三門市、ボーダー本部周辺警戒区域内
「ふぁ〜〜。」
黒髪の少年が大きなあくびをする。
彼の名前は、桐ヶ谷和人。ボーダーA級9位桐ヶ谷隊の隊長だ。
「どうしたの和人君、すごく眠たそうだけど」
と、話しかけた彼女の名前は、結城明日菜。桐ヶ谷隊の隊員である。
『パパは昨日徹夜で、由宇さんとゲームしてました、明日菜ママ』
と、答えたのは桐ヶ谷隊オペレーター、ユイ。超高性能AIである。
「あっこらユ「和人‼︎」ッハイ」「また防衛任務前に徹夜でゲームしてたのですか‼︎ せめて防衛任務前は、徹夜しないようにとこの前あれほど言ったでしょう」
と、叱っているのは、アリス・シンセンス。彼女も桐ヶ谷隊の隊員である。
「だいたい和人はいつもいつも「まぁまぁ、和人君も反省してるんだしね」ッ明日菜はいつも甘やかしすぎです」
「ムッ、別に甘やかしてるわけじゃないもん。どっかの誰かさんが厳しいだけです〜」
「なっ!じゃあ明日菜は和人がダメになってもいいというのですね」
「そんなこといってないでしょ」
二人の間にピリピリと空気を焦がす雷光が散っていく。それを見た
「二人とも落ち着「「和人(君)は、黙ってて」…ハイ」
見事に返り討ちにされてしまう。そしてそのまま現実逃避しようとした、ちょうどその時、
『パパ、ゲート開きました、誤差5.87です』
空間がひび割れるようにゲートが開いたのだった。
「了解。二人とも、行くぞ」
ユイからの連絡を聞いた和人は、同じく聞いたであろう二人に声をかける。
「うん」 「はい」
同時に二人にが返事をする。
ゲートから出たバムスターやバンダーは、こちらに気づいてないのか二手に分かれていく。
「明日菜、アリス、右側をたのむ、おれは、左側を殲滅させる」
「うん、わかった。右側は任せてね」
「了解です。任せてください」
と言って和人は、明日菜、アリスと分かれて左側のネイバーの方に突き進んでいく。
(思ったより数が多いな。早めに終わらせるか)
ネイバーたちの近くにきた和人は、孤月のオプショントリガーを発動させる。
「ハァァ、旋空孤月」
こうして間合いが拡張された神速の連撃がネイバーたちをバラバラにしていく。
こうしてネイバーたちを瞬殺した和人は、右側の様子を見ると、二人が先程まで火花を散らしあっていたとは思えないほど息のあったコンビネーションで最後一体を倒した所だった。
「お疲れ、二人とも」
「和人君、お疲れ様。早かったね」
「流石です、和人」
『パパ、明日菜ママ、アリスママ、お疲れでした。先程、回収班を呼んだので大丈夫です。今日は終了です。お疲れさまでした』
「ありがとう、ユイちゃん」
「ありがとうございます、ユイ」
「ありがとう、ユイ。それじゃあ二人とも戻ろうか」
「うん」 「ええ」
こうして三人は、ボーダー本部へ戻っていった。
しかし、四人は知らなかった。これから自分たちに降り注ぐであろう大きな困難に。それは未来が見える者であってもわからなかったであろう。