日曜、三本の箒。
今日はホグズミード休暇で、ついでに言うなら、リータ・スキーターからの取材予定が入っている日。
あたしはリータが来る前にここに来て、とりあえずバタービールを飲んで待っている。フォウ君にはりんごを、キノにはビーフジャーキーをあげている。
「待たせたざんしょ?早速、取材を始めさせてもらうざんすよ」
ドスンと、リータが目の前の席に腰掛けた。バッグから黄緑色の長い羽根ペンを取り出している。
「バタービール一杯ぐらいなら奢るから、場所を変えさせてもらってもいいかな?ここだと人の目もあるし……そうだね、叫びの屋敷の近くとか、広くて、人気のない場所がいいな。あと、フォウ君とキノが食べ終わるのを待ってくれる?」
「まぁ、そのくらいならいいざんしょ。それに、奢る必要はないざんす。だって、あたくしの方が大人ですし、生徒に奢られるだなんてメンツが保てないざんすから」
三分ほどで二匹はおやつを食べ終えて、あたしとリータは叫びの屋敷近くまで移動した。二人で岩に座って、リータはバッグを机代わりにして羊皮紙を広げた。
「この羽根ペンは、自動速記羽根ペンQQQと言ってね。会話内容を自動で記録してくれる羽根ペンざんす」
リータは羽根ペンの先を口に含んで少し吸い、羊皮紙の上に垂直に立てた。
「では、まず一つ目の質問ざんす。君は、どうして三校対抗試合に協力しようと思ったのかな?」
「ダンブルドア校長に頼まれたからね。それに、ペットたちが活躍できるから」
チラリと、羽根ペンが書く文章を確認する。『彼女、リアス・クリミアは孤児であり、危険な魔法生物の多くを家族と勘違いしており──』……少しイラっときた。
「ほうほう、君は魔法生物たちについてどう思ってるの?」
「可愛い。それにかっこいい。不思議に満ちてるし……優しい」
羽根ペンの書く文章は──『彼女が大事にする生き物たちは非常に愚鈍であり、野生の本能を失っているようである。もし、かのニュート・スキャマンダーが彼女のペットたちを見たらどう思うのだろうか。おそらく、失望するであろう』──我慢、しなくてもいいよね?
「──?どうしたざんすか?」
「いえ、堪忍袋の尾が切れたってだけですよ。〈
「──え?」
杖先に光がともり、次の瞬間──あたしとリータ・スキーターは多種多様な動物たちに囲まれていた。全部、あたしが関わったことのある子たちだ。
「【ジャック、この周りを霧で囲んで。キノ、スキーターに麻痺を。シャルロッテとコアトルは骨が折れない程度に縛り上げて。レッシー、いつでも包めるように準備。メイル、まだ水の中に引きずり込もうとしないで。ペテル、攻撃するにはまだ早い。だから尻尾の蛇を抑えて。ああ、君も来たんだね、アラゴグ。糸を出せる?よし、縛ってちょうだい。ラークス、ピンポイントで雷を落とそうとしない。ヌルも毒は準備段階で留めておいて。マルス、殺すとまずいから尻尾の棘は使わないで】」
みんなに指示を出しながらスキーターに近づく。彼女は既に麻痺で動けず、動けたとしてもシャルロッテとコアトルによる締め付け、それにアラゴグの糸で身動きが取れず、万が一抜け出したらレッシーに包まれラークスに雷を落とされヌルに毒を吐かれメイルに湖に引きずり込まれペテルに裂かれマルスに刺される。そのことが理解できたのか、スキーターは青ざめてガタガタと震えている。唯一対抗手段となり得る杖は既にプラムに奪われている。
あたしは落ちている羊皮紙と羽根ペンを拾い、杖を向けた。
「〈
まずは羊皮紙を燃やし尽くし、次に羽根ペンを破壊する。羽根ペンの破片はノーベルタが燃やした。羊皮紙の灰は既に風で飛ばされている。
「……さて。あたしを貶すのはまだいい。我慢できる。けどね?
このあとどうなったのかは、想像にお任せします♪だって、あたしはリータ・スキーターの醜態を晒すほどサディスティックじゃないし、彼女は最低でも一年ぐらいは、モノを書くことすらできないだろうしね。
ジャック…リアスの飼っている霧山羊。名前はFate/のジャック・ザ・リッパーから。ジャックの宝具に
シャルロッテ…秘密の部屋のバジリスク。ようやく登場の機会を得た。
コアトル…リアスの飼っているオカミー。久しぶりの登場。
レッシー…リアスの飼っているレシフォールド。一章に名前だけ出て来た。
メイル…リアスの飼っている
ペテル…リアスの飼っているキメラ。名前はペテルギウスから。
アラゴグ…ハグリッドの親友。自らの友人でありハグリッドの友人であるリアスを怒らせたリータが嫌い。ついでに、もしかしたらハグリッドの酷評を書かれていたかもしれないと聞きさらに嫌いに。
ラークス…リアスの飼っているサンダーバード。久々の登場。
ヌル…リアスの飼っているヌンドゥ。一章に名前だけ出て来た。
マルス…リアスの飼っているマンティコア。名前の由来は
プラム…リアスの飼っているミグラージ。三章に登場。名前はノゲノラのプラム・ストーカーより。
ノーベルタ…ノーバートって言えばわかるはず。リアスに呼んでもらえたことでテンションマックス。
バンシー
M.O.M.分類XXX
黒衣を纏った、人に限りなく近い容姿の妖精。少女のような姿から老婆のような姿まで様々。しかし、全個体が女性の姿で、例外なく青白い肌で爪が異様に鋭い。
人の死期を見通し、人に死を告げる。
主に山に生息。たまに人里に降りて来て死期の近い者を指差して泣く。遠く離れた家族に危険が迫っていると、その親族に知らせることもあり、一族の守護神のような立ち位置でもある。
がらんどうさんのアイデアです。ありがとうございました。