どうやら司波達也に憑依したみたいだが…… 作:さすおに
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自宅に帰って来た俺と深雪は対面のソファに座った。
「深雪、そんなに怒ってないでこちらにおいで。兄貴としてはそういう顔は辛いんだよ」
頬を膨らませてご立腹の妹を手繰り寄せた。
「もう、仕方ないですね。妹が大好きなお兄様のお言葉に従います」
そう言って俺の隣に座った深雪を抱き寄せた。
「キャッ」
可愛い悲鳴をあげた深雪に微笑んだ。
「深雪、俺はお前の事は愛してる。これは兄妹愛でなくて純粋な異性愛だ。だがな、俺がどんなにお前の事だけを想っていても倫理という壁が立ちはだかってしまう」
「……はい。分かっております。で、でも、深雪はそれでもお兄様をずっと前から異性としてお慕い申しておりました」
「知っていた。知っていて深雪の事から逃げていた。だが、俺は今日になって決めたよ。深雪」
「それは何ですか?」
「倫理自体が如何に無価値か。そんな些細な事を覆す、それはハーレム計画」
「は、は、ハーレムですって?お兄様、お仕置きが必要なようですね」
「ま、待ってくれ深雪。これは実に理にかなった方法なんだよ」
これは凄く理にかなった新しい概念。
ハーレムという現代日本では時代的に合わない。
だが、もしこれが実際に実行できたら。そこの中に一人、血の繋がりのある妹がいても不思議ではない。
そう、妹を隠すならハーレム。人で倫理観ごと隠せばいい。
世間が注目するのはハーレムになると断言できる。
「お兄様は私たち兄妹の繋がりを隠すならそれだけのスケープゴートが必要だと言う事ですか」
何故か論理が破綻してるアホな説明に納得してしまった我が妹。
ちょっとチョロくないか?
「まぁ、それだけいれば俺と深雪が多少スキンシップしてもあんまり話題にならないだろう」
「さすがです、お兄様!」
「将来的にはハーレム御殿でも作って子育てしたいね」
「こ、子供ですか?」
「そう。俺は深雪と子供を作りたいと思っている。その前に障害が出来ないように多少、調整しなくちゃいけないかもしれないがね」
嬉しそうに頷いた深雪は「喉が乾きましたのでコーヒーでも入れますね」と言って台所に向かった。
殊の外、歩く深雪は誇らしげであった。
ホーム・オートメーション・ロボットが普及している現代では料理を自ら進んでやる人は減っていた。
ある程度の味が保証されているロボットがあるのに手間暇かける事が無駄になった。
本格的な料理を食べたければ飲食店に行くのが当たり前になっている。
そんな機会頼りはウチでは通用しなかった。
深雪は俺の為に愛情を込めて手間暇をかけて料理を作ってくれる。
来客がある時だけと俺が一人の時はロボットに任せているから稼働率は低かった。
俺と深雪は殆ど一緒にいるからな。
「どうぞ、お兄様」
香りが引き立ったコーヒーが俺の目の前に置かれた。
匂いをひとしを嗅いだ後に口をつけて口を付けた。
「……どうですか?」
不安そうに達也の顔を覗き込む深雪。
「美味しかったよ」
「それは良かったです」
満面の笑みを浮かべて深雪は達也の横に座り自分の分のコーヒーを置き啜った。
豆から挽いて飲むのを自宅で味わえるのは前世も合わせて初めての体験だった。
「深雪はこれから予定はある?」
「特にはありませんが……」
「よし、デートしよう!」
深雪は着替えて参りますと言いリビングから出て行った。
それから俺も外出用の私服に着替えた。
元の身体の持ち主である司波達也のファッションセンスに何とも言えない物があった。
あまりよさそうな服がなく手近な服に着替えた。
高校生の癖におっさん臭い服ばかりで笑ってしまう。
「お兄様、お待たせ致しました」
綺麗だ。それが率直な感想だった。
フリルのリボンがアクセントの白いワンピース。
深雪の黒いロングの髪にあっており、一層映えて見えた。
♢♢♢♢
大型の集合ショッピングセンター。
ここは数多な数の日本や海外の有名なお店が店舗を構えている。
「お兄様、お兄様。こちらです」
手招きを寄せる深雪はテンションが上がり歩く速度が早くになっていた。
「あ、深雪。予算の上限はない。欲しいものを買いなさい」
「……え?」
深雪が驚くのも当然だ。確かに一高校生にしては司波達也はそれなりの額の資産を築いていた。
だが、上限がない買い物など生まれてこの方経験したことの無い事だ。
俺が国内CADメーカであるFLT(フォア・リーブス・テクノロジー)で働いてるのを知っている深雪でも躊躇ってしまうだろう。
何故、こんな事を言えるのか?それは俺が手に入れた『錬金』という能力のお陰である。
自室で着替えてる時に偶々、能力調査でもしようと錬金をしてみたら、ただのゴミが黄金に生まれ変わった。
想像さえできれば何でも作れた。CADでも全くのコピーすら製作が可能であった。
すぐにこれは金になると確信した。
だから、俺はお金が自由に手に入る立場になったから深雪には名一杯買ってあげるつもりだ。
「そんなに心配しなくていいよ深雪」
「はい、お兄様」
それから深雪と様々な店を回った。
深雪に似合う物であれば即決で購入し、自宅に配送した。
さすがに荷物をもってデートはしたくなかった。
「……あれ?司波くん?」
そう声のした方を振り向いたらオレンジショートの千葉エリカと眼鏡っ娘の柴田美月でいた。
深雪と手を繋ぎ彼女たちの方に向かって歩いた。
「偶然だな、千葉さんと柴田さん」
「ん〜司波くんと司波さんだと呼びにくい。ねぇ、名前呼びしてもいい?」
「ちょっとエリカちゃん」
美月が慌てて止めようしたが
「構わない」
「私も構いません」
「ラッキー。なら私の事もエリカって呼んで」
そう言ってエリカは笑った。
「ねぇ、達也くんと深雪は今日はデートなの?」
問いかけてきたそれに深雪が答えた。
「ええそうよ。私はお兄様と二人でラブラブデートの途中よ」
「美少女の蕩けた顔にここまで破壊力あるとは……恐るべし深雪」
「エリカと美月は何してたんだ?」
「エリカちゃんが欲しいものをあるからと買い物していました」
「ねぇねぇ、達也くんと深雪はこれから用はある?」
「もう後は喫茶店で休憩してから帰ろうかと思ってたが」
「なら付き合って!!!」
♢♢♢♢
エリカに連れて行かれたのがケーキ屋さんだった。
ウッドハウスで出来ており、現在では珍しいスクリーン型の液晶が置かれていた。
「へぇ、こういうお店か。いい所だな。それで、エリカがここに連れてきた理由は何だ?」
「これよ!」
カバンから取り出した端末に4名様ご来店のお客様限定パフェの広告だった。
エリカはこのパフェが食べたかったから誘ったみたいだ。
それからお喋りに興じていた。
「お待たせしました。ハーレムパフェになります」
明らかにバケツよりも大きいサイズのパフェに圧倒される達也。
「これは些か大きすぎないか?」
「大丈夫よ!ここには甘味が大好きな女の子が三人もいるもの」
効果音がドンと出てきそうな迫力だった。
それから30分後、俺はリタイヤした。
「すまない。もう無理そうだ」
女性陣はお喋りをしながら重いパフェを食べ尽くした。
「ふぅ、食べきった」
「お腹いっぱいになりましたね」
「お兄様、深雪は夕食が食べられなくなりそうです」
そう言ってはいても三人共、笑顔な辺り満足したんだと実感した。
「ん?エリカ」
「何?達也くん?」
深雪と話してたエリカの顔が俺の方に向いたの見計らって唇についたケーキを取るようにキスをした。
「な、何を?しゅる」
突然のキスに驚いたエリカとあわあわ真っ赤に頬を染めて眼鏡の上から手で隠していた。
深雪は笑っているが怖い。ハーレム計画は許容するけど嫉妬はするって事かな。
「もう一度いいかな?」
「ねぇ、達也くんって深雪と会長が好きなんじゃないの?」
「二人も好きだしエリカも好きだよ」
「……っん、チュ」
エリカの口の中な歯茎をなぞるように舌を絡めてキスをした。
エリカとのキスはクリームの味。お互いの唾液を交換した。
「エリカ、愛してる」
「達也くん」
それから俺はエリカと三度キスをした。
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