Fate/VR   作:ヴィヴィオ

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第4話

 

 

 

 

 さて、ゆっくりとオルタちゃんを堪能していると、いよいよやばくなったのか、男性は玉状の物を地面に投げる。すると、その物体が破裂して煙が溢れてくる。 

 

「逃げたか」

「逃げましたね」

 

立ち上がって、戦う準備をする。煙が張れたら、入口に近付いて戦いをしないとな。

 

「トナカイさんっ!」

 

切羽詰まったオルタちゃんの声が聞こえ、俺は弾き飛ばされる。その瞬間、先程まで俺が居た場所に煙の中から槍が飛んでくる。俺を弾き飛ばしたオルタちゃんは体勢が崩れていて、その槍が腕を微かに傷つけた。

 

「ちっ」

 

直ぐにオルタちゃんが槍を構えると、煙の中からシャドウサーヴァントが飛び出してくる。それも煙の中で飛び上がったのか、上からだ。相手は槍を捨てていて、剣を持っている。オルタちゃんは槍を両手で掲げて、シャドウサーヴァントの剣を耐える。

 

「トナカイさん、邪魔よ! 下がって援護!」

「わっ、わかった!」

 

俺が近くに居たら、まともに戦えないだろう。直に下がって弓で援護しないといけない。

 

「馬鹿、後ろを向いて逃げるなっ! 前を向いて下がるのでしゅっ!」

「はいっ!」

 

あぶねえ。シャドウサーヴァントの攻撃が掠めて飛んで行った。確かに後ろを向くのは不味い。やっぱり、色々と教えて貰わないとな。

 

「インストール・アーチャー」

 

ステータスを確認し、魔力が100まで回復している事を確認する。それから、インストールを行ってTS変身を行う。やはり、赤髪ツインテールの少女になってしまう。変身可能時間もでており、それによると100で10分間だけのようだ。しかし、一戦闘に限れば充分だろう。それに弓の扱いから戦い方まで、何から何まで彼女の知識が入ってくる。とある青年への思いもだが、これは叶わない恋だ。

即座に森の中に入り、かなり上がった身体能力で森の中を駆ける。少し離れたら、木々を交互に蹴って木の上に登って弓を構える。視力もかなり上がっていて、二人の動きが良く見える。

 

「ふぅ……」

 

呼吸を落ち着けて、弓を構える。オルタちゃんとシャドウサーヴァントは近距離で戦っている。優勢なのはシャドウサーヴァントで、オルタちゃんは防御に手一杯だ。槍の内側に入り込まれて、剣が有利な場所になっているからだ。だが、これはチャンスだ。木々を蹴って背後に回る。

 

オルタちゃんが、足止めしておいてくれたお蔭で、背後を取れた。後は弓を構えて、矢を作り出す。更に火の矢を作り出して魔力を込めていく。矢は赤色に輝く。更に魔力を込めていくと白くなって陽炎を生み出していく。準備が出来たので、オルタちゃんを見ると、上手いこと誘導してくれる。

 

「貫け」

 

手を放すと、矢が解き放たれて飛来していく。それはインクルードの時の威力や速度など目ではなく、圧倒的な速度と威力を持っていた。シャドウサーヴァントは瞬時に反応して、振り返りながら剣で斬り落とそうとする。しかし、剣と矢が接した瞬間。爆発が起こる。

 

「オルタちゃんっ!?」

 

予想外の威力に声を出す。煙が覆い尽す中、少し待っていると煙が晴れていく。そこで見たのは――

 

 

 

 

 

 

ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ

 

 

 

 

 気安く撫でてくる愚かなトナカイさんを弾き飛ばし、片手を負傷した私は接近されて防戦一方になっています。しかし、相手の動きが単調なので、どうにかなります。振り下ろされる剣に対して、身体をずらすと同時に槍を斜めにして、剣を滑らすと同時に槍の柄でシャドウサーヴァントの頭部を叩き付けます。

シャドウサーヴァントの体勢が崩れたので、即座にバックステップで下がる。でも、相手も接近してくる。でも、視界の先。森の中に光物が見れました。ラインからもわかるトナカイさんの位置。魔力の回復というのは本当だったようです。

それなら、やる事は一つです。この愚か者な紛い物に引導を渡す事です。

 

「来てください」

 

シャドウサーヴァントの位置を調整します。何故か、幻影の槍を使ってこないので、楽に扱えます。しかし、今の私では残念ながら火力が足りません。なので、トナカイさんに任せます。

 

「予定通りですね……」

 

飛来した矢に対して、私はシャドウサーヴァントに肉薄して相手を盾にして防ぎます。私達は爆発の後、即座に背後に回って槍を短く持って傷口を貫きます。同時に首に噛みついて吸い取ってやります。激しく暴れますが、自己改造EXは伊達ではありません。魔力を吸収して

 

「ふぅ……」

 

身体に力が入ってきます。お蔭でスキルが増えました。手に入れるのは選択式になっていたので、取り敢えず対魔力EXを習得しました。相手はルーラーだったようなので、これを選びました。これでタンカーとして強くなりましたね。愚鈍なトナカイさんを守らないといけないですしね。

 

「オルタちゃん、大丈夫か?」

「ええ、問題ありません」

 

さて、次の獲物を狩る準備を行いましょう。狙いは一つです。もっと強くなる為に沢山、狩らないといけません。効率良く、トナカイさんとプレゼントを配っていきましょう。

 

 

 

 

 

 


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