ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

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死神犬

今日の授業は……始めに占い学か。どんな感じなんだろう。

ネズミの案内で北塔のてっぺんに向かう。十分ほどかかってたどり着いた先は行き止まり。人は誰もいない。あたしが一番のようだ。

天井を見ると、丸い跳ね扉がついていて、『シビル・トレローニー 占い学教授』と表札がついていた。

数分後に全員集まり、ハリーがどうやってあそこに行くのかとみんなの気持ちを代弁した途端、扉が開いて銀色のはしごが下りてきた。みんなが黙る中、ハリーとロンが始めに登る。シェーマスとかはともかく、ネビルが怖がってなかなか登ろうとしなかったけど、無理やり登らせた。ひどいとは思うけど、スカートの中を見られないためだ。明日からはスパッツを履こう。

登りきると、そこは確かに、占い店と言ったような感じだった。ランプにトランプ、水晶玉やタロット。色々と置いてある。

 

「先生はどこだい?」

 

ロンが言うと、それに答えるかのように隅の方の暗がりから声が聞こえてきた。

 

「ようこそ。この現世で、とうとうみなさまにお目にかかれて嬉しゅうございますわ」

 

なんと言うか、昆虫みたいな人が出てきた。感じとしてはコガネムシ。もしくはオウゴンオニクワガタとか、そんな感じのキラキラした昆虫。

 

「おかけなさい、あたくしの子供達よ、さあ」

 

先生の言葉でみんなが好きなところに座る。肘掛け椅子に這い上がる男子や丸クッションにペタンと座る女子。あたしはハリーの近くに座った。

 

「『占い学』にようこそ。あたくしがトレローニー教授です。多分、あたくしの姿を見たことがある子はおりませんでしょうね。学校の俗世の騒がしさの中にしばしば降りて参りますと、あたくしの『心眼』が曇ってしまいますの」

 

そのあとも演説は続いて行き、イースターの頃に誰かが死ぬもしくは退学になることを予感させるような発言と、ラベンダーの恐れていることが十月十六日の金曜日に起こると言った。

紅茶占いを始めても、あんまりよくわからなかった。

 

 

 

ぼうっとしていたら、カップの割れる音がした。見渡して見ると、ネビルがカップを割っていた。確か、占いを始める前も一回割ってなかったっけ。あれは偶然だったけど。

トレローニー先生はハリーのカップを見ていた。

 

「あなたにはグリムが取り付いています」

 

グリム……死神犬だっけ。墓場をうろつき死を運ぶ黒い犬。ブラックドッグとも言う。確か、エジプト神の一柱、墓守であるアヌビスがその正体だとも言われてる。アヌビスも黒い犬だし。

ハーマイオニーは否定するけど、トレローニー先生はハーマイオニーの占い学への素質自体を否定した。

あたしには死神犬(グリム)には見えない。グリムは確かに不幸の象徴だけど、グリム自身が望んで死を運んでるわけじゃないし。もふもふだし。グリムはただ単に警告に来てるだけなのよね。不幸が訪れるであろう人のところに現れて、警告をする。その結果が『死の前兆』と言うあだ名だけどね。

授業が終わって変身術の教室に向かう時、ハリーは不安そうだった。

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