金曜、土曜と過ぎていき、待ちに待った日曜日。あたしは誰よりも早く起きて、ハグリッドの小屋に向かった。朝ご飯用とお昼ご飯用に、キッチンでサンドイッチと飲み物(ミルクティー)を貰って。
「で、こんな朝早くに何の用だ、リアス?こんな天気の良い日曜日の、それも朝早くに弁当持ってきたんだ。ただ話に来たって訳じゃあるめぇ」
「いやー、バックビーク借りれないかなってね」
「ビーキーを?そりゃあ、またなんでだ?」
「ホグワーツの敷地内を探検したいの。神殿みたいな場所とかあったからね。珍しい子がいそうじゃない?」
「ふむ……よし、あいつらはお前さんに懐いとるからな。ちゃんと就寝時間までに戻ってこれるなら、ホグワーツの敷地内ならどこでも行ってええ。ただし、無茶はしないようにな」
「ありがとう!」
あたしはハグリッドにお礼を言って、森の中へ向かった。ヒッポグリフのいる場所はわかってるし、縮小呪文でキノも連れて来た。
数分して、沢山のヒッポグリフを見つけた。えーと、バックビークは……いた。綺麗な灰色のヒッポグリフに近づき、頭を下げる。すぐに下げ返してくれたので、一撫でして背中に乗った。さあ、冒険の始まりだ!
まず向かったのは広い湖に浮かぶ島の一つ。朝日も上ってきたことだし、まずはあの島で朝ご飯を食べようと思ってる。
適当な場所に着地して、キノを元の大きさに。まずは落ち着ける場所を探さないとね。
島は森に囲まれ、少しじめっとしていた。薄暗く、木漏れ日がとても綺麗だ。
しばらく歩き回っていると、急に開けた場所に出た。ぽっかりとこの場所だけ木がなくなっている。上から射し込む光の中央には崩れた神殿のようなものがあり、とても神秘的。
「ここなら丁度いいかな」
あたしは横倒しになった柱に向かい、腰掛ける。キノとバックビークは近くで寝そべっている。
あたしはバッグを開けて、一本目の水筒とサンドイッチのパックを取り出して食べ始めた。お肉の少しはキノたちにあげる。うん、美味しい。
ふと、それまで聞こえていた音とは違う音が聞こえた。虫の鳴き声とかではなく、何か、軽いものが羽ばたくような……妖精が飛ぶ音?
周りを見渡すと、柱の影に銀色の小さな影が見えた。
「……【おいでー……怖くないよー……?】」
呼びかけてみると、恐る恐るだけど姿を現してくれた。銀色の鎧を身に付け、腰に剣を履いた三十センチぐらいの四枚羽の妖精。ディーナ・シーだ。
ディーナ・シーが居るということは、ここはしばらくの間、誰も入って来ていないと言うことだろう。神殿の機能は失われてるだろうけど、十分神聖に見えるし、彼らが住む条件はクリアしている。
きゅうりを一つ差し出してみる。彼(もしくは彼女)は頭を下げ、きゅうりを受け取ってくれた。どうするのかと見ていると、彼はキノに近づき、頭の上に座ってきゅうりを齧り始めた。キノはキョトンとしている。
少ししてきゅうりを食べ終わった彼は、森の中へと一目散に飛んで行った。どうしたんだろう。そしてキノ、ここで寝るつもりなの?丁度いい暖かさだけどさ?
キノがうつらうつらとしている間に、ディーナ・シーは戻って来た。ただし、他にも三匹ほど別の生き物を連れて。彼らにも分けてあげてほしいってことかな?まだサンドイッチは余ってるから良いけどね。
彼らがサンドイッチを頬張っている間に、どの生物なのか確認する。一匹は黒鉄色の大きな蟹で、一匹は大体の人には気色悪いと言われてしまうような姿、一匹は……うん、タコだ。黄色いタコ。
それぞれ
「……ルビコンはどこにでも居るしまだ良い。ヌルフパスも、湖では良く見られる。でも、鋼鉄蟹が居るとは思わなかったなぁ……」
鋼鉄蟹は樹海の奥深くの沼地など、綺麗な水辺に住む。ホグワーツから離れた小島とはいえ、こんなところに居るとは。
「本来居た場所から追い出されちゃったのかな?鋼鉄蟹が住んでる場所ってよくわからない不思議な生き物が多いけど……戻してあげるべきか放っておくべきか、それが問題ね」
自然の摂理としては放っておくのが良いだろう。そもそも、他の三匹は仲間認定した相手にはとても世話を焼くから。ただ……どうやらあたし、この四匹に懐かれちゃったっぽいです。頭の上にディーナ・シーが座り、しっかりとした鋼鉄蟹に座り、むちっとしたルビコンにもたれかかり、ヌルフパスがぬいぐるみのように抱えられて居る。ヌルフパスは感情によって色が変わるけど、今は薄いピンク色だ。完全にリラックスしてる。
「……どうしてこうなったのやら」
頭の上から欠伸が聞こえた。
ディーナ・シー
M.O.M.分類XXX〜XXXXX
聖言が刻まれた純銀の武具を身に付けた四枚羽の妖精。大きさは三十センチほど。妖精の集落や聖地、神殿などの神聖な場所、人の手が及んでいない山や森の奥に住む。
人に近い知性を持ち、その在り方は中世の騎士に近い。義理堅く、助けてくれた人やその人の子供、赤ちゃんなどの周りを飛び回って護衛したりする。特殊な力などは無く、単純な技量だけで他を圧倒できる。
大きさ三十センチほど、寿命は千年ほど。
元は神の一族だったという伝承がある。
白神 羅刹さんのアイデアです。ありがとうございました!
M.O.M.分類XXX(XXXXX)
灰色、もしくは黒鉄色の大きな蟹。大きさは横向きにした大型バイクほど。
雑食、凶相だが大人しく、基本的に何をされても何もしない。ただ、仲間認定されたものが傷つけられると途端に襲いかかってくる。この状態がXXXXX。
最硬の外殻を持ち、一部規格外生物を除けば最も高い防御力を持つ。その硬さは剣を壊し槍を折り金槌を砕くほど。また、鋏も同じ硬さのため、ほぼ全ての物を簡単に切ってしまう。『矛盾』の体現。
樹海の奥深く、沼地などの綺麗な水辺に生息し、不可思議な生き物たちと静かに暮らしている。
仁(響提督)さんのアイデアです。ありがとうございました!
ルビコン
M.O.M.分類XXXXX
決まった容姿を持たず、時には無機物の姿をとることも。身体のどこかに必ず肉の色合いと感触をした部分がある。
生態は全くの謎。わかっていることは同族を傷つけられると怒り狂うことと人間並みの知性を持つことのみ。
科学、魔力とは違う第三の法則『波動』を身に纏っていて、死の呪文か波動による攻撃でないと、塵一つ残さず消し飛ばしても復活する。固体に波動を流し込むとルビコンになる。生物を同族とした場合、その生物と同等の知性を得るようす。
決まった生息地は無く、どこでも目撃されている。基本的に無害で、人前に出ることはほとんどない。過去に一度怒り狂うことがあり、その時は数千人の魔法族が犠牲になったそう。その時攻撃された理由は「気味が悪かったから」。
元ネタはR-TYPEのバイド。
夢幻月さんのアイデアです。ありがとうございました!
ヌルフパス
M.O.M.分類XXX
感情に合わせて色が変化するタコ。基本色は黄色。
湖の岩場などに生息する。水中では最速に近しいほどで、空中でもとても速い。手入れが趣味という謎の生物。
恐らく元ネタは暗殺教室の殺せんせー。
覇王龍さんのアイデアです。ありがとうございました!
ちなみに以上四種は対アンブリッジ用最終兵器として選出されています。
そして一話で終わらなかった件……。