デュエルアカデミアーNew Generationー   作:ネコ耳族

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友(とも)と親友(とも)と喧嘩デュエル

遊華

LP4000→0

 

 

ライフが尽きると同時に遊華は倒れこむ。最後に見たのは十字架に磔にされ戦闘破壊されない故にボロボロになり苦しむアナザー・ネオス、自分の名前を呼びながら駆け寄って来るカイ、そして氷のような瞳で遊華を見つめるエミリアの姿。そこで遊華の意識は途絶えた。

 

 

「つまらない勝負だったわね、ムカつく人」

 

 

 

 

ーラーイエロー寮ー

 

 

 

 

遊華とのデュエルが終わるとエミリアは寮の自分の部屋に戻ってきた。途中廊下で他の生徒に出会ったが彼らはエミリアの姿を見ると廊下の隅に避けるか自分の部屋に逃げ込んだ。エミリアはそんな彼らを無視して足早に部屋に戻り鍵を閉めた。

 

 

「(やっぱり一人部屋は落ち着く・・・うるさい奴がいないし)」

 

 

エミリアは連戦の疲れからか急に体が重く感じ、すぐにベットの端に座り近くのテーブルにデッキを置いた。そして最後の遊華とのデュエルの事を思い出していた。

 

 

「(あの子、本当にムカつく・・・楽しくデュエルなんて・・・)」

 

 

「どうしたの?そんな怖い顔して考え事?」

 

 

エミリアが声の主の方へ顔を向けると純白のローブを纏ったピンク髪の女性、魔導法士ジュノンが立っていた。そう彼女はエミリアの精霊なのだ。ジュノンはゆっくりエミリアに近づいて隣に座り、彼女の頭を優しくなでた。

 

 

「なんでもないよ・・・ありがとう、ジュノン」

 

 

「それならいいのだけど・・・今日も連戦で疲れたでしょう?今日はゆっくり休みなさい。明日にはオベリスクブルーへ引越ししないといけないし」

 

 

今日の月一試験の成績が認められ、異例の速さでエミリアはオベリスクブルーへの昇格が許された。まあ、実際はラーイエローから厄介払いをされた感じである。明日にはこの部屋からブルーの女子寮へ移る事になっていた。

 

 

「うん、分かった」

 

 

エミリアはベットに横になりそれを見たジュノンは立ち上がろうとしたが、エミリアがジュノンの腕を掴んで引き止めた。

 

 

「ねえ、ジュノン。眠るまでそばにいてくれない?」

 

 

「えぇ、いいわよ。ゆっくりお休みなさい」

 

 

ジュノンは再びベットに腰掛、エミリアの頭をなでた。そうするとエミリアの表情が少し穏やかになる。

 

 

「ねえ、ジュノン。私、ちゃんとお父様の期待に応えられてるよね?」

 

 

「安心して、エミリア。あなたはエリート揃いのブルーへの昇格を決めて、デュエルの腕だってどんどん上達しているわ。ちゃんとお父様の期待に応えているわよ」

 

 

「ありがとう、ジュノン」

 

 

連戦の疲れからかすぐにエミリアは眠りに落ちた。それを確認してジュノンが立ち上がると、部屋の隅に漆黒のローブを纏った男が立っていた。その姿を見てジュノンは男に一礼する。

 

 

「マスターは眠ったか?ジュノン」

 

 

「はい、ハイロン様。ゆっくりお休みになっています」

 

 

「穏やかな顔をしているな。デュエル中とは大違いだ」

 

 

ハイロンは眠っているエミリアの顔を覗くと、安心したように微笑んだ。

 

 

「重圧から開放されて安心しているのでしょう」

 

 

「ジュノン、お主には色々苦労かけるな。マスターのそばについていてもらって」

 

 

「いえ、これは私が望んだ事ですから。エミリアのそばにいてこの子を支えて守ってあげたいと。これからもこの穏やかな顔を守ってあげたいんです」

 

 

「もちろんだ。我ら魔導の名にかけて、マスターの障害は全て振り払う。では、私は戻る。お主も無理はするなよ」

 

 

「はい、ハイロン様」

 

 

漆黒のローブの男、魔導法王ハイロンは姿を消した。ジュノンはもう一度エミリアの寝顔を見た。

 

 

「(あのレッド子には悪い事したわ。あの子、精霊の気配がしたわね。きっと私の事も気づいたんじゃないのかしら。本当ならエミリアにもあの子みたいに・・・)」

 

 

 

 

ー数日後、レッド寮の食堂ー

 

 

 

 

クライドと涼が食堂にやって来ると、ルナと咲が来ていて食事を始めていた。クライドと涼も2人の所に向かうが、咲はなぜか不機嫌な顔をしている。

 

 

「おはようルナ。咲は相変わらずご機嫌斜めか」

 

 

「遊華と喧嘩してるってクライドから聞いてたけど、まだ仲直りしてないのかよ」

 

 

「おはようクライド、涼。まあ、見ての通りね。遊華も相変わらず授業には出るけどそれ以外は引きこもってるし」

 

 

「・・・・」

 

 

「そういえばカイとケンタは一緒じゃないの?」

 

 

「あいつ等なら昨日も遅くまでデッキの研究してたよ。ったく熱くなるのはいいが騒がしくて寝れやしない」

 

 

「おかげで俺もクライドもちょっと寝不足だよ。で、あいつらはまだ寝てる」

 

 

クライドと涼も食事を始める。咲は相変わらず不機嫌そうな顔で黙々と食事を続けている。

 

 

「しかし、あの日カイが気を失ってる遊華を抱きかかえて戻ってきた時は驚いたな」

 

 

「えぇ、あんなにボロボロにやられるなんて。噂には聞いてたけどエミリアって子凄いわね。そういえば、涼はあの子の事調べてたのよね?」

 

 

「あぁ、パソコン使ってちょっと調べてみたんだけどロンハイド家ってのはレジャー関係で莫大な富を築いた一族でさ。政界や財界にもパイプを持ってるしプロのスポンサーなんかをやってデュエル界にも貢献している万丈目グループ並みの巨大グループなんだ。で、そこの1人娘がエミリア・ロンハイド。」

 

 

「そういえば今はブルーで色んな奴に挑みまくってるらしいな」

 

 

「その内、咲のお兄さん・・・煉さんにも挑戦するんでしょうね」

 

 

「煉兄さんは絶対負けないよ・・・そんな奴には」

 

 

煉の名前を聞いて、今まで黙っていた咲が口を開いた。しかし、それだけ言うとまた黙ってしまう。

 

 

「問題は遊華が立ち直るか・・・だな」

 

 

「ええ・・・大丈夫だと思いたいけど」

 

 

 

 

ーレッド寮103号室ー

 

 

 

 

遊華はお茶を飲みながらベットにもたれかかってボーっとしていた。エミリアにボコボコにされて以来この調子だった。自分の机に視線を移すと、そこにはヒーローデッキが置かれている。あの日以来遊華はデッキに触れていなかった。まるであのエミリアに負けた日から心の時間が止まっているようだった。

 

 

「(私のデュエルって間違ってるのかな・・・)」

 

 

咲との喧嘩もそれが原因だった。ある日遊華を元気付けようと思い咲がデュエルを挑んできたが遊華はそんな気分じゃないと頑なに断った。そんな遊華に咲も機嫌を悪くした。

 

 

「分かったよ。じゃあ、そんなつまらない遊華はほっといてルナに相手してもらうから」

 

 

その言葉に遊華もついカっとなってしまい口論に発展してしまったのだ。それ以来部屋でも二人はほとんど喋らなくなっていた。もちろん遊華にも咲の好意を無駄にしてしまった自分が悪い事は分かってはいるのだが、どうしても意地を張ってしまっていた。

 

 

「(そろそろ授業行かなきゃ・・・)」

 

 

遊華は準備を始める。髪を整えて、着替えを済ませ、授業に行く準備は出来た。そして部屋を出て行くが結局デッキを持っていく事は無かった。

 

 

 

 

ーレッド寮近くの崖ー

 

 

 

 

昼になり咲は購買部でドローパンを買って一人で静かに食べるために海を望める崖にやって来た。近くには大きな木が立っていて日陰もあるし適度に風が吹くので咲はこの場所が気に入っていた。最初は遊華と一緒に発見した場所だが、最近は一緒に来ていなかった。

 

 

「(バカ遊華・・・いつまで意地張ってんだか・・・まぁ、私もだけどさ)」

 

 

咲はドローパンを1口食べる。今日の中身は焼きそば、いたって普通の中身だが咲は好きだった。

 

 

「お、やっと見つけた!」

 

 

咲がのんびりしていると森の茂みからいきなりカイが飛び出してきた。急な登場に咲は驚いてしまう。

 

 

「ちょっとカイ!?何やってんのよこんなとこで!」

 

 

「咲こそ一人寂しく何やってんだよ。皆心配してたぞ」

 

 

そう言うとカイは咲の隣に座り、自分のドローパンを食べ始める。咲は1つため息をついて再びドローパンを食べ始める。

 

 

「あのさ・・・まだ遊華と仲直りしてないのか?」

 

 

「うん・・・なんだかんだでお互いに意地の張り合いになっちゃってさ。些細な事なのに」

 

 

「でも、2人が喧嘩するなんて意外だったよ。凄い仲良いからそんな事無いのかと思ってた」

 

 

「そりゃ喧嘩位するよ。ここまで喧嘩したの久しぶりだけどね」

 

 

ドローパンを食べ終わった2人は心地よい風を感じながら空を見ていた。

 

 

「遊華ってね、昔から明るくてさ。おっちょこちょいだけど憎めないキャラで人懐っこくて。私と凄く気があってすぐに友達になれたよ」

 

 

「そっか。遊華も咲も昔から変わってないんだな」

 

 

「・・・遊華は変わったよ。昔、遊華は一時期心を閉ざしてた時期があったの。あの子の悪いクセなんだけど、1人でなんでもかんでも背負い込もうとするの。苦しい事や辛い事があっても周りに伝えずに1人で悩んで、考えて、泣いて・・・あの時は私も辛かった」

 

 

「遊華に・・・何があったんだ?」

 

 

カイはさすがに踏み込み過ぎたかなと思ったが、咲は静かに語り始めた。

 

 

「遊華はね、小学生の頃に両親と妹を事故で亡くしたの。家族で旅行へ行く計画をしてたんだけど、遊華だけ高熱を出してちゃって行けなくなったの。それで遊華は親戚の家に預けられて、他の家族は計画通り行くってなったんだけど・・・その道中、飛行機が墜落して・・・」

 

 

「そ・・そんな!?」

 

 

「それを聞いて遊華は1日中泣き叫んでたよ。私もなんて声をかけていいか分からなかった」

 

 

「遊華はどうなったんだ?」

 

 

「すぐ近所に住んでた親戚に引き取られたんだけど、それから遊華はほとんど喋らなくなったの。心を閉ざしたっていうのかな・・・1人で悲しみを全て背負い込んで人と関わろうとしなくなった。もちろん私とも・・・毎日をただぼーっと何事も無く過ごしていくだけの状態だった。きっとあの子の心はあの日で止まってたんだと思う」

 

 

「でも、ちゃんと遊華は立ち直ったんだよな?」

 

 

「うん、遊華は心を閉ざしてから今みたいに大好きだったデュエルをやらなくなっちゃったんだ。でも、私はどうしても遊華にデュエルをやめて欲しくなかったんだ。遊華の夢をずっと聞いてたからさ」

 

 

「遊華の・・・夢」

 

 

カイも遊華と知り合ってから何度となく聞いた遊華の夢。プロデュエリストになって活躍したいという夢。

 

 

「遊華の両親もその夢が叶うといいねっていつも応援してたんだ。だから遊華には前に進んで欲しかった。もちろん家族を亡くすのは辛い事だと思うけど、それを乗り越えて遊華が夢を叶えるのが家族にとっても一番の供養なんじゃないかって。まあ、私も小さかったからそこまでは考えてなかったけどさ」

 

 

「・・・咲。煉さんも凄いけど、やっぱお前も凄いな。本当に友達思いで」

 

 

「ありがとう。で、私はそれから遊華にデュエルを挑んだ。もちろん拒否されたけど、諦めずにずっと毎日毎日誘い続けたらやっと応えてくれたの。でも、遊華はデュエルに対するやる気がなくて全然攻めずに守るばっかりだった。それで私もキレてデュエルしながら物凄い言い合いになったの」

 

 

「なんか凄い現場だな・・・」

 

 

「そりゃ女の子2人が言い合いしながらデュエルしてるんだもん。まさに喧嘩デュエルだったよ。でも、終わった時にはお互いスッキリしてて遊華が一言ごめんって言ってきたの。それで遊華の家族の為に頑張って遊華の夢を叶える事を約束したんだ。そしたら2人とも気持ちが抑えきれなくなったのか抱き合って号泣しちゃってさ。それからかな・・・私と遊華が友達から親友になったのは」

 

 

咲はその話を笑顔で、しかし時折涙を流しながら語ってくれた。カイは2人の絆の強さを改めて感じていた。

 

 

「だから2人は本当に仲が良いんだな。でも、そんな辛い話をなんで俺に?」

 

 

「何でだろうね。カイだから・・・かな。遊華はアカデミアに入学してから沢山友達が出来たけど、特にカイと過ごしてるのが1番楽しそうでさ。入学試験の時もカイのデュエルを見た後ずっと興奮してたし。いつも遊華の助けになってくれて、遊華も私も信頼してるから話せたのかも」

 

 

「でも、俺は目の前で遊華が倒れるのをただ見てるしかなかった。遊華を止めてれば・・・」

 

 

「止めても遊華はきっとデュエルしたよ。結構頑固者だからさ。でも、出会ってまだ一ヶ月くらいの遊華をそんなに心配して気遣ってくれてありがとうね、カイ。今の遊華は自分のデュエルの在り方が分からなくなって1人で悩んでるんだよ。きっかけがあれば立ち直るよ」

 

 

咲の言葉にカイは少し気持ちが楽になった。カイ自身も明るく振舞っていたが落ち込んだ遊華に何もしてあげられない事を気にしていたからだ。

 

 

「そう言われると少し気が楽になるよ。ありがとう・・・咲、ちょっと遊華を元気づけるのに協力してもらっていいか?」

 

 

「いいけど何するの?」

 

 

 

 

ーレッド寮103号室ー

 

 

 

 

授業が終わり遊華は部屋で1人、机のデッキに向き合いながらあのデュエルの事を考えていた。あの時のジュノンから感じた気配がどうしても気になっていた。

 

 

「(あのジュノンってモンスター・・・モジャと同じ気配がしてた。あの子の精霊だったのかな)」

 

 

ドアが開く音がしたので振り返ると咲が戻ってきた。遊華は何も言わずに机の上に視線を戻す。しかし、咲はそんな遊華に静かに近づいてきて1枚の手紙を差し出した。

 

 

「これ、カイから」

 

 

「・・・うん」

 

 

咲と目を合わせずに手紙を受け取った遊華は早速中身を見た。内容はカイがデュエルを挑みたいので遊華と咲の見つけたあの崖の近くで待っているというものだった。書き方的にはほとんど果たし状である。

 

 

「(カイ君が?・・・急にどうしたんだろう。どうしよう・・・気分は乗らないなぁ)」

 

 

遊華は一瞬断ろうかと思ったが、咲との喧嘩の事を思い出した。これで断り続けてカイとも険悪なムードになるのは遊華としては嫌だった。

 

 

「(・・・気分は乗らないけど一応行ってみよう)」

 

 

手紙を机に置くと、デュエルディスクとデッキを持って遊華は部屋を出て行く。それを咲は静かに見ていた。ちゃんとデッキを持って出かけてくれたので咲は安心した。

 

 

「(カイのお誘いには乗るんだ・・・ちょっと妬けちゃうな。さて後はカイに任せよう)」

 

 

 

 

ーレッド寮寮近くの崖ー

 

 

 

 

遊華が指定された崖にやって来ると木にももたれかかりながらカイが座っていた。遊華の姿を見るとカイはゆっくり立ち上がった。

 

 

「ちゃんと来てくれたんだな。来ないんじゃないかって心配してたよ」

 

 

「カイ君・・・どうしたの、急にあんな挑戦状みたいな手紙を送ってきて」

 

 

「遊華と真剣勝負がしてみたかったんだけど、いい誘い方が分かんなくてさ。とにかく俺は遊華と真剣勝負がしたいんだ!最近、全然デュエルしてないんだろ?だからさ、気分転換に思いっきり楽しんでやろうぜ!」

 

 

「(カイ君はいつでもデュエルを楽しんでるんだね。乗り気がしないけど・・・でも、断るばかりも悪いし)分かった、受けるよその勝負」

 

 

2人はデュエルディスクを構えて向かい合う。遊華にとっては久しぶりのデュエルなので、不安の方が大きい。

 

 

 

「「デュエル!」」

 

 

 

「私の先攻だね、ドロー。えーっと・・・私はアナザー・ネオスを召喚」

 

 

E・HEROアナザー・ネオス ☆4/光/戦士/ATK1900/DEF1300

 

 

アナザー・ネオスがフィールドに飛び出すのを遊華は申し訳なさそうな顔で見つめている。そんな遊華に向かって心配いらないと言っているかのようにアナザー・ネオスは一度頷いて、カイに対峙した。

 

 

「さらにカードを2枚伏せてターンエンドだよ」

 

 

遊華  LP4000

 

モンスター

 

E・HEROアナザー・ネオス ☆4/光/戦士/ATK1900/DEF1300

 

魔法・罠

 

伏せ×2

 

手札

 

3

 

 

「俺のターン、ドロー!行くぜ、遊華。俺は暗炎星ーユウシを召喚!」

 

 

暗炎星ーユウシ ☆4/炎/獣戦士/ATK1600/DEF1200

 

 

赤い炎で作られたクマを従え甲冑に身を包んだ戦士、ユウシが姿を現す。太刀を構え、アナザー・ネオスに対峙する。ユウシの強力な効果を知っているので遊華も警戒心を強めていた。

 

 

「さらに永続魔法、炎舞ー「玉衝」を発動!右側のカードを選択だ!」

 

 

青い炎で作られたヒョウとオオカミが現れ遊華のセットカードを取り囲もうとする。

 

 

「(やばいなぁ、選ばれたのはミラーフォース・・・もう一枚はデュアル・スパーク・・・)」

 

 

このまま炎舞ー「玉衝」でミラーフォースを止められた場合、打点で負けているユウシは確実に効果を使ってアナザー・ネオスを除去しにくる。そうなれば場ががら空きな上にユウシの攻撃を受けて効果で炎舞をサーチされる。かといって無用心にデュアル・スパークをユウシの除去に使うと、ミラフォースを止められた状態で場を空ける事になる。

 

 

「(さあ、どう来るんだ遊華!)」

 

 

「チェーンでアナザー・ネオスをリリースしてデュアル・スパークを発動するよ。炎舞ー「玉衝」を破壊」

 

 

アナザー・ネオスは青白い雷に姿を変えてフィールドを駆け抜けヒョウとオオカミに蹴散らした。

 

 

「やっぱりそう上手くはいかないな。なら、バトルだ!暗炎星ーユウシでダイレクトアタック!」

 

 

「無警戒だね、カイ君。罠カード、聖なるバリア-ミラーフォース-を発動。ユウシを破壊するよ」

 

 

太刀を構えて突っ込んでいくユウシの前に光のバリアが現れ、強烈な閃光を放つ。しかし、カイは余裕の笑みを浮かべている。

 

 

「ちゃんと警戒してるさ。速攻魔法、禁じられた聖槍を発動!このターン、ユウシは攻撃力が800下がり魔法・罠カードの効果を受けない!」

 

 

暗炎星ーユウシ ATK1600→800

 

 

閃光を浴びる直前にユウシの握っていた太刀が槍へと変化する。槍を構えたユウシはミラフォースの光をすり抜けて遊華の目の前に辿りついて槍を振るった。直撃した遊華には少し衝撃が走る。

 

 

遊華 LP4000→3200

 

 

「ユウシの効果発動!戦闘ダメージを与えた時にデッキから炎舞をセットできる。炎舞ー「天キ」をセットするぜ。そして、メインフェイズ2に入って「天キ」を発動!発動時の効果で速炎星ータイヒョウを手札に加える!カードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

カイ  LP4000

 

モンスター

 

暗炎星ーユウシ ☆4/炎/獣戦士/ATK1600/DEF1200

 

魔法・罠

 

炎舞ー「天キ」

伏せ×1

 

手札3

 

 

「(結局先手許しちゃった・・・まぁ、結果論だから仕方ないよね)私のターン、ドロー・・・」

 

 

「なぁ、遊華。1つ聞いてもいいか?」

 

 

ドローカードを遊華が手札に加えたところでカイが真剣な顔をして遊華に聞いてきた。遊華はどうしたのだろうと不思議に思っていた。

 

 

「どうしたの?カイ君、珍しく表情が険しいよ」

 

 

「あのさ、遊華・・・お前、そんなつまらなそうな顔でデュエルしたいのか?そんなやる気の感じられないデュエルしてて楽しいか?」

 

 

遊華はカイからいきなり投げかけられた言葉に固まってしまう。困惑してしまっている遊華にさらにカイは話を続ける。

 

 

「さっきからさ、遊華が淡々とデュエルしてるだけに感じるんだよ。まぁ、負けてもいいやくらいの半端な気持ちでデュエルしてるようにしか感じられないんだよ。乗り気じゃないけど俺が誘ってきたから断るのも悪いし、とりあえず適当に相手しようくらいの気持ちなんじゃないのか?」

 

 

「そんな事・・・ないよ。どうしたの、カイ君?今日なんか変だよ?」

 

 

「おかしいのは遊華の方だろ。いつも一生懸命でデュエルを楽しんでたのにどうしちまったんだよ!悩みがあっても俺達に黙って一人で悩み続けて・・・俺達は友達じゃないのかよ!」

 

 

「・・・ほっといてよ・・・カイ君には関係ないよ!!私の問題なんだから!」

 

 

「ほっとくかよ、俺は遊華の友達だ!そんな中途半端なデュエルをしてる遊華の目を覚ましてやる!」

 

 

突然カイに怒鳴られて遊華も逆上する。同時に今ここで絶対にカイに負けたくないと闘志が燃えてきた。

 

 

「絶対、後で謝ってもらうからね!私はE・HEROエアーマンを召喚!召喚時に効果でバブルマンを手札に加えるよ」

 

 

E・HEROエアーマン ☆4/風/戦士/ATK1800/DEF300

 

 

「(ようやく燃えてきたか)来い、遊華!」

 

 

「バトルフェイズに入って、エアーマンでユウシを攻撃!エアーマン、ユウシを倒しちゃえ!」

 

 

暗炎星ーユウシ ATK1600→1700 VS E・HEROエアーマン ATK1800

 

 

カイ LP4000→3900

 

 

「だいぶ燃えてきたんじゃないか?」

 

 

「そんな事ないよ!カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

遊華  LP3200

 

モンスター

 

E・HEROエアーマン ☆4/風/戦士/ATK1800/DEF300

 

魔法・罠

 

伏せ×1

 

手札

4

 

 

「俺のターン、ドロー!俺もどんどん行くぜ。速炎星ータイヒョウを召喚!」

 

 

速炎星ータイヒョウ ☆3/炎/獣戦士/ATK0/DEF200

 

 

「やらせないよ!召喚時に罠カード、ヒーロー・ブラストを墓地のアナザー・ネオスを選択して発動!アナザー・ネオスを手札に加えて、その攻撃力以下の相手モンスター1体を破壊するよ!」

 

 

フィールドに飛び出したタイヒョウを遊華の墓地から蘇ったアナザー・ネオスが撃退し破壊する。そしてフィールドから再び姿を消した。

 

 

「まだまだだ!永続魔法、炎舞ー「天枢」を発動し、効果により炎星師ーチョウテンを召喚!」

 

 

チョウテンがフィールドに舞い降りると、その横に火柱が上がり先ほど破壊されたタイヒョウがその中にたたずんでいる。

 

 

「チョウテンが召喚に成功した時、自分の墓地の☆3で守備力200以下の炎属性モンスター一体を特殊召喚する!戻すのは、タイヒョウだ!」

 

 

速炎星ータイヒョウ ☆3/炎/獣戦士/ATK0/DEF200

炎星師ーチョウテン ☆3/炎/獣戦士/ATK500/DEF200/チューナー

 

 

「俺は☆3のトウケイに☆3のチョウテンをチューニング!炎を纏いし神速の侯爵よ、愛馬と共に戦場を駆けよ!シンクロ召喚!現れよ、炎星侯ーホウシン!」

 

 

カイのフィールドに炎の渦が現れ2体のモンスターを包み込む。炎の渦が消えると、青い炎の馬に乗る戦士が現れる。

 

 

炎星侯ーホウシン ☆6/炎/獣戦士/ATK2200/DEF2200

 

 

「ホウシンの効果発動!デッキから立炎星ートウケイを攻撃表示で特殊召喚!」

 

 

ホウシンが現れると同時に右手から放った炎の渦からトウケイが飛び出す。

 

 

立炎星ートウケイ ☆3/炎/獣戦士/ATK1500/DEF100

 

 

「炎星の効果で特殊召喚したトウケイの効果により、デッキから炎星師ーチョウテンを手札に加える!そしてバトルフェイズ、ホウシンでエアーマンを攻撃だ!2体の攻撃力は炎舞2枚の効果で200上がってる!」

 

 

ホウシンATK2200→ATK2400 トウケイATK1500→ATK1700

 

 

遊華 LP3200→2800

 

 

「さらにトウケイでダイレクトアタック!思いっきりやれ、トウケイ!」

 

 

トウケイの渾身の槍での一撃を受け、衝撃で遊華は後ずさる。このターンでかなりのライフを削られてしまった。

 

 

遊華 LP2800→1100

 

 

「メインフェイズ2に入ってトウケイの効果を発動!炎舞ー「天キ」を墓地へ送って新たな炎舞ー「天キ」をセットし、炎舞ー「天キ」を発動!デッキから微炎星ーリュウシシンを手札に加えてターンエンドだ!」

 

 

カイ LP3900

 

モンスター

 

炎星侯ーホウシン ☆6/炎/獣戦士/ATK2400/DEF2200

立炎星ートウケイ ☆3/炎/獣戦士/ATK1700/DEF100

 

魔法・罠

 

炎舞ー「天キ」

炎舞ー「天枢」

伏せ×1

 

手札3

 

 

「なあ、遊華。俺さ、遊華がいつも笑顔で楽しそうにデュエルやってる姿を見るのが好きなんだ。どんなに追い込まれてピンチになっても一生懸命でデッキを信じて戦ってる姿を見てたら俺も頑張ろうって元気が沸いて来るんだ」

 

 

「・・・カイ君」

 

 

「もちろん負けて悔しいのも分かるし、自分のデュエルを否定されて悔しいのも分かるよ。でも、俺は遊華のデュエルが間違ってるとは思わないよ。笑顔でデュエルしてる遊華は強いし輝いてるよ!だからさ、つまらない事で悩んでないでいつも通りのデュエルをやっていつかあの子にリベンジすればいいじゃないか!」

 

 

カイの言葉に遊華は俯いて目を閉じた。そして今の自分について考えた。

 

 

「(はぁ・・・・私何やってたんだろ。人それぞれデュエルに対する考え方が違うのなんて当たり前なのに自分のデュエルを否定されたのが悔しくて、皆が心配してくれてるのにこんなに意地をはって・・・そうだよ・・・やっぱり私はデュエルが楽しくて大好きだよ。さっきもカイ君にライフをかなり削られたけど駆け引きが楽しくて仕方なかった!私はやっぱり楽しいデュエルがしたい!)」

 

 

遊華は静かに目を開いて顔を上げ、カイにいつも通りの笑顔を見せた。それを見てカイも笑顔になる。

 

 

「カイ君、なんかつまらない事で悩んで心配かけてごめんね。私、決めたよ。私はいつも通りの楽しいデュエルを続けて、もっと強くなっていつかあの子にリベンジするよ!」

 

 

「あぁ、頑張れよ!やっぱ遊華には笑顔が1番だな!」

 

 

「行くよ、カイ君!(お願いね、私のデッキ!)私のターン、ドロー!」

 

 

ドローカードを見て遊華は安心した。やっぱりヒーロー達はいつでも自分を助けてくれてると感じた。

 

 

「私は魔法カード、ヒーロー・アライブを発動!自分の場にモンスターが表側表示で存在しない時、ライフを半分払いデッキから☆4以下のHEROを特殊召喚するよ!お願い、E・HEROバブルマン!」

 

 

遊華 LP1100→550

 

 

遊華のライフが減ると同時に水の竜巻が発生し、その中からバブルマンが飛び出す。

 

 

「さらに魔法カード、死者蘇生を発動!墓地のE・HEROエアーマンを特殊召喚!戻ってきてエアーマン!」

 

 

フィールドに竜巻が発生しそれを突き破ってエアーマンが復活する。

 

 

「エアーマンの効果は発動しないよ。そして手札からE・HEROアナザー・ネオスを通常召喚!」

 

 

光の柱がフィールドに現れ、その中からアナザー・ネオスがゆっくりと現れる。遊華をいつも助けてくれるヒーロー達がフィールドに揃い踏みし、遊華に向かって頷く。

 

 

E・HEROアナザー・ネオス ☆4/光/戦士/ATK1900/DEF1300

E・HEROエアーマン ☆4/風/戦士/ATK1800/DEF300

E・HEROバブルマン ☆4/水/戦士/ATK800/DEF1200

 

 

「仕上げはこれだよ!魔法カード、融合を発動!3つの正義の魂が交わる時、奇跡の力を持つヒーローが舞い降りる!降臨せよ、V・HERO《ヴィジョン・ヒーロー》トリニティ!!」

 

 

V・HEROトリニティ ☆8/闇/戦士/ATK2500/DEF2000

 

 

「そ、そいつは!?」

 

 

カイのフィールドのモンスターを見据える真紅のヒーロー。トリニティの効果を分かっているカイは冷や汗が止まらない。

 

 

「トリニティはダイレクトアタックできない代わりに、モンスターへの3回攻撃と召喚したターンに攻撃力が倍になる効果を持ってる!これで決めるよ、トリニティでホウシンとトウケイに攻撃!トリニティ・クラッシュ!!」

 

 

トリニティ ATK2500→5000 VS ホウシン ATK2400 トウケイ ATK1700

 

 

トリニティの放った赤い光はカイのモンスター達を包み込んで大爆発を起こした。

 

 

カイ LP3900→0

 

 

デュエルが終わると、遊華はカイの所へ駆け寄った。片膝をついていたカイだったが、遊華は近づくとゆっくり立ち上がった。

 

 

「カイ君、大丈夫?」

 

 

「あぁ、大丈夫だ。でも、さすがに効いたな・・・やっぱ遊華は強いな!」

 

 

「カイ君・・・ありがとうね。心配してくれて」

 

 

「後でちゃんと咲達にも謝っとけよ。あいつらもかなり心配してたんだからさ」

 

 

「うん・・・ちゃんと謝るよ」

 

 

「俺も、いきなり怒鳴っちまってごめんな。さて、そろそろ寮に戻るか?」

 

 

カイの言葉に遊華は少し悩んでから笑顔で答えた。

 

 

「カイ君、良かったらもう少しデュエルしようよ!」

 

 

「遊華も俺や咲と変わらないデュエル馬鹿だな。あぁ、やろうぜ!とことん相手になってやる!」

 

 

再び2人は向かい合ってデュエルディスクを構えた。今度は遊華も悩みを解消して最初からスッキリした笑顔だ。

 

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

 




梅雨は雨が多くて外に出られないで憂鬱ですね・・・


最近遊戯王は武神というテーマが熱いですね。防御、サーチ、攻撃のバランスが優秀な彼らが環境で活躍するのを個人的には期待してます!でも、余り強くなり過ぎないで(汗
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