デュエルアカデミアーNew Generationー   作:ネコ耳族

7 / 8
今回は実技試験です!あんなデッキやこんなデッキの登場です!



獣と実技と対立

今、遊華達は筆記試験の行われた教室を隅から隅まで歩き回っていた。しかし、一向に遊華のデッキが見つかる気配はない。

 

 

「クライド!そっちにありそうか?」

 

 

「カイ、こっちには見当たらない。そっちはどうだ?」

 

 

「こっちも手応え無しだな・・・ルナ、ケンタと涼から連絡は?」

 

 

「今のところ何もないわ。これは本当にマズイわね」

 

 

ケンタと涼は別行動で、教室から購買部までの道を探してくれていた。見つかれば連絡をもらうようにしていたが、全く連絡は来ない。

 

 

「皆、ごめんなさい・・・・私がしっかりしてないから・・・」

 

 

「遊華のせいじゃないよ!だから泣かないの、ね?」

 

 

「そうよ、遊華。誰もあなたを責めたりしないわ。さあ、もっと探しましょう」

 

 

デッキを無くした焦りと皆への申し訳なさで泣きそうになっている遊華を、咲とルナが優しくなだめる。しかし、早く探さなければ本当に試験を棄権する事になってしまう。そうなれば成績に大きく影響するので皆の顔にも焦りが見え始めていた。

筆記試験が始まる前は遊華は間違いなくデッキを持っていたので無くしたとなれば、教室か購買部への道しかないのだが見つかる気配がなかった。

 

 

「まだ実技まで時間あるから急いで探そう!他のレッドの奴にも頼んでみるよ!」

 

 

カイはPDAを使って他のレッド生に協力を頼み、遊華達はもう一度教室を回り始めた。

そんな遊華達の様子を教室のドアの隙間から覗いている生徒達がいた。

 

 

「あいつら必死に探してるな。ざまあみろ」

 

 

「俺達に恥をかかせてくれたからな。今度はこっちの番だ」

 

 

「これであいつは実技を棄権して成績を落とす。そうなれば退学寸前のはず」

 

 

彼らは以前、遊華が煉のお守りを届けて時にからんできたブルーの1年生だった。あの日以来、遊華と咲とカイに会う度に色々嫌がらせをしていた。完全に逆恨みなのだが、特に事の発端になった遊華には一番強く当たっていた。

彼らは数日前からこの月一試験で遊華達に仕返しが出来ないかと企んでいた。しかし、イマイチ悪知恵が働かなくていい仕返しが浮かばずにいた。そんな時、彼らに絶好の機会が訪れた。

 

 

「今思えば3人で色々考えたよな。勉強の妨害をするとか」

 

 

「試験の組み合わせを変えてもらって自分達であいつを潰そうとか。まぁ、寮長の岩切先生に拒否されたけど・・・」

 

 

「でも、そんな俺達に神は味方した」

 

 

そう言って1人がデッキケースを取り出す。それはまさに遊華がなくしてしまったデッキケースだった。

 

 

「まさか、このタイミングでデッキケースを落としてくれるなんてな。これで仕返しが出来る!」

 

 

「よし、早速隠しに行こう!」

 

 

「試験が楽しみだな!」

 

 

3人はデッキを隠すために走り去っていった。そうとも知らず遊華達は必死にデッキを探していた。

 

 

 

ー15分後ー

 

 

 

「こんだけ皆で探して見つからないなんて・・・どこにあるんだよ、遊華のデッキ」

 

 

カイの嘆きに皆の空気もさらに重くなる。実技試験の時間は刻一刻と迫っているのに遊華のデッキは全く見つからないのだ。

 

 

「どうしよう。今から皆の余ってるカードを寄せ集めてデッキ作る?」

 

 

「咲にしては良い策だけど、さすがに寄せ集めデッキで実技試験は厳しいわよ?」

 

 

「ルナのいう通りだな。効果の把握や構築にもある程度の時間がいるしな」

 

 

咲達も必死に考えるが良い意見が全く浮かばない。さすがに1からデッキを構築するには時間が足りなさ過ぎるし、かと言ってこれ以上探しても成果を上げられる可能性が低かった。

 

 

「(皆、私の為に必死になってくれてる・・・本当にごめんなさい)」

 

 

遊華はこの状況に涙を流さないように必死に我慢してきたが、さすがに堪え切れず静かに泣き始めてしまう。デッキを無くした不甲斐なさと皆への申し訳なさで遊華の胸は張り裂けそうだった。

咲達も遊華の涙を見て何も言えなくなっていた。デッキを見つけられなかった悔しさで皆何て声をかけていいのか分からなくなっていた。そんな空気の中カイは呟いた。

 

 

「くそ・・・せめてもう一個のデッキでもあれば・・・」

 

 

「(カイ・・・確かに遊華にもう一個デッキがあれば・・・もう・・・一個?・・・そうだ!!)」

 

 

咲は何かを思い出したのか、いきなり遊華の両肩をつかんだ。

 

 

「遊華、解決策があったよ!」

 

 

「さ、咲ちゃん!?ほんとうに!?」

 

 

「うん、さっきのカイの言葉で思い出したんだ!というか、大事な事を忘れてたよ!」

 

 

「マジかよ、咲!なんだ、解決策って!」

 

 

「遊華、もう一個のデッキを使えばいいんだよ!持ってきてるでしょ、あれ!」

 

 

咲の言葉を聞いて遊華も思い出した。そう遊華のデッキはヒーローだけではなかった。

憧れのヒーローデッキを作る前から遊華がずっと使っていた思い出のデッキ、それはアカデミアにもちゃんと持ってきている。

 

 

「そうだ、忘れてたよ咲ちゃん!あのデッキがあれば試験が受けられるよ!」

 

 

「本当か遊華!?よし、これで一安心だな!」

 

 

「カイ君、皆もありがとう!私急いであのデッキを取ってくるよ!皆は先に体育館に行ってて!」

 

 

遊華はレッド寮に向けて走り出し、カイ達は安心した表情でそれを見送っていた。ただ一人、咲を除いては。

 

 

「なんとかこれで遊華も試験を受けられそうだな」

 

 

「カイ、それがそうのん気に構えてられないんだ」

 

 

「どうしたの咲?もう一つのデッキがあるのなら大丈夫なんでしょ?」

 

 

「ルナ・・・実はそのデッキは調整中で崩してる状態だからもう一度組み上げないと使えないの」

 

 

試験が始まるまでもう時間があまり無い。幸い遊華の順番は後の方なので少しは大丈夫だが、あまり余裕はなかった。

 

 

「マジかよ!?あんまり時間の余裕ないのに・・・」

 

 

「俺達もそろそろ体育館に行かないとマズイぞ」

 

 

「クライドの言う通りよ。でも、遊華も心配だし・・・」

 

 

「だから、皆にお願いがあるの。本当はデュエリストとして、こんなお願いは駄目なのは分かってるんだけど・・・実技試験のデュエルは可能な限り時間をかけて戦ってください!!私はこんな形で遊華が棄権になる姿なんて見たくない・・・幼馴染としてそれだけは絶対阻止したいの。だから、お願いします!」

 

 

そういうと咲はカイ達の前で頭を下げた。いきなりの事でカイ達も困惑してしまうが、その覚悟の強さは伝わってきた。頭を下げる咲にルナが歩み寄って、肩に優しく手を置いた。

 

 

「頭を上げて、咲。もちろん私達だって遊華を助けたいから、出来る限りの事はするわ」

 

 

「仕方ない、今度全員にドローパン奢れよ。俺とルナのデッキは元々中速のデッキだから上手く時間を稼げるはずだ」

 

 

「任せろよ、咲!俺達だって遊華の友達として、棄権なんて絶対にさせないさ!」

 

 

「カイ・・・クライド・・・ルナ・・・ありがとう。本当にありがとう」

 

 

四人はケンタと涼にも連絡をし、体育館で合流して打ち合わせるをする事にした。

 

 

 

 

ーレッド寮103号室ー

 

 

 

 

部屋に戻った遊華は机の引き出しを開いて、ケースに入れていたもう1つのデッキを取り出した。しかし、調整用に崩していたのでカードはバラバラで足りないパーツも多々ある。

 

 

「(急いで完成させなきゃ・・・私の為に必死になって探してくれた皆の為に!)」

 

 

「もじゃ~」

 

 

いつの間にか遊華の隣にはモジャがいた。モジャも遊華を心配している様子だった。そんなモジャに遊華は優しく微笑んだ。

 

 

「モジャ、あなたも私に力を貸してね」

 

 

「もじゃ~!」

 

 

早速遊華はデッキを組み直し始めた。実技に間に合わせて、皆の努力に報いるために。

 

 

 

 

ー体育館ー

 

 

 

 

月一試験の実技試験は体育館で行われ、それぞれ同じ寮の生徒同士でデュエルをして勝敗を決める。体育館のあちらこちらで続々と対戦が行われていた。

 

 

クライド

LP1500

モンスター1

魔法・罠1

手札2

 

 

極光炎龍エターナル・ドラグーン・フレア ☆10/炎/ドラゴン/ATK3000/DEF2000/シンクロ

 

 

「(だいぶ伸ばしたが、ここが限界か・・・)ドラグーン・フレアでダイレクトアタック!メテオ・フレア!!」

 

 

レッド生

LP1500→0

 

 

ルナ

LP1000

モンスター1

魔法・罠2

手札1

 

 

極光獣王キング・レオ 獣/光/☆8/ATK2800/DEF2000

 

 

「(クライドの試験が終わったわね。私もこれ以上は伸ばせない)キング・レオでダイレクトアタックです!」

 

 

レッド生

LP2000→0

 

 

カイ達は相手の攻撃を防ぎながらなるべく時間がかかるようにデュエルを進めていた。しかし、あまり時間をかけ過ぎてしまうと自分の成績も危うくなってしまう。多少は時間を延ばせたが未だに遊華は現れていなかった。そうしているうちについにケンタと遊華の順番になってしまった。

 

 

「次は早瀬遊華と雨宮ケンタだな。2人ともフィールドへ!」

 

 

土門先生の呼びかけでケンタはフィールドに向かう。しかし、遊華はまだ姿を現していなかった。会場は遊華が出てこないので少しざわついていた。

 

 

「ケンタ、遊華はどうした?まだ来ていないのか?」

 

 

「土門先生、それが遊華さんはちょっと遅れるみたいなので少し試験開始を待ってもらえませんか?」

 

 

「遅れる?何かあったのか?」

 

 

ケンタは事情を土門先生に説明して何とか試験の開始を延ばしてもらおうと交渉をしてみた。

 

 

「デッキを無くしただと!?それは大変じゃないか!」

 

 

「なので、もう少し試験の開始を延ばしてください!お願いします!」

 

 

「・・・分かった!なんとか責任者の岩切先生を説得してみよう」

 

 

「ありがとうございます!!」

 

 

こうして少し開始が延期されたが、咲達の不安は消えていなかった。皆不安そうな顔でフィールドを見つめていた。そんな中、ブルー生の座っているエリアからワクワクしながら見ている生徒もいた。

デッキを隠したあの3人だ。

 

 

「あいつ、まだ来てないな!」

 

 

「これであいつは退学にリーチだな!」

 

 

「デッキがなければ来るはずがないさ!」

 

 

 

 

ー10分後ー

 

 

 

スタンドで見ている咲達の下に煉がやって来た。煉も遊華がデッキを無くした事は聞いていた。

 

 

「咲、遊華から何も連絡はないのか?」

 

 

「兄さん・・・まだ何も」

 

 

「そうか・・・さすがにこれ以上はマズイな」

 

 

フィールドでは必死にケンタが頭を下げてお願いしていたが、さすがに土門先生もこれ以上引き伸ばすのは厳しいようだった。

 

 

「ケンタ・・・悪いがこれ以上は・・・・」

 

 

「そ、そんな!?」

 

 

「この勝負!対戦相手不在の為・・・・」

 

 

「ちょっと待ってください!!」

 

 

土門先生がケンタの不戦勝を告げようとした時、遊華がダッシュで体育館に入ってきた。それを見て咲達は一安心し笑顔がこぼれる。同時にあのブルー生達はまさかといった表情で固まっている。それをたまたま見ていた煉は何か怪しいと感付いていた。

 

 

「遅れてすいません、土門先生!」

 

 

「話は聞いたぞ。デッキはちゃんと出来たのか?」

 

 

「はい!いつでも試験を受けれます!」

 

 

「よし!これから実技試験を始めるぞ!」

 

 

遊華はデュエルディスクを着けてケンタと向かい合った。咲達もこれで安心して応援できる。

 

 

「ところで咲、遊華のもう一つのデッキってどんなのなんだ?」

 

 

「見てのお楽しみかな。遊華はあのデッキを使わせてもかなり強いよ!」

 

 

カイの素朴な疑問に咲は笑顔で答える。同室のルナですらそのデッキの存在を知らなかった謎のデッキなので皆正体が気になっていた。

 

 

「ケンタ君、遅れてごめんね。それとデッキを探してくれてありがとう!待たせた分、全力で行くよ!」

 

 

「うん!思いっきり楽しもう、遊華さん!」

 

 

 

 

「「デュエル!!!」」

 

 

 

 

「僕のターン、ドロー!僕はモンスターをセット、さらにカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

 

ケンタ

LP4000

モンスター1

魔法・罠1

手札4

 

 

 

「私のターン、ドロー!(使うの久しぶりだなぁ・・・私の思い出のデッキ!)私は、ネコ耳族を召喚!!」

 

 

ネコ耳族 ☆1/地/獣戦士/ATK200/DEF100

 

 

遊華のフィールドに服を着た小さなネコのモンスターが三匹現れた。その愛くるしさに女子生徒から黄色い歓声が上がっている。ルナも目を輝かせてネコ耳族に魅入っている。

 

 

「ネ、ネコ耳族!?おい、咲・・・あれがもう一つのデッキか?」

 

 

「そうだよ、カイ。遊華がずっと使ってた獣&獣戦士デッキ!面白いカードがいっぱい入ってるからね」

 

 

「でも、攻撃力200って・・・」

 

 

「いや、古いカードだがあのモンスターにはなかなか強力な効果が備わってるんだ」

 

 

「さすが、クライド!物知りだね!」

 

 

ケンタはいきなり出てきたのが低攻撃力のモンスターだったので少し安心していた。

 

 

「なんか、可愛いモンスターですね!」

 

 

「ありがとう!私はカードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

 

遊華

LP4000

モンスター1

魔法・罠2

手札3

 

 

 

「僕のターン、ドロー!僕はセットしていたギアギアーマーを反転召喚!」

 

 

ギアギアーマー ☆4/地/機械/ATK1100/DEF1900

 

 

目玉の付いた歯車のモンスターが両手に盾の重装甲で現れる。見た目の通り高い守備力を持っているモンスターである。

 

 

「ケンタ君のモンスターも結構かわいいね!」

 

 

「でも、こいつの効果は強力だよ!ギアギアーマーがリバースした時、デッキからギアギアーマー以外のギアギアをサーチ出来る!僕はギアギアクセルを加えるよ。そして、ギアギアーセナルを召喚!」

 

 

ギアギアーセナル ☆4/地/機械/ATK1500/DEF500

 

 

「ギアギアーセナルの攻撃力は自分フィールドのギアギアの数×200ポイントアップするから、攻撃力は1900だよ!」

 

 

ギアギアーセナル ATK1500→1900

 

 

「行くよ、バトル!ギアギアーマーでネコ耳族を攻撃!先手は取らせてもらうよ!」

 

 

ギアギアーマーが両手の盾を振りながらネコ耳族に近づく、攻撃力の差は歴然だが遊華は余裕の笑みを浮かべていた。

 

 

「ケンタ君、残念だけど先手は私がもらうよ!タメーシステップ時に罠カード、幻獣の角を発動!このカードは発動後に装備カードとなり自分フィールド上の獣族・獣戦士族1体に装備できる!その効果で攻撃力が800ポイントアップするよ!」

 

 

ネコ耳族 ATK200→1000

 

 

3匹のネコに小さな角が生えてきて、それを使って必死に威嚇しながらギアギアーマーに向かっていく。その姿にまたギャラリーから黄色い歓声が上がる。

 

 

「いくら攻撃力が上がっても1100のアーマーには届かないよ!粉砕しろ、ギアギアーマー!」

 

 

ギアギアーマー ATK1100→200

 

 

「あ、あれ!?なんでギアギアーマーの攻撃力が!?」

 

 

「ネコ耳族の効果だよ。ネコ耳族は相手ターンだけこのカードと戦闘する相手モンスターの元々の攻撃力を、タメージステップ時に200する効果を持ってるの!」

 

 

「って事は相手からの戦闘は絶対相打ち、攻撃力変動をかければ絶対勝つって事!?」

 

 

「そうだよ!行け、ネコ耳族!反撃のネコパンチ!」

 

 

ネコ耳族がネコパンチを放つと、ギアギアーマーはバラバラに分解してしまった。

 

 

ケンタ

LP4000→3200

 

 

「そして、幻獣の角の効果で相手モンスターを破壊した時デッキから1枚ドローするね」

 

 

「やるね、遊華さん。でも、僕だって負けない!メインフェイズ2に入ってギアギアクセルを特殊召喚!こいつは自分の場にギアギアがいると守備表示で特殊召喚できる!」

 

 

ギアギアクセル ☆4/地/機械/ATK1400/DEF800

 

 

「行くよ、僕は☆4のギアギアクセルとギアギアーセナルでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!起動せよ、ギアギガントX《クロス》!!」

 

 

ギアギガントX ★4/地/機械/ATK2300/DEF1500

 

 

巨大なロボットがネコ耳族の前に立ちはだかる。そのボディのあちらこちらにギアギア達が組み込まれている。

 

 

「来たね、ギアギアの要・・・厄介な相手だよ」

 

 

「僕はギアギガントXの効果発動!1ターンに1度、エクシーズ素材を取り除く事でデッキまたは墓地から☆4以下の機械族を手札に加える!僕はデッキからギアギアーセナルを加えるよ。カードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

ケンタ

LP3200

モンスター1

魔法・罠2

手札4

 

 

「私のターン、ドロー!ケンタ君のエースが出てきたなら、私もこのデッキのエースでお相手するよ。私は、ビーストライカーを召喚!」

 

 

ハンマーを持った二足歩行のイノシシがフィールドに現れた。攻撃力では負けているが、物凄い形相でギアギガントXを威嚇している。

 

 

ビーストライカー ☆4/地/獣/ATK1850/DEF400

 

 

「ビーストライカーの効果発動!1ターンに1度、手札を1枚捨てる事でデッキからこの子を・・・(モジャ、お願いね)モジャを特殊召喚できる!」

 

 

ビーストライカーが雄たけびを上げると、遊華のデッキから黒いモコモコの体につぶらな瞳をしたモジャが飛び出してきた。

 

 

モジャ ☆1/地/獣/ATK100/DEF100

 

 

「もじゃ~」

 

 

「「「可愛いー!!」」」

 

 

またしても女子生徒から黄色い歓声が上がる。しかし、それに納得のいかない生徒が一人。

 

 

「(や、やっぱり私の感覚が間違ってるの!?いや、この金城咲の感覚は間違ってないはず!)」

 

 

モジャは遊華の周りをじゃれる様にくるくる回って、遊華はそんなモジャに笑顔で答える。ケンタは高攻撃力のビーストライカーからリクルートされるのがまさかこんなに低攻撃力のモジャだとは思っていなかったので少々困惑している。

 

 

「モ、モジャって・・・攻守100しかないモンスターを呼ぶ効果って」

 

 

「この子は私の大切な友達だよ!あんまり馬鹿にしてると痛い目見るよ。モジャは進化できるんだから!」

 

 

突然モジャの体が光り始めた。その光は最初は弱かったが、だんだん強くなっていく。ギャラリーはこれから何が起こるのか期待を膨らませていた。

 

 

「モジャ、今こそ本当の力を見せてあげて!モジャをリリースして手札からキング・オブ・ビーストを特殊召喚!」

 

 

光を放つモジャが段々巨大化していく。そして光が収まると、そこには黒い体に沢山の足が生えた強面のモンスターが立ちはだかっていた。

 

 

キング・オブ・ビースト ☆7/地/獣/ATK2500/DEF800

 

 

「「「なんですとー!?」」」

 

 

モジャのあまりの変わり様にギャラリーからは悲鳴も聞こえる。咲も小さい頃に初めて遊華にこいつを出された時は怖くて泣いてしまったのを思い出していた。

 

 

「こ、これがモジャ!?」

 

 

「そうだよ!モジャは、成長して立派な獣の王様になる!」

 

 

ケンタはまさかの変化に驚いてしまっているが、すぐに我に帰る。ギアギアにとって最高打点のギアギガントXを超えられると厳しいものがある。

 

 

「驚いてる場合じゃないや。召喚時にリバースカード、激流葬を発動!フィールド上の全てのモンスターを破壊する!」

 

 

激しい濁流がフィールドのモンスターを全て飲み込んでしまう。ケンタにとっても痛手だがあのまま攻撃力2500とネコ耳族が居座り続けるのは避けたかった。

 

 

「悔しいけど、これは仕方ないね。カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊華

LP4000

モンスター0

魔法・罠2

手札1

 

 

「僕のターン、ドロー!今がチャンスだね、僕はギアギアーセナルを召喚!さらに僕の場にギアギアがいるので、ギアギアクセルを守備表示で特殊召喚!」

 

 

ギアギアーセナル ☆4/地/機械/ATK1500/DEF500

 

 

ギアギアクセル ☆4/地/機械/ATK1400/DEF800

 

 

「そして☆4のギアギアクセルとギアギアーマーでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!再び起動せよ、ギアギガントX《クロス》!!」

 

 

ギアギガントX ★4/地/機械/ATK2300/DEF1500

 

 

「また来たかぁ・・・厄介だなぁ」

 

 

「今、遊華さんのフィールドはがら空き。行くよ!ギアギガントXで遊華さんにダイレクトアタック!ギアギガントナックル!」

 

 

守りのモンスターがいないので、ギアギガントXの渾身の右ストレートが遊華を直撃した。その衝撃で遊華は後ずさる。

 

 

遊華

LP1700

 

 

「よし、大ダメージだ!バトルフェイズを終了してギアギガントXの効果を発動!ブリキンギョを手札に加える。そしてカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

ケンタ

LP3200

モンスター1

魔法・罠2

手札3

 

 

「私のターン、ドロー!速攻魔法、サイクロンを発動して伏せカードを1枚破壊するよ。右側のカードを破壊!」

 

 

フィールドで巻き起こったサイクロンがケンタの伏せた激流葬を破壊し、遊華はほっとした。さすがにもう1度激流葬を受けるのは厳しいものがあった。

 

 

「そして、金華猫を召喚!」

 

 

三又の尻尾を持つ黒い化け猫がフィールドに現れて鳴き声を上げる。

 

 

金華猫 ☆1/闇/獣/ATK400/DEF200

 

 

「金華猫の召喚に成功した時、自分の墓地の☆1のモンスターを特殊召喚出来る。帰っておいで、モジャ!」

 

 

金華猫の鳴き声に誘われて、嬉しそうにモジャが遊華の元に戻ってきた。

 

 

モジャ ☆1/地/獣/ATK100/DEF100

 

 

「もじゃ〜」

 

 

「そしてモジャをリリースして、再び進化せよキング・オブ・ビースト!」

 

 

再びモジャが光を放ち、キング・オブ・ビーストへと姿を変えて、雄叫びをあげる。

 

 

キング・オブ・ビースト ☆7/地/獣/ATK2500/DEF800

 

 

「また出てきた!?(一応ミラーフォース伏せてるから防げるはずだけど)」

 

 

「行くよ、キング・オブ・ビーストでギアギガントXに攻撃!キング・チャージ!」

 

 

ギアギガントXめがけてキング・オブ・ビーストは雄叫びをあげながら突進していく。

 

 

「リバースカードオープン、聖なるバリア-ミラーフォース-!相手の攻撃宣言時に発動し、攻撃表示モンスターを全て破壊する!」

 

 

「想定内だよ!カウンター罠、盗賊の7つ道具!ライフを1000払い、罠カードの発動を無効にして破壊する!」

 

 

遊華

LP1700→700

 

 

ミラーフォースから放たれた光がかき消され、キング・オブ・ビーストの巨体がギアギガントXにぶつかり粉砕した。

 

 

ケンタ

LP3200→3000

 

 

「よし、私はこれでターンエンドだよ!エンドフェイズに金華猫は手札に戻るね」

 

 

遊華

LP700

モンスター1

魔法・罠1

手札2

 

 

「(やっぱり遊華さんは強いな。でも、ライフは僕の有利だ)僕のターン、ドロー!よし、チャンス到来!僕は魔法カード、ブラックホールを発動!」

 

 

突如上空に現れた黒い渦がフィールドのモンスターを吸い込み始める。

 

 

「このカードの効果でフィールド上の全てのモンスターを破壊する!(これで場を空けてモンスターを出せば僕の勝ちだ!)キング・オブ・ビーストを破壊するよ!」

 

 

「永続罠、リビングデットの呼び声を発動!私の墓地からネコマネキングを蘇生させる!現れて、ネコマネキング!」

 

 

遊華のフィールドに招き猫のようなモンスターが現れ、ブラックホールに吸い込まれていく。そして2体のモンスターが吸い込まれるとブラックホールは消滅した。

 

 

「ネコマネキング?いつの間にそんなモンスターが・・・」

 

 

「ビーストライカーの効果を発動するコストで捨ててたんだ」

 

 

「でも、これで遊華さんの場はがら空き。モンスターを召喚すれば僕の勝ちだよ!」

 

 

ケンタは勝利を確信していたが、同時に遊華も勝利を確信したような笑顔を見せた。

 

 

「残念だけど、ネコマネキングの効果を発動するよ。ネコマネキングが相手のターン中に相手のカード効果で墓地へ送られた時、相手のターンを終了させる!」

 

 

「そ、そんな!?ということはもう僕のターンはエンドフェイズ!?」

 

 

ケンタ

LP3000

モンスター0

魔法・罠0

手札4

 

 

「そういう事だよ!私のターン、ドロー!私は金華猫を再び召喚して、効果によりモジャを蘇生するよ!」

 

 

金華猫 ☆1/闇/獣/ATK400/DEF200

 

モジャ ☆1/地/獣/ATK100/DEF100

 

 

「そしてモジャをリリースして墓地からキング・オブ・ビーストを特殊召喚!さらに魔法カード、死者蘇生を発動して墓地のビーストライカーを特殊召喚!」

 

 

ビーストライカー ☆4/地/獣/ATK1850/DEF400

 

キング・オブ・ビースト ☆7/地/獣/ATK2500/DEF800

 

 

「そ、そんな・・・ライフでは圧倒的に勝ってたのに・・・悔しいけど完敗だね」

 

 

「一瞬で状況が覆るのもデュエルの醍醐味だよ!ビーストライカーとキング・オブ・ビーストでダイレクトアタック!」

 

 

ケンタ

LP3000→0

 

 

試験が終わると2人にギャラリーから大きな拍手が送られたが、それどころない生徒が3人。

 

 

「あいつ勝っちまったじゃないか!」

 

 

「あんなデッキを持ってたなんて」

 

 

「俺達の計画が!」

 

 

そんな事を言ってると、急に背後から凄まじい殺気を感じて3人は振り返る。ドス黒いオーラを纏った笑顔の煉が立っていた。オーラを感じたのか3人の顔が青ざめていく。

 

 

「君達、ちょっと俺とお話をしないか?」

 

 

「「「きょ、拒否権は・・・」」」

 

 

「あると思ってんの?」

 

 

「「「で、ですよねー・・・」」」

 

 

この後、犯行がばれた3人が煉に怒りの制裁デュエルでボコボコにされたのは言うまでもない。

 

 

ーレッド寮付近ー

 

 

夕方になり遊華の元にヒーローデッキが戻って来た。煉があの3人を連れて遊華の所まで、届けてくれたのだ。煉から事情を聞いた遊華は謝罪をしに来た3人に少しお説教をした後、許してあげることにした。

そして今、遊華はカイと一緒にレッド寮に戻ろうとしていた。

 

 

「カイ君、今日はデッキ探すの手伝ってくれてありがとう」

 

 

「気にすんなって!でも、無事戻ってきて良かったな」

 

 

「うん、皆には本当感謝してるよ」

 

 

そんな話をしながら歩いていると近くでデュエルしている生徒が見えた。1人は男子で1人は女子、2人ともラーイエローの生徒のようだ。

ちょうど勝負がついたようで、男子がよろめきながら地面に倒れた。かなりボコボコにされたのだろう。勝った女子は冷たい眼差しで倒れた男子を見つめている。

 

 

「あ、あの子は!?」

 

 

「おい、待てよ遊華!」

 

 

遊華が急にその女子の方に走り出したので、カイも慌てて追いかけた。遊華はその女子を知っていた。数日前、彼女と初めて出会った。遊華にとってはかなり後味の悪い出会い方だった。

 

 

 

ー数日前ー

 

 

 

試験勉強に疲れていた遊華は気晴らしにデュエルがしたくなり、相手を探して散歩ついでにアカデミア内を散策していた。普段ならカイ達に頼むのだが、今日はいつもと違う相手てデュエルがしたかったからだ。

 

 

「誰か相手してくれる人いないかなぁ」

 

 

しばらく歩いていると校舎内のデュエルフィールドの近くにたどり着いた。そこからは何やら数人の生徒の声が聞こえてくる。

 

 

「(誰かデュエルしてるのかな?)」

 

 

気になった遊華が中に入ると、そこにはラーイエローの生徒が数人倒れていた。皆デュエルに敗れたようだ。そしてちょうど勝負がついたようでまた1人生徒が倒れた。

フィールドには1人、ラーイエローの制服を来た黒髪の少女が立っており倒れた相手を冷たい眼差しで見つめている。

 

 

「(あの子が1人で全員倒したの!?凄く強いのかな・・・見た感じ同じ学年みたいだけど)」

 

 

遊華はその子に興味がわいた。どのくらい強いのか、そしてなぜ勝ったのに寂しそうな顔をしているのか。そんな事を考えていると、その少女は振り返りその場を立ち去ろうとした。

 

 

「あ、あの!良かったら、私とデュエルしませんか?」

 

 

遊華の呼びかけに少女は振り返り、先程の対戦相手を見ていたのと同じ冷たい眼差しで遊華を見た。

 

 

「あなたが私とデュエル?」

 

 

「はい!凄く強いんですよね、この人数に連勝できるなんて凄いです!」

 

 

「私には普通の事だから・・・」

 

 

「だから凄く興味があるんです。そんな強い人とデュエルがしてみたいんです!」

 

 

興味津々といった感じで瞳を輝かせる遊華に少女は1度目を閉じて一呼吸おいた。そして再び目を開けて冷たい瞳を向けながら言い放った。

 

 

「私は自分より弱い人間に興味はないから・・・さようなら」

 

 

「ちょ、ちょっと!」

 

 

振り返って帰ろうとする少女を遊華は必死に呼び止めた。少女はため息をついて、遊華の方を向いた。

 

 

「あなたはオシリスレッドでしょ?つまりラーイエローの私より間違いなく格下。そんな弱い人の相手をする時間はないの」

 

 

「そ、そんなのやってみないとわからないでしょ!」

 

 

「勝負は見えてる。あなたは私には勝てない」

 

 

「でも、デュエルは勝ち負けだけじゃないでしょ!お互い楽しんでやるのもデュエルでしょ?」

 

 

楽しんでデュエルする。それは遊華と咲の信条だった。もちろん勝負の世界なので勝ち負けはあるが、デュエルを楽しむ心というのを遊華はいつも大事にしていた。しかし、その言葉に少女の顔色が曇っていった。

 

 

「楽しんでデュエル?あなた本気で言ってるの?」

 

 

「本気だよ!だから気になるの。なんで、あなたは勝ったのにあんなに悲しい顔をしているの?デュエルはもっと楽しんでやろうよ」

 

 

「・・・分かったような事言わないでよ。世の中あなたみたいに楽しんでお気楽にデュエルできる人ばかりじゃないのよ。私のデュエルは勝つ為のデュエル、勝たなければ意味が無いし勝つ事こそが私の存在意義。私は勝ち続けなきゃいけないの!だからより強い相手を探してるのよ」

 

 

「そんなデュエル、苦しいだけだよ!デュエルは勝ち負けだけじゃないはずだよ!」

 

 

遊華の必死の訴えを無視して少女は振り向いて歩き始めた。

 

 

「あなた・・・本当にむかつく」

 

 

少女が去った後、遊華も腹立たしい気持ちだった。もちろんデュエルの価値観が人それぞれ違うのは遊華も分かっているが、そんな勝つ事が義務付けられたような苦しいデュエルを認めたくなかった。

レッド寮に戻った遊華はルナと咲に先ほどの事を話した。するとルナはある話を教えてくれた。

 

 

「私の友達でラーイエローに入っている子から聞いたんだけど、最近イエローの生徒が次々にデュエルを挑まれて叩きのめされてるって。しばらくデュエルすらしたく無くなる程にね。相手は私達が入学して少し経った頃にアカデミア姉妹高のノース高から編入してきた1年生の女の子らしいの。名前はエミリア・ロンハイド」

 

 

なんでもエミリアはノース高でいきなりトップに躍り出たが、自分より強いデュエリストがノース高にはいない為アカデミア本校への編入を希望したらしい。編入試験を突破しイエローへの編入が決まり、寮でイエロー生への挨拶に来た時その場にいた全員にこう言い放った。

 

 

「私はノース高の生徒を全員倒してここに来ました。だから、あなた方も全員倒します。私の強さを証明する為に」

 

 

 

 

ーレッド寮付近ー

 

 

 

遊華はエミリアの前に立ちはだかって、いきなりデュエルディスクを構えた。

 

 

「また会えたね。今日こそ私とデュエルして!」

 

 

遊華の姿を見てエミリアに急に不機嫌そうな顔に変わる。

 

 

「また来たの?何度言われても答えは変わらない。デュエルはしない」

 

 

「何度断られても諦めないよ!あなたのやってるデュエルは間違ってる。そんなデュエルやっててあなたは楽しいの?人を叩き潰すようなデュエルなんておかしいよ!デュエルってもっとやっててお互いに楽しいものでしょ?」

 

 

「またデュエルが楽しいって・・・あなた本当にムカつく」

 

 

そう言い放つとエミリアもデュエルディスクを構えた。敵意むき出しで遊華に冷たい眼差しを向ける。

 

 

「いいわよ。あなたの楽しいデュエルなんて叩き潰してあげる。そんな事が言えなくなるくらいに」

 

 

「絶対に負けないよ!あなたのデュエルの間違いを証明するから!」

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

「私のターン、ドロー!私はE・HEROアナザー・ネオスを召喚!お願いね、アナザー・ネオス!」

 

 

颯爽とアナザー・ネオスはフィールドに飛び出し遊華に向かって頷いた。

 

 

アナザー・ネオス ☆4/光/戦士/ATK1900/DEF1300

 

 

「さらにカードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊華

LP4000

モンスター1

魔法・罠2

手札3

 

 

「あなた本当にムカつくから、一撃で潰してあげる。私のターン、ドロー。魔法カード、大嵐を発動して伏せカードを全て破壊する」

 

 

「いきなり大嵐!?」

 

 

強風が吹き荒れ、遊華の伏せたミラーフォースと奈落の落とし穴が吹き飛ばされた。

 

 

「あなたに現実を教えてあげる。私は手札からヒュグロの魔導書、セフェルの魔導書、グリモの魔導書を見せる事で魔導法士ジュノンを特殊召喚する」

 

 

フィールドに3冊の魔導書が現れ、天空に光を放つ。その光に導かれ純白のローブに身を包んだピンク髪の女性が舞い降りた。ジュノンは物悲しいそうな瞳で遊華を見つめている。遊華はジュノンを見て何かモジャと同じような感覚を覚えた。

 

 

魔導法士ジュノン ☆7/光/魔法使い/ATK2500/DEE2100

 

 

「攻撃力2500!?いきなり大型が・・・」

 

 

「まだこれからが本番。私は手札のグリモの魔導書とセフェルの魔導書を見せて装備魔法、断罪の魔導書を発動。アナザー・ネオスに装備する」

 

 

急に大地が震え、遊華のフィールドに光の十字架が現れた。その十字架から無数の光が鞭のように伸びていきアナザー・ネオスを捉えて十字架に磔にする。

 

 

アナザー・ネオス

ATK1900→0

DEF1300→0

 

 

「アナザー・ネオス!?そんな・・・」

 

 

「断罪の魔導書は相手の表側表示モンスターに装備し、攻撃力守備力を0にする。さらに装備モンスターは戦闘では破壊されず表示形式を変更出来ない。さらに魔法カード、ヒュグロの魔導書を発動。私のフィールドの魔法使い族モンスターの攻撃力をエンドフェイズまで1000アップさせる。もちろん対象はジュノン」

 

 

魔導法士ジュノン

ATK2500→3500

 

 

「まだ終わらない。手札のグリモの魔導書を見せて、セフェルの魔導書を発動。このカードは墓地の魔導書の効果を得る。ヒュグロの効果を受け、再びジュノンに力を」

 

 

魔導法士ジュノン

ATK3500→4500

 

 

「攻撃力・・・4500!?」

 

 

「さらにグリモの魔導書を発動。デッキから魔導書と名のついたカードを手札に加える。デッキから殲滅の魔導書を手札に加え、墓地のグリモの魔導書とセフェルの魔導書を除外しフィールドのジュノンを対象にして発動する。デッキの上から5枚のカードをめくりその中の魔導書の数だけ選択したモンスターは攻撃出来る」

 

 

エミリアはデッキから5枚のカードを取り遊華に見せる。遊華は魔導書が0枚である事を祈るしかなかった。ジュノンの攻撃を食らえば遊華は一撃で負ける。

 

 

サイクロン

ゲーテの魔導書

グリモの魔導書

テラフォーミング

アルマの魔導書

 

 

これで攻撃力4500のジュノンの3回攻撃が確定してしまった。遊華はこの時点で初めてエミリアに対して恐怖という感情が生まれた。今までデュエルで強敵に当たってもそんな感情を持った事はなかったが、顔色一つ変えずここまでやるエミリアの底知れぬ威圧感にひたすら恐怖を覚えた。

 

 

「これで分かったでしょう?これが私とあなたの力の差。これがあなたの望んだ楽しいデュエルの結末よ」

 

 

ジュノンの右手に魔力が圧縮されていく。その右手を空に向けると、巨大な3つの光の玉がジュノンの頭上に形成された。かなりのエネルギーを蓄えており、空気が振動しているのを遊華は感じていた。

 

 

「これで終わり。ジュノンでアナザー・ネオスを攻撃。プロフェシー・レイ」

 

 

ジュノンが上げていた右手を振り下ろすと、3つの光の玉はアナザー・ネオスと遊華に向かって降り注いだ。遊華はただその場に立ち尽くす事しか出来なかった。光の玉にアナザー・ネオス共々飲み込まれる瞬間、遊華はジュノンが声には出していないが口を動かし何かを伝えようとしているのに気づいた。その頬には少しだが涙が流れている。

 

 

 

「ごめんなさい」

 

 

 

爆音と共に遊華の悲鳴が響いた。

 

 

 




現遊戯王環境の2強に君臨する魔導さんの登場です。これからもちょくちょく登場です!
ほんとに魔導と征龍の強さはえげつないですね。
現役プレイヤーとして日々魔導と征龍の対策を研究してます!


前話で本来ならエミリアとの出会いの話を書くはずだったのに忘れていたので今回書きました。
そのせいで話が長くなってしまい見苦しい感じになったかも知れません・・・
次もなんとか頑張ります!


ーオリカ紹介ー


断罪の魔導書


自分フィールド上に魔法使い族モンスターがいる場合に発動出来る。このカードは相手フィールド上の表側表示モンスターに装備する。このカードがフィールドに存在する限り装備モンスターの攻撃力・守備力は0になり、戦闘で破壊されず表示形式を変更出来ない。



殲滅の魔導書


自分フィールド上に魔法使い族モンスターがいる場合、墓地の魔導書と名のついた魔法カードを2枚除外し自分フィールド上の魔法使い族モンスター1体を選択して発動出来る。
自分のデッキの上からカードを5枚めくる。このターン選択したモンスターはその中の魔導書と名のついた魔法カードの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。その後めくったカードをデッキに戻してシャッフルする。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。