人外教師兵藤一誠   作:隆斗

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遅くなりました。その割に少ないですが、そこの所はご勘弁。
前回から原作に入っていますが、書くのはあくまで原作とは違う部分です。ですので、同じ所は端折ったりします。


説明回…の様なもの

 説明回

 

 

 

 

 

「ただいまー」

 

「あら、お帰りなさい」

 

 俺が家に帰ると丁度玄関にグレイフィアがいた。

 

「ご飯も出来てるしお風呂も沸いてるけど……ご飯にする? お風呂にする?」

 

「………」

 

「あら、急に黙ってどうしたの?」

 

 え、選択肢は今ので終わりですか? そのセリフは恐らくすべての男(もちろん俺も)が憧れているものの一つなんですが。

 

「いや、選択肢はそれで終わりなのかなー……と思ってな」

 

 俺がそう言うと彼女は、俺の言いたいことが理解できたのかクスリと笑った。

 

「そうね、選択肢はこれで終わりよ。残念ながら今日は私の日じゃないから」

 

「あー、了解。理解した」

 

 以前俺と女性陣全員が寝た時に、俺の隣を取り合ってガチの戦闘になった。なのでそれ以降俺と寝るのは彼女達の間で当番制になっている。先程グレイフィアの選択肢に最後の一つが無かったのもそれが原因だろう。

 その後俺は今日会った事を今家にいる家族全員に話した後、飯食って風呂入って今日が該当日だったアルマと白音と寝た。いや、別にアッチの展開は無かったよ。ホントダヨ、イッセイウソツカナイ。

 

 

 

 一翔を拾って彼の家に届けた後リアスは、自身の根城であるオカルト研究日に戻って来た。

 

「皆、ちょっと集まってもらえるかしら」

 

「あらあら、どうしたんですのリアス。あなたの新しい眷属に何かあったのかしら」

 

 彼女の近くに集まったのは男女合わせて五人。

 

「あら? 白音はどうしたの黒歌」

 

「白音なら先に帰ったにゃ。今日は白音が当番の日だからにゃ」

 

 黒歌の言っている事が良く分からないリアスだったが、家事の当番か何かと自身の中で適当に検討を付けてそれ以上は聞かなかった。

 

「実はさっきあの子に堕天使が接触したわ」

 

 堕天使、と言う言葉が出て皆朱乃の方を向く。

 しかし彼女は心当たりが無いといった風に首を横に振った。

 

「そう。取りあえずそれは置いておくわ。問題はその後よ。堕天使が彼を〝はぐれ”と間違えて殺そうとした時、そこに兵藤先生が乱入して堕天使を殺したわ」

 

「何? てことは兵藤先生は神器(セイクリッド・ギア)持ちって事か?」

 

 リアスの言葉に反応したのは、彼女の女王(クイーン)である柔汪雷花(じゅうおうらいか)だ。オレンジ色の髪をした彼女の問いかけるような視線に、リアス・グレモリーはただ首を横に振る。

 それ以外は表面上は驚いているものの、内心では別に何とも思っていない。寧ろ殺せて当然だと思っている。

 

「それが分からないのよ。幾つもの色々な力を使っていたかっら他の所有者から奪っている後天的な所有者かもしれないし、なにかの神器(セイクリッド・ギア)の亜種禁手(バランス・ブレイカ—)かもしれないわ。……でも今の所は、とりあえず皆も一応警戒はしておいてね」

 

『………』

 

 リアスの言葉にその場にいた皆が頷いた。

 

 

 

「し…兵藤先生、この後少しよろしいでしょうか?」

 

「木場か。別に構わん。それに俺だけじゃなくて兵庫の奴も呼んだ方がいいんだろ?」

 

「ええ、お願いします」

 

 次の日の放課後、木場が俺が担任をしているクラスまで来た。確実に昨日の事だろう。

 

「おい、兵庫。今から少し話がある。俺と木場について来い」

 

「あ、はい。分かりました」

 

 丁度帰りの準備をしていた兵庫にも声を掛け、木場と兵庫と三人でオカルト研究部を目指す。その際に女子生徒達が腐海にどんどん落ちていったが、俺は気にしない。と言うより気にしたくない。

 

「ここに兵庫君のここ数日疑問に思っている事の答えがあるよ」

 

「疑問に思っている事って……」

 

 移動中は木場に敵意剥き出しだった兵庫も、オカルト研究部の扉の前で木場に言われた言葉には素直に疑問に思ったようだ。

 

「部長、二人を連れてきました」

 

「ええ、入って頂戴」

 

「失礼します」

 

 木場が先に入り次に兵庫、最後に俺が入った。

 入ってまず目についたのは部屋いっぱいの魔方陣。

 正直、こいつ等の趣味を疑う。いくらオカルト研究部を名乗ってるからって、部屋いっぱいに魔方陣は無いと思う。

 そして次に目に入ったのはソファーに座っている白髪と黒髪の少女。

 ぶっちゃけ白音と黒歌だった。

 そして兵庫の野郎が二人にいやらしい視線を向けていたので殴っておく。

 

「イテッ、行き成り何するんですか先生」

 

「黙れ。人の家族をそんな目で見るからだ」

 

 言葉と共に睨むと、兵庫はヒィッと悲鳴を上げて縮こまった。

 そして壁に背中を預けている金髪の少女は、言わずもがな木場の彼女で転生者のジャンヌ・ダルクだ。

 あ、ジャンヌをいやらしい目で見てた兵庫の首に、木場が魔剣を突き付けてる。それを見てジャンヌはなんか満足そうだし。……腐女子じゃないよな?

 立派に彼氏やってるんだな、てのが俺の木場に対する感想だ。

 そして黒歌と白音とは別のソファーで寝ているのは、オレンジ色の髪を持つ美少女柔汪雷花。こいつの説明は……まあ、後でしよう。

 そして奥から聞こえてくるシャワーの音。

 ———あいつ、人を呼んどいて呑気にシャワー浴びてるのかよ。いいご身分だな。

 

「リアス、バスタオルよ。それと、もう二人が来たから急ぎなさい」

 

「朱乃……。ええ、分かったわ」

 

 少しすると、髪などが少し濡れたリアス・グレモリーとその少し後ろに姫島朱乃が現れた。

 

「ごめんなさい。日中にちょっと汗をかいてしまったから、少しシャワーを浴びていたの」

 

「この際、部室にシャワー室があるのは置いておく。だがお前は仮にも呼んだ側だろう、だったら俺達が来る前にシャワーを済ませておくべきではないのか?」

 

「……っ⁉ それよりも兵庫一翔君——いえイッショーと呼ばせてもらうわね」

 

 逃げやがった。これだから我儘姫は……。

 

「は、はい……」

 

「私達オカルト研究部はあなたを歓迎するわ」

 

「え? ああ、はい」

 

「悪魔としてね」

 

 リアス・グレモリーがそういった瞬間、彼女と雷花とジャンヌと佑斗の背中から蝙蝠のような翼が飛び出した。

 

 

 

「どうぞ、粗茶ですが」

 

「あっ、ありがとうございます」

 

 現在俺と兵庫はリアス・グレモリーをテーブルを挟んで対面に座っている。そして彼女の隣には雷花が、彼女の右と左後ろにジャンヌと佑斗がいて、その他の朱乃と黒歌と白音は第三者的位置にいる。

 

「単刀直入に言うわ。私達は悪魔なの。私達———と言っても私と雷花と佑斗とジャンヌだけだけどね」

 

「は、はぁ」

 

「そしてあなたも悪魔よ、イッショー」

 

「え? ……ええっ⁉」

 

 まあ、そら驚くわな。いきなり自分が悪魔だ、て言われたら。

 

「……あ、ああ。もしかしてオカルト研究部内での役割ですか? 随分凝ってますね」

 

 今グレモリーは兵庫と話しているが、それが終わったら俺に焦点を合わせて来るだろう。あー、メンドクセ。取りあえず今のところは正体を隠すってことでいいか。

 俺が色々と考えている横でグレモリーと兵庫は原作でのやり取りをしていく。違うとこと言えば、俺じゃ無く兵庫って事と兵庫を殺したのがレイナーレじゃなくミッテルトだということぐらいだろう。

 そして兵庫の神器(セイクリッド・ギア)が原作通りに出現した後、グレモリーが俺の方を向いてきた。

 

「それでは先生、もちろん話をしてくれますよね?」

 

 疑問系で聞いてきてはいるが、その声音には明らかな威圧を感じた。

 ……まあ、高々十八そこらの小娘の威圧で俺がビビる訳もないけど。

 

「勿論話すさ。只これだけは覚えておけ。俺は余程のことが無い限りお前らの敵になる事は無い」

 

「……信じていいんですよね」

 

 疑い五割確認五割といった感じで問いかけてくる。

 別に勿体ぶる必要もないので、俺は少し大げさに頷いてやった。

 それを見たグレモリーは一応は納得した様子を見せた。

 

「さてそれじゃあ、俺の力についてだが———」

 

 コンコン

 

 俺が自分の能力について話そうとした時、オカルト研究部の扉がノックされた。そう、まるで狙ったかのようなタイミングで。

 

「リアス、すまないが兵藤先生を知らないか? あと少しで先生にも参加していただく必要がある風紀委員全体での会議があるんだが、全く見当たらないんだ」

 

「兵藤先生ならここにいるわ。でもちょっと待っててくれる? 今私達は先生に訊きたいことがあるのよ」

 

 グレモリーがそう言うと、ガチャとオカルト研究部の扉が開きディオドラが入って来た。

 

「それは全体会議を遅らせてまでする事なのかな? もし君と先生の間での個人的な事なら後にしてほしいんだけど」

 

 いつも通りのニコニコした笑みを浮かべたディオドラだが、その声音には問いかけるというより先程のグレモリーと同じような威圧感があった。

 

「これは私と先生の個人的な事ではないわ。もしかしたら悪魔全体にかかわる事かもしれないの」

 

 コイツ……。さっき頷いておいてすぐに手のひらを返しやがった。味方が出て来たとたん手のひらを返すとかなんちゅーあからさまな奴だ。

 

「……それはどういう事だい? もしかして君は兵藤先生が僕たち悪魔の脅威になると思っているのかい?」

 

「ええその通りよ。実は昨晩、この子が堕天使に襲われたのだけれどその時兵藤先生が助けてくれたのよ」

 

「ふむ、話を聞く限りは寧ろ君は先生に感謝するべきだと思うんだけど……」

 

 あ、そう言えばグレモリーにお礼言われてなかった……。別に今更とってつけたように言われても嬉しくないけどな。

 

「ええ、そうね。確かにその点に関しては先生に感謝しているわ。でも問題はこの後よ。先生は私の見たこともないような方法で堕天使を撃退したの。相手は恐らく下級だろうけど、私の目算では先生の力量は上級いえ最上級を超えているわ」

 

「ふむ……」

 

 グレモリーがそう言うとディオドラは手を口に当てて考える仕草をした。恐らくフリだろうけどな。

 

「だが例え、その話が本当だったとしても先生一人では悪魔の脅威にはならないよ。もし仮に先生が悪魔に攻撃を仕掛けて来たとする。それによる被害はたくさん出るだろ。だが、君がこのことを予め魔王様——君のお兄様あたりに言っておけば、魔王様の眷属や魔王様本人が出てきて被害はゼロにすることができる。……そうだろ?」

 

「でも———」

 

 ディオドラの真っ当な理論になおも食い下がるグレモリー。しかし彼はそれを遮って言葉をつづけた。

 

「それに、先生の事を僕が知らない筈がないだろぅ。これでも先生とは僕が子供の事からの知り合いでね。先生は十分に信用に値する人物だよ。それはこの僕が、アスタロト家の名に誓って証明する」

 

「………」

 

 流石にそこまで言われてはグレモリーは何も言い返すことがでいなかった。

 

「はぁー……分かったわ。それじゃあ先生の事はあなたに任せるわ」

 

 今更になって気付いたんだが、コイツ俺の事を下に見てないか? 俺の実力は一応冷静に分析できていたようだが、所詮たかが人間と思って侮っているのか? まあいい。今はそう思わせてやるか。

 

「じゃあ僕はこれで失礼するよ。先生、行きましょう。皆が待っています」

 

「おお、そうだったな。じゃあ行くか」

 

 そうして俺とディオドラはオカルト研究部から出て行った。

 

 オカルト研究部を後にしてしばらく来たところで俺は、隣を歩くディオドラに向かって顔も見ずに言った。

 

演技(・・)ご苦労様」

 

 それに対してディオドラは、呆れたようにため息を吐いて言い返してきた。

 

「全く、急に念話(テレパシー)をしてきて何かと思えば……こんなくだらない事だったんですね。……それに僕がリアスに言ったのは大部分が真実なので、あながち嘘ではありませんし演技でもありませんよ」

 

 ふむ、そいつは意外だ。てっきり全部演技だと思っていたからな。

 

「それよりも、何故先生はリアスに本当の事を教えなかったのですか? 教えていればこんな面倒な事にはならな方ですよね、兵藤卿」

 

「止せ、学校だぞ。それにそう言われるのは色々と面倒な事が多い裏の社交的な場だけでいい。こんなところまでそう言われるのは好きじゃない」

 

 変質しても大本は変わらないという事なのか、俺は『兵藤卿』の様な堅苦しい言い方が好きじゃない。だから俺と親しい奴らには、ですます調は認めても堅苦しい言い方はさせないようにしている。

 

「そしてお前の疑問に答えるならまだその時期じゃない、としか言いようがないな」

 

「ハハ……なんですか、それ」

 

 俺の言葉にディオドラは笑って流した。いや、もしかしたら俺のことなど考えても無駄だといった諦めの笑いなのかもしれない。

 

「それより、早く行きましょう。みんな待っています」

 

「ああ、そうだな」

 

 

 

「……アーシア?」

 

「……イッショーさん?」

 

 俺がオカルト研究部に呼ばれてから数日後、学校を休んだ兵庫がアルジェントと三度接触した。それを俺はスキルを使って見ていた。因みに今は授業中。

 その間に色々とあったもののそこは原作とさして変わらないので、その事に関しては特にいう事は無い。

 

「アスタロト、昼休みに風紀委員室に来い。話がある」

 

「分かりました。先生」

 

 ディオドラにそう言って俺は彼のいる教室を出た。

 

「それで、話ってなんですか先生」

 

 時と場所が代わりお昼休みの風紀委員室。そこで俺とディオドラは対峙していた。

 

「この町にお前の命の恩人であるアーシア・アルジェントが来ている」

 

「ッ⁉」

 

 俺の言葉にディオドラは当然のごとく驚いた。

 原作でのアルジェントがディオドラを助けた出来事はこの世界では結構変わっている。というより、アルジェントが境界を追放されたのは間接的に俺が原因となっている。

 まず、俺は当時のディオドラに修行させるために胸に傷を負わせた後適当にどこかの教会の前に放り出した。そしてディオドラは悪魔祓い(エクソシスト)に見つかり逃亡。だが逃亡した先も教会で万事休すの時、アルジェントが彼を見つけて傷を癒した。そしてそのお蔭でディオドラは悪魔領にある実家に帰って来ることが出来た。

 だが、その瞬間を表の教会の者達に見られたアルジェントは教会を追放された、という訳だ。

 後々にこの事を知った俺だが、別に原作通りになっただけだしいいか、と放置した。あ、でもアフターケアはしておいたぞ。

 そしてそれ以降ディオドラはアルジェントに恩を感じている。しかし悪魔と教会関係者故に出会う事すらままならない。だがいつか必ずこの気持ちを伝えるのだ、と心に決めて彼は今まで生きて来たのだった。

 

「それで、どうする? このままいけば彼女は今夜中に体から神器(セイクリッド・ギア)を抜き出されて死ぬぞ」

 

 俺がそう問いかけると、ディオドラはいつも通りの笑みを浮かべて堂々と言った。

 

「勿論決まってるじゃないですか。彼女を助けに行きます。それは命を救ってもらった僕がするべき義務です」

 

「そうか……。じゃあお前の女王(クイーン)も連れて、教会にカチコミに行くか」

 

「はい!」

 

 ここからは原作とは大きく違った流れになる。その事を俺は心に刻みながら、午後の授業の準備を始めたのだった。

 




各キャラに対する一誠の呼び方でっすが、親しいほどに名前呼びや渾名呼びになっていきます。それ以外は基本的に苗字かフルネームです。
次はホワイトデーにSAOの方を更新します。余裕が得ればその前にも更新するかもしれませんが……。

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