ハリエット・ポッター物語   作:nyasu

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血文字事件

初めてのギルデロイ・ロックハートの授業の日。

私は、ホグワーツに来て初めて欠席した。

というのも、ハーマイオニー経由で何をしたのかと聞いていたらクイズだったからだ。

いや、親睦を深める為なのかもしれないが、初回は別にいいだろうと思って必要の部屋に来ていた。

 

「呪文には強い感情が、魂の動きが必要である」

 

私はヴォルデモートの教えを思い出しながら本を取っていた。

とても高度な呪文、守護霊の呪文についての本だ。

本には、守護霊を生み出すためには幸福な記憶で満たされる必要があると書いてあった。

そこから、呪文と感情の相関性のような物について考察していた。

高度な呪文ほど、感情が必要になってくる。

許されざる呪文を私がまだ使えないのは、それに伴う感情が足りないからだ。

他にも守護霊では幸福な記憶など、多くの高度な呪文には感情を込める必要があるようだった。

 

「クルーシオ!クルーシオ、クルーシオ!」

 

呪文によって呼び出した蜘蛛に向かって私は何度も呪文を唱えるが、うんともすんとも行くことはなかった。

ただ、なんかバチッと杖から光が飛ぶだけだ。

蜘蛛は当たってビクッとなるけど、それだけで特に効果はない。

 

「私にはまだダメだったか」

 

仕方ないので新しい呪文を作る作業に切り替えることにした。

呪文を作る作業は、意外と簡単である。

まずやりたいことを思い浮かべて呪文を唱える。

あとはトライ&エラーの繰り返しだ。

呪文が間違っていても魔法は発動する。

ただし、失敗してクルーシオみたいにバチってするだけだ。

 

つまり、正しい発音に正しい意味の言葉を見つける必要があるのだ。

元々ある呪文を改良させ、発展させていくという作業の方が基礎が分かっている分やりやすかったりするけどね。

私は色々な言葉を使いながら、ルーモスの改良に取り掛かっていた。

 

「ルーマスレクサ!違うなぁ、ルーマスレクサ?いや、語尾が上がる感じじゃない」

 

杖先から光が強く点滅するように魔法が発動する。

その光景は失敗ではあるが、手応えのような物はある。

 

「ルーマスレクシ!ダメだ、なんか弱い感じになった」

 

もしこれが成功すれば、一度は誰もが考える杖からビームが出せるはずなのだ。

だが、光を一点集中して相手に照射するというレーザーから着想を得た呪文の開発は難航を極めた。

 

「そろそろ授業が終わる時間か。ルーマスレクソ!う~ん近い気がするけど、もう終りね」

 

あとちょっとで出来る気がしたが今日は切り上げることにした。

そもそも、そう簡単に出来たら数ヶ月も似たようなことはする必要もないので切り替えが大事なのである。

次の授業は・・・・・・体育か。

 

「うっ、箒で運動って運動じゃない気がする。一応、クィディッチはスポーツだけど箒に乗ってたら運動じゃないよ」

 

忌々しく思いながら、私は必要の部屋から出るのだった。

そんな生活をロックハートの授業の度に行っていた。

ロックハートはピクシーで事件をやらかしたとか、やっぱり受けなくて良かったと思える噂をよく聞く。

そして、ハロウィンの日がやってきた。

今日は友達同士でハロウィンを楽しむ日らしい。

まぁ、私はそんな無駄な時間を有意義に使うために必要の部屋で呪文の開発をしていた。

 

「ルーマスレクタ!うおぉぉぉ!?」

 

杖から直線的な光が放たれ続け、標的にしていたカボチャを焦がすことが成功したのだ。

因みに止めることは出来ない。

 

「ちょ、なんで!?止まれ、止まれ!」

 

そう思ったが、実際には暫くしたら止まることが出来た。

まだまだ改良の余地はありだが、一応目標のレーザーが出せるようになった。

 

「そろそろご飯の時間ね。カボチャ料理が待ってるわ」

 

最近、独り言が多いなぁとか重いながらのそんな帰り道、掠れるような声が聞こえた。

 

「血だ……血の臭いがする…・・・」

「えっ?」

 

その声は、酷く物騒な事を言っているが私が疑問を抱いたのはそこではなかった。

周囲の絵やゴースト達が無反応で、私だけがその声を聞いていたことに驚いたのだ。

 

「こっちから?」

「引き裂いてやる……殺してやる……」

「やっぱり聞こえる、でも……」

 

まさかと思い私は杖を取り出し、呪文を唱えた。

すると杖先から飛び出るように長い紐状の物が飛び出す。

それは蛇であり、床の上にとぐろを巻くように鎮座する。

 

『またお前か!?』

「久し振り」

「殺す……殺す……殺す……」

 

やれやれ、と言った感じでとぐろを巻いた蛇が首を左右に振る。

実は毎回呼び出した蛇が記憶を継続していることから何処からか呼び出していることが判明している。

因みに、相手の都合を考えていないので蛇側からは苦情があったりする。

要するに召喚みたいな事なんだと思う。

 

「貴方には聞こえる?」

『聞こえるって言うか、物騒な事言ってるな。尻尾でも踏まれたのか』

「あぁ、やっぱり聞こえるのね」

 

そう言って呼び出した蛇の言葉に確信を得て、この声の主が蛇であると当たりをつけた。

つまり蛇語、だからみんな意味が分からなくて聞こえてないのだ。

たぶん、聞こえても普通の人はシューシュー聞こえるんだろう。

私は呼び出した蛇をローブの裾から誘導して巻き付かせて、そのまま声の主を追うことにした。

ちょっと胸とか首回りがひんやりして変な声が出たが、変温動物だから冷たいのは仕方ない。

 

「その時が来た!」

「誰かを殺す気ね、でもそんなことしたら返り討ちに遭っちゃうわ!」

『俺達の都合を考えない魔法使いが悪い、狩りの途中だったのかも』

「可哀想に、冷凍ネズミならあげるから怒りを静めてくれないかしら」

 

恐らく魔法によって呼び出されて呪文の練習にでも使われたのか、気が立っている可哀想な蛇を保護するために私と一匹は廊下を駆ける。

はしたないが、階段の手すりに腰掛けスッーと滑ることで高速で移動する。

なお、途中で階段が動く事もあり、偶に落ちて骨折する輩がいるので先生に見つかったら確実に減点な方法である。

 

「とおっ!よし、行ける!」

『おま、いつもこんなことしてるのかよ』

「誰も見てないから平気よ」

 

今度は廊下をダッシュする、待ってて可哀想な蛇ちゃんと今の私はそれしか考えていなかった。

そのため、足下が疎かになっていた。

 

『わぁ、止まれ!止まれって言ってんだよ、馬鹿!』

「えっ、急にな――ふぎゃ!?」

『俺を巻き込むな、早く帰してくれよ!』

 

ベチャッと水の音を滴らせながら私は鼻を押さえながら立ち上がる。

なんと、廊下が水で濡れていたせいで滑って転んだのだ。

なんて幼稚な悪戯だろうか、絶対フレッドとジョージである。

許さない、絶対に絶対にだ。

 

「ごめんなさいね、貴方を巻き込んでしまって、えっ?」

 

蛇を気遣い、首元に視線を送った後に前を向くと私は壁に文字を見つけた。

 

「秘密の部屋は開かれたり。継承者の敵よ気を付けよ」

『猫だ、猫がいやがる』

「ミセスノリスだわ!嘘、やだっ!」

 

急いで壁に近づき、吊された猫を下ろしてあげる。

その身体は冷たく、石のように固い。

というか、その身体は石のようになっていた。

 

「石化の呪文?いや、アレは一応意識はあるから別……」

「おい、なんだこれ!」

「ポッター、そこで何をしてるんだ!」

 

ミセスノリスを見ていると、背後から声がした。

それはグリフィンドールやスリザリン、他にもレイブンクローやハッフルパフもいる。

どうやら、食後のようであった。

しまった食事の時間に間に合わなかったか。

 

「貴方がやったのねポッター!継承者の敵に気を付けるのね、穢れた血め!」

「それは違うわ。私は後から来たのよ」

「パンジー、それってちょっと矛盾してない?」

 

ダフネとパンジーの会話が聞こえたがそれどころじゃなかった。

私は廊下の向こうから歩いてくる人物に注意を割いていたからだ。

 

「私の、私の猫だ!」

「私が来たときには」

「お前が!お前だ!お前を殺してやる!」

「えぇ……」

 

どうやら錯乱しているようで、私を捕まえて前後に揺するフィルチに困惑する。

そんな気絶させるかコイツと思っている私を助けるダンブルドアの声が廊下に響いた。

 

「アーガス!何をしておる」

「その手を離せ、薄汚いスクイブが!」

「やめるのじゃアーガス!ミセスノリスは死んではおらん、石になっておるようじゃ」

 

教師達が事態の収拾に動き出すことで、私の拘束が解かれる。

すると、セブルスが寮生を心配してか私の傍に来て上から下に点検する。

ちょっと、ローブが濡れてて恥ずかしいので見ないでください。

 

「あいつです!あいつがやったんです!ヤツの文字をお読みでしょう!」

「どうやら言葉も読めないようだなフィルチ。彼女が継承者?それは誓ってあり得ない。該当しないからだ」

「どうでしょうか?私は、彼女を夕食の席で見ていませんよセブルス」

「だとしても、何か理由あってのこと。彼女がこのような残酷な事をすると仰るのか?」

「そうとは言っておりませんが、状況的に怪しいという話です」

 

マグゴナガル先生の追及にしまったと言い訳を考える。

取りあえず、誰かの差し入れのカボチャパイに下剤が入っていたのでトイレにいたと言うことにしよう、出来るだけ言いにくそうに隠していればそれっぽさが演出できるだろう。

 

「小煩い雌猫が」

「何か言いましたか、スニベルス」

「二人ともやめんか!疑わしきは罰せずじゃよ」

 

一触即発な雰囲気が出来はじめ、まさかの喧嘩かと思ったらダンブルドアが仲裁した。

そして、石化を治せるみたいな話をして解散とのことになった。

酷い事件だった。

 

「おっと、そこの関係ない顔しているミスポッター。儂と一緒に来てくれんかのぉ?」

「えっ、いや遠慮します」

「ハッハッハ、どうやら彼女は私と同席することに照れてるようだ。そんな反応をされると、私も照れてしまいますよ。魅力的で失礼!」

「では、ギルデロイには席を外して貰おう」

「えっ?あっ、そうですか?しかし、私のアドバイスが必要では」

「なに、話を聞くだけじゃよ」

 

なんだか面倒なことになったなと、渋々ながら呼び出しを喰らうのであった。




フレッド&ジョージ「遺憾の意である」
ミセスノリス「嘘!私の身体、固すぎっ!?」
パンジー「継承者の敵は穢れた血、あれ?あれれ?」
ダフネ「馬鹿だなぁ、パンジーは……」
セブルス「やんのか?三味線にすっぞ?」
マグゴナガル「やんのか?干物にすっぞ?」
ダンブルドア「まさか!疑わしいぞ、コイツ!」
ギルデロイ「スルーですか?もしもし、聞こえてます?校長!」

※後書きはフィクション、ここに教師達の頂上決戦は開始しない。

変更点
好きな色はライラック色?テスト受けてないで分からないです。
ピクシー、授業受けてないで分からないです。
手紙の返答?柳に突っ込んでないのでギルデロイ一人でやってください。
ナメクジ喰らえ!クリティカル、成功する。
蛇が犯人だと気付かれる。
ルーマスレクタ、直線的な光、レーザーの呪文、ロマンである。
新しい箒、届かないですねぇ。
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