ディリコールで姿現しができるのは、「ホグワーツで姿現しが使えない」のが魔法使いだけだからです。つまり、人間以外の姿現しなら使用可能。ドビーみたいなもんです。
前話でダンブルドアが呼び寄せ呪文を使ってますが、これは余裕その他による慢心のためです。普段は無言呪文を使ってます。
ダンブルドア校長の部屋にあたしとハリーは連れて行かれる。この事件の後始末について話すらしい。
「さて、ハリーよ。君はバジリスクの声を聴いたと言っていたね?なぜだかわかるかね?」
「わかりません。その……僕が
「そう、君は蛇語使いで、君を殺そうとしたヴォルデモートも蛇語使いじゃった。それが、君が蛇語を使える理由なのじゃ」
「それって……?」
「簡単じゃよ。君を殺し損ねた時に、誤って君の中に自らの力を混ぜてしまったのじゃ。ミス・クリミアが先にバジリスクにかけられていた呪いを解いてくれたのは幸運じゃった。十点、あげようかのう」
どことなくおちゃらけた感じの先生。でも、目が笑っていない気がする。
「謝ろう。儂は、君がスリザリンの怪物を相手取ることになると思っておったのじゃ、ハリー。君ならば、ゴドリック・グリフィンドールにも選ばれるじゃろうと」
ダンブルドア校長はハリーにボロボロの組分け帽子を渡した。すると、ハリーが何かを見つけたかのように帽子に手を入れ、銀の剣を取り出した。銘には、『ゴドリック・グリフィンドール』とある。
「それは『グリフィンドールの剣』と言う。創始者の四人はそれぞれ、何かしらの物品をこのホグワーツに遺したのじゃ。ヘルガ・ハッフルパフは『ハッフルパフのカップ』を。ロウェナ・レイブンクローは『レイブンクローの髪飾り』を。サラザール・スリザリンは『スリザリンのロケット』と『秘密の部屋』を。そして、ゴドリック・グリフィンドールはその剣を。もっとも、秘密の部屋とグリフィンドールの剣以外はどこにあるのかもわからなくなってしもうたが。それと、この組分け帽子も、四人が遺した物じゃ」
ダンブルドア校長が帽子を撫でる。色々遺してたんだね、創始者四人は。
「グリフィンドールの剣は、普段は校長室にあるのじゃ。しかし、本当に必要な時は、組分け帽子が剣を与えてくれる。その者を真のグリフィンドール生と認めればじゃがのう。まあ、グリフィンドール生でなくとも素質さえ──勇気さえ見せれば取り出せるのじゃが」
「でも、先生、なんで僕は今これを取り出せたんですか?僕は勇気なんてしめしてない!」
「ハリー、本来なら君が怪物を退治せねばならんかった。そして、君はバジリスクを退治できるほどの勇気をすでに持っておる。ただ、今年は発揮する機会がなかっただけじゃ。君が何か悩んでおるとしても、君はグリフィンドールの生徒なのじゃ」
ダンブルドア校長はそこで話を区切り、今度はあたしの方を向いた。
「リアスよ、君がバジリスクと知り合ったことは、さっきも言ったが完全に予想外じゃった。儂はミセス・ノリスが石にされた時、ヴォルデモート卿が関わっているとわかった。そして、ハリーが解決するじゃろうと予感しておった。儂は君の可能性を信じきれていなかったようじゃ。すまんかった」
「謝られても困るんですけど」
「そうかね?なら百味ビーンズでもいかがかな?」
「それは要りません」
ダンブルドア校長はあたしに何か受け取ってほしいようだ。そうでもして誠意を見せないとママに何されるかわからないから。
「では……君には森へと許可証を発行しておったはずじゃ。それを特別にさせてもらおう。具体的には、ハグリッドの引率無しでも森をうろついて良い。ほれ、貸してみなさい」
校長に許可証を渡す。彼は紅い、綺麗な羽根ペンで何かを書き、サインをした。
「これで良し。君に危険なことをする生物は森にはおらんはずじゃ。あの場所はハグリッドの庭とも言える。あの森に住む生物で、ハグリッドが知らないものはおらんし、ハグリッドを知らないものもおらん。招かれざる客でもいない限りは」
そこまで聞いて、あたしは外に出された。あとはハリーと二人で話をしたいらしい。
寮への道を曲がる直前、前にダイアゴン横丁で見た、ドラコに似た人が歩いてくるのを見た。足元には屋敷しもべ妖精。気になるし、使い魔をつけておいて、あの子がどんな子かだけ報告してもらおう。