fate/grandドンチャカ 作:( ∴)〈名前を入れてください
あぁ……こんな事になってしまったのは何故なのだろうか。村は焼け家族は死に仲間はアレに襲われ俺達はこの草原を走っている。あの時、ジャンヌ・ダルクが処刑されたと聞いた時は悲しんだ。場所は違えど同じ思いを持って一緒に戦った可憐な少女が糞みたいな奴等の汚い陰謀によって火刑に処された等と聞けば腸が煮えくり返りもした。だが、そんな思いもこんな事が起これば一気に消し飛んじまう。
「ピエールッ!しっかりしろ!ここから逃げさえすれば」
「ヘヘッ、今あの世に行けば女を抱けずに死んじまうって事ですからね。命と俺の息子だけは何があっても守りますよ」
何故だ、何故彼女がとは言えない。彼女は敵国で魔女として火刑に処され死んでいった、敵国の捕虜になったんだ。死ぬ前に何をされても可笑しくはない。あの可憐な容姿だ、きっと口に憚る程の行為があったのだろう。
「──だからと言って……そこまで私達が憎いか!貴方を見捨てた私達が憎いか!このような蛮行をするほどに、貴女の心は摩耗してしまったと言うのか!?」
叫び声は虚しく空に響き渡る。私の声を聞いた部下は苦々しい表情しながら吐き捨てるように言う。これは俺達の責任でもあると
「……そりゃそうでしょう。俺達は彼女を救う事も恩を返す事も出来なかった。一人の少女が戦場に立っていた事、そしてそれを良しとした俺達、彼女は俺達を勝利へと導いてくれた。だけど俺達はその恩を返す所か仇で返しちまった」
「これを怨まないで何を怨むって言うんですか。敵地で彼女が受けた辱めなんて幾らでも想像付く」
「あぁ……分かっている。分かってはいるんだ。だが、同じ思いを持って共に戦った彼女が」
「まぁ正直な話、彼女を辱めた敵国の屑が死ぬ程妬ましいし羨ましい!俺だって彼女を抱きたかった!あのグンバツな胸を揉みしだいてやりたかった!むしろ彼女とヤリたかった!」
「台無しだ馬鹿!」
しんみりしていた空気は消し飛び一瞬でお下劣な空気へと変化する。ふと周りの部下を見れば笑いながらピエールを小突くも誰1人としてその言葉を否定しなかった。ウチの部隊は性欲猿の集まりか
「正直な話、隊長だってヤリたかったでしょう!?絶対にウチのお偉い方は辛抱堪らず彼女を脅して無理矢理辱めてますって!特にピエール司教とか!ピエール司教とか!」
「むぅ……私とて劣情を抱かなかったとは言えんが上の者達がそのような事をするとは」
「 言 え ま せ ん か ! ? 」
「いっ……いや言えない事もないような気がしない事もないような」
頭に過るのは肥えきった身体、煌びやかな装飾品を身に付けたウチの部下と同じ名前のピエール司教。アレならばそのような愚行を行ってもなんら不思議ではない。寧ろ想像付く、言葉巧みに彼女を脅している姿が
「俺だってジャンヌ・ダルクみたいなくっそ優しい超美少女と1発ヤッて死にたいんすよ!頭ナデナデされながら微笑まれて良い子良い子されたいんですよ!」
「それをあんな屑は無理矢理ヤラセて尚且つ彼女を見殺しにしたんですよ!?ド畜生じゃないですか!?」
酷い偏見もあったものだ。だが、ボルテージの上がってきた彼等にとってそれが真実であろうとなかろうと関係ない。怪しき者は罰せ、その精神を持ってピエール司教に対して怨嗟の声を上げているのだ。それを皮切りに周りの部下は声を上げていく。
「確かに……ピエール司教が彼女を守りさえすれば」
「あのハゲ……俺達のジャンヌちゃんと無理矢理ヤッた挙句見殺しにしてそのツケを俺達兵士に押し付けてるんだよな……」
「これはドラゴン云々言ってる場合ではないのでは?」
「まさか真っ先に倒すべき敵は上にいたとは」
「ピエール司教がいなければこの地獄は起きなかったってマジ?」
「取り敢えず腹たって来たから同じ名前のピエール殴るわ」
「ちょ、まっ……ケペッ!?」
どうやら生命の危機に陥りすぎたせいで私達は狂ってたようだ。まさか司教様を疑うようになってしまっていたとは
「落ち着けっ!」
「「はっ!」」
私の掛け声と共に半分暴徒となりかけていた部下達は瞬時に落ち着きを取り戻し整列する。
「このような事をしていても私達の現状は決して変わらん!我々は一刻も早くこの地獄のような戦線から脱出すべき!それは変わりあるまい!?」
「たっ……確かにそうだ。こんな所で無駄足をしている暇は」
「俺達は速やかにここから脱出してピエール司教をフルボッコにするべき!違うか!?」
「「はっ!」」
そう、この現状は間違いなくあの糞司教のせいだろう。あの男からはきな臭い噂を良く耳にした。確かに彼女を助けに行かなかった俺達は彼女からすれば殺しても殺したらぬ存在だろう。だが、この現状を作り出したピエール司教を俺達がボコっても罪はない筈だ、大体アイツのせいでこうなったんだ。責任の一つや二つは取って貰わないと気が済まない
それに唯死にたくないという気持ちでいるよりも一つの目標を皆で持ち行動する方が仲間内で連携が取れ死ぬ確率もグンと落ちると言うものだ。
「(すまないピエール司教。恨むならば今までの自分の素行を恨むんだな)」
「さぁ行くぞ!目指すはこの戦線からの脱出……「◼◼、◼◼◼◼◼!」えっ?」
掛け声を出そうとした瞬間、あの声が私達の直ぐ近くから聞こえてくる。何を馬鹿な事をしていたのだろうか、私達はアレから逃げていた筈だったじゃないか
「◼◼、◼◼◼◼◼◼◼◼!」
「……逃げるぞッ!」
「「了解!」」
あぁもう!折角上手く纏めようとしたのにしまらない!
「誰の何処がしまらないんですか!?」
黙れピエール!
───
「──ッシュン!誰かが噂しているのかしら」
「今このフランスで、貴女の事を噂していない者等いませんよジャンヌ」
「それもそうね。じゃあ続きを行うとしましょう」
全てを飲み込む漆黒の鎧を身に纏いまるで銀細工のような繊細で美しい白銀の髪をたなびかせジャンヌと呼ばれた少女は言葉を紡いでいく。その言葉には本来あったであろう神聖さ等消え失せ、代わりに底知れぬ悪意を含ませ言葉は紡がれていく。
「──セット」
「汝の身は我が元に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄る辺に従い、この意、この理に従うならば応えよ。誓いを此処に。我は常世総ての悪を敷く者」
本来なら入る筈の善性に対する一節は無視しこの世に存在した悪性のみを祈り呼び出す為に祈りを紡いでいく
何故、善を迎え入れず悪だけを迎えようとしているのか。それは彼女の声を聞けば自ずと分かるだろう。この世の全てに悪意を向けているような彼女の声を
彼女にとって望むのは地獄の業火を持って人々を焼き尽くす存在、つまりは人々から悪であれと謳われた存在、反英霊と呼ばれる者達以外他ならない
犯し尽くし焼き尽くし殺し尽くせ。彼女を裏切った世界を滅ぼす為に、この世の全てを滅ぼす為に。
「されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者──」
そして駄目押しと言わんばかりに紡がれる一節、それは英霊を狂わせ【バーサーカー】にする為の呪文。過度な力を英霊に与え破壊衝動を抑えられなくする物
「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ──!」
その瞬間、莫大な魔力が魔法陣が溢れ出し英霊の座から英霊が召喚される。彼女が呼ん……
ふむ……良い事を思い付いた。少し手を加えてやる。これで余興も少しは盛り上がる筈だ
「だっ誰の声……?キャア!?」
「ジャンヌ!?」
業!剛!豪!と先程と比べて途方も無い程の魔力が魔法陣へと流れ出し、魔法陣がその魔力に耐えられなくなったのかカッと光輝き魔力は爆散するように辺り一面へと飛び散る。魔力の爆発から幾重にもローブを重ねた男がジャンヌを庇うように覆い被さる。
「ジャンヌ……ご怪我はありませんかな……?」
「うっ……うん。大丈夫よありがとうジル」
そう言いながらジャンヌが立ち上がると呼び出したであろう英霊達がジャンヌを様々な思惑を持って見詰める
「ヒヒッ……全く、変な枷を付けて最弱の英霊を呼び出した奴は誰かと思えば……まさかの……ねぇ?」
1人は自分を呼び出した事が心底愉快で堪らなそうに
「……命令を、マスター」
1人は声だけは冷静だがその目を野生の獣の如くギラつかせながら
「死の運命。それもまた圧政」
1人は何かを納得し頷きながら
「……来なければ良かったかもしれないわね」
1人は周りを見渡し頭を抑えながら
「あーっと……もしかして俺って場違いって感じ?いやでもパタ族がいる感じがしたしなぁ……」
それはその赤いギョロ目で周りを見渡しながら鎌を揺らし
「……流石の余もこのような生物を見た事がないぞ」
1人は狂っても尚気品さを感じさせる声色で珍生物を見詰めながら
「今この身は両性具有ではあるが……私以上に謎の生命体を見たのは初めてだ」
最後の1人は騎士然とした構えをしながら珍生物を物珍しげに見ながら
「──えぇ、その通り。私が貴方達を呼び出しましたって……何よアンタ」
ジャンヌも目の前にいる鎌を持った謎の赤いギョロ目の存在に気に取られ思わず呆けたような声を出してしまう。
「……何ってマスターであるアンタに呼び出されたんだが?」
「……まぁいいわ。この場いる貴方達にマスターとして私が下す命はただ一つ」
街の破壊を、人々の虐殺を、破壊と殺戮。貴方達に私が望むのはそれだけです
思うがままに貴方達が望むがままに悪逆の全てを尽くしなさい。どのような行いであろうとも神が全てをお許しになるでしょうから
「どうせやるなら派手に楽しみましょう?」
さぁ、幕を開きましょう。どうしようもなく滑稽で世界から認めて貰えなかった私の革命を
「─── 素晴らしいッ!素晴らしいですぞジャンヌ!偽りのない本当の貴方がついに帰ってきてくれたのですな!」
「さぁ!バーサークキャスター。ジルドレィ!私達の旗を掲げるのよ!……絵は何が良いかしらね……全てを焼き尽くす業火、全てを蹂躙する力、それが欲しいわ」
「……ならば竜に致しましょう!災禍の象徴である竜の旗の下で全てを焼き尽くし蹂躙するのです!」
「良いですね。では我らの旗印は竜としましょう」
ヒヒッ……全くどうして。今回のマスターは
(●)<うーんこの