今回から原作二巻が始まります。
そして久しぶり故に平均文字数以上書くというマイルールを破ってしまった……ま、いっか
まあ、人生なんてそううまくはいかないものだ
まあ、人生なんてそううまくはいかないものだ
はぐれ悪魔バナッシュの件から数日たったある日。放課後の駒王学園の校門に金髪の男が来ていた。
「さて、来てみたわいいものの……これからどうするかな………」
腕を組んで思案する男の視界に、丁度よく放課後になって帰宅していく女子生徒のが映った。
それを見て妙案が思いついた男は女子生徒に話しかける。
「すまない。ちょっといいだろうか?」
「兵藤先生~、これに関係する書類何処にありましたっけ……?」
「ああ、それ関係の書類でしたらあちらの方にありましたよ」
バナッシュの件から数日経った日の放課後。俺は職員室で『先生の仕事』をしていた。
本当なら今の時期に原作二巻が始まるのでこんな事をしていたくはないのだが、自分で
「兵藤先生。ちょっと……」
「?」
理由は分からないが初老の先生に呼ばれたので其方に行ってみる。
「先生にお客様が来ています」
「俺に客……?」
はて……誰だ? 家族の皆には滅多な事では来るなって言ってあるのでその可能性はない。その他の裏の世界の関係者達にも同じように言ってあるので違う。もしあったとしても俺の形態に直接掛かってくる。人間界で生活をし始めたのはここ最近なのでこの可能性も違う。……やばい、本格的に誰が来たのかわからない。
「ええ、金髪の男性です。応接室に通してあるので行って下さい」
「はあ……分かりました」
気の抜けた返事をしながらも、俺は応接室へと向かう。
この時俺は忘れていた。この世界の流れを。今日が原作でどこら辺に当たるのかを。
そしてそれを俺は金髪の男性、と言われた時点で気付くべきだった。
「なあ、木場。ここ最近部長の機嫌が良いみたいだが……何があったんだ?」
おっす、俺は兵庫一翔。リアス・グレモリー様の兵士をしている。
そして今は美質に向かう途中で偶々会った木場とダルクさん(本人にそう呼ぶように言われた)と一緒に部室に向かている最中だ。
そしてさっきからダルクさんの視線が痛い。おそらく木場との二人っきりの時間を邪魔されたからなんだろうけど……いくらなんでも同じ主を持つものに対する殺気の量じゃないと思う。いや、マジで。
「う~ん……。流石の僕でもその原因まだは分からないな……」
肩を竦めて申し訳なさそうにそういう木場。
「何言ってんのよ。あなたはちゃんと分かってるでしょう」
「アハハ、やっぱりジャンヌには敵わないな」
ってさっきの言葉は嘘だったのかよっ‼
俺は木場に文句の一つでも言ってやろうとしたが、丁度部室についたので文句を言うのは後でにする。
「あら、遅かったわね三人とも。……何かあったの?」
いつもの席に座った部長が、俺らの事を確認するなりそう問いかけて来た。
「ただちょっと帰りのHRが遅れただけよ。そんなに心配する事じゃないわ」
ダルクさんがそう言うと部長はそう、大変だったわね、と妙に上機嫌な声でそう言った。
う~む……本当に何があったんだろう?
「! 部長、この人誰ですか?」
そこで俺は気付いた。部長の後ろに銀髪のメイドさんが立っているのを。
長い銀髪を自然に流していて巨乳なメイドさんは、俺と目があうと一礼してきた。慌てて俺も礼を返す。
「ああ、彼女はミレイフィアよ。私の実家でメイド長をしているの」
部長がそう紹介すると、銀髪のメンドさん——ミレイフィアさんはまた一礼した。
ってか分かっていたけど部長ん家ってやっぱりお金持ちなんだな。
「で、その人が何でここにいるんですか?」
俺が部長に向かってそう聞くと、部長はよくぞ聞いてくれたわ、といった顔をして顔を嬉しそうに綻ばせながら反しだした。
ああ、自分がその原因じゃないのは分かっているけど、部長の笑顔はやっぱり見ていて飽きないな。
「彼女は私の実家から私宛の伝言を持ってきてくれたの」
「? でも、それだけの事だったら魔方陣での連絡でもいいんじゃないですか?」
悪魔になった時の説明で魔方陣についてもある程度は聞いた。その全てを覚えている訳じゃないけど、魔方陣を電話代わりにできるという事は覚えていた。
そしてその事は当然部長も知っている。てことは、今回の事は直接言った方がいいほどの事なのか、もしくはミレイフィアさんが人間界に来たついでに伝言も持ってきたのか……。
「本当ならばそうなのだけれど、今回の件は私の将来にかかわる事だから重要な事なのよ。だから彼女が直接来たの」
どうやら前者だったようだ。まあ、後者の確率は結構低かったから当然ともいえるかな?
「……で、その伝言て何なんですか?」
「実は————」
コンコン
部長が伝言の内容を言おうとした時、部室内に乾いたノック音が響いた。
部室内に居た俺達は全員その音がした出入り口の扉を見つめる。
「ライザー・フェニックスというものだが、オカルト研究部はここで合っているだろうか?」
それは俺の聞いたことのない声と名前だった。
俺の隣にいたアーシアも身に覚えが内容で首を傾げているが、他の皆は知っているようでそれぞれの反応を見せていた。
その中でも部長の反応に俺は一番目を奪われた。
部長は普段の優雅な振る舞いなども欠片も感じられない動作で立ち上がると、自身で軽く身だしなみを整えた後傍にいたミレイフィアさんに何処かおかしなところが無いか聞く。
「ねえ、何処かおかしなところはないかしら?」
「いえ、特に問題ないかと」
「そう、ありがとう」
満足そうに頷いた部長は、スキップしそうな足取りで扉へと向かう。
「ええ、ここで合ってるわ。ちょっと待ってねライザー、今開けるわ」
そう言って部長が扉を開けると、金髪のチョイ悪風ホストみたいなイケメンが立っていた。ケッ、イケメンなんて滅びろ!
「突然すまないなリアス。今日は人間界にちょっと用事があったからそのついでに寄ったんだ」
「そんなことないわライザー! あなたが来てくれて私はとっても嬉しいわよ!」
あ、あれ~? 部長がいけ好かないイケメンと話している時の顔が恋愛に疎い俺でもわかるほどに乙女なんですが………も、もしかして部長! そうなんですかそういう事なんですか⁉
「? そこの彼は何故に頭を抱えて唸っているんだ?」
「気にしなくて良いわ。イッショー元々そういう子なのよ。そんな事よりこっちに一緒に座りましょう」
ぐおぉ〰〰っ! 部長が、俺の部長が〰〰〰っ‼ ってあれ? 俺が悶絶している間に部長とライザーは仲良くソファに並んで座ってる⁉
……はぁ、やっぱり部長の様な人は俺にとって高嶺の花なんだよな———。
「ふわぁ~……佑斗、ちょっと眠くなったから寝かせてくれる?」
「うん、いいよ。ジャンヌの出番になったら起こすから、ゆっくりおやすみ」
部長とライザーがいる所とは別のソファでは、騎士コンビがマイペースにイチャイチャしている。はっ! 此処の場所からしゃがめばダルクさんのパンツが見えるのではっ⁉ よし、思い立ったら即行どおわっ⁉ あ、危ねぇ。木場のヤツ俺がしゃがんだ瞬間に短剣型の魔剣を投げてきやがった。
「(次は当てる)」
「(分かった! もうしないから、その魔剣をしまえ‼)」
アイコンタクトだけで会話した俺と木場。あれぇ~、アイコンタクトでの会話って信頼関係があって初めてできるんじゃなかったっけ? 今の俺と木場の関係は信頼じゃなくて狩られる者と狩る者の関係だったと思うんだけど……。
「そう言えばライザー、さっきミレイフィアから聞いたのだけれど私とあなたの結婚の話が本格的に進むそうね。もしかしてあなたが此処に寄った理由もそれ?」
………え? 結婚? 誰が? もしかして部長とこのイケメンが? ………そ、そんなァァァああああ⁉
「ああ、その事についてなんだがリアス……俺はお前とは結婚できない」
「………え?」
その瞬間まさしく部室の中の時間が一瞬止まった。
部長は先程の眩い笑顔が消え、開いた口が塞がらなくなっている。他の皆は……思いのほか普通だった。恐らく皆空気を読んで固まっているだけなのだろう。かくいう俺もこの急展開の連続に頭がオーバーヒートしそうだった。だが俺の頭は次第に青くなっていく部長の顔を見て冷静さを取り戻していった。
「ちょちょっと待って! え? 私とあなたが結婚できないってどういう事? だってこの婚約はグレモリー家とフェニックス家が決めたもので——」
親においていかれた子供の様な顔で部長はライザーに問いかける。
そんな部長を見ている俺の心境はかなり複雑だった。正直に言えば部長がこいつと結婚しないと聞いて俺は超嬉しい。だが俺は決してあんな部長の顔を見たいわけじゃない。あんな何もかもに絶望したような顔を見るくらいなら、やっぱり俺は笑っている部長の顔が見たい。例えその隣にいるのが俺じゃなくても。
「ああ、確かにこの婚約は俺達の家同士が決めたものだ。だから俺はあと数日のうちにフェニックス家を出る」
縋りつく部長の言葉を遮ってライザーはそう言った。その顔は明らかに何かを決意した『男』の顔だった。
「ちょっと待って。それはいったいどういう—————」
コンコン
またもや鳴ったノック音。正直今はそれどころじゃないので部長は無視を決め込むようだったが、こちらの返事を待たずに扉が開いた。そして扉を開けて入って来たのは、
「ん? 取り込み中だったか? まあ、俺に気にせずに続けろ」
————この学園で恐らく最も有名であろう教師、兵藤一誠先生だった。
応接室で客——ライザーを迎えた後、彼から少し遅れて俺はオカルト研究部へと向かった。別にわざとタイミングを外した訳じゃなく、まだ残っていた教師の仕事があったからそれをしていただけだ。他意は無い。
「……先生、今はちょっと席を外してくれますか。先生には関係のない話をしていますので」
俺に向かっていつもの数倍冷たい声でグレモリーが言い放ってきた。だが俺が何か言うよりも早く口を挿むものがいた。
「あら、随分遅かったのね。教師の仕事ってそんなに大変なの?」
俺が入って来た時には壁の花を決め込んでいたミレイフィア——の見た目をしたグレイフィアだ。
「ちょ、ちょっとミレイフィア。あなたいきなりどうしたの⁉」
「ああ、そう言えばちゃんとした挨拶がまだだったわね。私はグレイフィア・ルキフグス。この人の妻よ」
流れるような動作で俺の隣に来たグレイフィアの挨拶に、事情を知らない者(グレモリー、柔汪、兵庫、アルジェント)が鳩が豆鉄砲を喰らったような顔になる。
「……もしかして、ミレイフィアが言っていた姉ってあなたの事かしら?」
「ええ、そうよ」
グレイフィアがそういったタイミングで部室の空いている所に魔方陣が展開されグレイフィアと瓜二つの女性——ミレイフィアが現れる。
「すいませんお嬢様。所用により少々遅れました。! お久しぶりですお義兄様、お姉様」
グレモリーに軽く謝ったミレイフィアは、その場にいた俺とグレイフィアにも気づき会釈してきた。それに俺達は手を挙げて軽く返す。
「まあ、色々と驚く事があったけど今はいいわ。そんな事よりミレイフィア、私はあなたに確認したことがあるのだけれど……」
「お嬢様が仰りたいことは理解しております。なぜお嬢様とライザー様の婚約が破棄なされているのか、ですよね?」
ミレイフィアの確認にグレモリーは深く頷いた。
「その事につきましては折角本人がおられるのですし、ライザー様本人に理由を説明してもらった方がよろしいかと」
彼女の言葉でみんなの視線(爆睡している柔汪とジャンヌは除く)がライザーに向けられる。
「ああ、いいだろう。では今から俺が婚約を破棄しようと思った最大の理由をここに呼ぼう」
ライザーがそう言うと彼の横に一つの魔方陣が展開される。その魔方陣は聖なる気配が漂っていてそれだけで悪魔関係の人物ではないのが窺える。まあ、俺は誰が来るのかは分かっているんだけどな。前にライザーに紹介されたし。
「初めまして、
ライザーの金髪の様にギラギラしたものでは無く、優しい感じの金髪に優しい赤色のメッシュが入った妙齢の女性は俺達の前に姿を現すなり頭を下げて挨拶をしてきた。彼女につられて俺達(寝ている者を除く)も頭を下げる。
そしてライザーはグレモリーに向き直ると、今の状況から誰もが予想できる言葉を、彼女が最も言ってほしくないであろう言葉を、
「リアス、俺は迦楼羅が好きだ愛してる。だから俺はお前とは結婚できない」
———ちゃんと相手の目を見て、ハッキリと言った。
新学期が始まったさいにあった慌ただしさもやっとひと段落ついて来たので、最新話を投稿しました。
今の所の予定ではこの作品はアニメがやったところまで、つまり原作四巻までは書きます。その後は追々考えたいと思います。
それでは、また次回