ぐれほわSHARK・T   作:GREATWHITE

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ルートT 七章 源 有人という少年 2

翌日―

 

 早朝2-A教室にて

 

「な!?」

 

「どうした大将・・げ!?」

 

「く、くそ・・何てこった・・・」

 

がっくりと有人は膝をついた。梅原もその惨状に言葉が出ない。彼の席の変わり果てた姿を見て。と、言うより机に施された悪意の塊のような文章を見て。

そこには有人が愛読している週刊誌、今週号の「少年ジャンキ」の人気麻雀漫画の盛大なネタばれが描かれていた。

 

「『・・オーラスで鷹巣がまさかのチョンボ・・?それで八千点分の血を抜かれ、掲載十年以上にわたる激戦に幕・・?』」

 

ネタばれもネタばれならオチもオチである。

しかし、これを自らの目で読んだ後の後味の悪い衝撃の結末の読後感を楽しむのもまた漫画の面白さである。しかし今日の有人にはそれすら与えられなかった。

 

「そういや・・先週の作者コメント・・なんか『疲れた』『もうワケ解んね~よ』って感じの文章だったっけ・・アハハ・・」

 

そう言った張本人の有人のほうがよっぽどに疲れた表情に見える。血を1900cc位抜かれたかのようだ。フラフラの状態である。

 

「しっかりしろぉ!大将」

 

梅原が鼓舞するが有人の表情は頑なに乾いた笑みから戻らない。

 

二時限目―

 

「有人・・」

 

「・・ん?」

 

「俺見終わったけど・・見る?」

 

「週刊少年ジャンキ」を片手に持ち、幼馴染の親友は毎週と同じようにちょっと無愛想ながらもそう言ってくれる。しかし、その有人が座る席にはそれの肝心のネタばれが未だ所狭しと描かれているのが親友の彼にも見えており、流石のいつもの国枝のポーカーフェイスもやや複雑そうな表情になっている。

 

―・・・。気の毒に。

 

「・・・うん。有難う。見るよ」

 

「三時間目美術だから・・シンナーでも借りてこような・・」

 

彼の幼馴染の少し無愛想ながらも優しい少年はそう言うのが精一杯だった。

 

「うん・・」

 

そう言いながら有人はパラパラとページをめくりはじめた。しかし―

 

「・・ん?・・・!!!」

 

俄かに有人の表情が曇る。

 

「?どうした」

 

「直・・今日のこのジャンキの・・『出何処』は誰・・?」

 

「・・・。さぁ?」

 

高校生男子は出何処が誰か解らない週刊誌を校内で律儀に回す習性があったりする。購入した人間が読み終わった週刊誌を「嵩張る」等の理由ですぐに処分するタイプの人間だと返却も要求しないため、別クラス、時には学年すらも跨いで一冊の週刊誌が有効活用される。何とも漫画作者、編集者、その手の業者泣かせの素晴らしいリサイクル精神である。

有人が今持っているそれも其の類のもの―のはずであった。

 

「俺が仮眠から覚めたら・・机の上に既に置いてあった」

 

国枝がそう応える。○津 ○ずおの・・「恐○新聞」か。

 

「・・そう」

 

「・・それがどうかしたか?」

 

「そっか・・直は俺の読んでるこの連載漫画見ないんだよね・・」

 

「見ない・・?あぁ。お前が何時も読んでるやつ?確かに。俺が見てんのは今週号の巻頭カラーのだけだわ」

 

「だよね。はは・・コレ見て」

 

「ん・・?・・げ!?」

 

他の連載ものには一切手をつけてないがただ一つ、有人がここ数年欠かさずチェックし、愛読していた人気漫画のページが―

 

「は、はは見てコレ・・斬新だろ?」

 

ヒゲ、ナルト、鼻血、リーゼント、サングラス、吹き出しの改ざん。落書きの大御所のオンパレード。これでは内容もよく解らない。シリアスな場面も主人公の決め台詞も台無しである。有人は最早泣き笑いの表情だ。

 

「す、すまん・・俺が先に確認しとくべきだった・・」

 

「はは・・良いよ別に。これはこれで・・あ。この落書き面白い。それにしても麻雀の用語ってちょっといじくったら結構卑猥な響きになること多いよね。アハハあはあは」

 

有人は何時ものように笑っているがやや壊れた笑い。相も変わらず爽やかな所が同時ブキミだ。

 

「・・直?」

 

「ん?」

 

「シンナーさ~・・『別の用途』で使うってのは無し?」

 

「・・しっかりしろ。有人」

 

変わり果てた親友の表情に国枝はそう言うのが精いっぱいだった。

 

 

 

 

さらに昼休み― 中庭

 

 

「ごぶ!?」

 

 

有人は奇声を上げて倒れこむ。

 

「わー!しっかりして源君!」

 

「ゲン大丈夫か!?・・・!?サ、サッカーボール?いいい、一体どっから・・」

 

御崎が有人を介抱する中、まるで護衛対象が狙撃されたSPみたいに杉内は周囲の様子を窺うが「狙撃者」の姿は一行に確認出来なかった。ご丁寧に殺傷能力が最大にされるように空気がはちきれんばかりに入れられ、パンパンに膨れ上がったサッカーボールを手に杉内は下手人の悪意に戦慄する。

 

「ど・・どうだミサキ?ゲンの様子・・」

 

「・・ダメだ。完全にダウンだよ」

 

「・・仕方ない。このボールもう一回ぶつけてみるか。だったら目を覚ますかもしれねぇ」

 

「それ記憶喪失の対処!それも悪質な理論も根拠も何もない民間療法だよ!も~いい!!僕が保健室連れてく!!」

 

有人ダウン。保健室へ。

 

 

 

 

保健室 仮眠ベッドにて―

 

「う・・・」

 

安住の地―保健室のベッドにて回復を待っていた有人は違和感に唸る。

 

―ん・・・?何か重い・・?金縛り?・・って!

 

「・・・!!!うわぁ!!」

 

ぎょろっ

 

無機質で不気味な生気の宿らない目が仰向けで眠っていた有人の目に映る。しかしその物体はある意味生きている生物以上に生々しいながらも完全な「物」である。それ故の不気味さがその物体にはある。

 

―・・はぁ、はぁ・・ショックだぁ・・「人体模型」とベットインなんて・・。

 

意識を取り戻して冷静になり、有人はようやく落ち着いてホッとした。覆いかぶさっていた人体模型を手に。

 

・・んが。まだ災難は去っていなかった。

 

 

「・・・!?あ、あのぉ・・どうかしましたか?・・・って!きゃあああ!!」

 

 

有人の驚いた声を聞いて心配したのであろう。面倒見のいい恐らく一年生の黒髪ショートの猫みたいな小柄な少女がどうみても「メイク・ラブ」中に見える有人と人体模型が絡み合う仮眠ベッドを見、悲鳴をあげた。

 

「ししし、失礼しました!」

 

「あああ!!ちょちょちょ、ちょっと待って!」

 

「こ、コレは誤解なんだ!」と、有人は「浮気中の現場を彼女に目撃された浮気男」の様に追いすがろうとしたが、少女はその姿を見て動転し、とにかく一刻も早くその場を去ろうとするタイプの様だ。一目散に駆け抜け、有人が一歩も動けないまま保険室のドアが開く音がする。

しかし、一瞬後、廊下で聞きなれた声が響く。

 

 

―わっ!な、七咲?

 

―はっ!杉内先輩!?す、すみません!

 

―・・?どうかした?そんなに慌てて・・。

 

―は、いえ、そ、その、すみません!急いでいるのでし、失礼します!

 

―え、おい!七咲!?・・・?

 

―・・?七咲さんどうしたんだろうね?

 

―保健室から出て来たわね・・。は!まさかこの神聖な保健室であんなことやこんなことをしていたんじゃ・・見た目に似合わずやるわね・・あの子。

 

―いや・・棚町さん。七咲はそういうタイプじゃないと思うな・・まぁ御崎はするかもしんないけど。・・紗江ちゃん辺り連れ込んで。

 

―しないよ!それに『辺り』ってなにさ!?人聞き悪い!

 

―ひひひ。・・お~いゲン?大丈夫か~?そろそろ五時間目だけ・・ど・・?

 

 

 

がらっ

 

「え・・・?」

 

「へ・・・?」

 

「・・あら」

 

有人のクラスメイトの三人組―杉内、御崎、そして棚町の三人が有人のベッドのその光景を直視し、硬直した。「成程。七咲はこれを見たのか」と三人の中で合点がいった。

 

「・・・。お楽しみ中だったかしら~?」

 

「・・み、源君」

 

「ゲン・・」

 

三人は目が泳いでいた。

 

「「「「・・・」」」」

 

一同しばし沈黙。この緊縛の状況に終止符を打つべく最初に発言した棚町の言葉は―

 

 

「・・は、はは。みなもっちって意外に露出が多いコが好みなのね~?でも内臓まで露出してるコが好みなんて意外だわ・・」

 

 

「ほんっっとに怒るよ棚町さん!」

 

 

 

場所と時変わって放課後― 茶道部部室にて

 

 

 

「あれーるっ子先輩ー?この棚に入ってた人体模型のもっくんがいなくなっちゃってますよぉ?どこいったの~~?もっくーん?」

 

 

茶道部の「禁断の備品保管庫」の棚に顔を突っ込みながらごそごそしつつ、栗毛の太ましい少女―桜井 梨穂子は怪訝な声を上げる。そんな桜井相手に茶道部の重鎮、三年生の夕月 瑠璃子と飛羽 愛歌は―

 

 

「あー、あいつなら今朝廊下で歩いているのを見たぞー」

 

 

「時折部室を抜けだして廊下を走りたくなるそうだ・・全く・・『昼間はよせ』と何度も言っているのだが・・」

 

 

「なるほどぉ~~~そうなんですか~~。・・って・・えぇ!?ひっ、ひぃぃぃぃ・・・」

 

 

「はい。お茶が出来ましたよ・・。ん・・?・・お二人また梨穂子に何か言ったんスか?」

 

 

エプロン姿が妙に似合う体格のいい少年―茅ヶ崎 智也がキッチンから居間へ顔を出しながら戦慄してムンクの「叫び」状態の桜井に呆れ顔で先輩二人を窘め、湯呑を置く。

 

「ど、どうしよう智也・・もっくんが・・もっくんが~~~」

 

「・・?『もっくん』?」

 

―本○雅○が・・何?

 

恐慌状態の桜井を「・・話にならん」と切り捨て、したり顔の茶道部の先輩二人を茅ヶ崎は見る。まるで「変な餌をこの珍獣に与えないでください」的な「飼育員」の目をして。

 

「ふふふ・・いつもながら可愛いだろう?」

 

「止められない止まらない・・」

 

しかし、重鎮二人はあくまで平常運転だった。

 

 

同時刻―

 

・・2-A教室

 

「絢辻さん・・」

 

ぴくぴくと珍しく怒りを隠せない笑顔をした有人が絢辻の席ににじり寄る。

 

「ん・・何か私に御用?源君?」

 

しかし、そんな有人にもどこ吹く風、いつもの絢辻である。しかし彼女の本性を知る有人には今の絢辻の反応は何とも意地悪な「不知の素振り」に見えた。

 

「ちょっといいかな・・?」

 

「いいわよ。どうかした?」

 

「ここじゃ何だから・・」

 

―・・・その、今の「君」はとりあえず「チェンジ」で。

 

と言いたげに有人は絢辻を連れだした。

 

 

 

屋上―

 

「さてさて・・源君。私に何の御用かしら?」

 

絢辻「チェンジ」完了。「御指名有難うございま~す♪」と、でも言いたげに尊大に腕を組む。楽しげだ。

 

「・・今日の俺の身に起こった事・・まるっと全て絢辻さんの仕業だよね・・?」

 

「んん?何の事か私ちょっと解んないんだけどな~~?」

 

絢辻は平気でうそぶいた。だが表向き認めないとは言え今は周りの目が無い。だから先程までの彼女のように隠すつもりはそもそも無いらしい。わざとらしく嘘をついている演技をする。完全に「私がやりました」と言っている様なものである。

 

「・・やっぱり」

 

「あら?勝手に納得しているみたいだけど証拠でもあるの?」

 

「・・その『証拠が無い』からむしろ絢辻さんしかいないって思ったんだよ」

 

「ふ・・・ん。『証拠が無い』事が証拠ってこと?・・それ証拠になって無いけど・・まぁいいでしょう」

 

「認めるの?」

 

「別に私の源君への嫌がらせなんて今に始まった事じゃないでしょう?」

 

絢辻はあっさり認めた。

 

「それでも今日のは度が過ぎるよ・・」

 

「・・怒った?」

 

「・・ううん。そうでもないけど・・ちょっと辛いかな」

 

「・・『辛い』?」

 

「・・絢辻さんは俺に悪戯はするけど今までそこに他の皆を巻き込まなかったから。それに非の無い人や頑張ってる人を蔑にする事は無かったし、口では悪く言ってもそこは守ってたように感じたから・・。だから今日の悪戯は度が過ぎると思ったんだ」

 

「・・・」

 

確かに今日の悪戯に巻き込んだ国枝、そして一年生の少女―七咲 逢の二人は少し気の毒だったかもしれない。国枝は自分の不注意で有人の気を悪くしたかもしれない、と思い、そして一年生の七咲は悪戯に巻き込まれ、混乱させられたのに後で自分の早とちりを必要も無いのに反省し、

 

 

「ほ、本当にすいませんでした!!」

 

 

わざわざ杉内を介して謝りに来てくれた。結果的に何も悪くない少女に嫌な思いと罪悪感も与えてしまったのである。

絢辻が有人に対して行う悪戯に今までこれほど他の人間に対する二次的被害が生じたのは初めてだった。今まではむしろ彼女の嘘や悪戯、悪意は他人を巻き込むよりも結果として他者の為になるように機能していたものが多かったのだ。それ故に有人はそれが辛かった。

 

 

「俺・・絢辻さんに何かしたかな?」

 

 

「・・・」

 

―・・そうなるの?

 

理不尽で一方的な自分、そして自分の周りの人間に降りかかった災難とそれを引き起こした人間に対しての憤りでは無く、この絢辻の目の前のお人好しの少年は自分の事をまず顧みてそう尋ねた。

 

―・・そうよ。そうよ!!それは・・!あなた、・・・が・・!

 

絢辻のその後の言葉は続かない。確かに告げられてはいなかったとはいえ自分がそれを責めること自体がおかしいからだ。

 

「源 有人という少年には中学から付き合っている彼女がいる。それを私には話してくれていなかった」―

 

改めて反芻すると妙にチクリと何かが絢辻の中で痛んだ。それを知らなかった、また直接有人の口からそれを聞く事が無かった事を責める事自体が的外れなのだという事はそもそも解っていた。

 

でも「楽しいから仕方ない」のと一緒。・・「不愉快だから仕方ない」。

 

「・・『何かした』と思うんなら・・心当たりでも在るの?源君は」

 

「う・・・」

 

そう言われると困るな、という表情をして有人は押し黙った。

 

「・・ふふっ・・源君って私っていう人間を少し美化しすぎじゃないかな?私だってたまにはうっかりターゲット以外の人間を誤って巻き込んだり、傷つけちゃう事だって在るかもしれないじゃない。いえ・・むしろそれが普通じゃない?」

 

「・・。でも・・絢辻さんがそうだとは思えないんだよね」

 

「・・何でそう思うの?」

 

「絢辻さんは口も悪いし、意地悪だし、陰口大好きだし、簡単に『潰す』とか、『嘘』とか物騒な言葉をつかうけど本当は絶対に人を傷つけたくないと思っている人だから。・・優しい人だから」

 

「・・・!・・本当に愚かなぐらいにお人好しね。危なっかしいったらないわ」

 

―知ってはいたけど。

 

「・・でも俺にだって譲れない事だってあるよ」

 

「ふん・・」

 

―ここもそう。変な所で頑固。

 

そんな有人を鼻で笑った絢辻の一言から少しの沈黙が続く。

表情が曇ったままの有人の視線を受け流しながら、有人とは対称的に余裕の表情で絢辻は佇んでいた。完全な優位に立っているように見える絢辻だが―

 

実は内心彼女は焦っていた。

 

 

―あれ・・?「謝る」ってどうやるの?

 

 

間抜けな言葉に思えるだろうがこれが今の絢辻の本音であり、真実である。

 

彼女の人生プラン上、「謝る」事は常に行ってきた。

まず一つに相手に何らかのタスクを背負わせる時、この手の謝罪は非常によく効き、重宝している。

 

「急で御免なさい。○○な事になっちゃったんだけど・・手伝ってくれるかな?」

 

この場合の謝罪は自分の至らなさや不手際を相手に許してもらうというよりも「こういうタスクがあります。辛いですけど一緒に頑張ろう」という激励の意味が強い。

言葉の上では謝罪に違いない。しかし本質は自分の行為に対して非に感じている側面は薄い。あくまで円滑な人間関係、意思疎通の上で必要なスキルとして彼女は使っている。

 

そして自分が意図せず他人に何らかの気遣いをさせてしまった場合。

例えば先日の欠席の際の有人やその友人、担任達の気遣いに対しての謝罪である。

この場合、彼女はそれを「借り」として受け取り、それを何らかの形で返す事を謝罪として自分のルールに課している。

ただ自分の非や至らなさを嘆いて謝るだけでなく、受け取った厚意に見合った見返りを相手に返した方がいい―これが彼女の理念である。これらを「謝罪」と言うなれば彼女はプロフェッショナルである。

 

しかし今回に関しては解らない。そもそも100%自分が全面的に非が在り、それを償う謝罪を必要とするほど間の抜けた行為や非道をすること自体、あまり経験が無い。

実際に今回は実害が出ている。人によっては「些細なこと」と笑うかもしれないが、確実に一方的で度が過ぎる悪意を有人、そしてその二次被害を周りの人間に振りまいてしまった。この行為には確実に、「そういう意味」での謝罪が必要である。

 

しかし・・どうすればいいのか解らない。

 

神妙な顔をしてちょっと嘘の泣き顔でも作って謝罪の言葉を言えばいいのだろうか?

 

相手を逆に同情させるぐらいに悲しげな表情をし、言葉の上でだけ何処かの小説で見聞きしたようなものを並べればいいのだろうか?

 

何時ものように、表情を、声色を、立ち振舞いを優雅に、器用に操って完璧に「謝れば」いいのだろうか?

 

―それなら・・造作も無い事よ?

 

・・でも違う。それは違う気がする。でも・・間違いに気付いても、正解が見えてこない。この「あたし」が・・。

 

 

立ち居振る舞いは着飾れても心の中は無理だった。堂々とした沈黙そのものが今の絢辻には精一杯の虚勢だった。

 

 

「いた!おい!みなもっち!」

 

 

―!

 

その二人の沈黙を破ったのが梅原だった。屋上のドアを開けて響いたその声に反射的に絢辻は何時もの表情に返る。

 

「・・梅原?」

 

有人もすぐに切り替わっていた。

 

「あ。すまねぇ絢辻さん。ちょっと大事な用があるんで源借りていいかな」

 

「・・ええ。いいわよ。ちょっと時間があって少しお喋りしていただけだから」

 

絢辻は「全く構わない」と、いつもの明るい声でそう梅原に言った。

 

「で、どうしたの?何か急な用事?」

 

「・・来てるぞ沢木。校門のとこだ。早く行ってやれ」

 

梅原は校門側を指差す。

 

「え・・」

 

そう聞いた有人はいきなり屋上から見える校門付近を確認する。絢辻もちらりと見るとそこには明らかに制服の違う他校生の女子の姿が在った。心許なく校門の前でそわそわし、おまけに他校の制服故に目立つので、下校する生徒達にちらちら見られている。

 

「・・」

 

―・・「沢木」?

 

「女の子またすんじゃねぇぞ~~」

 

即時その名前をインプットした絢辻が一瞬本性にふっと戻り、黙り込む傍らで、急かし、冷やかすような口調で何時ものノリの梅原が有人の背中を押す。

 

「ありがと梅原。・・ゴメン絢辻さん。ちょっと大事な用があるから行ってくるね。実行委員会行くの遅れるかも知んない・・」

 

「・・。ええ。大丈夫よ。いってらっしゃい」

 

―「大事な用」・・。そうね。今日私がやった「数々のバカ」より大事な事、よね・・?

 

我ながら返答が遅れたなと絢辻は思う。絢辻の見送りの言葉もそこそこに既に有人は駆けだしていた。梅原もゆっくりとそれに続く。

どうやら間違いない。昨日梅原と国枝が話していた件の子だろう。その子がこの学校にわざわざ有人に会いに来たということだ。

 

―・・・。

 

その子の登場が自分にとって丁度いい助け舟なのかそれとも無粋な横槍なのかはっきりしない曖昧な感情が絢辻を包みながらいつもより妙に重い屋上の扉を閉め、絢辻は屋上を後にし、一足先に委員会室に向かった。

 

自分でも何処か落ち着いていたと絢辻は思う。「何だ案外大したこと無いじゃない」―そう自分に言い聞かせるように平静を保って絢辻は歩いていた。

 

が―

 

「・・・!」

 

その道中の渡り廊下。見晴らしのいいその場所からは校門が屋上からよりハッキリ見えた。

 

―・・・。

 

―・・・!

 

―・・・!!・・・?・・・!

 

この距離では流石に二人の会話までは内容は聞こえない。でも解る。

 

・・とても仲睦まじい。

 

有人も。その傍らに居る彼女の表情も見える。何時ものように有人は笑っていた。

対称的に顔を両手で覆い、泣いているのか恥ずかしがっているのか解らない小柄な少女が見える。

 

―・・・。

 

「見たくない」と思いつつもついつい顔が行ってしまう。

 

「・・ふん」

 

不機嫌そうに目をそらす。

 

「・・・」

 

しかし絢辻はもう一度つつつ、っと視線を泳がせ、ゆっくりちらりと見る。

 

やっぱり有人は笑っていた。

 

―・・・へらへらしてんじゃないわよ。

 

小さな溜息と共に少し笑いながら絢辻はそう思った。絢辻は歩きだす。足取りは軽くなり、どこかふっきれた様な感覚を覚えた。

 

 

絢辻は源 有人という少年のデータを書き換える。

 

 

源有人という少年―

 

家族構成 両親、兄、弟の五人家族の二男。性格は温厚で単純と言うよりは淡泊。友達は同性が多く、他のクラスの人間にも顔が広く大抵の人間と仲良くなれる。というより嫌うのが難しい。気も遣える事から生徒、一部教師とも仲がいい。

成績は中の上位、特に得意教科も無ければ苦手教科も無い。副教科は体育を除けば得意な方。優等生と言えるだろう。

視力は0.2以下で常にコンタクトレンズ、眼鏡もかける事があるらしい。

所属部活なし。高校では特定の課外活動に参加するのは創設祭実行委員会が初めて。

 

追加要項・・中学のころから付き合っている彼女持ち。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・きゃっ」

 

「ぎゃっ!」

 

絢辻は誰かとぶつかる。何とも色気の無い、蛙を潰した様な声がした。

 

「あ、ご、ごめんなさい。よそ見していて・・」

 

「ん・・いててて、こっちこそごめん・・」

 

蛙の潰れた声をだした絢辻がぶつかった相手はそれなりに良識のある気持ちのいい少女の様だ。

 

「ん・・?貴方は・・?」

 

「あ。・・絢辻さん?」

 

「・・伊藤さん?」

 

「わぁ覚えててくれて嬉しいな~」

 

そう言って微笑む。少し尊大に見えなくもない立ち姿だが悪気が一切感じられないからっとした得なオーラをもつ好青年もとい好少女であった。

隣のクラスの2-B伊藤 香苗。違うクラスだが絢辻のいる2-Aは2-Bとは合同で体育をやるため、彼女との接点が全くないわけではない。知り合い程度ではあるが、絢辻も隣のクラスの気のいい、そして成績も優秀なこの伊藤 香苗という少女に一目置いていた。

だからこそその子が今、両手に抱えている「異質な物体」に絢辻は戦慄を覚えた。

 

「あの・・伊藤さん。『それ』って・・」

 

「あ、はははコレ?そりゃあビビるよね・・」

 

確かにビビる。

 

しかし絢辻は「それ」を知っている。無機質で生気の無い、しかしどこか生々しい目が「今朝」と同じく無言で絢辻をじっと見ていた。

 

「じ、人体模型?」

 

絢辻はそう言った。が内心

 

―・・お久しぶりです。・・・そしてお疲れ様でした。

 

絢辻の「依頼」を十二分に果たしてくれた功労者を前に礼を言った。

 

「は、はは・・絢辻さんにこんなとこ見られるなんて・・お恥ずかしい」

 

「ど、どうしたのかな?それ・・?」

 

「張本人」故に事の顛末は大体解るが、絢辻は伊藤にこう聞かざるをえない。

 

「いや・・知り合いの子がこれの持ち主・・ってかその子の部活の備品でね?な~んでか解んないけど保健室にあったらしいからさ?一応その・・保護(?)して返してあげようかな~って」

 

「普通保健室に在ってこそ違和感ないものじゃないのか」、というツッコミを押し殺しながら今朝、茶道部室から保健室へこっそりそれを運んだ「張本人」―絢辻。その被害者が目の前にいた。思わず絢辻は

 

「ごめんなさい・・」

 

―色んな意味で。

 

こう呟いた。当然目の前の気のいい少女も今自分がこんな目に遭っているのが目の前のこの学校きっての優等生である絢辻のせい、などとは毛ほども気付いていないだろう。今回の自分の下らないイタズラに巻き込んだ被害者がここにもいた。流石の絢辻も予想以上の被害者の伝染具合に閉口する。そして大概それが何も知らない気のいい子達に迷惑をかけている事を知ると更に申し訳なくなった。

 

「いやいや、いいって!アタシだってこんなもん抱えて不注意だったんだからさ」

 

何も知らない気のいい少女はそう言って「ははは。気にしない気にしない」と笑い、再び不気味な人体模型を「よっこいしょ」と抱えた。

 

―多分こんなワケ解んない物体であろうと、私の親友は居なくなったら心配するタイプだ・・。

 

親友―茶道部部室で学校中を走り回っている設定の「もっくん」こと人体模型―彼の身を案じる茶道部部員―桜井 梨穂子を思って。友人思いの少女である。

 

「・・本当にごめんなさい」

 

「・・?いや、大丈夫だって。じゃあまたね!絢辻さん」

 

流石にぶつかっただけの謝罪にしては過剰なほど神妙そうに謝る絢辻の姿に伊藤は訝しげだ。その絢辻の謝罪の本当の意味に彼女は決して気付く事は無いだろう。

 

 

―ん?・・あ。あたし「謝ること」出来てる・・?

 

 

絢辻はハッとした。

 

こんな下らないことで迷惑をかけてしまっては最早心からひたすら詫びるしかない。考え込む事など必要なかった。ただ心に浮かんだ言葉を吐き出せばいいのだ。何時もみたいに取り繕おうと考えたこと自体愚問だった。元々それ程に下らないことで相手に迷惑をかけ、困らせたのだから。

 

 

―謝らなければ。

 

彼に。

 

・・面と向かって!

 

 

例え苦しくても、辛くてもそうするべきだ。そうしなければならない。絢辻は視線を上げる。

 

 

 

「ん?あ~~!?あれ沢木じゃない!うっわ~~っなっつかしい!!」

 

「え・・?」

 

「んあ、ごめん。今校門で源君と一緒にいる子よ。ほら・・西高の制服着ている子・・見えるでしょ?」

 

両手がふさがっているので伊藤は視線と顎を使って絢辻に有人達の居る方向を差す。

 

「・・・。あ・・」

 

―・・。そっか。伊藤さんは源君と同じ中学出身だっけ・・。

 

どうやら「沢木」と呼ばれた少女は伊藤とも知己の中であるらしい。

 

「うわーホント久しぶり。・・・お~い・・あはは~~」

 

伊藤は心底懐かしげに楽しそうに、そして嬉しそうにかつての同級生に手を振ろうとする。が、当の両手には残念ながら・・

 

「・・って、こんな人体模型抱えた知り合いに話しかけられてもねって感じかな・・」

 

「・・そうかもね」

 

「・・。ふ~ん源君にわざわざ会いに来てるって事は最近上手く行ってないのかな~~・・?」

 

「・・。そうなの?会いに来るぐらいだから上手くいってるんじゃないのかしら」

 

 

 

 

 

「ん~~~でも、現に今わざわざ彼氏の弟に仲介頼みにきてるってとこっしょ。アレ。・・弟に乗り換えるってタイプじゃ絶対ないしね。沢木」

 

「へぇ。そうなんだ・・色々あるんでしょうね・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

―・・・!!!!????

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ私そろそろ。絢辻さん。またね!」

 

 

 

がっし

 

 

「うわっ!・・え!?な、何・・・!!!?」

 

人体模型を抱えたまま去ろうとする伊藤の肩をがっしと絢辻は掴んだ。春のスポーツテストの際、彼女は意外な握力の強さを見せ、周囲を沸かせたものだった。そのホールド力はその華奢な体からは想像がつかない。

 

「・・よかったら私も運ぶの手伝うわ?ぶつかっちゃったお詫びに」

 

流石にいきなりの絢辻の強力なホールド力に面食らった伊藤をフォローする満面の笑みで絢辻は顔を傾ける。

 

「え!?そ、そんないいよ!?私も不注意だったし」

 

「ううん。私がよそ見してなかったらちゃんと私から避けられたと思うし・・それに・・

 

伊藤さんとは前からお話してみたかったの~」

 

満面の笑みで絢辻はそう言った。

 

「・・ホント?アハハ。てれるなぁー」

 

気のいい少女は思いがけない絢辻の言葉を額面通り受け取った。・・ちょろいもんよ。

 

「うん。だからその模型の半分貸してくれるかな?上半身と下半身に分かれると思うから」

 

「じゃあ・・お言葉に甘えちゃおっかな」

 

真っ二つの内臓むき出しの人体をそれぞれ抱えた少女二人が並んで歩く異様な光景が何ともシュールである。そんな状態でもその少女二人は終始和やかなムードで歩いていた。

だが唐突に伊藤の頭の中に些細な疑問が浮かぶ。

 

―あれ?何で絢辻さんこの模型が上下二つに分かれるなんて事知ってんだろ?

 

「・・どうかした?伊藤さん?」

 

「あ、ううん。別に」

 

「そう?ところで・・」

 

当然の疑問が浮かんだ伊藤の意図を察した絢辻は目ざとく、そしてあざとく絶妙な話題の転換を行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 










真実はこうである―


有人といる「沢木」という少女は彼が中学三年生の時のクラスメイトである。
中学の卒業式、特に接点の無かった有人にその沢木という少女が突然接近、こう告白した。


「源君!!お願い!!貴方のお兄さんを紹介して下さい!!!好きなんです!!!」


周りは当然騒然である。卒業を目前にして別の高校に行く有人に対する告白ととられても仕方なかった。

歳が二つ離れた有人の兄と有人はそれぞれ中三と中一時、一年だけ同じ中学を共にしている。そして同じく当時一年生だった沢木がその時、中学三年だった有人の兄にすごく良くしてもらい、好きになったらしい。が、告白する勇気が無く、有人の兄の卒業を敢え無く見送った彼女だが諦めきれなかった。
そして三年生の時、奇しくもその弟の有人と同じクラスになった彼女は「最後のチャンス」と覚悟を決め、最後の最後、土壇場も土壇場の卒業式、有人を介して彼の兄に接触。

・・結果押し切って寄りきって見事三年越しの恋を実らせたのである。


「イイ話でしょ~~?」と、話してくれた伊藤に絢辻はとりあえずにこやかな相槌を打ったが内心物凄い嫌な汗が噴き出た。同時―


・・・さ~~~~っ


と、血の気も引いた。

先日の有人のお見舞いの際、絢辻が有人から聞いた話では彼の兄は一浪して受験生。色んな理由で高校二年生である沢木と距離が開いてもおかしくない。そこで「緩衝材」として利用されるのはまず間違いなく二人の仲人を兼ね、かつお人好しな「あの」弟になるはずなのだ。

あのへらへら、ふわふわ危なっかしい・・源 有人という少年に。






結論が出る。自分が彼にした行為は全くのお門違い。勘違いと早計を積み重ねた結果、絢辻が自らが作り出した源 有人という少年の幻想。




そこに本当の彼は存在しない。





「ここまで有難う!絢辻さん。ばいばい♪」


絢辻は伊藤を茶道部部室に送り届けた後、職員室に向かった。


「・・すいません高橋先生。ちょっと今日急用が出来て・・誠に勝手なのですが帰らせて貰っていいでしょうか?」

「え?絢辻さん・・体調でも悪いの?」

「いいえ、そうじゃないんです。ちょっと家の事情で」

「でも・・少し顔色がよくないみたいだけど」

「大丈夫です。・・ではすいません。あとをお願いします・・」

「解ったわ。な~に大丈夫よ?最近は皆も自信が出来てきたのか目付きも変わってきたしね?」

「有難うございます。では・・失礼します」




―・・正門側から帰るのは止さないと。


そう思った絢辻は校舎裏の遅刻常習者御用達のフェンスの穴を利用する事にした。登校時はともかく下校時であれば人目につく可能性も低いだろう。今日はそこから帰ろう。
おまけに穴に入りたい気分だった彼女にとっては何ともニーズに応える脱出路であった。



―・・逃げよう。今は。

近付いたようでいて。

実はとても遠くて。

私が何も知らない彼から。

・・目をそらして。



最近なぜか「妙に広くなった」「横綱でも通り過ぎたんじゃないか」という噂のフェンスの穴を潜り抜け、舞い散る落ち葉の中、校門へと続く林道を駆け抜ける。

今はただ少しでも遠くへ。一気に駆け抜けて出た先はもう正門に続く坂の下。


―・・。ここまでくればもう安心。校門にいた彼に会う事はもう・・無―




「絢辻さん・・?」





―・・い?





「やっぱり・・絢辻さんだ」





「・・・!」


―何で・・何で貴方がここにいるの?



「・・源君」






「・・ゆ、有人君?・・この人は?」


有人は目を丸くしつつ、唐突に手品のように現れた絢辻へのいくつかの疑問が頭の中を駆け巡りながらも、まずは隣にいる他校の制服を着た少女―沢木に事情を説明する。

「あ・・。紹介しとくね?クラスメイトの絢辻 詞さん。ウチの創設祭の実行委員長もやってる人だよ。・・で、絢辻さん?この子は沢木 茜(あかね)さんって言って俺の中学時代の友達で・・俺の兄貴の彼女なんだ」

「・・そう。こんにちは。私は絢辻 詞といいます。初めまして」

伊藤から全ては聞いていた。しかし知らない振りをせねばならない。現在ぐちゃぐちゃの混乱状態である脳回路、思考回路に鞭打ち、気を奮い立たせて何時もの平静さを絢辻は見事に演じきる。


「は、初めましてっ。私は沢木 茜といいますっ。有人君にはいつも、めちゃめちゃ、ホントに・・迷惑ばっかかけてます・・」


少女―本名 沢木 茜も自虐的な言葉を口々に吐きながらもぺこりと挨拶をする。
飾り気のない肩までのショートカットをヘアピンで七三に留め、化粧も薄く、派手さ、華美さのない印象。先程伊藤 香苗から聞いた卒業式での大胆な告白、行動の印象とは異なる控え目そうな子だ。だが印象は悪くない、気の良そうな女の子だ。
その小さくも可愛らしい目をぱちぱちしばたかせ、やや上目線で見上げるように絢辻を見ている。

「・・・(はわ~~)」

彼女は突然現れた絢辻に見とれていた。


―うっわ!すっごい綺麗な人・・。・・・有人君やるぅ~・・。


初対面の同性であっても目を奪うくらいのポテンシャルが「表向き」の絢辻にはある。
長い艶やかな黒髪、整った顔立ち、白い肌、それに調律されたかのような美しくも過剰に華美になる事は無い制服の着こなし。そして礼儀を保ちながらも堂々とした立ち振舞い。
気の弱い大人しい女子にとってはある意味絢辻は女子の理想形の姿なのかもしれない。

だが現在―その「理想形の少女」の頭に・・



―ん?あれ・・?葉っぱ?




林内を夢中で駆け抜けた際に付いてしまった落ち葉の一枚がのっかっていた。


―くすっ・・


尻尾を隠す事に注力しすぎ、化けるために頭にのせた葉っぱを隠す事を失念してしまった少々間抜けな狐の姿は気弱な少女の緊張を少しほどく。



















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