ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

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怪物本

シリウスに協力することを約束した次の日、コインヘンに別れを告げて家に帰ることになった。コインヘンには、無闇に人を襲わないようにお願いしておき、ヨハンナさんが血と鱗を採取してた。その間、シリウスはママの後ろに隠れてた。丸呑みされたことがトラウマになってしまったらしい。

家に帰るまでに、シリウスが一回はぐれてしまった。数日後にママが黒犬の首根っこ掴んで持って帰ってきたけど、ハリーに会いに行ってたそうだ。シリウスはハリーの名付け親で後見人なんだって。

 

 

 

ハリーが漏れ鍋に居るとママから聞いた。なんでも、親戚のおばさんを浮かばせてしまったらしい。シリウスが狙ってるかもだからお咎めなしで漏れ鍋に泊まらせられてるそうだ。

ママに許可をもらって、暖炉を使って一人で漏れ鍋へ。トムさんに聞いてみたがハリーは出かけて居るそうだ。

グリンゴッツの金庫からお金を少し引き出してきて、いざ買い物へ。まずは書店で魔法生物飼育学と占い学の教科書を買わなくちゃ。『怪物的な怪物の本』ってどんなのなんだろう。

フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店の店先には檻が置いてあった。その中には百冊ほどの本があって、取っ組み合いの喧嘩をしている。この本どうなってるんだろ。まるで生きてるみたいに、ハードカバーの表紙と裏表紙に牙が生えて、表紙には目もついてる。その時、店長さんが話しかけてきた。

 

「おや、ホグワーツかね?新しい教科書を?」

 

「はい。なのでこの本ください!」

 

「うん、だろうね。少しどいててくれるかな?捕まえなきゃならないからね──もう五回以上噛まれてるけど」

 

店長さんの顔が暗くなる。うーん、気の毒だ。

 

「……あたしが自分で取ることにします」

 

「え、平気かい?私としては感謝したいが、とても危険だよ?」

 

「可愛いじゃないですか」

 

店長さんの顔がこんどは驚愕に染まる。可愛いじゃない、ほんとに怪物みたいで。

店長さんから分厚い手袋を受け取り檻に近づく。入り口を開け、中に入って一冊掴む。初めは抵抗していたけど、ママに睨まれたシリウスみたいにすぐにおとなしくなった。ほんの少し、魔法生物の魔力が宿ってるみたいね。……あら、背表紙が弱点か。ここ撫でれば普通に開くことができる。

 

「……おったまげた。こんな凶暴な本をあっさりと。ああ、助かった。その本は無料であげよう。戦利品だ」

 

「ありがとうございます!あ、あとは『未来の霧を晴らす』と『中級変身術』、三年生用の『基本呪文集』ってあります?」

 

「もちろん。少し待っててくれるかな?すぐに持ってこよう」

 

店長さんは店の奥に入って行き、数分で何冊かの本を持って戻ってきた。

店長さんのご好意に甘えて、怪物本を除く本の代金を払い、本を受け取る。

漏れ鍋への帰り道にあるフローリアン・フォーテスキュー・アイスクリーム・パーラーでハリーを見かけた。宿題をしているようなので声はかけなかったけど、何か悩んでるみたいだった。……ハリーにならシリウスのことを教えても平気かな?それと、校長先生にも。

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