金の皿の汚れが全て消え、ダンブルドア校長が再び立ち上がる。大広間の中は緊張で満たされていた。
「時は来た」
ダンブルドア校長が話し始める。先生の声はいつもよりも重く響いた。
「三大魔法学校対抗試合はまさに始まろうとしておる。『箱』を持って来させる前に、二言、三言説明させてもらおうかの。
今年はどんな手順で進めるのかを明らかにしておく前に、こちらのお二人を知らない者のためにご紹介しよう。国際魔法協力部部長、バーテミウス・クラウチ氏。そして、魔法ゲーム・スポーツ部部長、ルード・バグマン氏じゃ」
クラウチさんの時は控えめな拍手がパラパラと起こり、バグマンさんの時はクラウチさんよりもずっと大きい拍手が巻き起こっていた。
「そしてもう一人、今回の試合で協力してくださる人をご紹介するとしよう。では、前に出て来てくだされ」
ダンブルドア校長があたしに向かってウインクする。あたしは微笑んで立ち上がり、キノを連れて──フォウ君は肩に乗せて──教職員テーブルの前へ向かった。
「ホグワーツ魔法魔術学校グリフィンドール寮四年生、リアス・クリミアじゃ。今回のイベントが実現へ向かい始めた時に、是非とも彼女に協力してもらいたいと思ってのう。では、挨拶をお願いできるかね?」
「わかりました」
ダンブルドア校長が立っていた場所に立ち、四つのテーブルを見渡す。ヒソヒソ声がたくさん聞こえるけど興味はない。んー、でも、一部の人が嘲笑してるみたいだし、すこーし脅しておこう。
「ただいまご紹介に預かりました、リアス・クリミアです。今大会において魔法生物の担当として協力することになりました。まず一つ言っておきますが、もしもうちの子たちを殺したりしたら──あたしとペットたちの総力を持って潰させていただくのでご注意を。多分、今この場にいるダームストラング生とボーバトン生ぐらいなら半日もかからないでしょうし」
大広間の空気が凍りつく。一部失神している生徒もいた。ネビルだけど。
「競技の時はダンブルドア校長先生に呪文をかけてもらうので、生き物たちに攻撃しても気絶するだけですみますけどね。ただ、競技を少しでも楽にしようとか思って攻撃してきたら──わかってますよね?」
温度がどんどん下がっていく。アハハッ、これであたしたちを闇討ちしようなんて人はいなくなるよね?
「では、これにて挨拶を終わりにさせていただきます。選手に選ばれた方のご健闘をお祈りしますが、例え誰が選ばれようとも、うちの子たちに手加減させるつもりはありませんので。死にはしないようにさせますが」
どうせだったらみんな呼び出してさらにおど──威圧したかったけど、ダンブルドア校長が「これ以上はよしてくれ」と無言で訴えてきたからやめた。まあ、そこまでやってたら部屋の体感温度はゼロ
いつの間にか教職員テーブルの端っこ──ハグリッドの隣に椅子が用意されていたからそこに座る。
「──では、代表選手の公平なる選者をご紹介するとしよう。フィルチさん、箱をここへ」
フィルチさんが宝石が散りばめられた大きな、古い木箱を持ってきた。あれの中に、選者とやらが入っているのだろう。
久々のブラックリアス。容赦なんて絶対にしないでしょうね。