ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

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本日二話目。十一時四十四分に一話投稿してるので、未読の人はそちらから。

五つ目の夢



──夢を見た
──この世全ての統治を見た
──この世全ての叛逆を見た
──ついでに言うなら、この世全ての暴虐を、略奪を見た
──我らは魔力を支えた
──彼の夢を叶えるために奔走するものを補佐した
──彼の夢を叶えるために行動するものを維持した
──ならばこそ、我らの行動には意味があり
──それの価値を決めるのは我々ではないのだろう
──史実に残らない記録のために、我は名乗ろう
──我が名はバ────










第三の課題Ⅱ

【前話に続きハリー視点】

 

フラーの姿は見当たらなかった。どこかに逃げたのかもしれない。

十分ほどは障害にはあわなかった。通らなかった道の先においでおいで妖精(ヒンキーパンク)の灯りが見えたぐらいで、あとは道が袋小路だったぐらいだ。

やっと見つけた新しい道で、僕は自分の運を呪いそうになった。三メートルを超える、尻尾爆発スクリュート──そして、さらに最悪なことは──その後ろにマンティコアがいたことだ。後ろからはズシンズシンと、重い足音が聞こえてくる。チラリと後ろを確認すると、そこには、骨でできたドラゴンがこちらを向いていた。形は、前にダドリーが欲しいとねだっていたハンティングゲームに出てくるドラゴン──ナルガクルガとやらに似ている。

前門の虎後門の狼ならぬ、前門のスクリュートとマンティコア後門のボーンドラゴン。普通なら、絶対絶命だと思うだろう。

でも、僕にはある自信があった。この前の、リアスの授業を思い出したからだ。

 

マンティコアは、この課題中は尻尾を使わない。

 

マンティコアの恐ろしいところは、既存のほぼ全ての魔法を跳ね除ける皮膚と猛毒の尻尾。皮膚の方は、あまり問題にはならない。それに、今なら多少無茶をしても上手くいく気がする。羽を入れたポケットがほんのりと暖かくなっている。

僕はスクリュートに杖を向けて、落ち着いて呪文を使った。

 

「〈妨害せよ(インペディメンタ)〉!」

 

飛びかかろうとしたスクリュートの、殻のない肉の部分に上手く呪文が当たる。これでスクリュートは少しの間動けない。

嫌な予感がして、とっさに前に避ける。さっきまで自分がいた場所に、骨が突き刺さっていた。ボーンドラゴンが飛ばしてきたんだ。多分、あれがリアスが言っていたゴーレムなんだろう。史実のゴーレム通りに作ってあるなら、どこかに文字があるはず……でも、それを考える前に、まずはマンティコアだ。

マンティコアが飛びかかろうと体制を整える。失敗はできないし、確証はないけど、上手くいく自信がある。

 

「〈縛れ(インカーセラス)〉!」

 

マンティコアの尻尾と生け垣をロープで結ぶ。ジャンプしたマンティコアはすぐに、勢いよく前のめりに地面に落ちた。

予想通り、魔法自体には強いみたいだけど、対象に何かを巻き付けたりする魔法はきくようだ。

呆然としているマンティコアの横を走り抜ける。危険なのからは、さっさと離れる方がいい。できればそのまま、ボーンドラゴンと潰しあっててくれ。

再び迷い、北西への道を歩いているとき、この道と平行に走る道から声が聞こえた。セドリックの声だ。

次に、クラムの声が聞こえた。それは呪文で、ムーディ先生から聞いていた呪文だった。

 

「〈苦しめ(クルーシオ)〉!」

 

何かを考える暇もなく、僕は生け垣に〈粉々呪文〉を使った。あまり効果はなかったけど、それでもギリギリ僕が通れるぐらいの穴は開いた。そして、セドリックに覆いかぶさるように立っているクラムの背中に、〈失神呪文〉を放った。

 

「大丈夫?」

 

まだ息は乱れているけど、セドリックは立ち上がった。

 

「クラムがこんなことをするとは……思ってすらいなかった。しかし、無茶をするねハリー。生け垣に穴を開けるだなんて」

 

「スクリュート、マンティコア、ボーンドラゴンと同時に行き会うよりかはマシだよ」

 

セドリックは心底驚いた様子だった。

僕は杖を上げて、赤い火花を打ち上げる。そして、セドリックとどちらともなく離れていった。

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