊華の悲鳴で咲はゆっくりと起き上がる。

 

 

遊華「さ、咲ちゃん!!どうしたもこうしたも、あれ見てよ!!」

 

 

遊華はあたふたしながら部屋の隅で怯えている子キツネを指差す。

まだうつろな瞳を擦りながら咲はその方向を見る。

 

 

咲「あれって・・・ただの可愛いキツネじゃない。私、もう少し寝るからね。お休み」

 

 

そう言うと咲は再び布団に潜り込んで眠り始めた。

 

 

遊華「そんなぁ・・・」

 

 

頼みの咲が眠ってしまい困った遊華は子キツネをもう一度よく見ることにした。

 

 

遊華「(一体どこから入ったんだろう・・・体半透明だし、精霊だよね?・・・でも、なんか見た事あるんだよね)」

 

 

遊華はそのキツネに見覚えがあった。つい最近見た気がする。

 

 

ルナ「遊華・・・どうかしたの?」

 

 

次はルナが起きてきた。

 

 

遊華「ルナちゃん、おはよう。実はあの子が・・・」

 

 

遊華が子キツネを指差すと、ルナは少し驚いた顔をした。

 

 

ルナ「遊華、あの子が見えるの?」

 

 

遊華「うん、半透明だけど普通に見えるよ。ルナちゃんはあの子知ってるの?」

 

 

ルナ「知ってるも何も、私のカードの精霊よ。ほら、この子」

 

 

ルナはベットから降りて机に置いたデッキを取ると1枚のカードを見せた。

昨日遊華とのデュエルでも使った極光獣リトル・フォックスだった。その姿はまさに目の前の子キツネそのものだった。

 

 

遊華「やっぱり精霊だったんだ!しかも、昨日見たばっかりだったんだね。見覚えがあると思った」

 

 

ルナ「まさか遊華にも精霊が見えるなんて思わなかったわ」

 

 

遊華「私もビックリだよ。私も咲ちゃん以外で見える人にあったのは初めてだし」

 

 

ルナ「咲も見えるのね。まさか、精霊が見える人が全員同じ部屋になるなんてね」

 

 

遊華「そうだね。ところでクライド君は精霊が見えることは知ってるの?」

 

 

ルナ「えぇ、クライドも精霊が見えるからちゃんと知ってるわ」

 

 

遊華「クライド君もなんだ!?精霊見える人って意外と多いんだね」

 

 

そんな会話をしていると咲がゆっくり起き上がってきた。そして、まだ重そうな目を擦っていると部屋の隅のリトル・フォックスと目が合う。

 

 

遊華「おはよう咲ちゃん!」

 

 

ルナ「おはよう、咲。よく寝てたわね」

 

 

咲「おはよ・・・ってあのキツネ、精霊じゃん!?」

 

 

そんな珍事件があったが、そろそろ用意をした方がいい時間になってきたので3人はそれぞれ着替えなどを始める。

 

 

遊華「(今日からアカデミアでの学校生活・・・気合入れて頑張ろう!)」

 

 

咲「遊華、相変わらず寝癖がひどいよ?時間かかるんだから先に直したら?」

 

 

遊華「しまった!?急いで直さなきゃ!」

 

 

ぼさぼさになっている髪を押さえながら洗面所に遊華は走っていった。

すると遊華の机の引き出しから半透明のモジャが出てきてその後を追いかけた。

 

 

「もじゃ~」

 

 

ルナ「何!?今の黒いモコモコしたの!?」

 

 

咲「あれが遊華と一緒にいる精霊のモジャだよ。遊華はあれがカワイイって言うんだけど私には理解出来なくてさ。ルナはどう思う?」

 

 

咲の質問にルナは目を輝かせて答えた。

 

 

ルナ「凄く可愛い!!黒くてモコモコしててつぶらな瞳で!抱き枕にしたい!」

 

 

咲「(な、なんで!?やっぱり私のセンスが間違ってるの!?・・・認めーん!)」

 

 

 

 

ーレッド寮食堂ー

 

 

 

 

遊華「ごめんね、時間かけちゃって」

 

 

咲「別にいいよ、もう慣れたし。でも、まだ眠い」

 

 

ルナ「早めに起きたつもりだったけど、いい時間になったわね」

 

 

遊華「伸ばしたのはいいんだけど、手入れ大変で・・・」

 

 

ルナ「私も前は腰まで伸ばしてたから気持ちはわかるわ」

 

 

遊華「ルナちゃん、ロング似合いそうだね!大人な感じ!」

 

 

咲「(ロングのブロンドでナイスバディ!?・・・貴婦人ね)」

 

 

3人が食堂に入ると多くの生徒はすでに食べ終わっているらしく比較的席は空いていた。

 

 

遊華「あ、カイ君達もいるよ。食べ始めたばかりみたいだね」

 

 

ちなみに朝食はゴハン・納豆・味噌汁・焼き魚のTHE・和食。やはり食堂の予算が少ないのだろう。

 

 

咲「なんか、実家の朝ご飯の方がまだ豪華だった記憶があるんだけど・・・」

 

 

ルナ「私もそんな気がしてるわ」

 

 

遊華「ちゃんと出てくるだけマシだよ」

 

 

すると食堂の奥から土門先生が出てきた。その後ろからはマリクがのそのそ歩いてくる。

 

 

土門「しっかり食べろよ、女子達!健康の為には朝食は欠かせないぞ!ガハハ!」

 

 

遊華「先生、おはようございます。確かに健康にはよさそうですね」

 

 

土門「そうだぞ!食えば背が伸びてスタイルが良くなるはずだ!俺が保障するぞ!」

 

 

ルナ「先生、それ1歩間違えたらセクハラですよ」

 

 

土門「ガハハ!細かいことは気にするな!さあマリク、飯にするぞ!」

 

 

マリク「ワン!」

 

 

笑いながら土門先生とマリクは食堂の奥に戻っていく。

 

 

咲「朝からテンション高いねぇ、あの先生」

 

 

三人は1度ため息をつき、カイ達の所に向かった。

 

 

遊華「おはよう、皆!」

 

 

咲「ういーっす」

 

 

カイ「おはよう、遊華。咲はめっちゃ眠そうだな」

 

 

ケンタ「おはよう遊華さん、咲さん、ルナさん」

 

 

ルナ「おはよう。ところでクライド、その人は?」

 

 

クライド「おはよう。こいつは俺のルームメイトだ」

 

 

クライドの隣には黒髪の少年が座って朝食を食べていた。

 

 

涼「初めまして、万丈目涼だ。よろしく。君がクライドの恋人だね?話は聞いてるよ。それと君達が金城咲さんと早瀬遊華さんだね」

 

 

涼は遊華達の事も聞いたいたようだった。遊華達も自己紹介をし、席について食事を始めた。

 

 

遊華「じゃあ、涼君はあの万丈目サンダーさんの家系なんだ!」

 

 

咲「確か、一・十・百・千・万丈目サンダー!って人だよね?」

 

 

遊華「あの遊城十代さんと同級生でプロでも活躍した人だよ!有名人だよ!」

 

 

涼「そこまでおだてられたら何か恥ずかしいな」

 

 

遊華達の盛り上がりに涼は少し苦笑い。

 

 

ルナ「有名人の一族と友達になれたわね」

 

 

涼「そんな大した人間じゃないよ俺は」

 

 

 

食事が終わると皆それぞれの部屋で授業の用意を始める。

そしてアカデミアに向かった。アカデミア内には様々な施設がそろっている。

教室・体育館・テニスコート・図書館・購買・そして最新のデュエルフィールド。デュエリストにとっては夢のような学校だ。

 

 

 

教室に入るとすでに席についている生徒もそこそこいた。アカデミアではレッド・イエロー・ブルーは一緒に授業を行う。

 

 

遊華「私たちも座ろっか」

 

 

遊達も授業に備えて早めに座る事にした。

 

 

授業の準備をしていると他の生徒もぞくぞくと席に座り始めた。

 

 

咲「最初はデュエル学かぁ・・・勉強苦手だなぁ」

 

 

遊華「でも、デュエル学ならデュエルの事を勉強するわけだし大丈夫なんじゃない?」

 

 

咲「座学ってのが苦手なんだよね。デュエルの事はやっぱり実戦で学ぶしかないよ!」

 

 

カイ「咲もそう思うか!俺も座学は苦手でさ。やっぱりデュエルは実戦で学ぶものだよな!」

 

 

咲「さすがデュエリスト!考えることは同じだね!」

 

 

遊華「(せめて努力はしようよ・・・)」

 

 

この2人に挟まれて遊華はため息をついた。

その時、教室の扉が開き教師らしい黒髪の男が入ってきた。男は教壇に立つと教室を見渡した。

 

 

岩切「欠席者はいないな。私がデュエル学を担当する岩切恭介《いわきり きょうすけ》だ。ブルーの寮長も務めている。早速だが授業を始めよう」

 

 

デュエル学の授業が始まる。デュエル学ではデュエルの歴史からカードの種類、戦略について学んでいく。

岩切先生の授業の特徴は、生徒をひたすら当てて説明をさせる事だった。授業のスピードも早くノートを書くのが忙しく。

 

 

遊華「(早速寝てるし、この2人…)」

 

 

遊華は両隣の咲とカイを見たが、2人共完全に熟睡している。

その光景にため息をついた遊華は、視線を斜め右前のケンタに移す。

 

 

遊華「(ケンタ君、必死にノート書いてるなぁ)」

 

 

ケンタはペースの早い授業についていくのがやっとのようだ。ノートも急いで書いているせいか誤字脱字が多い。

次に遊華の視線は前の席の涼に移る。少し体を動かしてノートを覗く。

 

 

遊華「(綺麗にノート書いてるなぁ…隣に別のノートもある)」

 

 

もう一冊のノートを見ると、そこにはカードの名前と数が書かれている。デッキレシピを考えているのだろう。

 

 

遊華「(このタイミングでデッキレシピ!?すごい余裕だなぁ)」

 

 

お次は斜め左前のクライドとルナに視線を移す。2人のノートはかなり綺麗にまとめられていて、追加の情報なども余白に書かれている。

 

 

遊華「(凄く綺麗なノート…2人かなり勉強出来るんだろうなぁ)」

 

 

よく見るとお互いに分からない所を教え合いながら授業を受けている。

 

 

遊華「(仲良いなぁ、クライド君とルナちゃん)」

 

 

岩切「では、速攻魔法の説明を…ブルーのレナード・ウィリアムズ」

 

 

岩切先生に当てられて金髪で青い瞳の少年が立ち上がる。

オベリスクブルーの制服を着たその姿には、何か気品ようなものを感じる。

 

 

レナード「はい。速攻魔法とは魔法カードの一種で…」

 

 

レナードは速攻魔法についての説明をすらすら答えた。説明の内容は完璧で分かり易かった。

 

 

岩切「よし、素晴らしい説明だ。座りたまえ」

 

 

レナードは一礼し席に座る。遊華はその姿を見ていた。

 

 

遊華「(凄いなぁ、すらすら説明して内容も完璧。ブルーは優秀な人が多いんだなぁ)」

 

 

するとレナードがこちらに視線を向けているのに気づいた。

遊華は最初自分に向けているのかと思っていたが、よく見るとクライドとルナの方に向いていた。

クライドとルナはその視線を感じているのか、少し表情が強張らせたまま前を見ている。

しかし、ルナはやはり気になるようでたまにレナードの方に少し視線を向けていた。

 

 

遊華「(あの人、クライド君とルナちゃんの知り合いなのかな?)」

 

 

岩切「では、シンクロ召喚の説明を・・・レッドの雨宮ケンタ」

 

 

ケンタ「は、はい!」

 

 

ノートを取るのに必死になっていたケンタは、急に当てられてしまい慌てて立ち上がった。

 

 

ケンタ「シ、シンクロ召喚は・・えっと・・・」

 

 

元々気の弱いケンタは急に当てられて動揺してしまっている。

 

 

ブルー生「おいおい、今時小学生でもすぐに説明できる事だぞ」

 

 

ブルー生「やっぱり落ちこぼれ集団のレッドなんてこのレベルか」

 

 

イエロー生「授業が止まっちまってるぞー」

 

 

ケンタが答えられないでいると、オベリスクブルーの生徒やラーイエローの生徒が冷たい言葉をかけて煽り始めた。

エリートやボンボン揃いのブルーと優秀生揃いのイエローは格下のレッドを軽蔑しており、その流れは昔から変わっていないそうだ。

十代達が卒業した頃には少し改善されていたようだが、今は元に戻ってしまっている。

 

 

岩切「もういい、さっさと座れ。時間の無駄になる」

 

 

煽られてさらに動揺していたケンタを見て岩切先生はそう言い放った。

ケンタは落ち込んだ様子で静かに座った。それを見て一部の生徒は笑っている。

 

 

遊華「(ひどい・・・いくら自分より成績が下だからってあんなの・・・ケンタ君、大丈夫かな?)」

 

 

岩切「次だな。エクシーズ召喚の説明を・・・レッドの早瀬遊華」

 

 

遊華「(わ、私!?)は、はい!」

 

 

遊華もケンタと同じくいきなり当てられて少し動揺してしまう。

 

 

遊華「(やばい、油断してたから頭真っ白!」

 

 

岩切「さっきの奴と同じような事にならないようにするように」

 

 

それを聞いてケンタはさらに肩を落とした。遊華はそんなケンタを心配していたが、自分もそれどころではなかった。

立ち上がったものの頭は真っ白である。だがそんな時、隣のカイが遊華の腕をつついた。

 

 

遊華「(カイ君!?寝てたはずなのに)」

 

 

遊華が視線をカイの方に向けると、さっきまで寝ていたので机に伏せたままだが顔を遊華の方に向けて笑顔でピースしていた。

それを見て遊華は気持ちが落ち着いてきた。1つ深呼吸をし間をつくる。

 

 

遊華「(カイ君、ありがとう)エクシーズ召喚は融合・儀式・シンクロに続く新たな召喚方法として開発され、現在急速に広まりつつある召喚方法です。自分フィールド上に存在する、指定された数の同じレベルのモンスターの上に重ねて召喚されるモンスターをエクシーズモンスターと呼びます。エクシーズモンスターは他のモンスターと違いレベルがランクに変化します。その為、レベルが存在しなくなるのでグラビティ・バインド等のレベルに対する効果を持ったカードの影響をうけなくなります」

 

 

岩切「いいだろう。座りたまえ」

 

 

遊華はなんとか説明を終えて席に座った。

 

 

カイ「やるじゃん」

 

 

遊華「ありがとうね、カイ君」

 

 

岩切「そろそろ時間だな。今日はここまでにしよう」

 

 

授業が終わり、生徒達は次の授業まで思い思いに過ごし始める。

しかし、遊華達に待っていたには落ち込んだケンタをなぐさめる作業だった。

 

 

 

 

その後も授業をこなし昼休みになる。遊華達は皆で購買に行ってみる事にした。

 

 

カイ「腹減ったぁ・・・やっぱ授業は疲れるなぁ」

 

 

咲「同感だよ。これは美味しい物食べて気力を回復するしかないね」

 

 

遊華「2人ともほとんどの授業寝てたよね?」

 

 

ルナ「唯一起きてたのは体育くらいじゃないの?」

 

 

クライド「デュエルに関しては睡眠すら惜しんで頑張るくせにな」

 

 

涼「まあ、デュエリストはそんなもんだろ」

 

 

ケンタ「それはそれでダメな気がするけど・・・」

 

 

そんな会話をしながら購買に7人はやってきた。目当ては1つ、デュエルアカデミア購買部名物「ドローパン」

中身に何が入っているか空けるまで分からない、その人の運とドロー力を試されるパンなのだ。

その中でも最高の当たりとされているのが、アカデミアで飼われている金色のニワトリが1日1個しか産まない金色の卵で作った黄金のタマゴパンである。

それを狙って毎日多くの生徒がドローパンを買っている。

 

 

カイ「お、まだ黄金のタマゴパン出てないって札が立ってるぞ!」

 

 

咲「噂に聞いたアカデミア名物の黄金のタマゴパン・・・デュエリストとして食べるしかない!」

 

 

遊華「じゃあ、皆で挑戦してみよう!」

 

 

ルナ「この中だと、クライドと遊華あたりの引きが強そうね」

 

 

クライド「安心しろルナ。俺が引いたら分けてやるよ」

 

 

涼「ケンタ、ここは俺達が目立つチャンスかもしれないぞ!」

 

 

ケンタ「涼君はポジティブだね。僕はあんまり引きには自信ないよ」

 

 

公平にじゃんけんをして選ぶ順番を決め、ルナ→涼→咲→ケンタ→カイ→クライド→遊華の順番で選ぶことになった。

 

 

ルナ「最初は私ね・・・よし、これだ!」

 

 

ルナが1つ選んで袋を開けて中身を確認した。

 

 

ルナ「中身はツナマヨね。外れたけど、美味しそうだから当たりかな」

 

 

涼「次は俺だな。よし、こいつだ!」

 

 

涼も選んで袋を開けて中身を確認する。するとなんだか馴染みのある匂いがただよってきた。

 

 

涼「キムチかよ!?斬新な中身ではあるけど・・・」

 

 

咲「見てなさい皆、この咲様が本物のドローを見せてあげるから!ドロー!」

 

 

咲は勢いよく選び、中身を確認する。今度も凄く馴染みのある香りがする。

 

 

咲「・・・・・納豆」

 

 

それを聞いて皆は大爆笑。よりによって朝食でも食べた納豆とは運がない。

 

 

ケンタ「次は僕だね。・・・よし、これだ!」

 

 

ケンタが中身を確認すると、なんと中にはカードが入っていた。

 

 

遊華「そんな事もあるんだ。なんかアカデミアらしい感じだね!」

 

 

カイ「ケンタ、もしかしたら強力なカードかもよ!」

 

 

ケンタ「そうだね!よし、レアカード来い!」

 

 

ケンタは期待しながら裏向きのカードを勢いよく表にした。

そこには紫色のゴブリンが書道をしている姿が書かれていた。

 

 

スカゴブリン☆1/闇/悪魔/ATK400/DEF400

完璧な「スカ」の文字を極めるため、日々精進するゴブリン。

その全てを一筆に注ぐ。

 

 

ケンタ「スカ・・・・ゴブリン」

 

 

咲「ケンタ・・・それ以上は何も言わなくていいよ」

 

 

遊華「でも、結構愛嬌があって良いと思うよ!」

 

 

ケンタ「あ、愛嬌?スカゴブリンに?」

 

 

遊華「うん!何か憎めない感じのキャラじゃない?」

 

 

ルナ「確かに愛嬌があるわね。確か、偽物のわなって罠カードに書かれてるモンスターなのよね」

 

 

咲「(まさか、遊華とルナの可愛いの基準が一緒とは思わなかった)」

 

 

カイ「次は俺だな。よっしゃ、ドロー!」

 

 

カイも勢いよく選び中身を確認した。

 

 

カイ「俺のやつもカードだな。何が出るか楽しみだな!よし、レアカード!」

 

 

裏向きのカードを表にする。そこにはカイの使う炎星のモンスターが描かれていた。緑の炎で出来たコヨーテを従えた男が鎖を構えている。

 

 

機炎星ーゴヨウテ ☆5/炎/獣戦士/ATK2000/DEF500

自分フィールド上に「炎舞」と名のついた魔法・罠カードが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

 

 

カイ「機炎星ーゴヨウテ?俺も見た事ない炎星だな」

 

 

遊華「でも、なかなか使えそうな効果のカードだね!」

 

 

咲「さすがカイもドロー力は高いね。ケンタのスカゴブリンとは大違い」

 

 

ケンタ「咲さん、それはひどいよ!僕だって本気のドローだったのに!」

 

 

いたずらっぽく笑う咲にケンタは懸命に反論している。そんな2人を置いてクライドはドローパンを選ぶ。

 

 

クライド「俺の運を見せてやるよ」

 

 

ルナ「頑張ってね、クライド」

 

 

クライドはパンの中身を確認する。中身は焼きそばがぎっしり詰まっていた。

 

 

カイ「まあ、はずれではないな。普通の中身だけど」

 

 

クライド「さすがに当てられないか・・・まあ、仕方ないな」

 

 

咲「後は遊華だけだね!頑張って!」

 

 

遊華「うん!よし・・・・ドロー!」

 

 

遊華がドローパンを選び中身を確認する。それを皆は固唾を呑んで見守っている。

 

 

遊華「う、うそ・・・・これって」

 

 

パンの中には金色の輝くを放つ目玉焼きが入っていた。周りの白身が中心の金色をより一層引き立てている。

 

 

咲「黄金のタマゴパンだ!?」

 

 

カイ「マジかよ!」

 

 

ルナ「凄いわね、遊華!」

 

 

クライド「これは、ドロー力じゃ遊華には敵わないな」

 

 

ケンタ「すごいドロー運だね」

 

 

遊華「皆ありがとう!せっかくだから皆で分けて食べよう!」

 

 

遊華の提案で皆のパンを分け合って食べることにした。黄金のタマゴパンは噂通りの最高の味だったそうだ。

 

 

食事が終わって次の授業の為に移動しようとしていた時、遊華は何かに気づいた。

 

 

遊華「あれ?・・・・おかしいな」

 

 

咲「どうしたの?」

 

 

遊華「PDAが見当たらなくて・・・」

 

 

カイ「体育あったし、更衣室にでも忘れたんじゃないのか?」

 

 

遊華「そうかも。時間あるし探してくるよ。皆先に行ってて!」

 

 

そういうと遊華は走りだし、他の皆は次の教室に向かって歩き出した。

 

 

 

遊華「(急がないと・・・次の授業があるし)」

 

 

遊華は小走りで廊下を走って行く。そして曲がり角に差し掛かったが、スピードを下げずにそのまま曲がった瞬間誰かにぶつかってしまった。

 

 

遊華「きゃあ・・・ご、ごめんなさい!大丈夫ですか?」

 

 

???「あぁ、大丈夫だよ。君こそ大丈夫かい?・・・ってよく見たら遊華じゃないか!」

 

 

頭を下げて謝っていた遊華は、そう言われ頭を上げて聞き覚えのある声の主を見た。

そこにはオベリスクブルーの制服に身を包んだ黒髪の少年が立っていた。面影がどことなく咲に似ている。

 

 

遊華「え?・・・もしかして、煉さん!?」

 

 

煉「久しぶりだね。2年ぶりになるかな」

 

 

その少年は金城煉、アカデミアの3年生で咲のお兄さんだ。アカデミアでも指折りの実力者であり、四天王の一人「光の王」と呼ばれている。

 

 

遊華「お久しぶりです、煉さん!なんかちょっと大人っぽくなってて最初分からなかったです」

 

 

煉「そういう遊華はあまり変わっていないね。咲と同じく昔のままで可愛いよ!」

 

 

そう言われて遊華は少し顔が赤くなる。

 

 

煉「いやぁ、咲にもしばらく会ってないから早く会って制服姿を見てみたいよ!」

 

 

遊華「ほんと仲がいいですね」

 

 

煉「もちろん、可愛い妹だからね!おっと、ちょっと用があるんでこれで失礼するよ。またゆっくり話そう」

 

 

そういうと煉は足早に去っていった。

 

 

遊華「なんだか相変わらず忙しい人だなぁ・・・あれ?これは・・・」

 

 

煉の立ち去った場所を見ると小さなクリボーの人形が落ちていた。

遊華はその人形に見覚えがあった。あれは煉のアカデミア入学が決まり、アカデミアに旅立つ日。

 

 

ー2年前ー

 

 

咲に誘われて遊華は煉の見送りに同行した。

 

 

遊華「煉さん、アカデミアに行っても頑張ってくださいね!」

 

 

煉「ありがとう、遊華!わざわざ見送りに来てくれて嬉しいよ。咲もありがとうな!」

 

 

咲「気にしないで、兄さん。これから頑張ってよ!」

 

 

煉「あぁ、じゃあ行ってくるよ」

 

 

煉が船に乗ろうとすると咲は腕をつかんで引き止めた。

 

 

咲「待って、兄さん!・・・これあげる」

 

 

そこで咲が渡したのが小さなクリボーの人形だった。

 

 

煉「これは?まさかお前の手作りか?」

 

 

咲「そうだよ。だからちょっと見た目悪いけど、お守り代わりにね」

 

 

それを受け取り感極まったのか煉は咲に抱きついた。

 

 

煉「咲、ありがとう!やっぱお前は最高の妹だ!」

 

 

咲「わあぁ!うっとうしい!!さっさと行きなさい、シスコン馬鹿兄貴!」

 

 

咲は煉を振り払って逃げ、煉はそれを追いかける。遊華はそれを見て笑っていた。

 

 

 

 

遊華「放課後に届けに行こうかな」

 

 

遊華も自分の用事を片付ける為に歩き始めた。

 

 

 

 

放課後、遊華は咲を連れてブルー寮に向かうことにした。

 

 

遊華「咲ちゃん、付き合せちゃってごめんね」

 

 

咲「別にいいよ。でも、遊華がそのお守り覚えててくれて嬉しいな。兄さんもずっとつけててくれたんだね」

 

 

遊華「いいお兄さんだね、煉さん」

 

 

咲「バカでシスコンだけどね」

 

 

2人はブルー寮に向かう道を歩きながら思い出話をしていた。

すると、それを見ていた生徒が2人。カイとケンタだった。2人はレッド寮に帰る途中のようだ。

 

 

ケンタ「あれ、咲さんと遊華さんだよね?」

 

 

カイ「ホントだ。向こうはブルー寮か・・・ちょっと面白そうだし行ってくる!」

 

 

ケンタ「え?!そんな、いきなり!?」

 

 

カイ「先に帰っててくれよ!」

 

 

カイはケンタを残して遊華達の後を追っていった。

 

 

 

ーオベリスクブルー寮ー

 

 

 

オベリスクブルーの寮は湖の近くに立っており、レッドとは比べ物にならないほど豪華な造りだった。

 

 

遊華「さすがに凄いね」

 

 

咲「私らのとは大違い・・・でも、ひどい人も多いから気をつけよう」

 

 

門の前に行くと3人のブルー生が門番の如く立っていた。全員1年生のようだ。

 

 

遊華「あ、あの・・・すいません」

 

 

ブルー生A「なんだ?オシリスレッドの落ちこぼれ共がこのブルー寮に何のようだ?」

 

 

ブルー生B「ここは貴様らの来る様な場所ではないぞ!」

 

 

遊華「す、すいません。私達、金城煉さんにお話があって・・・」

 

 

ブルー生C「何!?貴様らのようなクズが四天王の煉さんに何のようだ!」

 

 

遊華「これを拾ったので届けに・・・」

 

 

遊華は先ほどの小さなクリボーの人形を3人に見せた。

 

 

ブルー生A「それは煉さんがいつも持っているお守り!?なぜ貴様が持っている!」

 

 

ブルー生B「まさか貴様、それを盗んだんじゃないだろうな!」

 

 

遊華「ち、違います!それは拾って・・・」

 

 

ブルー生B「嘘を言ってると痛い目にあうぞ!」

 

 

ブルー生は凄い勢いで遊華に詰め寄る。そこに咲が割って入った。

 

 

咲「それはこの子が拾ったの!」

 

 

ブルー生C「お前はこいつをかばうのか!?」

 

 

咲「事実だからよ!私は金城咲。金城煉の妹よ!それは私が兄さんにプレゼントした物よ!」

 

 

ブルー生A「貴様が煉さんの妹だ?嘘付け!そんな見え透いた嘘に騙されんぞ!」

 

 

ブルー生B「お前はどいてろ!」

 

 

ブルー生の1人が咲を突き飛ばして、さらに詰め寄って遊華を突き飛ばす。

 

 

遊華「きゃあ!」

 

 

ブルー生B「さあ、正直に白状しろ!レッドの落ちこぼれ!」

 

 

遊華「ち、違うんです・・・私はこれを・・・拾って」

 

 

ブルー生C「貴様、まだそんな嘘を!」

 

 

次々と罵声を浴びせられ遊華は今にも泣き出しそうになっている。咲が立ち上がり止めに入ろうとしたがその前にカイがその場に割って入った。

 

 

カイ「待てよお前ら!女の子相手によってたかって!!」

 

 

カイは遊華を庇う様に立ちはだかり、遊華を立ち上がらせた。

 

 

遊華「カイ君・・・ありがとう」

 

 

カイ「大丈夫か遊華?・・・・お前ら!よくもやったな!」

 

 

ブルー生A「貴様もこのクズの仲間か!俺達はそいつらに用があるんだ、どけ!!」

 

 

ブルー生B「お前も痛い目見るか!」

 

 

カイ「いくらでも相手になってやるぞ!今の俺は機嫌が悪いからな!俺は・・・弱い者と女の子をイジメるやつが大嫌いなんだ!!」

 

 

一瞬即発の状態が続いていたが、そこに鬼のような形相の煉がやって来た。

 

 

煉「貴様ら!何をやってるんだ!」

 

 

ブルー生A「煉さん!こいつらが煉さんの大切なお守りを盗んでいたんです!」

 

 

ブルー生B「しかも、そこの黒髪の奴が煉さんの妹だとか言い出して!」

 

 

ブルー生C「俺達が問い詰めていたんです!」

 

 

煉はそんなブルー生の言葉を無視して遊華達の所に向かう。

 

 

煉「大丈夫か?遊華、咲」

 

 

遊華「大丈夫です、煉さん」

 

 

咲「助かったよ、兄さん」

 

 

カイ「この人が咲の兄さんか!?あの四天王の!」

 

 

遊華達の無事を確認し、煉は振り返りブルー生達を睨みつける。

 

 

煉「お前ら、とんでもない事をしてくれたな。この黒髪の子は俺のたった一人の大切な妹、金城咲だ!青髪の子はその妹の大切な親友で俺のもう一人の妹のような存在だ!そして・・・」

 

 

煉はカイの方を向いた。

 

 

煉「そして・・・ところで君は誰だい?」

 

 

いきなりの突拍子もない質問に皆ずっこけそうになる。

 

 

カイ「俺、桐島カイって言います!二人の同級生で友達です!」

 

 

それを聞いて煉は再びブルー生の方を向く。

 

 

煉「だそうだ!彼は妹の友達だ!貴様ら、この落とし前をどうつけるつもりだ?」

 

 

ブルー生A「そ、そんな・・・ほんとうに煉さんの妹なんて・・・」

 

 

ブルー生B「まさかレッドだとは・・・」

 

 

ブルー生C「煉さん、ここは穏便に済ませてもらえませんか?謝りますので」

 

 

煉「・・・・さっさと失せろ。さもないと俺のデッキで再起不能になるまで叩き潰す!」

 

 

それを聞いてびびった3人はすぐさま逃げていった。

 

 

遊華「あの、本当にありがとうございました。煉さん、これを」

 

 

遊華はあのお守りを煉に渡した。

 

 

煉「助かったよ、遊華。あれからずっと探してたんだ」

 

 

咲「次は落とさないように気をつけてよ、兄さん」

 

 

煉「当たり前だ!これは咲からもらった大切なお守りだからな。それにして咲の制服姿は似合ってるなぁ・・・」

 

 

咲「はいはい。それはいいから」

 

 

カメラでも取り出して写真を撮るんじゃないかという勢いの煉を咲は軽くあしらう。

 

 

煉「それと、カイ君と言ったかな?」

 

 

煉はカイに手を差し伸べて握手を求めた。

 

 

煉「咲と遊華が世話になったね。君には感謝してるよ」

 

 

カイ「そ、そんな!大したことないですよ!」

 

 

2人は握手をした。そこでカイはいきなり煉に告げた。

 

 

カイ「煉さん!良かったら俺とデュエルしてください!俺、四天王のような強い人と戦ってみたかったんです!」

 

 

煉「そうか!君には恩があるし、さっそく・・・・と言いたいんだが。今デッキを調整中でね。また今度その挑戦を受けよう!」

 

 

カイ「はい!ぜひお願いします!」

 

 

煉「あぁ。じゃあ、そろそろ俺は戻るよ。皆も早く戻った方がいいぞ。そろそろ食事の時間だしな」

 

 

そう言われ遊華達は再び煉にお礼を言い、ブルー寮を後にした。煉はそれを見送り自分の部屋に戻る。

 

 

 

ー煉の部屋ー

 

 

 

部屋に戻るとさっそく煉は机に置いてあるデッキを調整し始める。

 

 

煉「(桐島カイ君か・・・咲も遊華も良い友達を持ったな。彼は良い目をしていた)」

 

 

そして、机に置いた綺麗な装飾のケースを開けて1枚のカードを取り出す。

 

 

煉「(俺にとってはアカデミア最後の1年。咲や遊華、あのカイ君ともたくさんデュエルしたい。悔いを残さないように過そう)」

 

 

取り出したカードとあのお守りを机の上に置いた。

 

 

煉「カイ君、君とのデュエルは全力でお相手するよ。このカード、セイクリッド・プレアデス率いる星の騎士団「セイクリッド」の力で」

 

 

 




今回は長くなってしまいましたが、色々書けました。

次回も頑張って書いていきます!よければご意見、ご感想お待ちしてます!
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