ウルトライブ!サンシャイン!! ~Shine your heart~   作:我道ラン

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大っ変おまたせいたしましたぁ!今回のお話は日常回でギャグ満載です…多分。正直ニヤニヤしながら進めていたところもあるぐらいなんです…

そういえば、ラブライブ!サンシャイン!!アニメ2期おめでとうございます!

今回からはあの娘も登場!お楽しみに!


6話 ~光が呼んだもの~

 

~十千万、調理場~

 

 

御伽アユムだ。俺…いや、俺達は十千万って旅館でお世話になっているので恩返しといっちゃなんだが朝食を志満さんと一緒に作っている。俺もそこそこ出来る方だとは思っていたが彼女の手際のよさには感服したぜ…やっぱりお姉さんらしいよなぁ…

 

 

「アユムくん、お茶碗取ってもらえる?」

 

「はっはい…どうぞ」

 

「それにしてもお手伝いさんが6人も来てくれて嬉しいわぁ、本当にありがとうね」

 

「いやいや…こんなのでよければいつでも引き受けますよ」

 

「だったら全部担当してもらおうかしら…♪」

 

「えっ…そう考えるとちょっと荷が…」

 

「うふふ、冗談よ…♪」

 

 

 

……こうして話しているとかつての世界を思い出す。かつては働き者の両親、生意気な妹がいて貧乏な暮らしを強いられていたがまぁまぁ幸せな家庭だったと思う。

 

 

……今頃、心配してっかな…

 

 

 

「おはよーっす!」

 

「うるせっての朝から…」

 

「おはようアユム君…」

 

「あー…すっかり熟睡だったわ…」

 

「…………ねむ」

 

 

 

アスカ、トモカズ、タイガにユウイチ、そしてシュウちゃんが起きたみたいだ。そうそう、昨日いなかったトモカズは夜遅くに帰って来て何しに行ってたと問うと本人は…

 

 

「……妹に会ってきた」

 

 

だそうだ…って理解できるかぁ!?つまりアレか?通りすがりの女の子をナンパしたってことか?年下の女の子だぞ?警察仕事しろやぁ!!…というわけで小一時間程説教してやった。

 

 

「飯出来たぞー」

 

「おう、今行く」

 

 

出来た朝食を手渡しで食卓へ運んでいく。そして運びきったところで座り、合掌をする…

 

 

「いただきまー…」

 

 

 

 

「わー!寝坊したぁ~!!」

 

 

ドタドタと階段を駆け降り朝からうるさく騒ぐ少女、高海千歌。オレンジ色の明るい髪に左サイドの髪を結っていて、黄色の小さなリボンがついていた。今日は学校の始業式だというのに昨日の夜東京からトモカズと一緒のタイミングで帰って来たんだ…最初は志満さんとはえらい違う娘だし普通だなと思っていた…がしかし!そんな彼女にも魅力があった。それは…

 

 

「いただきまーす!ねぇシュウ君…♪」

 

「なにさ…」

 

「ご飯、食べないの?」

 

「まぁ…うん」

 

「だったらぁ…その焼き鮭いただきっ♪」

 

「おっと」

 

「わわっ!もう、食べないって言ったじゃーん…」

 

「ご飯はね、おかずは食べるから」

 

「むぅ~…」

 

 

高校生らしい成長した体に純粋で甘えたがりな性格、このある種のギャップが彼女の大きな魅力であった。おまけに三人姉妹の末っ子ときたもんだ…シュウちゃんからおかずをもらおうとして失敗し頬を膨らませているその姿はいくらラブライブを知らない俺でもキュンとくるものだった…あ、うらやましくはないからな?にしてもこの娘が物語の発起人とは思えない。もう少し地味な娘がやるものかと予想していたので少し驚いてはいる…嫌な方じゃないけどな。

 

 

「全く千歌は…迷惑かけずにさっさと食べな!」

 

「ふん!みと姉に言われなくてもわかってますよーだ」

 

「なにを~…」

 

「ま、まぁまぁ食べましょうって…」

 

「なにさ!ユウイチ君もみと姉の味方なの?」

 

「別にそういうわけじゃなくて…」

 

「いいよーだ!千歌にはいっぱい仲間いるからね♪」

 

「仲間って…僕達のこと?」

 

 

…家族一同で食べる朝食は騒がしい。けどもご飯がいつも以上に美味しく感じる。俺はこんなうるさい状況を楽しみながらご飯と幸せを噛みしめていた……その時、テレビのニュースからとんでもない言葉を聞いた。

 

 

『続いてのニュースです、昨日沼津市の内浦にて謎の巨大生物が目撃されました。現れた2体の生物はいずれも鋭利な角に強固な皮膚という信じ難い体躯だったそうです。さらにそこで、2体に応戦する巨人の姿も目撃されました。現在政府は未知の生物を怪獣と認識し、それらを倒した巨人は協力的な宇宙人と定め、防衛省と共に策を考慮しているとのことです…』

 

 

「怪獣か…そんなのいっぱい出てきたら私退屈になっちゃうよ~…あ、今のは怪獣の『体躯』と『退屈』をかけたね…」

 

「考え中か…」

 

「はてさてどうなることやら…」

 

「ガン無視!?シュウくん慰めて~…」

 

「わかったわかった」←さりげなく推しの千歌を優しく撫でるラブライバーの鑑

 

「そういやここは防衛隊みたいなのないんだな」

 

「作られてもロクなものじゃない気がするんだが…」

 

「でも作られたら俺は入隊してみたいかも…」

 

 

タイガとトモカズはニュースのことについて、俺とユウイチは防衛隊、そしてアスカはなぜか入隊する気になっている…ホントコイツは能天気だな……

 

 

ってシュウちゃぁん!?今女の子の頭を…こほん、まぁそれは置いといて確かに俺も隊によっては入ってみたいな……ある種主人公の集まりみたいなものだし。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぃ~…やっと掃除終わったぁ」

 

「お疲れアスカ、ほらよ」

 

「サンキュー!」

 

「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…」

 

「大丈夫かシュウちゃん…」

 

「ユウイチ…これが大丈夫に見える?」

 

 

 

「うん全く」

 

「ですよね」

 

 

 

 

6人がかりで3時間という長い時間をかけて掃除を終えた俺達。やべぇ…旅館ナメてたな、まさかここまで掃除量が多いだなんて…おまけにこれ毎日とか体壊れちまうよ……

 

 

『おいおいシュウ、お前そんな体力ないのか?』

 

「誰のせいだと思って…大体昨日あんな無理矢理動かすから…!」

 

『そりゃ…皆を助けたんだ、これぐらいいいだろ?自称(笑)千歌推しさんよ』

 

「……昨日ここの近くに質屋を見つけたんだよなぁ…」

 

『千歌って可愛いよな、シュウ。わかるぜ…あの意地悪したくなる気持ち』

 

「わかってるじゃないかゼロ」

 

 

『トモカズ、こんなことで疲れていてはこれからの戦い何が起こるか…』

 

「わーってるの!ったく…なんでタロウはそんなお袋みたいなんだよ…」

 

『誰がお袋だ、せめて親父とだな…』

 

「そこじゃねぇよ」

 

 

 

 

「……ウルトラマンってあんなペラペラ喋ったっけ?」

 

「あれは近年のだから…ってかアスカウルトラマン知ってるんじゃなかったか?」

 

「ユウちゃん、俺はガイアまでなら知ってる」

 

「また微妙な…いや、3部作は知ってるからセーフ…?」

 

「はー…そういえばもうお昼過ぎてたのか」

 

 

 

 

 

「ただいまー!」

 

「おじゃましまーす♪」

 

 

出入口の戸をガラガラと開け千歌が帰って来た。しかしその隣には初めて見る女の子の姿があったんだ…青色の瞳に銀髪のセミロング。毛先は絶対フワフワしていて気持ちいいだろう(個人観)…当然向こうも知らないので俺達のことを聞いてきた。

 

 

「千歌ちゃん…この人達は?」

 

「よくぞ聞いてくれました曜ちゃん!彼らが学校で言ったマネージャー候補達なのだ!」

 

 

 

 

 

「……ん?」

 

「マネージャー…だと…!?」

 

 

「……えーと、千歌ちゃん。何の?」

 

 

「えっとねー、スクールアイドル!」

 

 

 

 

 

 

「「「「「えぇぇぇぇぇぇ!?」」」」」」←急なスクールアイドルの勧誘に驚くタイガ、トモカズ、アスカ、アユム、曜

 

「「やっぱりな」」←なんとなく予想していたラブライバーシュウ、ユウイチ

 

 

 

 

 

「…で、どういうことだ」

 

 

「えー…どうも何もスクールアイドルを始めたくてーそれに合ったマネージャーが必要だなって思ってね♪」

 

「却下だ」

 

「そんなぁ…」

 

今俺達は千歌の部屋でさっきの話について詳しく聞いていた。何でも今日勧誘をしたらしいのだが結果はむなしく惨敗…誰も聞く耳持たず通りすぎってしまったそうだ。そして千歌はそれらを支えるマネージャー候補に俺達を指名した、だがトモカズがすっぱりと断ったのだ。

 

 

「そもそもメンバーはいんのか?」

 

「え?私だけだけど?」

 

「…曜も大変だな」

 

 

「そんなことないよ♪渡辺曜、どんな時も全速前進…ヨーソロー!で乗り越えるであります!」

 

「前向きだね…というかヨーソロ…?」

 

 

 

 

 

 

 

「ギャアァァ……オォ…!!」

 

 

「なんだなんだ!?」

 

「まさかまた怪獣!?」

 

「だって曜ちゃん!見に行こう!」

 

「えっ…危ないよ…?」

 

「いいからいいから!」

 

 

昨日ただでさえ怪獣が近くに現れたってのに千歌は曜を外へと引っ張り出してしまった……って見過ごしてる場合じゃねぇ!家に連れて帰らせないと…!

 

 

 

 

「わぁ~…おっきなクモ!」

 

「ち…千歌ちゃん?」

 

「ん?なぁに曜ちゃん?」

 

「アレ…クモなの?」

 

「わかんないけどクモっぽいじゃん?」

 

「結構ざっくりした決め方だね!?」

 

 

 

「おーい!何やってんだよバカチカ!」

 

「むっ!バカじゃないもん、全く…アユム君はデリバリーってものがないよね~」

 

「はぁ!?ってそれを言うならデリカシーだろーが!?」

 

「中々良いツッコミするね、芸人になれるよ♪」

 

「やかぁーしぃ!」

 

 

怪獣が近づいてんのになんでこんな漫才してんだ俺…隣の曜も苦笑いで俺を見ている。何これ?お手上げってやつか?

 

 

「グギャォォォ…!!」

 

 

 

あーそうだまだ怪獣がいたんだったよ不幸すぎんだろ今日の俺!あれ?でもアイツは……なんだっけ…

 

 

クモのようで岩みたいなゴツゴツした外面…うーん…えーと……

 

「お!アレダランビアじゃん!」

 

 

「あーそうそう思いだし…ってアスカァ!?」

 

 

「どうしたのよそんな変な声あげてさ」

 

 

「変な声もあげるわ…なんでお前が知ってんだよ」

 

「そりゃ覚えてるからさ!」

 

 

「…あぁ、そうだな」

 

 

 

俺の後を追って到着したアスカが名前を言ったがあの怪獣は合成獣ダランビア。宇宙球体スフィアが火星の岩石や砂を取り込んだ姿だ。見た目はクモのようで意外と動きが早かったりするはず…多分。と解説かましてる内にすぐそこにまでダランビアが接近してきた!

 

 

「とにかく千歌、曜、アスカ逃げるぞ!」

 

「「あいあいさー!」」

 

「Yes! Mybrother!!」←某ベルトさん風に

 

 

「だぁれが兄弟だあとネイティブに言うんじゃねぇ!」

 

 

はぁはぁ…勘弁してくれ…ただでさえ旅館の掃除で体力限界なのに今最後の気力振り絞って走ってんだぞ、ツッコミで体力減らすんじゃねーって……

 

 

 

あれから5分、揃って限界になってきてヘトヘトな俺達。ペースを保ち順調に俺達との距離を縮めるダランビア。もうこれ詰んだんじゃないですかね……せっかく怪獣に会えたのにこんなのが最期とは哀れだな………やがて走るのが疲れた俺はアスカにこう話を持ち掛けた。

 

「なぁ…もう諦めないか?これ以上走ったって……」

 

 

 

 

 

 

「バッ……カヤロォォォォ!!!!」

 

 

「ぐぇっ!!!」

 

 

なんとアスカは大きく振り返り俺の頬へ綺麗な正拳を決めた…衝撃に耐えきれず道へ倒れてしまう。

 

 

「アユムは…アユムはそうやって逃げんのかよ!怪獣がいるからって、逃げたまんまでいいのかよ!?そりゃ逃げたくなるのはわかる、スッゲェ怖いよ!でも、だからって逃げちゃダメだろ!?少なくとも…女の子が差し置いて逃げるなんて…男じゃねぇ!!!んなことする奴は最っ低のダメ野郎だ!」

 

「…っ!アスカ、お前…」

 

「だからさ…一緒に進もうぜ?ほら、曜っちだって言ってたじゃん」

 

 

 

「全速前進!ヨーソロー!ってな!」

 

 

……なんだよ、カッコいいじゃんか……コイツ今、めっちゃ主人公してんじゃんかよぉ…!勘違いしていた…普段は馬鹿にしたりで抜けてるところがあるがそれでもコイツは持ち前の芯の太さで困難にも立ち向かう…こういう奴が主人公、いわば物語を大きく彩る役割なんじゃないだろうか…

 

 

「といことはアスカ、お前は持ってるってことだな…逆転の策を!」

 

 

そう…アスカなら…!

 

 

 

 

「ごめん、全っ然わかんねぇや」

 

「期待して損したわぁぁぁ!!」

 

 

そこに先に進んでいた千歌と曜が戻ってきてしまった…くそっ!せめてあの二人だけでもと思ったのにどうしてこう計画が絶妙に狂うんだよ…

 

 

「きゃっ!」

 

「曜ーっ!」

 

 

ダランビアが地を踏んだときの衝撃は近かったこともあり強烈に伝わり曜がバランスを崩して倒れてしまった。このままじゃマジでスタンプの刑だ…早くなんとかしなきゃ…!

 

 

「グゥォ…ギャォォォォ…!!!」

 

 

駄目だ……やっぱり勝てない…俺は…この世界に来ても…

 

 

 

「…まだだ」

 

 

「あ、アスカ…?」

 

「諦めてたまるか、こっからが正念場なんだ…今更尻尾巻いて逃げれるか!」

 

 

 

「本当の戦いは…ここからだぁ!!」

 

 

 

 

一瞬あまりにも眩しい光が辺りを照らし俺達の世界は閃光に包まれた。その光が消えて目が次第に慣れ景色を見るとそこには一体の巨人が立っていた。銀色に赤と青のライン、そしてカラータイマーの両脇に付いているプロテクター…何より一番の特徴である額のダイナクリスタル。おっと…つい名前を言ってしまった…そう、俺達の目の前に立っていたのはあの……

 

 

「デュワァッ!」

 

 

ウルトラマンダイナ!…が現れたのは嬉しいんだが……おそらく中身は今いないアスカだし問題の怪獣は変身時の衝撃で粉々になってしまった…まぁしょうがない、本編のダランビアもこれぐらいあっけなかったからな…そのあとネオダランビアという強化された姿になるんだが起きることなくダイナは早々に大空へ飛んでいった。アスカ…ドンマイ。

 

 

 

 

 

 

 

「おぉぉーい!千歌っちー!曜っちー!」

 

「あ、アスカくんだ!」

 

「へへ…ただいまであります!いやー助けを呼びに行ってたらいつの間にかいなくなってたからびっくりしたぜ♪」

 

 

「ば、バカっ…どれだけ心配したか…ぐすっ」

 

「えっ!?わ、悪かったよ曜っち…」

 

「……ってよね…」

 

「へ?」

 

 

「だ…だから…これからは一言ぐらい言ってよね……次言わないで勝手にいなくなったら、もっと泣いてもっと怒るから///」

 

 

「よ、曜っち…そんなに俺のことを////」

 

 

 

 

 

「なんだあの甘ったるい空気、コーヒー飲みたくなってきた」

 

「おぉ…曜ちゃん運命の人に逢う!の巻だねこれは~…♪」

 

「「べっ!別に運命の人なんかじゃ…ハッ!?」」

 

 

…息ピッタリだなー…

 

 

「そ…その…ごめん///」

 

 

「私こそ…///」

 

「………帰るぞ、筋肉バカとみかんバカ」

 

 

「なっ!ちょっと待ってせめてさよならぐらい言わせて…せっかくの出会いをお前なんかに潰されたくねぇー!」

 

「むぅー!私だけでなくみかんまでバカにするなんて…許すまじ!さっきのセリフを取り消すのだー!」

 

 

 

「じゃかぁしぃぃ!さっさと歩けやぁぁ!!!」

 

 

こうして俺達一人ぽつんと立っている曜と別れて十千万へと帰った。

 

 




というわけで6話でした!今回は千歌ちゃんと曜ちゃんを可愛くしようと頑張ってはみたのですがいかがでしたかね?
そして次回からはいよいよ6人にも新たな展開が!ここからはアニメのワンシーンに近づけるよう頑張ります!
それでは、また次回!

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