リンを強化してみたい   作:GGアライグマ

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術の開発

 千切って変化。変化して千切る。

 これを繰り返していく。なんとなくだが、千切るのと変化とのタイミングがぴったり合えばうまくいく気がする。

 

「うーん、うまくいかないや」

「はあ、はあ。まあいいからどんどんやっていこうよ。リンちゃんはチャクラあり余っているでしょ?」

「まあ、あなたにたくさんもらったからね」

 

 その後も繰り返したが、結局成功することはなかった。

 

 

 そして次の日になる。

 リンは一人しょんぼりとして、カカシと話すこともなく歩いている。告白して振られちゃったから話しかけにくいのだろう。オビトのこともあって雰囲気が暗いってのもある。

 里に着いてからは、墓がどうとかの話をしていた。

 リンはずっと上の空だった。そうして、再び夜になる。

 

「リンちゃーん、リンちゃーん」

「またあなたなの」

「今日も張り切っていってみよう」

「まあ、いいけどさ」

 

 また同じように失敗を繰り返していった。

 そして朝が来てしまった。

 

 

 それからは何日か同じような日が続いた。

 そして、ついに聞きたくない名前を聞く。

 

「次は、水の国との国境沿いに行ってくれ。霧隠れの忍びとの小競り合いが続いておる」

 

 霧隠れだ。

 もうほとんど時間がない。

 やつらに見つかるとリンが狂うかどうなるかなってしまう。

 単に一時的に俺に主導権がわたるだけかもしれないけどね。それだと何の問題も無いけどね。

 

 その日の夜。

 

「リンちゃーん、リンちゃーん」

「分かってるって」

 

 またいつものやつを始める。

 の前に、話しておくことがある。

 

「リンちゃん。明日は行かない方がいい。霧隠れには近づいちゃダメなんだ」

「どうしても?」

「どうしても。無理にお願いするのも怪しいし、どこかへ隠れよう」

「それは、無理だよ」

 

 こうなることは分かっていた。

 だから明日は体を乗っ取る。そして雲隠れする。

 

「まあいいさ。早く練習を始めよう」

「任務をサボるのはダメだからね。分かってるの?」

「うん。ダメなのは分かってるって」

「本当かなあ」

「とにかく、早く練習練習」

「うーん、何かが違う」

 

 と、愚痴りながらも練習は始まる。

 が、結局成功することはなかった。尻尾に変化はあったが、精密な死体には程遠い。すぐに見分けのつく程度の出来栄えだった。

 

「時間切れだね」

「えっ、ちょっ、うわっ」

 

 俺は一気にチャクラを練り、リンの思念体に接近する。

 実は、今まではわざとチャクラを少なく見せていた。

 油断を誘っていつでも体を乗っ取れるようにと。

 

「ふう、成功したようだ」

 

 リンの四肢が俺の思い通りに動かせる。

 感覚もはっきりとつながっている。

 このまま隠れよう。隠れて分身の術と変化の術を練習してみよう。

 見ていて印とかチャクラの練り方は分かったしね。

 そうだ。影分身の術も使ってみよう。そうすれば効率は一気にアップだ。

 

 まだ日も見えない早朝。

 俺はそっとリンの自宅を抜け出し、人の少なさそうな山へと向かう。

 その途中、尾獣化で小さな三尾になってみる。

 これも実際に本体みたいなものだし、パッと見でリンだとはバレないだろう。チャクラの質も違うしね。

 

 山の中にそこそこ大きな湖があった。

 俺は水中でも呼吸ができる。隠れるのにはちょうどいい。

 だからこの湖に潜って、そこで身を隠しながら『身体の一部を切り離した変化の術』の練習をしたいと思う。

 

 ちゃぽんと水に沈む。

 しかし、エラで呼吸ができる。エラの使い方も分かる。不思議な感覚だ。

 ともかく、さっさと始めよう。

 

「影分身の術」

 

 大量の分身体を出す。ここからが本番だ。

 

 

 日の一番高いころ「できたーーー!!!」と元気のいい声が聞こえてきた。

 よし。と思って分身体を解除する。

 一気に疲労が襲ってくる。もう起きていられない。南無。

 

 眠りに落ちると、リンの精神世界とつながる。

 目の前には怒り心頭のリンがいる。

 

「ちょっと! 何勝手に人の体を操ってんのよ!」

「いや、でも、こうしないときみの身が危なかったし」

「でもじゃないわ! もうおしまいよ! 私の信用は地に落ちたわ!」

 

 一気にまくしたててくる。

 ちょっと気圧されてしまう。

 

「いますぐ分身体を水の国に使わせれば、間に合ったりするのかな」

「さっさと主導権を寄越しなさい!」

「分かったよ」

 

 俺も影分身からやってきた疲労で限界だしね。

 

「水の中だから気を付けてね」

「分かってるわよ」

 

 俺は黙ってチャクラを引っ込めた。と同時に、リンの体とのつながりが弱まっていった。

 

 その後、リンは俺の頼み通りに、身体の一部を使った分身体の変化を戦地に送っていた。

 リン本人は結局里抜けだ。

 今は我慢の時だよ。いつかきっと報われる時が来るから。

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