ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

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イースター休暇までのあれこれ

シリウスの侵入未遂に対して学校全体がピリピリしてる中でも、授業は普通に行われた。

ハグリッドの魔法生物飼育学はさらに面白い生き物を連れてくるようになった。

 

「ようし、集まったな?今回はちぃっと注意してくれよ?もっとも、生き物に関わる時はいついかなる時でも、たとえ扱い慣れてる生物であろうと油断しちゃなんねぇがな。

今回は霧山羊(カペルネブラ)ってやつだ。頭突きが危険だがそれ以外に危険は少ない。まずは近づいて観察してみろ」

 

羊のような巻角を持つ山羊、カペルネブラ。臆病だから物理的な攻撃をしてくることはない。……突進からの頭突きで怪我する人は時々いるけど。

 

「角をよーく見てみろ。小さくて見えにくいが、穴が空いているだろう?ここからいくつかのフェロモンや魔法霧を発生させる。野生でこいつらを見つけたければ南米の霧が深い山奥に行けばええ。泡頭呪文を使ってな」

 

幻覚を見せたりしてくるからね、霧山羊は。

 

「ついでに、こいつらの幻覚フェロモンは混乱薬や戯言薬とかに使われる。長期保存はしにくいがな。

ようし、みんなスケッチとかは終わったか?次の授業の時は湖に集合してくれ。面白いもんを見せてやろう」

 

ハグリッドが授業終了と言い、みんなで城に戻る。湖かー。確か水魔(グリンデロー)や水中人、オオイカがいたなぁ。あと、小さいけど水魔(ケルピー)も。楽しみだ。

 

 

 

 

その日の呪文学は〈元気が出る呪文〉だった。ロンとハーマイオニーは仲直りしたのか気になって周りを見渡して見たけど、ハーマイオニーの姿は見えなかった。……談話室に戻った時に居眠りしてるのを見てしまったけどね。

その後の占い学にはハーマイオニーはちゃんと来ていた。よかった、ハリーたちとは仲直りしたみたいだ──

 

「良い加減にしてよ!またばかばかしい死神犬(グリム)じゃないでしょうね!」

 

思わず振り返ると、立ち上がり両手をテーブルに叩きつけたハーマイオニーと、キョトンとしているトレローニー先生、何が起こっているのかよくわかっていないらしいハリーたちが見えた。どうしたんだろう。

 

「もう結構。私、この授業を取るのをやめさせていただきますわ。何の役にもたたないもの!一度口を開けば死神犬(グリム)を出して、二言目には『死が近づいてますわ』?トレローニー先生、あなたとは分かり合えないみたいですね。それではご機嫌よう」

 

教科書をバッグに詰め込んだハーマイオニーは出口へと歩き、扉を蹴り開けて、かっこよく去っていった。

 

「──……さあ、授業を進めましょう。誰がこの教室から去ろうと、試験は必ずやってきますのよ」

 

トレローニー先生の言葉で再び水晶玉に向き合う。……うん、何も見えないや。

 

 

 

イースター休暇はたっぷりと宿題が出されたし、グリフィンドール寮は来たるクィディッチ優勝戦(ファイナル)に向けて大盛り上がりだった。主にオリバー・ウッドとかが。

休暇の終わりに、優勝戦が行われる。優勝できるのかな。最後に優勝したのはロンのお兄さん、チャーリー・ウィーズリーがシーカーだった時らしい。通称、伝説のシーカー。客席と会話しながらスニッチを獲っただとか、実況のマイクを奪ってドラゴンの魅力について熱弁しながら相手シーカーを翻弄し続けただとか。今はルーマニアでドラゴンキーパーをしているらしい。一年の頃にこの学校で孵化したノルウェー・リッジバック(ノーベルタ)もそこにいるはずだ。いつか会ってみたい。

試合の前日には談話室は喧騒に包まれ、勉強活動が一切放棄された。オリバーが「幸運になれる生物はいないのか」って聞いてきたけど、試合とかでのドーピングは禁じ手だからね?




霧山羊(カペルネブラ)
M.O.M.分類XXX
羊のような大きく太い巻角を持つ山羊。南米大陸の標高が高い山岳地帯に生息。寒さに強く、寒冷地で生息している種ほど角は大きく太くなる。臆病な性格。
霧を発生させる器官を角の中に持ち、危険が迫ると角に無数に空いた穴から霧を出す。また、いくつかのフェロモンも発生させることができる。泡頭呪文などでフェロモンは防ぐことができ、〈霧よ去れ(カリゴ・ヴァニッシュ)〉(ロウェナ・レイブンクローが発明)によって霧は吹き飛ばすことができる。
billy003 さんのアイデアです。ありがとうございました!

霧よ去れ(カリゴ・ヴァニッシュ)
ロウェナ・レイブンクローが発明した魔法。霧を晴らすことができる。というか吹き飛ばす。元々は霧が多い場所での外作業を邪魔されないように創られた魔法だったが、後に魔法霧に対しても効果があると発覚した。本作のオリジナルの魔法。
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