ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

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吸魂鬼

「もう着く頃だ」

 

ロンが言う。汽車の速度は落ち始めた。でも、まだ着かないはず。去年はもっと長かった。

 

「まだ着かないはずよ」

 

ハーマイオニーの言葉で、あたしの考えが正しかったことがわかる。一体何が起こってるんだろう。楽しみ。

汽車が完全に停まり、遠くからトランクが落ちる音と「痛っ!ちゃんと押さえておけ、ゴイル!」と言う声が聞こえた。あ、もう一回。

 

「うわっ!?」

 

なんの前触れもなく、明かりが消えた。廊下の電気も消えて真っ暗だ。多分、汽車全体の電気が消えてる。この時、あたしだけが気づいて居たみたいだけど、窓の端が少しずつ凍り始めていた。

急に真っ暗闇になると混乱が起こる物で、ロンがハーマイオニーの足を踏んづけたり、ネビルが入って来てロンの上に倒れ込んだり、ハーマイオニーとジニーが激突したりしていた。

 

「あれ……?誰かが乗り込んできたみたいだ」

 

ロンの言葉にみんなが静まり、また騒ぎ出す。

 

「静かに!」

 

しわがれ声がした。奥に居た男の人──ルーピン先生が目を覚ましたようだ。ガサゴソと音がして、先生の手に灯りがともる。

 

「動かないで。私が確認してくるから」

 

先生は灯りを前にだし、外に出ようとした。けれど、先生がドアにたどり着く前に、ドアは開いていった。窓は完全に凍りついていた。

ドアの外に立っていたのは、闇のようなマントを被った黒い影──あ、なんだ吸魂鬼か。びっくりして損した。

 

「【何しに来たの?】」

 

【……お嬢、我々はシリウス・ブラックの捜索に来た。ホグワーツの警護もする。……ふふ、怖いか?】

 

「【ネタ禁止。それと、この汽車にシリウスが居ないってことはあたしとママの名前にかけて保証する。誰にも危害は加えないで】」

 

【……了承した。撤収させてもら「うわあぁぁぁぁっ!な、なんだお前たちは!僕はマルフォイ家の長男、ドラコ・マルフォイだぞ!」……すまん。誰か被害にあったようだ】

 

「【あー、うん。彼はどうでもいいや】」

 

【では、また会おう】

 

吸魂鬼はそのままドアを閉めて去っていく。あたしたちが話して居る間、あたしを除く全員が固まって居た。どうしたんだろう。

 

「リアス……君、吸魂鬼とも話せたのかい?おったまげー」

 

「あら、言ってなかった?あたしは養子なんだけど、保護されたのはアズカバンなのよ?ママに引き取られてからの一年くらいはほとんど覚えてないけれど、吸魂鬼(彼ら)に抱えられて居たことは覚えてる。五歳の頃に養子だって教えてもらったんだけどね」

 

「……驚いた。ディメンターが何もせずに立ち去るとは。君は、いったい……?」

 

「リアス・クリミアと申しますわ、先生」

 

「クリミア……まさか、エリザベートの娘なのか?いや、彼女に子供が出来ていたとは。私もそろそろ相手を見つけないと……」

 

「さっきも言いましたけどあたしは養子です。ママは独身を貫くことに決めたそうです」

 

「……そうか。君が先ほど使っていた言葉は、ダンブルドアなら知って居るだろう。あとで確認させて貰うよ。さて、この中に気分の悪くなった者は?居ない?なら良し。一応チョコレートを食べておいてくれ。私は運転士と話をしてくるからね」

 

先生が出ていくと、ハリーたちは話し始めた。恐怖に襲われはしたけど、気分が悪くはならなかったらしい。あたしが居たからかな?

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