デュエルアカデミアーNew Generationー   作:ネコ耳族

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今まで台本形式で書いていましたが、今回より台本形式をやめてみようと思います。


自分の技術を少しでも向上させる為に、チャレンジしてみようと思います!
慣れないので読みにくくなってしまうかも知れませんが、頑張ります!


ご意見を頂けたらありがたいです。


星と試験とデュエル馬鹿

 

 

 

遊華達がアカデミアに入学してからそろそろ1ヶ月。アカデミアの伝統ともいえる月一試験が間近に迫っていた。

月一試験はその名の通り1ヶ月に1度、生徒達の学力を試すに行われる試験だ。

筆記試験とデュエルの実技試験が行われ、成績次第では寮の昇格もありえるのだ。もちろん逆に降格もあるし、最悪は退学もありあえる生徒達にとっては正念場とも言える試験なのだ。

 

 

「ルナちゃん、ここの問題なんだけど・・・」

 

 

「これはね、こうやって・・・・」

 

 

「・・・なるほど。さすがルナちゃん、勉強出来るし教え方も上手いね!」

 

 

遊華、ルナ、咲の3人も月一試験に向けて勉強会の真っ最中。お互いに教えあいながら頑張っていた。・・・約1名を除いて。

 

 

「ん~・・・ホットケーキ美味しそう・・・ティラミス・・・プリンもある・・・」

 

 

咲はそんな寝言を言いながらテーブルに伏せて寝ている。さっきから甘い物の名前しか出ていないとこを見ると幸せな夢を見ているのだろう。

 

 

「咲は完全に熟睡してるわね。降格もありえる月一試験前にこの余裕とは・・・」

 

 

「まあ、咲ちゃんは筆記試験は捨てて実技で勝負!って意気込んでたし・・・でも、ちょっとは勉強しないとマズイよね。咲ちゃん、起きて!」

 

 

咲の肩を揺らし起こそうとする遊華。すると、咲はゆっくりと起き上がりあくびをしながら思いっきり腕を上に伸ばす。

 

 

「ん~・・・おはよう遊華、ルナ。2人とも頑張ってるね~」

 

 

「おはよう、咲ちゃん。よく寝てたね」

 

 

「咲、あなたも頑張らないといけない立場でしょ?月一試験前なんだから」

 

 

え~っと文句を言いながら、面倒くさそうに閉じていたノートを広げる咲。

しかし普段から居眠りの常習犯である為、そのノートに書いた文字数が他の2人より圧倒的に少ない。

 

 

「まあ、筆記試験は最悪1夜漬けでなんとかなるって。問題は実技試験だよ!」

 

 

そんな開き直り方の咲に、遊華とルナはため息しか出てこない。勉強会をすると毎回この調子なのだ。

 

 

「咲ちゃん、さすがにそれはまずいって」

 

 

「本当に大変な事になっても知らないわよ」

 

 

「大丈夫だって、私は本番に強いから!」

 

 

ドヤ顔で2人にピースサインを向ける咲。どこからその自信が来るのかルナは不思議で仕方なかった。

 

 

「この咲に学校でもトップクラスの成績のお兄さんがいるなんて信じられないわね・・・少しは見習えばいいのに」

 

 

「咲ちゃんの勉強嫌いは昔からだもんね。それでよくテスト間近になって煉さんに勉強教えてもらってたよね」

 

 

「兄さんは私には甘いから、よく学校の宿題も代わりにやってもらったよ。お兄ちゃん頑張って!って言いながら肩揉んであげたら超やる気になってた」

 

 

その話を聞いて、ルナはその状況が頭の中に浮かんだ。勉強をやりたくないので兄をおだてる妹と妹の為に勉強をやってあげる兄。仲が良いとは言っても限度というものがある。

 

 

「・・・前言撤回。咲の勉強嫌いの原因にはお兄さんが含まれてるわね・・・」

 

 

「とにかく、皆でもう少し頑張ろ?咲ちゃんもほら」

 

 

「遊華がそう言うなら・・・」

 

 

再び3人で勉強を再開する。分からない問題は教えあい、調べながら順調に進めていた。

しかし、やはり咲が最初に脱落した、

 

 

「も、もう無理・・・そろそろ勉強会をエンドフェイズに・・・」

 

 

「再開して30分しか経ってないのに・・・先が思いやられるわね」

 

 

「でも、ちょうど1段落したし休憩していいんじゃないかな?ルナちゃんには教えてもらってばかりで疲れてるだろうし」

 

 

さすがにルナも肩がこってきたのか頭を左右に動かす。

 

 

「そうね。確かにちょっと疲れたから休憩しましょうか」

 

 

「そうこなくっちゃ!」

 

 

「咲ちゃん、急に元気になったね」

 

 

すると咲は急に立ち上がり自分の机に置いていたデッキとデュエルディスクを取り、左腕に装着して臨戦態勢になる。

 

 

「やっぱ休憩といえばこれでしょ!」

 

 

「咲ったら・・・あなたデュエルやり始めたらずっと止めないでしょ?」

 

 

「咲ちゃん、今は少し我慢しようよ。ほら、私お茶いれるからさ」

 

 

咲は2人の言葉に驚きの表情を見せる。2人の言っている事は至って普通の事なのだが、咲のデュエリスト魂が我慢できないのだろう。

 

 

「何言ってんのさ2人とも!すでにデュエルに捧げる青春の貴重な時間を勉強で無駄にしてるんだよ!?」

 

 

そう言って遊華とルナの方を指差して宣言した。

 

 

「NO.DUEL・・・NO,LIFE!」

 

 

「「・・・・デュエル馬鹿」」

 

 

「でも、2人が相手をしてくれないとなると・・・・そうか!カイに頼めばいいんだ!」

 

 

「カイ君に?でも、カイ君はちゃんと勉強してるかもよ?」

 

 

「そうよ、咲。他の部屋の邪魔しちゃマズイわよ」

 

 

2人の心配をよそに咲は不敵な笑みを浮かべる。自分と同じ居眠りの常習犯であるカイは、自分と同じくらいのデュエル馬鹿である事は1ヶ月近く過ごしている為すでに分かっていた。そんなカイの勉強が長続きするはずがない。

ましてや一緒にやっているのが成績ギリギリのケンタ。勉強をやりつつも頭の隅では常にデッキの事を考えている涼。勉強は優秀だがルナと違って自分の事は自分でやれと厳しいクライド。結果は見えている。

 

 

「まあ、とりあえずカイ達の部屋行って来るね~」

 

 

咲は遊華とルナを残して部屋を飛び出していった。

 

 

「やれやれ、咲ももう少しちゃんと勉強すればいいのに・・・」

 

 

「私、追いかけてくるよ。カイ君達に申し訳ないし」

 

 

「お願いするわね」

 

 

遊華も咲を追いかけて部屋を出て行った。そしてカイ達が勉強会をしている2階の204号室に向かう。

 

 

 

ーレッド寮204号室ー

 

 

 

「(ここかぁ。なんか勢いで来たけど、男の子の部屋に入るの初めてだからちょっと緊張する)」

 

 

部屋の前に立ちそんな事を考えている遊華だった。入学して1ヶ月程経つが遊華は他の人の部屋に入るのは初めてだった。

 

 

「ルナちゃんはよくクライド君と涼君の部屋に遊びに行っているし、咲ちゃんもちょくちょくこの部屋に遊びに来てたけど・・・私は1度も来た事なかったなぁ」

 

 

ここで止まっていても何も始まらないので意を決して遊華はドアをノックした。

少しするとドアが開き、出てきたのはケンタだった。

 

 

「あれ?遊華さん。どうしたの?」

 

 

「ケンタ君、咲ちゃん来てないかな?カイ君とデュエルするってここに来たと思うんだけど」

 

 

「あぁ、咲さんなら・・・」

 

 

「一足先にカイと外に出て行ったぞ」

 

 

ケンタと遊華の会話に奥から出てきた涼が加わってきた。

 

 

「涼君、ごめんね。咲ちゃんが迷惑かけてない?」

 

 

「俺とケンタは別にいいんだけど、クライドは何やってんだって呆れてたな」

 

 

「ごめんなさい、咲ちゃんが迷惑かけて・・・」

 

 

遊華はとりあえず頭を下げて謝っておいた。こういう咲の悪い癖には昔から遊華も振り回されてきた。

 

 

「まあ立ち話もなんだから、良かったら遊華さんもお茶飲んで行かない?ちょうど休憩で入れるとこだったから」

 

 

「あ、それなら私達の部屋に来ない?広いから大人数でも大丈夫だし。クライド君も誘って」

 

 

男子の部屋も2〜3人部屋なのだが、女子部屋と違って狭いのだ。

実際この204号室もあるのは二段ベッドと2つの机と簡単な台所くらい。男四人でテーブル広げて勉強するのも少し窮屈な状態である。

 

 

「そりゃいいな。じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ。ケンタ、悪いけどクライドを呼んで来てくれよ」

 

 

そうしてクライドを含めた4人で103号室までやって来た。中に入るとルナが本を読みながら休憩していた。

 

 

「あら?咲を連れ戻しに行ったのに、ずいぶん大人数で戻ってきたのね」

 

 

「それが咲ちゃんはもういなくて。だから勉強の邪魔しちゃったお詫びにお茶でも入れようかなって」

 

 

「そうだったのね。皆、咲が迷惑かけてごめんなさいね。さあ、ゆっくりしていって」

 

 

ルナに招かれケンタと涼は用意された座布団に座る。男子部屋と違い広い女子部屋に感動している。

 

 

「これが女子部屋かぁ、やっぱり男子と違って広いな!」

 

 

「綺麗に片付けてるね。僕達の部屋なんかカイ君が結構散らかして・・・」

 

 

そんな感じで部屋を見渡す2人にクライドは少し厳しい視線を向けている。ルナはそれに気づいてちょっと笑いそうになっている。

 

 

「ケンタ、涼。言っとくけど、女子部屋なんだからあんまり周囲の詮索はするなよ。変なとこ覗いたりしたら明日の朝日を拝めると思うなよ」

 

 

「「き、気をつけます・・・」」

 

 

クライドからの殺気に怯えるケンタと涼。それを見て笑うルナと遊華。そんな和やかな雰囲気で遊華の入れたお茶を飲みながら5人はゆっくり過ごしていた。

 

 

 

ーレッド寮前ー

 

 

 

カイと咲は勉強の鬱憤を晴らすべく、デュエルディスクを構えて向かい合っている。

 

 

「助かったよ、咲。あのまま休憩後も勉強が待ってたかと思うと嫌になる」

 

 

「こっちもだよ。遊華とルナは全く相手してくれないからね。カイが相手してくれてラッキーだよ!」

 

 

「やっぱ息抜きはデュエルに限るよな!よし、行くぞ!」

 

 

2人はディスクを展開させ手札を準備する。勉強で苦しめられていたせいか、2人は生き生きしている。ちなみにこの2人はすでに何度か対戦しているのだが、戦績は五分五分だった。

 

 

「「いざ、デュエ・・・」」

 

 

「そのデュエルちょっと待ったー!!」

 

 

急に誰かが飛び出して2人の間に割って入った。咲とカイは一瞬その状況が理解できず固まっていたが、その聞き覚えのある声の正体はすぐにわかった。

 

 

「に、兄さん!?ちょっと何やってんの!?」

 

 

「いやぁ、試験勉強の息抜きに散歩してたら咲がカイ君とデュエルしようとしてるのが見えてね」

 

 

咲の兄、金城煉の姿がそこにはあった。2人を制止させていた腕にはちゃっかりとデュエルディスクが装着されている。本当にただの息抜きの散歩なのかが怪しくなる。

 

 

「煉さん、ところで何で俺達のデュエルを止めたんですか?」

 

 

「それはだね・・・ずばり!カイ君、君とデュエルする為だよ!!」

 

 

「お、俺とですか!?」

 

 

 

 

ーレッド寮103号室ー

 

 

 

 

「そっか。咲とは幼馴染みでずっと一緒だったのね」

 

 

「うん。ずっと同じクラスだったし遊ぶのも基本一緒だったよ。アカデミアの受験勉強も2人で助け合いながらやってたよ」

 

 

遊華達は熱いお茶を飲みながらゆっくり休憩していた。人数も多いので会話も弾んでいる。

中学時代の話や、デュエルの話、アカデミアについてなど話題は尽きない。

そのうち話の内容は咲とカイのデュエル馬鹿についてになった。

この話に関してはクライドが結構愚痴をこぼしていた。普段から勉強を怠っているカイと咲に不満があるようだ。

 

 

「あいつら、普段あんまり勉強しないし授業も寝てばっかりなのに何やってんだか・・・もちろんデュエルは俺だって大好きだけど、緊張感が無さ過ぎだろ」

 

 

「咲ちゃんは昔からあの感じだったから・・・でも、カイ君もあのタイプだなんて思わなかったよ」

 

 

そんな話をしていると勢いよくドアが開けられ、咲がかなり慌てた様子で部屋に入ってきた。いきなりの事で遊華達も対応に困っている。

 

 

「皆、大変!大変だよ!」

 

 

「何かあったの?咲ちゃん」

 

 

「カイが・・・煉兄さんとデュエルしてるの!」

 

 

なんでも以前カイと対戦の約束をしたのになかなか機会に恵まれず実現していなかったので、試験前のこの時期にカイに練習相手になってもらおうと思いレッド寮まで乗り込んで来たらしい。それを聞いて皆は勉強どころではないと急いで部屋を飛び出した。

 

 

 

ーレッド寮前ー

 

 

 

「久しぶりに煉さんのデュエルが見れるね咲ちゃん!しかも、相手はカイ君だからきっと凄い戦いになりそう!」

 

 

「でも、なんで兄さんもこのタイミングで挑むんだか・・・うわぁ、凄い人集まってるし」

 

 

遊華達が到着する頃には寮の前には噂を聞いたオシリスレッドの生徒達で人垣が出来ていた。しかし後ろの方ではいまいち見えないので遊華達は頑張って人混みを掻き分けて、なんとか最前列まで進むことが出来た。ちょうどデュエルが始まる所だった。

 

 

「カイ君、頑張ってー!」

 

 

「任せろ、遊華!」

 

 

遊華の声援にカイはピースサインで応えた。カイはアカデミアに入学して1ヶ月程でいきなり四天王と呼ばれる程の強敵と戦える事に興奮していた。自分の今の力とアカデミアトップクラスのレベルを知るには絶好の機会である。

 

 

「妹と遊華の見ている前では負けられないからね。全力で行くよ、カイ君!」

 

 

「俺だって、絶対に負けませんよ!」

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

「俺の騎士団の力を見せてやるよ。俺のターン、ドロー!セクリッド・シェラタンを召喚!」

 

 

白く輝く鎧を纏い頭部に羊の角を持つ人型のモンスターが現れた。初めて見るモンスターに、おぉっとギャラリーから歓声が上がる。

 

 

セイクリッド・シェラタン ☆3/光/獣/ATK700/DEF1900

 

 

「コレが煉さんのモンスターかぁ。なんかカッコイイ!」

 

 

「彼らが星の騎士団、セイクリッド。俺の頼れる仲間だ!シェラタンの効果発動!このカードの召喚に成功した時、デッキからセイクリッドと名のついたモンスター1体を手札に加える事が出来る。俺はセイクリッド・カウストを手札に加える。そしてカードを2枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

LP4000

モンスター1

魔法・罠2

手札4

 

 

「行きますよ、煉さん!俺のターン、ドロー!」

 

 

ドローしたカードを含めて手札を確認するカイ。そして高ぶる気持ちを抑えながら動きを考えていく。

 

 

「(勢いよく速攻で仕掛けれる手札じゃないなぁ・・・まずここは下準備から!)俺は永続魔法、炎舞ー「天キ」を発動!発動時、デッキから☆4以下の獣戦士族モンスターを1体手札に加える事が出来る。俺は速炎星ータイヒョウを加えて、そのまま召喚!」

 

 

速炎星ータイヒョウ ☆3/炎/獣戦士/ATK0/DEF200

 

 

青い炎で出来たヒョウを従える長髪の男が目にも留まらぬ速さでカイのフィールドに降り立った。ギャラリーからは、攻撃力0?みたいな声が上がっているがタイヒョウはそれを補える優秀な効果を持っている。

 

 

「これが炎星かぁ。戦うのは初めてだよ。でも、その攻撃力じゃシェラタンには及ばないよ」

 

 

「ここからが本番です。タイヒョウの効果発動!このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンのメインフェイズに、自分フィールド上の炎星をリリースする事で新たな炎舞をセットできる!デッキから炎舞ー「天枢」をセットします。そして永続魔法、炎舞ー「天枢」を発動!」

 

 

カイがカードを発動するとフィールド上に赤い炎で作られたクマとゴリラが現れ、荒々しい雄たけびを上げた。そして2頭が少しずつ形を変えて交わり、巨大な炎の輪へと姿を変えた。

 

 

「炎舞ー「天枢」の効果発動!このカードがフィールド上に存在する限り、自分のメインフェイズに通常召喚に加えてもう1度だけ獣戦士族モンスターを召喚できる!」

 

 

「召喚権を増やす効果だって!?強力な効果だね」

 

 

「炎舞の中でもかなり強力なカードですからね。「天枢」の効果により、立炎星ートウケイを召喚!頼んだぜ、トウケイ!」

 

 

フィールドに出来た炎の輪をくぐり、炎のニワトリを従えた長髪の男がフィールドに降り立って槍を構えた。このカードがカイのデッキの火薬の役割担う、立炎星ートウケイ。カイのお気に入りのカードだ。

 

 

立炎星ートウケイ ☆3/炎/獣戦士/ATK1500/DEF100

 

 

「来たね、トウケイ。カイ君のお気に入りカード!」

 

 

「遊華もあのカード結構気に入ってたよね」

 

 

「うん!効果は強いし、かっこいいカードだもん!」

 

 

「(全くカイと炎星にお熱だなぁ、この子は・・・あとでからかってやろっと)」

 

 

遊華は目を輝かせながらフィールドを見つめている。咲はいたずらっぽい笑顔でそれを見ていた。遊華は入学試験で炎の如く展開する炎星とそれを操るカイに魅了された時の事を思い出していた。

 

 

「トウケイの効果発動!1ターンに1度、自分フィールド上の炎舞を墓地へ送ってデッキから新たな炎舞をセットできる。俺は炎舞ー「天キ」を墓地へ送り、新たな炎舞ー「天キ」をセットする!」

 

 

「またサーチか。これは厄介だな」

 

 

「ただ、炎舞ー「天キ」は1ターンに1枚しか発動出来ないんです。だからこのままバトルです!トウケイでセイクリッド・シェラタンを攻撃!「天枢」の効果でトウケイの攻撃力は1600です!」

 

 

立炎星ートウケイ ATK1500→1600 VS シェラタン ATK700

 

 

LP4000→3100

 

 

トウケイが構えた槍でシェラタンを一閃し破壊すると、レッドの生徒から歓声が起こった。カイの先制攻撃に盛り上がっている。

 

 

「あいつ四天王のライフ削ったぞ!?」

「すげえ1年だな!」

「このまま行けばもしかして・・」

 

 

そんな声がギャラリー中から聞こえる。確かに入学したてのレッドの1年がブルーの四天王に勝ったなら大事件である。歴史的な勝利見たさにカイには次々と応援が飛んでくる。

 

 

「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

カイ

LP4000

モンスター1

魔法・罠3

手札3

 

 

「俺のターン、ドロー!まずは速攻魔法、サイクロンを発動し、炎舞ー「天枢」を破壊する!」

 

 

強烈な風が吹き荒れ、カイのフィールドの炎の輪がかき消されてしまった。これで次のターン、また召喚権を増やすのを止める事が出来る。

 

 

「そしてセットしていた永続魔法、セクリッドの聖痕を発動する。このカードがフィールドに存在する限り、セイクリッドと名のついたエクシーズモンスターが召喚された時デッキからカードを1枚ドロー出来る。さらにセイクリッド・グレディを召喚する!」

 

 

シェラタンと同様に白い鎧を纏いヤギの角を持った騎士が現れる。シルエット的には女性と思われ、手には青い宝石をはめた杖を握っている。

 

 

セイクリッド・グレディ ☆4/光/魔法使い/ATK1600/DEF1400

 

 

「攻撃力はトウケイと同じ・・・これなら」

 

 

「まさか、これで終わるわけないだろ?グレディの召喚に成功した時、手札から☆4のセイクリッドを1体特殊召喚できる!来い、セイクリッド・ポルクス!」

 

 

2本の刃を持つ刀を持った重装の騎士が現れる。今までのセイクリッドモンスターと違い体の半分は金色の装飾の鎧で覆われている。

 

 

セイクリッド・ポルクス ☆4/光/戦士/ATK1700/DEF600

 

 

「☆4のモンスターが2体!?」

 

 

「見せてあげよう!☆4のセイクリッド・グレディとセイクリッド・ポルクスをオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築・・・エクシーズ召喚!」

 

 

ポルクスとグレディは光の筋となり空中で交わり、巨大な光の玉に姿を変えて煉のフィールドに舞い降りた。

 

 

「輝く星の騎士よ、星々の加護をその身に受けて我が騎士団の守護者となれ!降臨せよ神聖騎兵、セイクリッド・オメガ!!」

 

 

光の玉にヒビが入り、眩い光を放って砕け散った。その中からは上半身は人、下半身は馬。いわゆるケンタウルスのような騎士が現れた。白く輝く鎧は所々金色で装飾されており、背中から翼が生えている。

 

 

セイクリッド・オメガ ★4/光/獣戦士/ATK2400/DEF500

 

 

「攻撃力2400のエクシーズ・・・(でも、この伏せなら)」

 

 

「セイクリッドの星痕の効果でカードを1枚ドロー。そしてバトルだ!セイクリッド・オメガでトウケイを攻撃!」

 

 

トウケイ ATK1600 VS オメガ ATK2400

 

 

「甘いですよ、煉さん!罠カード、次元幽閉を発動!オメガを除外します!」

 

 

突進してくるオメガの前に時空の歪みが生じ、オメガを飲み込もうとする。

 

 

「対処出来ないわけがないだろ!オメガの効果を発動!1ターンに1度エクシーズ素材を使う事で、このターンの間セイクリッドは一切の魔法・罠の効果を受けない!!」

 

 

オメガの体から眩い光が放たれ次元の歪みを消し飛ばしてしまった。障害のなくなったオメガはトウケイに一直線に突っ込んできた。トウケイが破壊されダメージの衝撃がカイに襲い掛かる。

 

 

カイ

LP4000→3200

 

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

 

LP3100

モンスター1

魔法・罠3

手札2

 

 

「俺のターン、ドロー!俺はセットしていた炎舞ー「天キ」を発動!」

 

 

「それはさせない!速攻魔法、サイクロンを発動して「天キ」を破壊する!」

 

 

2枚目のサイクロンから放たれ突風が「天キ」を吹き飛ばす。これでこのターンはもう発動する事が出来ない。わずか2ターン目なのに煉はかなり有利な状況に立ち、カイを追い詰めていく。

 

 

「(厳しいけど、負けてられない!)俺は暗炎星ーユウシを召喚!」

 

 

赤い炎で作られたクマを従え、甲冑に身を包んだ戦士が姿を現す。腰に挿した太刀を引き抜き、オメガに向けて構えた。

 

 

暗炎星ーユウシ ☆4/炎/獣戦士/ATK1600/DEF1200

 

 

「そして炎舞ー「揺光」を発動!このカードには発動時に相手の表側表示のカードを破壊する効果がありますが、今は使いません」

 

 

「たしかに使ってもオメガの効果に阻まれるからね。でも、それではこの状況は打開できないよ?」

 

 

「分かってます。だからこそ・・・ユウシの効果を発動!自分フィールドの炎舞を1枚墓地に送り、相手モンスターを破壊する!オメガは守れるのは魔法と罠の効果のみ。モンスター効果は防げない!」

 

 

ユウシが従えていたクマがオメガに向かっていき、その体に噛み付き破壊した。これで煉のフィールドにモンスターはいなくなった。煉もさすがにオメガが1ターンで超えられるのは予想外だった。

 

 

「そしてユウシのもう一つ効果、このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時デッキから炎舞と名のついた永続魔法をセットできる!バトルだ、ユウシでダイレクトアタック!!」

 

 

ユウシが太刀を構えたまま煉に向かっていき一太刀を浴びせる。強い衝撃にさすがの煉も片膝をつく。その瞬間ギャラリーからさらに大きな歓声が上がる。

 

 

LP3100→1500

 

 

「ユウシの効果発動!デッキから炎舞ー「天枢」をセット。メインフェイズ2に入り、炎舞ー「天枢」を発動!その効果で速炎星ータイヒョウを召喚!」

 

 

速炎星ータイヒョウ ☆3/炎/獣戦士/ATK0/DEF200

 

 

「またそいつか!?新たな炎舞を呼ぶつもりだね」

 

 

「もちろんです。タイヒョウの効果を発動!タイヒョウをリリースし、デッキから炎舞ー「天旋」をセット!これでターンエンドです!」

 

 

カイ

LP3200

モンスター1

魔法・罠2

手札2

 

 

「(セットした「天旋」の効果を使えばユウシの攻撃力をこのターン、2600まで上げられる。ここを凌げば・・・)」

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 

ドローカードを見た瞬間、煉は少し笑顔になりギャラリーにいる咲を見て小さくウィンクする。咲はそれに気づいて煉に笑顔で答える。

 

 

「咲ちゃん、凄いデュエルだね!ライフ的にはカイ君がかなり有利だよ!」

 

 

遊華は興奮した感じで咲の腕を引っ張りながらデュエルに魅入っていた。

 

 

「確かに、ライフ的にはカイが有利だけど。この勝負、兄さんの勝ちだよ」

 

 

「え?どうして分かるの?」

 

 

「さっき、兄さんが私の方見てウィンクしてたの。それ昔からのクセなんだ。私に良いとこ見せたくて、チャンスになると私の方にウィンクするの」

 

 

「そんなクセがあるんだ。全然知らなかった」

 

 

「そして、そのクセが出た時に兄さんが負けたのを見たことがないの。だから兄さんは絶対に勝つ!」

 

 

そう自信を持って言い放つと、咲は再びデュエルに目を移す。

 

 

「行くよ、カイ君!俺はセイクリッド・シェアトを守備表示で特殊召喚!このカードは相手にのみモンスターが存在する時、特殊召喚できるモンスターだ」

 

 

光の中から現れたのは白い鎧に身を包んだ小さな騎士。頭の上には水瓶が浮かんでいる。

 

 

セイクリッド・シェアト ☆1/光/天使/ATK100/DEF1600

 

 

「そして手札からセイクリッド・カウストを召喚!」

 

 

セイクリッド・オメガに似たケンタウロスのような騎士が現れた。その手には金色に輝く弓が握られている。

 

 

セイクリッド・カウスト ☆4/光/獣戦士/ATK1800/DEF700

 

 

「モンスターは並んだけど☆が合ってない・・・何があるんだ・・・」

 

 

「カウストの効果を発動!1ターンに2回まで自分フィールドのセイクリッドを選択し、星を1上げるか下げる事が出来る!俺はカウストを選択して☆を上げる!」

 

 

セイクリッド・カウスト ☆4→☆5

 

 

「さらにシェアトは1ターンに1度、墓地かフィールドのセイクリッドと同じ☆になれる!シェアトはカウストと同じ☆になる!」

 

 

セイクリッド・シェアト ☆1→☆5

 

 

「☆が揃った!?土壇場でエクシーズか・・・」

 

 

「光の騎士団、その頂点に立つ誇り高き騎士の姿を見せてやる!☆5のカウストとシェアトでオーバーレイ!2体の光属性モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築・・・エクシーズ召喚!!」

 

 

2体のモンスターが交わり天空へ伸びる光の道に変化する。その光の道に導かれ、黄金の装飾が施された純白の鎧に身を包む騎士が舞い降りた。フィールドに降り立った騎士がその手に持った輝く大剣を振ると空気が震える。

 

 

「星の力をその身に受けて、光の騎士を率いて世界を照らし出せ!降臨せよ、セイクリッド・プレアデス!」

 

 

セイクリッド・プレアデス ☆5/光/戦士/ATK2500/DEF1500

 

 

「攻撃力2500!?(ギリギリだけど、まだ「天旋」を使ったユウシは超えられない)」

 

 

「プレアデスは星の騎士団を率いる最強の騎士。その力を見せてあげるよ!プレアデスの効果を発動!1ターンに1度エクシーズ素材を取り除く事で、フィールド上に存在するカードを1枚持ち主の手札に戻す!」

 

 

「なんだって!?・・・って事は」

 

 

「もちろん戻すのは・・・君の暗炎星ーユウシだ!セクリッド・リターン!」

 

 

プレアデスが手に持った大剣を振るうと光の刃が飛び出しユウシを弾き飛ばした。

 

 

「これでがら空きだね!行け、プレアデス!ダイレクト・アタック!」

 

 

カイ

LP3200→700

 

 

プレアデスの大剣の一閃を受け、強い衝撃にカイは思わず片膝をつく。

 

 

「(いてて・・・でも、まだライフは残って・・・)」

 

 

セイクリッド・ポルクス ☆4/光/戦士/ATK1700/DEF600

 

 

顔を上げたカイの前には、いつの間にか刀を構えたポルクスが立っていた。

 

 

「な、何で・・・まさか!?」

 

 

カイが煉のフィールドを見ると、1枚の永続罠が発動していた。墓地のモンスターを蘇生させるリビングデットの呼び声だった。

 

 

「リビングデットの呼び声でポルクスを特殊召喚した。これで決着だね!」

 

 

「やっぱり四天王は強い・・・でも、面白いぜデュエルアカデミア!煉さん、またデュエルしましょう!」

 

 

「あぁ、いつでもこい!」

 

 

カイ

LP700→0

 

 

決着がついた瞬間、落胆の声が上がったがそれはすぐにお互いの健闘をたたえる拍手に変わっていた。戦いが終わったカイの元に遊華達が寄ってきた。

 

 

「カイ君、惜しかったね。良い感じだったのに・・・」

 

 

「ありがとう、遊華。やっぱ四天王は強いな。咲、お前の兄さんは凄いよ」

 

 

「あったり前じゃん!私の自慢の兄貴だからね」

 

 

「よし、早速帰って試験に向けてデッキ調整だ!じゃあ煉さん、また今度!」

 

 

「あ、待ってよカイ君!」

 

 

カイが寮に向けて走り出し、遊華達もそれを追って走り出した。煉はそれを見送った後、ブルー寮に帰る為歩き出した。

 

 

「(咲、良い友達を持ったな。さて試験勉強の息抜きは楽しめたし、また勉強するかな)」

 

 

 

 

ー数日後、試験当日ー

 

 

 

 

月一試験当日、朝から皆は筆記試験を受けていた。もちろんその筆記試験も難易度が高い為、皆苦戦していた。昼になりやっと筆記試験が終わったが、絶望的な表情をしている生徒が約2名。

 

 

「咲ちゃん、カイ君・・・大丈夫?」

 

 

「「き、聞かないで下さい」」

 

 

遊華達は購買部でドローパンを買って、気力を回復しながら筆記試験の反省会をしていた。

 

 

「だから普段から勉強しろって言っただろ」

 

 

「クライドの言う通りね。咲もちゃんと反省しなさい」

 

 

「俺とケンタはちゃんと勉強したから、そこそこだったぜ」

 

 

「涼君との追い込みが役に立ったよ!クライド君にも感謝だよ」

 

 

咲とカイ以外は皆思い通りの力が出せたようだ。しかし、午後にも難問の実技試験が控えている。咲とカイは実技に賭けるしかなかった。

 

 

「いや、本番は午後の実技試験だ!!咲、まだ俺達にはチャンスがある!」

 

 

「もちろん!やっぱり実戦あるのみだよね!よし、ドンと来い月一試験!」

 

 

「そういえば、実技試験の組み合わせ表では遊華とケンタが対戦するのよね?」

 

 

「そうだよ、ルナちゃん。ケンタ君とは初対戦だから楽しみだよ」

 

 

「遊華さんのヒーローは強力だけど、僕も負けないよ!」

 

 

その時カイが自分のデッキを取り出して皆の前に突き出す。

 

 

「皆、午後の試験気合入れて行こうぜ!」

 

 

皆もそれに答えて次々と自分のデッキを取り出して皆に見せる。しかし、一人だけなかなかデッキを出さない。

 

 

「遊華、どうした?」

 

 

カイの問いかけにも何も答えない。それを見て咲達も心配になる。すると遊華の顔色がだんだん青ざめていく。制服のあちらこちらを触って何かを探している。

 

 

「皆・・・・どうしよう・・・・」

 

 

青ざめた顔の遊華がカイ達の顔を見渡して衝撃の告白をした。

 

 

「デ・・・・デッキが・・・・私のHEROデッキが・・・・ない」

 

 

 

 




初めて台本形式をやめて書いてみましたが、やはり難しいですね。
他の方の小説を読んでいると皆さん上手く書いていて羨ましいです。


次回は実技試験デュエルを頑張って書いていこうと思います!
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