ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

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一年の終わり

校長先生との談話から二日後、ハリーが起きたと連絡があった。ちなみに学年度末パーティの日。

あの日、賢者の石(ダンブルドア先生に聞いた。壊したらしい)をめぐる試練のことはみんなが知っている。公には秘密ってことになってるけど。でも、あたしが送ったネズミたちがクィレル先生を喰らったことだけは秘密になっている。

 

 

大広間は銀と緑のスリザリンカラーでいっぱいだった。ロンの正面に座り、ご飯を待つ。パーティの時は、とっても豪勢な料理が出てくるから楽しみだ。

と、徒然と考えていると、扉を開けてハリーが入ってきた。ほんの少しの間、みんながおし黙り、また話し始める。

ハリーが席についてから少しして、校長先生が現れた。

「また、一年が過ぎた!

さて、ご馳走にかぶりつく前に、ほんの少し、この老人の言葉を聞いてもらいたい。一年が過ぎ、君たちが頭を空っぽにしてしまうかもしれぬ夏休みがやってくる。夏休み中は魔法を使ってはならぬ。しかし、ちゃんと宿題はやるように。

ではここで、寮対抗杯の結果発表とまいろう。四位、グリフィンドール、三百二点。三位、ハッフルパフ、三百五十二点。二位はレイブンクローで四百二十六点。四百七十二点でスリザリンが一位じゃ」

スリザリンから歓声が上がる。うーん、三位と五十点も差があるのか。残念。

「さて、スリザリンは褒めてやりたいのじゃが、ここ最近の出来事も勘定に入れなくてはなるまいて」

スリザリンの歓声が止まった。全員がダンブルドア校長に注目している。

「駆け込みの点数をいくつか与えよう。まずはロナルド・ウィーズリー君。ここ何年か、ホグワーツで見ることができなかったような、素晴らしいチェスの勝負を見せてくれた。よって、グリフィンドールに五十点を」

グリフィンドール、特にウィーズリー一家から歓声が上がった。

「僕の弟だ!マクゴナガルの巨大チェスを破ったんだ!あいつは、チェスならうちの誰よりも強いから──」

パーシー、弟さん大好きですね。

「歓声を上げるのはまだ早い。次にハーマイオニー・グレンジャー嬢に。危機的とも言える状況下において、冷静な思考と論理での対処を称え、五十点を与えよう」

さらに歓声が上がった。逆に、他の寮──特にスリザリンからは、だんだんと笑みが消えて行った。

「三番目はハリー・ポッター君。その完璧な精神力と、並み居る試練を突破したこと。そして、素晴らしき彼の友達と信頼を称え、六十点を、与えようと思う」

さらに歓声が上がった。最下位から二位まで上昇したしね。

「さて、次に称するはリアス・クリミア嬢じゃ」

え?あたし?

「彼女は自らの友を離れた所からであろうと助けようとした。否、助けたと言っていいじゃろう。よって、十点を与えたい」

耳が痛くなるほどの歓声が周りから上がった。スリザリンと並んで同点一位だ。さっきから右に座っているジョージといつのまにか左に移動していたフレッドに肩をバンバン叩かれている。

「勇気にも色々ある」

ピタリと、歓声が止んだ。

「敵に立ち向かっていくのは勇気がいる。しかし、友に立ち向かうのは同じくらい勇気がいるじゃろう。そこで、わしはネビル・ロングボトム君に十点を……与えるとしよう」

耳が壊れたかと思った。なんの音も聞こえなくなるぐらいの歓声がグリフィンドールから上がったからだ。ネビルは上級生から揉みくちゃにされている。ほっぺたをムニムニしておいた。柔らかかった。

「さて、わしの計算に狂いがないのであれば、広間の飾り付けをちと、変えなければならんのう」

ダンブルドア校長が手を叩くと、スリザリンカラーはすべて、金と紅のグリフィンドールカラーに変わった。

料理はとても豪華だった。世界各国の祝い料理。さらに、ダンブルドア先生が厳選した美味しいお菓子・デザート類。みんなが笑いながら、それらを掻き込んだ。

 

 

試験の結果は上々。ハーマイオニーが百点満点中百二十点なんてとんでもない点数を出してたけど、十五年ほど前にもそんなことがあったらしい。

あたしたちは汽車に乗ってキングズ・クロス駅へと向かっていった。

九と四分の三番線にはすでに多くの保護者たちが集まっていた。その中に、ママの姿も見える。

プラットホームに下りると、ママに抱きしめられた。

「お帰りなさい。ホグワーツはどうだったかしら?」

「ママが規格外だってことは良くわかったけど?」

多分、校長先生以外で一番敵に回しちゃいけないのはママだと思う。

「さあ、帰りましょう?聞きたいことも話したいこともたくさんあるのよ?」

「あたしも!」

あたしはママに連れられて、姿眩ましで懐かしの我が家へ帰ってきた。

 

 

「で、呪文のほどは?」

「完璧な出来よ!ありがとう!」

「どういたしまして。こっちも喜べる知らせができたらよかったんだけどね……」

どうしたんだろう?ママが少し落ち込んでる。

「いや、ルルイエらしき建造物が見つかったって話を手紙に書いたでしょ?多分ルルイエで正解なんだろうけど……クトゥルフやダゴン、深き者共の影すら見つけられなかった。生活臭はしてるんだけどね。ヨハンナ曰く、私たちが認識出来ない裏っ側に居るようなんだけど……認識阻害結界を破る呪文を構築しない限り、これ以上の探索が無意味なのよね。成果はあなたに送った螺湮城教本のみ。しかもあれって不完全な複製品よ?青髭こと、ジル・ド・レェが所持していただとか彼の友人兼アドバイザーだったプレラーティの物だとか言われてるから、コレクターは嬉しいでしょうけど」

ヨハンナ……ああ、結界やら錬金術やら悪魔召喚術について詳しいあの人か。

「しかも、帰り道で巨大な魔獣にあってね。もはや戦うことすらおこがましいレベルのやつ。確実に神話の時代から生きてる種ね……古い傷があったし、もしかしたら、コインヘンかも?」

コインヘン。あたしの杖に使われてる海獣クリードと戦い、勝利した海獣。太平洋に居たとは。

「んで、話を戻すとね?一部の馬鹿が逆転時計(タイムターナー)使おうとか言い出すのよ。失敗作の逆転時計。あれなら短い物なら五分以内、長くても丸一日もすれば勝手に帰還するから」

ママと色々な話をしたあとは、ペットのみんなを集めてモフモフしまくった。あー癒される。

 

 

……クィレルの最後を、ママは知ってた。それに、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

ママは何かを隠してる。ダンブルドア先生と一緒に。それでも、あたしはママを愛してる。

 

 

……パイプの先に何が居るのか、調べないとなぁ……。




オリ・パロキャラ紹介
ヨハンナ・ファウスト
出典:フラウ・ファウスト
神秘部所属のドイツ人女性。学者気質で知りたがり。杖は内部だけが原因不明の火で燃え尽きたバオバブに、ハーピィの羽毛、19センチ、捻デレとしか言えない性格。
ゲーテの有名なお伽話(フォルクスメルヒェン)の主人公、ファウスト博士そのもの。ただし、こちらの世界ではゲーテの「ファウスト」の元ネタになった人物の一人。だが、メフィストフェレスと契約して居るのは彼女のみ。マグルの知識にも詳しく、主に錬金術や悪魔、結界方面で神秘部で活躍している。神秘部にいる理由は「面白そうだしなんかやるなら巻き込ませろ」とのこと。

逆転時計について。
「ハリー・ポッターと呪いの子」では、失敗作の逆転時計が登場します。それにより、逆転時計がその気になれば作れることが判明。ただし優れた者でないと、ハーマイオニーが使ったり神秘部に保存されてるような、勝手に帰還しない完全な逆転時計は作れない模様。
オリジナル設定として、完全な逆転時計(ハーマイオニーが使って居たような砂時計タイプ)でも、時間を巻き戻したのと逆方向に時計を回せば、元いた時間までは戻れるようになっています。
ちなみに、呪いの子で逆転時計を所持していたのはセオドール・ノットでした。
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