朝、目が醒めると、体の上にキノが寝転んでいた。そういえば、寝る前に何か重いものが乗ってる気がしたけどキノだったのか。あ、キノ起きた。
嵐はすでに止んで、空は青空……とまではいかなくとも曇り空までにはなっていて、あたしは大きなお肉を取り分けながら時間割を確認していた。
「よっと……月曜日は薬草学と魔法生物飼育学、午後に占い二連続ね。ハグリッドはどんな生き物を生み出しちゃったのやら。はい、お肉」
「バウッ!」
今日の午後、占い学が終わった後なら森に行けるかもしれない。まだ探索を終えていない場所も多いから、早く冒険したい。あ、日曜日なら遠くまで探索できるはず……!前に神殿の跡地みたいな場所とか、遠くの方、森の奥深くに沢みたいな場所があったんだよね。きっと何かいるはずよね……!
薬草学の授業は
授業の終わりを告げる城の鐘が鳴って、グリフィンドール生はハグリッドの小屋に向かう。
ハグリッドは小屋の前に立ち、片手をファングの首輪にかけていた。足元に何個かの木箱が置いてある。近づくにつれてガラガラという音とか、爆発音が聞こえるけど、一体どんな生物が入ってるの……?あたしでもわからないんだけど。
「おう、今日からは『尻尾爆発スクリュート』ってのをやるぞ!まだリアスでも見たことないんじゃないか、え?」
うん、聞いたこともないね。
木箱の中を見に近づく。一緒に見にきたラベンダーは悲鳴をあげて飛び退いた。
スクリュートの姿は奇怪だった。殻をむかれた奇形のロブスターみたいで、胴体は青白くぬめぬめとしていて、勝手気儘に肢が突き出している。頭は良くわからない。体長は十五、六センチほどで、腐った魚のような臭いをしている。尻尾爆発っていうぐらいだから、時々爆発してる方が尻尾なんだろう。爆発のたびに十センチほど前進してる。
「……サクヤの真の姿よりもマシ。てか、普通に可愛いと思うけどね」
「おう、こいつらの良さがわかるか、リアス!」
「リアス、戻ってくるんだ!ハグリッドみたいになっちゃいけないよ!」
ごめんね、ハリー。あたしは元からハグリッド側なんだよ。そして、専門家以外が人工で新しい生物を生み出すのは禁止されてるけど、生まれてしまった生物に罪はないんだよ。だからあたしは、この子たちを目一杯可愛がる!
「ハグリッド、この子たちはどんなものを食べるの?」
「わからん。だから最初の授業ではそれを調べることにしてる」
「その前に、なぜ我々がそんなのを育てなければならないのでしょうねぇ?」
声が割り込む。見ると、ドラコがニヤニヤしながら立っていた。
「こいつらが何の役に立つって言うんですかねぇ?」
「生命の儚さと大切さについて学べるけど?」
「それに強靭さもな、うん」
ドラコのことは放っておいて観察観察。生まれたばっかりみたいだね。役半分ほどに棘が生えていて、もう半分のお腹には吸盤がある。オスとメスの差かな?
色々試してみたけど、ほとんど何でも食べるようだ。次から観察日記でもつけてみようかな。