SW短編集   作:秋鹿

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「エピソード4」のあのシーンを思い浮かべてもらえれば。
シリアスです。


Requiem

セイバーが唸りを立てて振りおろされる。

彼は辛うじてそれをかわし、滲んでいく視界を振り払うかのようにセイバーを逆に突き出した。

(どうしてこんなことになったのか・・・)

彼は目の前に立ちふさがる、影のように黒い装甲を纏った男を見つめた。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

弱々しく ―― 彼にとって見れば全く勢いのない ―― 突き出されたセイバーを薙ぎ払い、再び赤く光るセイバーを打ちおろす。

紙一重でかわされる攻撃に苛立ちが募り始め、それでも彼は怒りに集中し ―― そうしなければダークサイドの力は容易に去ってしまうのだ ―― 続ける。

(どうしてこんなことになったのか・・・)

彼は目の前に佇む、昔、師と仰いだ、今はただの年老いた男を見つめた。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

マスター・・・。

マスター・クワイ=ガン・ジンに託された。遺言だった。

彼はそれを忠実に受けとめ、そして、託された子をジェダイに導くべく育てていった。

少年のフォースは強かった。弟子に迎えることを誇りに思い、しかし、その強さ ―― 脆さも何故かあった ―― ゆえに自分で鍛えることに不安も感じた。

だが、彼はそれを克服した。克服したつもりだった。

(どこで歯車が狂いはじめたのだろうか・・・)

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

マスター・・・。

マスター・オビ=ワン・ケノービ。

自分を見つけてくれたクワイ=ガンの弟子。生真面目な師は彼を不器用ながらも育ててくれた。

彼の方が師よりもフォースが強かった。彼も、そして、師もそれはわかっていた。わかっていながらも師は自分ができることを役目と信じ、行ってきた。

時々、彼の感じたことをわかってもらえず、不満もあったが押え込んできた。押え込んだと信じてきた。

(どこで歯車が狂いはじめたのだろうか・・・)

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

(もう、何も考えまい)

目の前の男を倒さねば、銀河の平和は闇に葬り去られるのみ。それだけは避けねばならなかった。

自らの過ちが招いた悲劇。引き起こした者が何とかせねばなるまい。

持てる力を振り絞り、男にセイバーを振りおろす。だが、涙に濡れた視界では、的を絞るにも如何ともしがたかった。

「ベ――――ンっ!!!」

青年の声が聞こえる。

もはや彼の周りは敵が取り囲み、逃げ場はなかった。

そうだ。まだ、彼にはあとの世界を託す者がいる。あの青年ならばあるいは・・・。あの青年を逃がさなくてはならない。

彼が闘い続けること。それは、青年への足枷にもなりかねない。

彼は正面の男を見た。セイバーが上段に振りかざされる。彼は静かに目を閉じた。

これで幾ばくかの罪滅ぼしになるだろうか?アナキン。

静寂が訪れた ――

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

(もう、何も考えまい)

目の前の老いた男は昔ほど強くはないが、それでも渾身の力を込めてセイバーをぶつけてくる。

男を倒せねばなるまい、彼はそう思った。師を倒すことで、彼はより巨大なダークサイドの力を取り込むことができる。

それに過去の自分を知っている師は何としても滅したい足枷だった。

「ベ――――ンっ!!!」

青年の声が聞こえる。

まだ仲間がいたようだ。今度はあの青年を育てているのか?

だが、その修行もここまでだ。何故なら男はここで死ぬからだ。

ジェダイは抹殺せねばなるまい。彼の過去を知るジェダイ。そして、彼をここまで追い込んだジェダイ達は。

彼はセイバーを上段に振りかざした。

これが貴方への手向けになるだろうか?オビ=ワン。

沈黙が訪れた ――

 

 

 

 

 

End

(2002年頃執筆)




なぜ書いたのか、すっかり忘れ、コメントしようもない・・・。
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