木曜日の変身術の授業。もうそろそろ授業も終わろうとしている頃に、マクゴナガル先生があの話を発表した。
「クリスマス・ダンスパーティが近づきました。これは、
ダンスパーティは、大広間で、クリスマスの夜八時から始まり、夜中の十二時に終わります。ところで──」
マクゴナガル先生が全員を見渡して、渋々認めるように先を言う。
「クリスマス・ダンスパーティは私たち全員にとって、髪を解き放ち、羽目を外すチャンスです」
ラベンダーがクスクスと笑う。マクゴナガル先生が髪を結い上げていないところを見たことがないから、楽しみだ。
「しかし、だからと言って、決してホグワーツの生徒に期待される行動基準を緩める訳ではありません。グリフィンドール生が、どんな形にせよ、学校に屈辱を与えるようなことがあれば、私は大変遺憾に思います。では、皆さん、素敵なパートナーを見つけられるよう。ああ、ポッターとクリミアは少し残ってください。お話がありますので」
ベルが鳴り、みんなが鞄に教材を詰め込んで教室を出る。そんな中、あたしとハリーはマクゴナガル先生の元へと向かった。
マクゴナガル先生は他の生徒がみんないなくなるのを待ってから、その話を切り出した。
「二人とも、代表選手、並びに生徒協力者のパートナーは、伝統に従い、ダンスパーティの最初に踊ることになります。あなた方二人で組むと言うのはなしですからね」
問答無用。先生は質問や抗議を許さずにあたしたちを教室から追い出した。あたしとハリーは顔を見合わせて、同時にため息をついた。
「ほんと、パートナーどうしよう……」
あたしは図書室で机に突っ伏して愚痴をこぼす。踊りたい人なんて今のところ誰もいない。プラムに変身してもらって、生徒と偽って踊るか、それともハグリッドと踊るか……ハグリッドはマダム・マクシームがいるんだった。
近くの本棚では前にも見かけたレイブンクロー生の子が、七年生と思われる男子を誘っていた。訂正、有無を言わさずに連れていくことを決定していた。
ダンブルドア校長に直談判して、ヒトに近い姿の魔法生物をパートナーにする許可でももらってこようかな。多分無理だけど。
「ヨハンナさんからメフィストフェレスを借りてくるって手もあるなぁ……」
本当に、どうしよう。
あんなに悩んでいたのが嘘のように、あっさりと相手は決まった。まさか、ジョージが申し込んでくるとは思ってもいなかった。
どこで知ったのか、フレッジョはあたしがダンスパーティの相手がいない、決めることも多分ないことをネタにして、「自分たちがパートナーになるから、魔法生物由来の毒液とかの素材を少し譲ってくれ」って取引してきた。もちろんあたしは承諾した。だって、双子ならみんなを笑わせることに使ってくれるだろうしね。
フレッドはアンジェリーナを誘うと言っていたから、あたしはジョージと行くことになった。これでクリスマスまで悩まずに済む。よかった。
フレッジョとリアスの場合
「「おーい、リアス!俺たちとダンスパーティに行かないかい?」」
「どうしたの、急に」
「対抗試合の歴史を知らべて、俺たちはリアスやハリーが最初に踊ることになると知った」
「けど、どう考えてもリアスには心に決めた人がだーれもいない。誰をパートナーにしようか困っている」
「俺はアンジェリーナを誘うつもりだけど、ジョージも誰を誘うか決めていない」
「だからリアス、僕と行かないかい?その代わり、魔法生物の素材を少し譲ってくれる?」
「んー……まあ、いいかな。よろしくね」
「「おう、よろしく!」」
とある二人の場合
「あ、フェルディナンド様。確か、四年生以上はダンスパーティに行けるんですよね?」
「確かにそうだが……君は行けないだろう?二年生なのだし。おとなしく寝ていなさい。ボーバトン生に対する質問もほどほどにしなさい」
「ですが、上級生が招待したのなら、下級生でも行けると聞きましたよ?」
「……何を考えている、ローゼマイン」
「フェルディナンド様、わたしをクリスマス・ダンスパーティに連れて行ってください」
「断る。万が一倒れたらどうするつもりだ」
「そのためにフェルディナンド様がいらっしゃるのでしょう?うふふん、わたしも考えなしではないのですよ!」
「ケリーの入れ知恵か?それと、君の目的は料理だろうな」
「ええ、その通りです。けれど、わたしはフェルディナンド様と一緒に踊ることも楽しみにしているのですよ?」
「……大変結構。君の晴れ姿、期待するとしよう」
「ええ、期待していてくださいね。絶対に、フェルディナンド様を見惚れさせて差し上げますから」
パロキャラ
フェルディナンド・エーレンフェスト
レイブンクロー七年生。知識大好き実験大好き。ローゼマインとの関係は従兄弟で、ついでに許婚。少し気難しい。ローゼマインの保護者。
出展:本好きの下剋上