東方狂世録   作:myo-n

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これからも少しずつ進めていきたいと思いますので応援よろしくお願いします。
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第11話

 戦いが終わり霊夢たちが休憩して5分が経った頃、ようやく着いた和希は驚愕していた。

 

「ぁぁぁぁぁぁぁっぁあああ恥ずかしいいいいいいい!!!!!」

「ぐへへへ…もっとお賽銭を…お賽銭…金……」

 

 何故なら和希の目の前ではストレートな欲望の寝言をつぶやいて寝ている霊夢とその隣でうずくまって恥ずかしいと絶叫している藤原さんがいたからだ。

 普通なら見かけない光景に和希は少しの間黙ると、

 

「……そうだ、チルノはどこだろう」

 

 目の前の二人を無視してその場にいないチルノを探し始めた。

 あまりにも唐突過ぎる出来事を和希は理解し切れなかったからだ。

 つまりは現実逃避に近いものである。

 

「チルノチルノ…あ、いた」

 

 程なくして、倒れているチルノを見つけた。

 こっちも特に異常なくスヤスヤと寝息を立てて眠っている。

 

「おいチルノ、起きてくれ」

「ん……んんぅ…はっ!」

 

 チルノの肩を揺らしながら声をかけるとあっさり起きてくれた。

 後ろの方の2人は……後でいいか。

 

「大丈夫かチルノ?一体何があったんだ?」

「ええっと……なんか急に黒いのがぶあーって来たと思ったらあたいの方に来てね、そこから何も覚えてない!」

「………」

 

 駄目だ、何行ってるのか全く分からん。

 仕方がない…こうなったら霊夢から事情を聞くか。

 

 チルノと一緒に霊夢の所に行く。

 霊夢は気持ちよさそうに寝ていたため若干起こしにくかったが、肩を揺さぶり声をかける。

 

「おーい、起きろーー」

「お金があればなんでもでき…る……1…2…3…だぁ」

「いやどんな夢見てんだよ」

 

 肩を強く揺さぶる、しかし起きない。

 両頬を引っ張ってみる、しかし起きない。

 耳元で大声を出す、やっぱり起きない。

 

「どうすればいいんだよ……」

 

 まさにお手上げ。

 あっさりと起きてくれたチルノと大違いだ。

 さて…どうしようか、チルノからの情報は理解しにくいし、となるとやっぱり霊夢しか…

 

 一瞬、霊夢の隣でうずくまっている裸の人を見るが、何か触れてはいけないような空気だったので目を逸らす。

 

 それにしても、この人何処かで……ま、いっか。

 先に霊夢を起こそう。

 

「でもどうすれば起きるんだ…?」

「あたい霊夢の起こし方知ってるよ!!」

 

 そう言ってチルノは霊夢の耳下に顔を近づける。

 多分大声でも出して起こそうとする考えなのだろうがそれはさっき俺がやった。

 それとも俺より大きな声でも出せるのか…?

 

「あーっ、あんな所にお金が落ちてる!」

「お金!!?何処何処っっ!!!!??」

 

 チルノが霊夢にそう叫ぶと、霊夢は見たこと無い速さで起き上がりキョロキョロと周りを見渡す。

 まるで最初から起きていたかの様な反応の速さだ。

 その光景に呆気にとられて俺は呆然とする。

 

 あんなに起こそうとしても起きなかったのに……

 

「ほらっ!あたいってばさいきょーね!!」

「あれっ!!?お金は!!!?」

 

 慌てる霊夢。

 もはやバカの子にしか見えない……

 

「そんな物ない!」

 

 そして何故かドヤ顔で返すチルノ。

 バカの子は一人だけじゃなかったよ……

 

「ちーるーのー……」ゴゴゴゴ

「うぎゃあああ!!」

 

 チルノに騙された霊夢がキレてチルノを捕まえた。

 そして次の瞬間霊夢はチルノの頭を両腕でグリグリした。

 うわー物凄く痛そう(他人事)……

 

 霊夢とチルノのやり取りを生暖かい目で見守りつつ、俺は二人を放置してうずくまっている藤原さんに声をかける。

 流石にこれ以上裸で放置するのはキツイものがある。見る側にも見られる側にも。

 そしてうずくまっている人の肩にそっと手を置いて優しく声をかける。

 勿論目は瞑っている。流石にこの距離で見たりしたら殺されそうだし。

 

「あのー…」

「………」

「すみませーん…」

「………」

「もしもーし?」

「………」

「俺目瞑ってるんで大丈夫ですよ」

「…本当に?」

「うん、本当」

「……ありがとう」

 

 藤原さんの感謝の言葉が聞こえたかと思うと走る音が聞こえる。

 そして暫くするともういいぞと藤原さんの声が聞こえたので目を開ける。

 そこには先程出会った服装の藤原さんがいた。

 その顔は若干赤くなっていてとても可愛らしい。

 

「その…さっきぶり……だな」

「そうですね」

「えっと…何で裸だったとかは聞かないのか?」

「いえ、粗方予想は出来ますので」

 

 霊夢がいた事と先程聞こえた爆発音からするに恐らく藤原さんは戦っていたのだろう。

 誰と戦っていたのかは知らないけど多分その時の攻防により服を破壊されてしまったのだろう。

 …多分。

 

「そ、そうか…こちらとしても聞かれないのは助かる」

「そうですか」

「一つ聞いてもいいか?」

「答えられる範囲ならいいですよ」

「その……私の裸…見たか?」

 

 もじもじしながらも頑張って言い切る藤原さん。

 さっき会ったときはクールなイメージだったから凄いギャップだな。

 

「えっと…その……遠くから少しだけ」

「………!!!!」

 

 俺が答えると顔を真っ赤にして下を俯く藤原さん。

 だって仕方ないじゃん、目に入ってきたんだから。

 あれは不可抗力だ、そう不可抗力。

 

「……エッチ」

「ぐはぁっ!!」

 

 鉄のハンマーで殴られたような衝撃を受けその場に突っ伏してしまう。

 だって仕方ないじゃん!女子の裸なんて滅多に見れないし!それに大事な部分は見てないからセーフだろ!!?

 

「す…すんませんした………」

「そ、そうだな。別に悪気があったわけじゃない…もんな。じゃあ私は行くよ」

「行くって何処に?」

「人里の寺子屋と永遠亭さ。そこで私の友人に調べて貰うよ」

「えっ、人里!?そんなのあるのか!?」

 

 人里とかあったのか!?

 えぇー…何で俺はスタート地点が紅魔館なんだよ…

 俺を紅魔館≪あそこ≫に連れてきた奴を思い切り殴り飛ばしたい……

 

 そう考えていると、ふと藤原さんがジロジロと見つめていることに気づく。え、何?何か変な格好でもしているの俺?

 

「しかし人里を知らないといい、その不思議な格好といいもしかしてあんた…外来人か?」

「……あ、あぁそうだって霊夢に聞いた」

 

 びっくりした…外来人なのかどうか思われていただけか。

最初から知っていたと思っていたんだけどなあ…言わないとわからないのか?

 まぁとにかく別に変な目で見られていたって訳じゃなかったからいいか。

 

「そうか…お前も大変だな。何で霊夢に戻させてもらえないんだ?もしかして……惚れられた?」

「いや別にそんなんじゃ『断じてないわ!』…だってさ」

 

 否定している最中にきっぱりと否定する霊夢。

 でも流石にそこまではっきり言われると若干傷つくな…

 だって霊夢さん可愛いしというか今まで会ってきた人全員が可愛い。それに前々から思っていたけど何だこの美少女率の高さは。

 

「そ…そうか。なら…ゎ…」

「え?今何て?」

「なっ、何でもない!何でもないぞ!」

 

 茹蛸のように顔を真っ赤にして首を横にブンブン振る藤原さん。

 それにしてもさっき何て言ったんだろう……『わ』しか聞こえなかったけど。

 ……分からない事を気にしても時間の無駄だな。

 

「それじゃあ俺たちは一旦紅魔館に戻るよ。ここで何があったのか霊夢とチルノに聞かないといけないから」

「私も一応当事者なのだが…話を聞かなくていいのか?」

「大丈夫です…多分。まぁもし困ったら人里に行くよ」

「そうか、分かった」

 

 一度帰るために、チルノをグリグリしている霊夢を止めに行く。

 まだやり足りないと言う霊夢を何とか説得して若干涙目になっているチルノをあやすのは中々骨が折れる事だった。というか涙目になるくらいグリグリするって少しやりすぎだと思う。

 泣きかけのチルノの頭を優しく撫でながら帰ろうとすると、藤原さんが声をかけてきた。

 

「最近、ここら一帯の妖怪達が凶暴化しているから気をつけろよ!!えーっと……」

「和希、上井和希だ!」

「そうか!じゃあまたな和希!!」

「あぁ、またな!」

 

 そして藤原さんと別れて来た道を引き返す。

 途中でチルノがおんぶして欲しいと言ってきたのでおんぶしてあげたらそのまま寝てしまった。

 それを見た霊夢が私もしろと言ってきたが霊夢の方が大人なので断った。

 

 それにしても妖怪が凶暴化している…か。

 狂ったレミリアみたいな奴がうじゃうじゃいるのかな……いやでもあんなに強いのばっかりいるはずもないし……

 よし、とりあえず今は気をつけるぐらいにしておこう。考え出したらキリがないしな。

 

 だけど…本当に信じられない事ばかり起こるな…幻想郷って。

 

 そう思いながらしばらく歩くと俺達は紅魔館に着いたのだった。

 




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