ママとヨハンナさん、それになぜか出てきたメフィストに見送られて、ホグワーツ特急は走り出した。
でも、心配なことが一つある。ハリーとロンが見当たらない。ハーマイオニーとドラコ(無理やり)に手伝ってもらって、列車内すべてを捜したけど見つからなかった。車内販売の魔女さんにも聞いてみたけど、見ていないらしい。ホグワーツ特急が出来てからの百九十年間、在学生が乗り込まなかったことは滅多になかったそうだ。……ちょっと待って。魔女さん、百九十年間生きてるの?
結局、ハリーたちは見つからないままホグワーツに到着してしまった。一年生の時とは違って、セストラルの馬車に乗ってホグワーツへと向かった。セストラルのことは同乗者は気づいていない。あたしだけが見えてるみたい。……でも、ネビルは見えてるみたいなんだよなぁ……ビクビクしてる。
組分け帽子の歌は、去年とは異なっていた。大まかな内容は同じでも、細部が全く違う。
「クリービー、コリン!」
カメラを持った男の子。彼はグリフィンドールに決まるととても嬉しそうにして、キョロキョロし始めた。誰かを捜してるみたいに。
「ラブグッド、ルーナ!」
「ふーむ……レイブンクロー!」
「やたっ!計り知れぬ叡智とは、レイブンクローの宝なり♪」
どこかふわふわした女の子。なんというか、将来いい友達になれそうな気がする。あと、神秘部の人たちに雰囲気が似てるかも。
この後も組分けは続いて行って……
「ウィーズリー、ジネブラ!」
「ふむ、これはこれは…………よろしい、グリフィンドール!」
おお、ウィーズリー家がまたグリフィンドールに。これでウィーズリー家は全員なんだっけ?
……後ろの方から噂話が流れてきた。ハリーたちが空飛ぶ車に乗って墜落して、退学処分になったって。うーん、本当なら残念。いい人だったのに。
まあ、本当に退学処分になったわけではなく、処罰が与えられただけだったみたい。
ハリーたちが談話室に来た時、一部の生徒──ウィーズリーツインズとよくいる生徒たちがハリーたちを持て囃し始めた。
うるさいし、パーシーが怒っているようだったので、雷が落ちる前に部屋に避難。部屋は今年も一人部屋。早速、野良ネズミの一匹が報告に来た。可能な限りの探索はした、だけど、例のパイプの先に行ったネズミは戻ってこない。
それを聞いて、この際だから今のうちに探索しちゃおうと思った。
「〈
ネズミ型の使い魔を出して、それに憑依。野良ネズミに案内してもらう。
【あの先でっせ。あっから先に行ったのは一匹も戻ってきやしねぇ。弱肉強食の世界たぁいえ、ビクビクしとるんすわ】
「【うん、案内ありがとう。行ってくる】」
【気をつけてくだせぇ】
ネズミにお礼を言い、パイプの先へ進む。
しばらく走っていると、縦穴にたどり着いた。いや、どっちかっていうと、傾斜が急な滑り台?まあ、突入すれば変わらないでしょ。
て事でジャンプ。そのまま滑り降りていく。その先には、大量の骨があった。
小動物たちの骨を踏みつけながら、先へ進む。どんどん自然の洞窟みたいになっていく。
いきなり、目の前に壁が現れた。……いや、違う。蛇の抜け殻だ。とても大きな。
こんな大きな蛇なんてのは種類が限られる。蛇神と呼ばれる類の神様や、ヒュドラとか。逆に、ミズガルズ蛇は大きすぎて候補から除外。蛇神様も、こんなところにいるはずがない。ヒュドラにしては首が少ない。
……なら、バジリスクかな?先へ進んでみよう。
……何この趣味の悪い扉。いや、可愛いしかっこいいとは思うよ?蛇が絡み合った彫刻。でも、目にエメラルドを使う必要はなかったと思うんだ……緑がイメージカラーだとしても、さすがにこれはダメでしょ、スリザリン。
「【開け】」
扉が開いていく。スリザリンは蛇語使いだったそうだし、「蛇語なら開くかな?」と思ったけど、まさか動物言語でも開くとは。
中はもっと趣味が悪かった。蛇の頭の彫刻大量はまだいい。でも、さすがに巨大な胸像は、うん、センスがない。
口のとこが開閉するみたいだけど、ここは開けって言っても開かなかった。代わりに、横のパイプから入り込んで見たら、なんとびっくり、そこには寝ているバジリスクが。
起こすといけないし、そろそろ使い魔の魔力も切れるから、今度生身でくることにしよう。
そう思って、あたしは憑依を解除して、そのままベッドにダイブした。おやすみなさい……くぅ。
「」の中の【】はリアスの動物言語、ただの【】は動物の言葉。
また、動物言語は蛇語使いには聞き取れないが、蛇語はリアスには聞き取れる。
蛇語で開けられるところは動物言語でも代用可能。