グリフィンドール寮に戻れるようになったけど、カドガン卿は一日に
二回合言葉を変え、しかもとんでもなく複雑なのを考えてくる。グリフィンドール生のみんなは大弱りだった。みんな、切り裂かれたのが婦人じゃなくてカドガン卿だったら良かったのにって言い合ってる。
ハリーからはとあるお願いをされた。吸魂鬼たちに近づかないように頼んで欲しいそうだ。列車の中でのことを時々思い出して、もしあのまま幸せを吸われていたらと考えてしまうんだって。そろそろクィディッチの試合だし、落っこちたら大変だもんね。ハリーには近づかないように伝えておこう。代わりにドラコになら近づいても良いとも。
ハリーからクィディッチの試合を観に来ないかと言われた。週末に行われるそうだ。天気悪いけど平気なのかな?
「クィディッチはどんな悪天候でも行われるんだよ。それに、スニッチがキャッチされるまで何があろうと基本的には試合は続行されるんだ」
「なんでそこまで過酷なスポーツになったんだろうね」
改めて窓の外を見る。空はどんよりと曇り窓ガラスには雨が強く打ち付けている。試合の日にはもっと酷いことになってそうだ。
クィディッチの試合の前日、闇の魔術に対する防衛術の教室に着いたあたしはルーピン先生じゃなくてスネイプ先生がいることに驚いた。
「なんでスネイプ先生が?防衛術の担当はルーピン先生じゃ……」
「ルーピン先生は、今日は気分が悪く教えられないとのことだ。だから我輩が代わりに教鞭をとることになった」
それだけ言うと、スネイプ先生は授業の準備を始めた。いつもよりウキウキしているように見える。
授業が始まり、先生が出欠をとる。見渡してみると、ハリーだけが居なかった。
十分後、ハリーがようやくやって来た。
「遅れてすみません。ルーピン先生、僕──」
「授業は十分前に始まっていたのだが、なぜ遅れたのかねポッター?ああ、言わなくても良い。どうせ英雄的な何かで遅れたのだろう。グリフィンドールは十点減点とする。さっさと席に座れ」
「え、あの、ルーピン先生は?」
「今日は気分が悪く、教えられないそうだ。命に別状はない。ほら、席につけ。グリフィンドール五点減点。さっさと座らんと五十点減点するが?」
ハリーが慌てて席に座る。スネイプ先生は立ち上がり話し始めた。
「さて、ようやくポッターが到着したので授業を始めるとしよう。ルーピン先生はこれまでどのような内容を教えたのか、全く記録を残していないようなので──」
「先生、これまでやったのは、
ハーマイオニーが手を挙げて一気に答える。さらに喋ろうとしたけど、スネイプ先生が止めさせた。
「ミス・グレンジャー、我輩は教えてくれと言ったわけではない。ルーピン先生のだらしなさを指摘しただけである。……非常に残念なことだが、彼が去年、一昨年よりかはマシだとは認めるが。
我輩が本日教えるのは、人狼である。全員教科書三九四ページをめくるように。異論は認めん」
全員が文句を言いながら教科書を開く。本来ならヒンキーパンクをやる予定だったんだけどな。
「さあ、人狼と真の狼を見分ける方法がわかる者はいるかね?」
ハーマイオニーが手を挙げる。もちろんあたしも。
「──ふむ、驚いた。ミス・クリミア、答えたまえ」
「人狼の鼻面は普通の狼よりも低いです」
「正解だ。だが、これは周知の事実であるがゆえに点はやらん」
スネイプ先生が少し苦々しげな顔で言う。どれだけグリフィンドールが嫌いなんだろう、先生。