ハリエット・ポッター物語   作:nyasu

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忍びの地図とみぞの鏡

クリスマス、スリザリンはみんな帰っている。

残念なことに私以外に殆ど残っている奴がスリザリンにはいなかった。

ただスリザリンでよかったと思ったのは付き合いで貰えるプレゼントが豪華だということだ。

 

「ドラコからは、インクのいらない万年筆だわ……もっと勉強しろってことかしら?」

「なぁ、なんでスリザリンじゃなくてグリフィンドール寮でプレゼント開けてるんだよ」

「自慢と寂しいと思ったからよ」

「君が寂しいだって?」

「何言ってるのよ、貴方に決まってるじゃない。寂しいクリスマスね、ロン・ウィーズリー」

 

軽口を叩きながらプレゼントを開封していく。

今度はセブルスから、各学年の魔法薬学の教科書だった。

なんだこれと見てみると、中身が訂正されていて全部訂正済みだった。

後で困らないのと買わないでいい配慮か、悪くないわね。

 

「わぁーお、すごいやこれ」

「ちょっとロン、人の物を開け……何にも入ってないわね?」

「よく見ろよ、これ透明マントだ、滅多にないんだぜ」

「なんか、ちょっとえっちぃわね」

「その発想の方がヤバいと思う」

 

二人して顔を見合わせて赤面してみる。

こんなところハーマイオニーが居なくてよかったと心底思った。

スリザリン生というのはプレゼント慣れしているのか、食べ物などの消え物が多かった。

人間関係とか気にするスリザリンらしい選択だと思う。

なので、ロンと一緒にお菓子詰め合わせを食べるのだ。

 

「それにしても、単純よね」

「何が?」

「お菓子あげただけでスリザリンも大歓迎って、それどころかスリザリンだからって差別は良くないぞって。すごい掌返し貴方の兄弟って大物だわ」

「アイツら頭の中が悪戯の事しかないから、気にしたら負けだよ」

「負けなんだ」

 

お菓子を食べたらチェスである。

運の介在しないゲームなら、大の得意だったのだが……

 

「うぅぅぅぅ」

「はぁ、もう何回目?そろそろやめない?」

「まだ、98敗1引き分けよ」

「もうすぐ三桁じゃないか、飽きたよ」

「ロンの癖に!なんなの!」

「チェスは唯一の特技なんだ」

 

ドヤ顔がムカついて何度も挑んだが結局、何回やってもロンは倒せなかった。

それから、お菓子がなくなってチェスの戦績が順調に増えたころ。

透明マントを使って探検することになった。

原因は、仲良くなったフレッドとジョージのせいだ。

 

「パパが脳のない道具には気を付けろって言ってたけど」

「俺達に掛かれば安全に取り扱えるぜ」

「それで、これって何?名前が動いてるけど」

 

なんでもフィルチさんから双子が奪ったそれは忍びの地図という道具らしい。

悪い子ねと言いつつワクワクしている自分がいるので批判は出来ないけどね。

 

「ここ見ろって、ダンブルドア校長がよくいるんだ」

「そうなんだ、何があるんだろ」

「そこで透明マントさ。俺達はデカいから無理だけど、お前たちで探ってきてくれよ」

「そんなこと……任せなさい!」

「うわぁ、ノリノリな君って初めて見た」

 

ロンから呆れられたがこんな面白そうなこと、やらざるを得ないだろう。

決行は夜にすることが決定した。

一緒にロンと透明マントを被って目的地に移動する。

 

「夜にして正解ね、人が全然いないわ」

「ち、近いよ……」

「何よ、見えちゃうから仕方ないでしょ」

「なんだこれ」

 

動きにくいからってロンが我が儘を言うが、無視して目的地に辿り着いた。

辿り着いた場所には大きな鏡があり、これがダンブルドア校長が見に来ていたのかと首を傾げる。

 

「何の変哲もない鏡ね」

「わぁ、すごいや。こっち来いよ」

「ロン?」

 

ロンの様子がおかしいことに、ふと双子の言葉を思い出す。

脳のない道具は危ない、魔法の道具は危険ということだ。

つまり、これは魔法が掛かってる。

 

「ロンどいて、ボンバーダ!」

「何するんだよ、首席でキャプテンだったんだぞ!」

「嘘、壊れてない」

 

確かに魔法は成功して、閃光が飛び立って爆発した。

だが、鏡は壊れることなく立っていた。

 

「大丈夫だって、それよりハリエットも見てくれよ」

「私はいいよ、絶対危ない奴だって」

「大丈夫、最高なんだってば」

「ちょっと、押さないでよ。ヤクでもやってるのかしら、この馬鹿は」

 

仕方なく鏡の前に立つとそこには、見知らぬ夫婦の姿が見えた。

ただ、女の人は私にそっくりで、もしかしてと思い至る。

 

「パパ?ママ?」

「えっ、なんだって?違うよ、僕だよ」

「ロン、アンタの姿はない。いい、分かった?」

 

お互いに見え方が違うことに見たいものを見せる物なのかなと予想する。

あぁ、そっか私は両親の姿が見たかったのかともだ。

 

「ハリエット、君には何が見えているかね?」

「だ、ダンブルドア校長!ハリエット、君が爆発するから!」

「うむ」

 

ロンは騒いでいたのだが急に尻餅を突いたと思ったらそのままイビキを掻き始めた。

その様子を満足げにみる校長に、無言呪文という奴だと私は察した。

 

「大事な話があったのでな。彼には少し眠って貰った」

「ごめんなさい、ロンは悪くないんです。全部、私が……」

「いや、別に夜間外出の話ではないのじゃよハリー、ハリーと呼んでも?」

「えっ、はい」

 

怒られると思っていたのだが、そんなことはないとダンブルドア校長は言って私に目線を合わせるように屈んだ。

そして、まるで問い掛けるように質問してきた。

 

「何を見たのか教えてはくれないか?あぁ、こんなことを聞くのは不思議そうじゃな」

「先生はなんでもお見通しですね」

「長いこと先生をやってると人の機微には敏感になる。まぁ、心だけは難しいがのぉ」

 

何が見えたのかといえば両親だったので、そう答えるとなるほどと校長は頷いた。

私が今度は望みを映す鏡ですかと聞けば、だいたい合っているという解答だった。

 

「これは、本当の望みを、心の奥底にあるものを映し出す鏡なんじゃよ」

「本当の望み」

「そうじゃ、多くの者がこれに魅了された」

 

そうなのかと鏡を二人で見ながら会話を続ける。

先生は、何が見えているのだろうとも思った。

ダンブルドアという人物についての本はたくさん読んだ。

親友が世紀の大犯罪者になったことやニコラスフラメルと賢者の石を作ったことなどもだ。

 

 

「明日にはこれを別の場所に移すつもりじゃ。くれぐれも言っておく2度とこの鏡を探すでないぞ。夢に浸って生きるのを忘れてはならん。よいな、ハリー」

「はい、先生。先生には何が見えてるんですか?」

「……家族と一緒にいる姿じゃ。別に、後悔している訳じゃないのじゃよ」

「先生は、言葉にしなくても何を考えてるか分かるんですね」

 

まさか開心術、と思ったが流石に掛けられたら気付くだろうし先生がそんなことするわけないかと一人考えを改める。

多分、視線とかが色々と勘繰らせてしまったのだろう。

 

「昔の話じゃ、儂は一人の生徒を救えなかった。疑うことばかりで信じてやれなかったのだ」

「それは……」

「最悪の想像を回避することばかりで、彼を見ていなかったのじゃ。だからこそ、同じ過ちはしてはいけない」

 

それは一体誰の事なのだろうか、どうして先生は私を見てそんなことを言うのかと疑問を抱いた。

ダンブルドア校長は、一体誰と私を重ね合わせているのだろうか。

 

「ハリー、君は多くの友人に恵まれておる。教師の覚えもよく成績も優秀じゃ。だが、闇の魔術に傾倒してはならん、あれは心を曇らす」

「でも、闇の魔術を知らなければ戦えません。誰も救えません」

「戦うことだけが救うことではないのじゃ」

「どうして?闇の魔術を知ることは闇払いの近道ですよ、偉大なことです」

「君はまだ幼い。大人になったつもりでも心はまだ未熟なのじゃ、焦らずともよい」

 

それは答えになっていないと思ったが、ダンブルドア校長に頭を撫でられていると段々と眠くなってきたのだった。

 

「ハリー、儂は君を信じておるぞ」

「校長、後は私が運びましょう」

「うむ、ではウィーズリーは儂が……」

 

最後に聞こえたのは、たぶん良く知る男の人の声だけど、それが誰だったのかは目が覚めたら忘れることだった。




ダンブルドア「あっ、余計なの付いてる」
ダンブルドア「ばっ、お前、危ねぇ……壊れてない?」
ダンブルドア「本当にコイツ家族見てんの?」
セブルス「運ぶの吾輩、お前ロンな」
ダンブルドア「悪いがノンケは帰ってくれ」
セブルス「寝顔もかわいい」

※本編とは関係しないので忘れてもオッケーです。

変更点
グリフィンドールの好感度が上がった。
忍びの地図がちょっとはやく登場した。
ダンブルドアの警戒が少し下がった。
ダンブルドアの警戒がものすごく上がった。
セブルスの好感度が上がった。しかし、カンストしているので何も起きない。
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