人外教師兵藤一誠   作:隆斗

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遅くなりました。未だに原作には入らない上に駄文かと思いますがよろしくお願いします。

2014年11月18日改稿しました


悪魔と堕天使と神

悪魔と堕天使と神

 

 

 

 

イーリス(一誠が付けたグレートレッドの名前)とオーフィスが九喇嘛と一誠と一緒に過ごすようになってからかなりの年月が流れた。

その間に宇宙が出来、(一誠達にとって)そのすぐ後に地球をはじめとする太陽系が出来た。そして一誠達四人は地球に降り立ち、いつも通り修行やじゃれ合い等をしながら暮らしていた。

 

「イッセー、ちょっと」

 

「ん? どうした? 九喇嘛との模擬戦は終わったのか」

 

「ちょっと、変なものがある」

 

「変なもの?」

 

「とにかく来て」

 

訝しみながらもオーフィスの後に付いて行く一誠。

するとそこにはオーフィスと模擬戦をしていたイーリスに九喇嘛までいた。

 

「おお一誠やっと来たか」

 

「どうした? 何かあったか?」

 

「取り敢えずこれを見てくれ」

 

イーリスに言われるままに彼女が指差したところを一誠が見てみると、何もない筈の空間に三〇㎝位の亀裂が出来ていてそこから万華鏡をのぞいたような景色が見えた。

 

「オーフィスとの模擬戦の時に我が手刀をしたらこうなったんだ。最初は我らでも通れるほど大きかった」

 

一誠達が話をしている間にも亀裂は閉じてしまった。

 

「……さっきの亀裂の先に見えたのは恐らく次元の狭間だな」

 

「ああ、あそこか」

 

「知ってるの?」

 

「ああ、確か様々な世界の隙間に存在する無の世界で、そこには何も存在せず、完全なる静寂があるだったか」

 

「ああそれで正解だ」

 

九喇嘛が大昔(三兆年以上前)に一誠に聞いた次元の狭間についての情報を、次元の狭間について何も知らないイーリスとオーフィスに話すと一誠がその情報を肯定した。

 

「取り敢えず入るか? これから悪魔とか天使とかが生まれた時に俺らのこと説明するの面倒だし」

 

一誠の案に

他の三人(匹?)は納得した。

 

「そんじゃ行くぞ」

 

そう言った一誠の前に人一人は余裕で入れるほどの亀裂が出来た。彼はそこに何の躊躇いもなく入っていく。それに続く形で九喇嘛とイーリスとオーフィスも入って行った。

 

 

 

 

 

俺と九喇嘛とイーリスとオーフィスが次元の狭間で暮らし始めてしばらく経った。

最近外では複数の巨大な力を感じるようになった。その内のいくつかは大体固まって動いている。

その正体が気になった一誠は九喇嘛と一緒に探しに行くことにした。

 

「ここら辺か?」

 

「いやもう少し向こうだ」

 

九喇嘛と一緒に紫色の空の場所に着いたが、近くに人影が見えないので九喇嘛に聞いてみるとここからそう遠くない場所を指さしたので其方の方向に歩いて行く。

 

「……着かないぞ」

 

「ふむ、先程から同じところを回らされてるようだな」

 

「てことは結界か」

 

「十中八九そうだろうな」

 

面倒くさいことになった。今後の事を考えるとあまりお互いの関係に溝が出来る事はしたくない。となると残りは——————

 

「話し合いしかないだろうな」

 

「そうだな。だがこちらからの声は届くのか」

 

「届くだろ。そして恐らく今も俺らを監視しているはずだ」

 

「だが結界はいつ掛けられたのだ?」

 

「恐らく俺らが空間を通って来る時に、向こうが俺かお前の力を感知して俺らが出て来る所に結界を張ったってところだろう」

 

「なるほど」

 

九喇嘛も納得してくれたので早速行動に移す。

 

「おーいっ!?」

 

大声を上げてこの結界を張った奴を呼ぼうとしたら、俺達の近くの地面がズパンと音を立てて斬られた。俺達に当てなかったのは威嚇なのだろう。

俺も九喇嘛も見えていたが俺は行き成りきたのと気を抜いていたので情けない声を上げてしまった。

 

「いきなり切りつけて来るとは穏やかじゃないな。どうするんだ一誠」

 

「仕方ない。取りあえずこの結界を壊すか」

 

俺はそう言うと右手を軽く横へ振るう。たったそれだけの動作でガラスが割れる音と共に結界が壊れ、俺と九喇嘛の前に六人のイーリスやオーフィスの人型の時と同じ位の年齢の女性が現れた。

 

『…………』

 

彼女らは俺があれだけの動作で結界を破壊したことに驚きつつも警戒心むき出しの目で俺と九喇嘛を見ている。

 

「……あなた今どうやって私の結界を破壊したの?」

 

ラベンダー色の髪を持つ女性がそう聞いて来たので、そのまま右手を振るって、と言ったらため息を吐きながら詳しく教えてほしいのと言われた。

 

「さっき俺の右手には『幻想殺し(イマジンブレイカー)』っていう異能の力なら何でも破壊してしまう力が宿ってたんだ。それで破壊した」

 

「宿っていたという事は今は無いのかしら」

 

「今はな。いつでも使えるが、あれがあると俺自身も魔力や気を使えなくなるので普段は使っていない」

 

『幻想殺し』の説明をすると驚かれたが、俺はそんなの関係無しに話しかける。

 

「俺の名前は兵頭一誠、そしてこっちは九喇嘛。始めに言っておくが俺達は争いに来たんじゃなくて話し合いに来たんだ」

 

「話し合い? でもおかしいですね、今人間界にはまだ人間はいないと思ったんですけど」

 

「んー、彼の話し聞くだけじゃいいんじゃないかなー?」

 

金髪の女性と六人の中では一番背が低く子供っぽい口調の水色の髪の女性が口を開いた。

 

「レヴィアタンのいう事も一理いある。ところで兵藤と言ったなお前は私達と何を話すつもりだ?」

 

緑色の髪の女性が水色の髪の女性(おそらくレヴィアタンと思われる)の発言に賛成し俺にそう聞いて来た。

しかし俺は彼女達と話す内容を考えてきていない。それに俺がこの世界の正史を見た時は四大魔王と神の五人だけだった筈だ。なのにこいつ等の他にも強い力の波動を感じる。其れだけで俺の脳はパンクしそうだった。

 

「…………ない」

 

「は?」

 

「だから話す内容を考えてなかったんだよ」

 

『………』

 

目の前の女性達はポカンと口を開け、九喇嘛は額に手を当ててため息を吐きながら呆れていた。

 

『アハハハハハッ』

 

女性達の笑い声が冥界の空に響いた。………うぅ、笑わなくてもいいのに……。

 

 

 

 

 

「改めて自己紹介をしましょう。私は悪魔のルシファー」

 

綺麗な朱色(あかいろ)の髪を持つ物腰の柔らかそうな印象の女性ルシファーを始めとして自己紹介が始まった。

 

「私もルシファーと同じく悪魔のレヴィアタン! よろしくね!」

 

水色の髪のノリの軽そうな印象の女性レヴィアタン。

 

「ルシファーやレヴィアタンと同じ悪魔のベルゼブブだ。先程はろくに話も聞かず無礼を働いてすまない」

 

緑色の髪の腰に刃渡り一m以上の長い刀を持った礼儀正しい印象の女性ベルゼブブ。

 

「私はアスモデウスよ。よろしくね兵藤君」

 

紫色の髪の親しそうな印象の女性アスモデウス。

 

「神のライヴィスです、よろしくお願いします」

 

綺麗な金色の髪の優しそうな印象の女性ライヴィス。

此処までは正史を見た一誠には予想道理だった。しかしこの後に自己紹介をする彼女は一誠にも予想できなかった。つまり彼女は正史に居ない事になる。いや、本当はいたかもしれないがそれ程の重要人物ではなかったのだ。やはりこれも正史とこの世界のズレなのだろう。

 

「俺は堕天使のルシフェル。ルシファーと間違いやすいから注意してくれ」

 

黒よりのグレーの髪を持つ男口調の女性ルシフェル。

 

「俺は人外の兵藤一誠。こっちは俺の家族で九尾の九喇嘛だ」

 

ルシファー達が挨拶した後一誠も自分と九喇嘛を紹介した。

 

「人外? あなたの気配は人間の様な気がするけど?」

 

「うーん? じゃあ」

 

論より証拠ということで証拠を見せる為に一誠は一京分の一のスキル『千変万化(トランスフォーム)』を使い、身体を三分割ずつ天使、堕天使、悪魔に変えてそれぞれの翼を一対ずつ背中から出す。

 

『ッ!?』

 

「これは俺の能力の一つでなったものだ。天使と堕天使と悪魔の気配が俺からするだろう」

 

『……』

 

未だに目の前で起きている事に驚きつつも頷くルシファー達。

 

「……それであなたはこれからどうするの? そして私たちにどうしてほしいの?」

 

何とかショックから立ち直ったルシファーが一誠に問うた。

 

「ただ俺達と敵対しなければそれでいい。何ならこれから出来るであろうお前らの各勢力内のイザコザを俺が解決するのを手伝ってもいい。それに俺個人としてはお前達とは仲良くしたい」

 

最後の方を微笑みながら言う一誠の提案(と要望)にルシファー達は円を囲み何やら話し始めた。

 

「どうしようかしら?」

 

「うーん? どうしよっか☆」

 

「私は別に構わないと思うが」

 

「私もベルゼブブに賛成よ」

 

「ええ、私もです」

 

「あいつ中々の強さみたいだから、俺は一度戦ってみたいのだが」

 

「こらそこ、まじめに考えなさい」

 

ルシファーとライヴィスが真面目に考え、レヴィアタンとベルゼブブとアスモデウスが考えることを丸投げし、ルシフェルが全く別の事を考えているという実質二人しか考えていない作戦会議の様な物が始まった。

 

「結論が出たわ」

 

暫くすると代表してルシファーが一誠と九喇嘛に向かって言った。

 

「私達はあなた達と友好な関係を築きたいと思う」

 

ルシファーの言葉にホッとする一誠だったが続けられた言葉は彼にとっても少々予想外だった。

 

「ただし、私達の内の誰かと模擬戦をしてくれないかしら? 一度あなたの実力を見てみたいのよ」

 

「まあ、別に問題ないが誰がやるんだ?」

 

「私が相手だ」

 

名乗り出たのはベルゼブブだった。

 

「ベルゼブブが一番強いのか?」

 

「そういう訳では無い。私達の実力はドングリの背比べだよ」

 

「そうか。それじゃあ早速やろうか」

 

「ああ、よろしく頼む」

 

そう言って一誠とベルゼブブはルシファー達と九喇嘛から離れた場所に移動する。

 

「合図は俺がとろう。では」

 

片方の手で鞘を持ちもう片方の手を柄に添えて居合の構えをするベルゼブブ。対し一誠は————

 

「左腕(シニストラー)解放固定(エーミッサ・スタグネット)『千の雷(キーリブル・アストラペー)」

 

「右腕(デクストラー)解放固定(エーミッサ・スタグネット)『千の雷(キーリブル・アストラペー)」

 

左右に付きだした両手の先に雷で出来た球体が発生する。

 

「双腕(ドゥプレクス)掌握(コンプレクシオー)」

 

一誠がそれを握りつぶすと彼の体に変化が起こった。

体中が光りながら帯電し髪の毛も後ろに長く伸びていた。

 

「始め!」

 

一誠の準備が整った瞬間ルシフェルが勢いよく手を振り下ろし模擬戦が始まった。

 

「ハアァァ!」

 

先制はベルゼブブだった。

開始と同時に彼女は素早く抜刀、最初は様子見なのか斬撃は一度だけだった。

二人の距離は例え彼女の刀でも届くわけはないのだが、彼女は斬撃を飛ばすことが出来る為距離は意味がない。

並の者だったらその一撃で勝負が決まってしまうような斬撃だったが、彼女の相手は”人外”兵藤一誠だその程度の斬撃は聞く筈も無かった。

ザンッと一誠の体が左肩から斜めに切り捨てられるが、今の彼は『闇の魔法(マギア・エレベア)』の術式兵装(プロ・アルマティオーネ)の一つ『雷天双壮(タストラパー・ヒューペル・ウーラヌー・メガ・デュナメナー)』の付加能力により雷となっている為物理攻撃は効かない。

 

「雷化か……随分と魔力の扱いがうまいのだな」

 

「まあ、死ぬほど努力したからな。それよりお前の斬撃もすごいな」

 

「お前に褒められると何故嬉しいな」

 

「そうか。……今度はこっちから行くぞ!」

 

その言葉と共に文字通り雷速で接近し容赦なく顔面を狙う。しかしそれは見えない何かによって阻まれた。

 

「……風の障壁か?」

 

「そんな立派なものじゃないさ、私はお前やルシファー達程魔力の扱いがうまくないのでね。これは私の魔力を外に放出しているだけだよ」

 

「お前たちは魔力そのものに属性があるのか?」

 

少し驚いたように言う一誠。

 

「勿論あるさ。ま、簡単には教えないがね」

 

「すまん、分からなかったところがあるから質問いいか」

 

戦闘中なのに呑気にそんなこと言い出す一誠。

 

「今はこの戦いを楽しみたい。これが終わってからにしよう」

 

—————があっさりと却下された。

 

「では今度は本気で行くぞ」

 

その瞬間ベルゼブブの雰囲気が変わった。

 

「ハッ」

 

短い気合の入った声と共に先程とは比べ物にならない程の斬撃が襲ってきた。

一誠は斬撃の雨を掻い潜り先程と同じように殴りかかる。しかしそれではさっきの二の舞になってしまうのは、明白のはずだったしかし現実は違った。

一誠の拳はベルゼブブの風の魔力の障壁を通過した。

 

「グハッ」

 

予想外の事に対応が遅れたベルゼブブは強烈な一撃を貰う。

 

「どうだっ!」

 

「さすが、と言いたいところだが気を抜くのはいただけないな」

 

「ガアァ」

 

背中からいきなり襲った斬撃を一誠は躱すことが出来なかった。否躱す必要が無かったので躱さなかったのだ。

彼は自分の能力を過信している訳では無い。だがベルゼブブ相手に少しの慢心はあったのだろう。雷(おれ)を傷つけられるわけがないという慢心が。

 

 

 

 

そこからの攻防は凄まじかった。上下前後左右あらゆる方向から迫りくる斬撃。それらを潜り抜けても今度は刀事態で迎撃される始末で普通なら回避に専念するだろう。しかし一誠はそれでもなお突っ込んだ。直撃や致命傷になる攻撃は避けているものの、身体には無数の切り傷ができていく。そして攻撃を避けないのはベルゼブブも同じだった。一誠の拳を威力を逃がすなどはするもののそれ自体を避けようとはしなかった。正にガチンコの対決だ。

 

「ハアァァァ」

 

「ウオォォォ」

 

雷の拳と風を纏った刀がぶつかり合い衝撃波が発生する。

二人の戦いを見ていた者たちは思わず顔を背ける。そして改めて二人の方を見てみると—————

 

「……中々いい勝負だったよ。私の負けだ」

 

「こちらこそ、いい経験になった」

 

ベルゼブブの顔の前で拳を寸止めしている一誠がいた。

その後一誠は自分とベルゼブブの傷を『大噓吐き(オールフィクション)』でなかったことにした。

落ち着いたところで、一誠h自分や九喇嘛やオーフィスそれにイーリスの事をルシファー達に話した。それに応える様にルシファー達も自分たちの事を話した。何でも彼女達にはまだ数人の仲間がいるらしい。

それでその後なんやかんや合ったあり、一誠達はその残りの三人の所に行きそいつ等とも仲良くなった。

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