インフィニット・ストラトス ~青い流星の自由への翼~ 作:カズマ・アーリアン
もう2月になりましたねー。
受験生の皆さん、頑張ってね!←ものすごく他人事(他人事だが)
さて、明日と明明後日は東京でも雪が積もるかもしれないようで…。
電車が止まらないといいんですが……。
さて、今回は一夏と鈴の、対決編です!
一夏達はこれから戦うアリーナのピットにおり、試合開始を今か今かと待っていた。
「鈴の機体は見た限りじゃ近接型ってことしか分からなかったな…」
「一応紹介はされていたが…、得物が剣なのか槍なのかということすら分からん。それに比べてこちらはできる事が限られる上、得物が分かりやすい。…これは不利と言わざるを得んな」
「それに1年という短期間で候補生となれたということですし、技量の差も大きいでしょうから…、圧倒的に不利ですわね。……ですが、全く勝てないという訳ではありません。…たったひとつだけ、ひっくり返せる可能性があります」
「『
「ええ。公式戦で1度しか使っていない上、模擬戦でも使用を控えていますから。一体どれほどの威力なのか、というのが鈴さんに理解されていないという訳です。であれば、白式本体のエネルギー残量を含め、1回だけならば不意をつけるかも知れません」
「ということはそこまでエネルギーを温存しないといけないってことか…。…タイミングが難しいな」
確かに『
「仕方ありませんわね。『零落白夜』はリスクが高すぎますから」
「それでもなんとかやってみるさ」
「ふっ。自信が無いのはつけ込まれるもとだぞ、一夏。…気楽に行けばいいさ」
「ああ、分かってる」
《………織斑、第1試合が終わった。準備をしろ》
「分かりました、織斑先生」
「……やはり簪さんの勝ちですわね」
「流石だな。相手も代表候補だったと思ったが、やはり簪の方が1枚上手だったか」
「鈴に勝てる気しないけど簪さんにはもっとしねぇ…」
「簪さんの技量がそもそも高いですからねえ…」
「それに和真のせいで近接戦闘までできるからな…」
「……うっしっ!とりあえず簪さんのことは後だ!まずは鈴との戦い方、そこを考える!」
「その意気だ一夏…!」
「ゲートはすでに空いております。いつでもいいですわ」
「よし!…織斑一夏!!白式改!!……行くぜ!!!」
純白の機体は飛び立った。
これまでやってきたものを、自身の姉に見せるため。
そして、待っている自分の幼馴染にどこまで通用するのか知るために。
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鈴は、自分のピットで己の意識を高めていた。
「(……一夏との戦い、いつもの模擬戦以上に緊張してる…。…一夏の機体のことはできる限り調べた。もし射撃武器を持ってても対応できるように訓練もした。…けど…、…この漠然とした嫌な感じはなに?)」
「(和真が何かしたってこともありえるのよね…。味方のときはすごく助かるんだけど、敵にまわるとほんと面倒になるわね。……まあ、そんな所もいいんだけど///)」
《………凰さん。第1試合が終わりました。勝者は4組の更識さんです。続けて第2試合を行います。準備をお願いします》
「分かりました、山田先生。(4組の更識…ね。代表候補で今回は訓練機って聞いてたけど、勝ったならより警戒するに越したことはないわね)」
鈴は、自分の機体《
「一夏、悪いけど無傷で勝たせてもらうわ。……
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一夏と鈴はお互いアリーナに現れ、これから戦うとは思えないような空気で話していた。
「鈴。待たせたな」
「そんな待ってないわよ。あたしもさっき来たところだしね」
「…相変わらず、男気があるな鈴」
「なに?ボコボコにされたいの?」
「だ、誰もそんなこと言ってないだろ!?」
「じゃあどういうことよ?」
「いや、そんな言葉がサラッと出てくるもんだから懐かしくてだな!」
「あー、そういえばそうだったわね。まったく、一夏と話してると中学の頃に戻ったみたいだわ」
「あー、確かにそうかもな。今度家に戻りついでに弾の家に顔出そうと思ってるけど、お前どうする?」
「そうねー、こっち来てからすぐここに来たからあのバカに顔見せてなかったわ。久々に蘭とも話したいし、いいわよ」
「分かった、弾たちには連絡は入れとくよ」
「お願いねー」
「……そろそろ始めるか、鈴?」
「そうしましょ。大分時間も経ってるみたいだし」
「分かった。それじゃ……」
《………これより第2試合を始める。…カウント、3…2…1……始め!》
「……行くぞッ!鈴ッッ!!!」
「…来なさいッ!一夏ッッ!!!」
2人は激突する。
先程まであった、和やかな空気を完全に消して。
己の敵を倒さんとただひたすらにぶつかり合って。
「……グッ、流石だな、鈴!」
「ま、これでも短期間で候補生になれたのは伊達じゃないってことよ!ほら、まだまだ行くわよ!」ガキン
「くっ!まだ…!」
「遅い!」
《甲龍》の
「ガハッ!…な、なんだ?なんもなかったのに攻撃を受けた?!」
「それはこの機体の最大の武器…『衝撃砲』、よ。…今のはジャブだから多少威力は抑えたけど…次は本気で行くわよ?」
「…くそっ。まだまだぁ!」
「……対策無しで勝てると思わないでよ!!」
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管制室では、現場監督の千冬、真耶とピットから一夏達の試合の状況を見ようと移動してきた箒とセシリアがいた。
「……押されてますわね」
「やはり、たった1年で代表候補になれたというのは伊達ではない、ということか」
「そのようですわね…。素の技量が高いみたいですし、わたくしでも対応できるかどうか…という感じですわ」
「…おい、それは…ん?なんだ?一夏が吹っ飛んだぞ?」
「あれは…確か『衝撃砲』…だったかと」
「……『衝撃砲』?」
「
「…つまり、弾はおろか発射される向きすら分からないというわけか…」
「射程距離は精々アサルトライフルと同等と聞きましたが、見えないというアドバンテージは大きいでしょうね…。見たところ対策は射程範囲から離れるか、発射される瞬間の殺気を感じて避けるかという2択ですが、慣れていない一夏さんでは難しいですし…」
「ちょっと待て、そもそもそんなの誰でも無理じゃないか?」
「あら、前者は山田先生が、後者は織斑先生ができますわよ?」
「それは時代的な問題なのか、それとも目指す人材の問題なのか…?」
「その両方でしょうね。山田先生が織斑先生の後進ですから」
「い、いえ私はそんな大層なことは…」
「…何を言う、私の補欠だった人間だろう君は」
「「え?」」
「…しまった…。…んんっ!…織斑は『
「……はい、成功率は3割から4割程度ではありますが、和真さんの推測ではこの戦いで完全に会得できる可能性があると」
「フッ…あいつらしい。……では見せてもらおうか……、一夏、和真。お前達の可能性とやらをな」
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戦いは鈴が一夏を圧倒する状態が続いていた。
「ほらほら、まだあたしに一太刀も浴びせられてないわよー?自慢の刀はそんなもんなの?」
「お前が当てさせてくれないんだろう…が!」
「遅い遅いっ、ちょっとペース落とす?」
「落とすわけないだろ!興ざめなこと言うなよ!」
「じゃ、当ててみなさいよ!当てられるもんならね!!…ッ!?(何か…くる?!)…一夏、下がりなさいッ!!」
「…?…ッ!!」
ドゴオオオオオォォォォォォン!!!!!!!!
「「「「「!!!?」」」」」
そこには異形の