・原作ANDキャラ崩壊
・駄文
・オリジナル設定
・痛々しいルビ
等の危険物質が含まれています。十分に気をつけて下さいませ。
それではどうぞ!
20※※年、世界を揺るがす大事件が起こった。
事態を重く見た国連はISを軍事目的で使用することを禁じるアラスカ条約を各国で締結、ISは競技用、すなわち新たなエクストリームスポーツとして扱われることとなった。そして国連はISの開発者の故郷である日本に、ISの正しい知識や扱い方を学ばせる学園の設立を命じたのであった…。
(それがここ、IS学園である。うん、ここまではばっちり。)
春の晴天、新学期の始まって早々のIS学園の教室で私は自分の席に座りながら、IS学園の歴史についての知識を頭の中で復習する。私がIS学園に行くことが決まってからは、それまで触りの方しか知らなかったISについての知識は二週間の詰め込み勉強で何とか使えるレベルになった。
ISの知識というものは、いいとこのお嬢様が小学生の頃からお嬢様学校でじっくり教えられるようなモノであって、一般的な十代男子にはほとんど関係ないことである。男性でISの知識に詳しい人は自衛隊とか軍の人、メカオタクくらいである。
それは何故かと言えば、先ほど述べたようにISは女性にしか動かせないからである(理由は知らない。専門家にでも聞けばいいんじゃないかな)。男性じゃあメンテナンス装置越しとか、特殊な条件下でなければ動かせない。そのおかげで最近は女性の社会的地位が上がっているとかいないとか聞くがそれはさておき。そんな訳でこのIS学園は女性しかいない女学園なのであるが。
(なんで私が…。それもこれも、私が
そう、私こと浦雪理人(ウラユキ リヒト)は、男なのにISを起動させてしまった結果、男なのに女学園であるIS学園に入学することになってしまったのである。
今この状況を例えるならばそう、針のムシロである。周囲をぐるりと見渡せば女の子、女の子、女の子。場違い感がマッハでヤバい。しかもかわいい娘ばっかりなのが余計に居たたまれない気分を加速させる。
唯一の救いはIS学園に入学した男が私一人ではないことだろうか。私は右斜め前の席に座る緊張でガッチガチになった少年を見る。彼がいなければ私はこの気まずい空間で孤軍奮闘しなければならなかっただろう。
彼の名前は織斑一夏(オリムラ イチカ)。私の親友であり、私と同じくここIS学園に入学することになった哀れな少年である。本来であればその甘いマスクと誠実な人柄で多くの思春期の女の子を虜にするのだろうが、今の彼は今まさに処刑されようとしている囚人がごとく…いや、それは流石に誇張がすぎるかな、とにかく緊張で固まっていた。
「え、ええっと…じゃ、じゃあ出席番号順に自己紹介をお、お願いします…」
教卓ではこの気まずい雰囲気にすっかり飲まれてしまった副担任、山田真耶(ヤマダ マヤ)先生がロボットのようなカクカクとした動きでぎこちなく自己紹介を促していた。若干幼さの残る顔つきにやや大きめのメガネ、十代ぐらいにしか見えない身長が醸し出す頼りない雰囲気は見ていて可哀想になってくるくらいである。あ、ちょっと涙目になってる。頑張れ先生、超頑張れ。
「う、浦雪理人くんっ」
「あ、はーい」
そんなこんやしてるウチにもう私の番である。ゆっくりと席から立ち上がると教室中の視線が一気にこちらに向く。この視線の集中砲火に今すぐにでも逃げだしたくなるが、ぐっとこらえて深呼吸。出席番号では確か次は一夏だったはず。いろいろと精神的にキテいる親友のためにも、ここで私が逃げるわけにはいかない。意を決して私は口を開く。
「浦雪理人、15歳。趣味はレトロゲーム漁りで特技は剣術。好きな食べ物は塩おむすびで彼女いない歴イコール年齢です。ISの知識についてはまだまだ素人ですので、ご指導ご鞭撻よりっ、よろしくお願いします」
噛んじまった。よりによって最後で噛んでしまった。今まで割とすらすらと言えていた分余計に恥ずかしい。私は顔が熱くなるの感じながら、なんか若干生暖かい視線(山田先生がそんな感じで見てきた)を全身に浴びながら席についた。
…だが、これは一夏にとってはチャンスかもしれない。ここで私が噛んでしまったことにより、一夏の自己紹介におけるハードルは大分下がったはず。さあ一夏、次はお前の番だ。お膳立てはしておいた、がっつりぶちかましてやれ…!
(*現在理人君は噛んでしまったことで若干テンパっており、そのせいかテンションが少々おかしくなっています)
「ええっと、お、織斑一夏…です」
先ほどの私のように席から立った一夏はそう言うと深呼吸して
「以上です」
がたん、と皆がずっこけた。もちろん私もである。このクラスのノリの良さに案外仲良くやっていけそうだな、というよくわからない安心感を覚えた。それにしても一夏である。あのあんちくしょうは私が下げたハードルを飛び越えるどころか時空の彼方に蹴っ飛ばす暴挙にでた。これは許されざる事態である。早急に処罰が必要だ。
「何が以上だ」
そして天罰は案外早く訪れた。
「…ッ!ってえ…げえっ!島津家久ぁ!?」
「誰が島津兄弟の四男か。誰が」
またしてもすぱぱん、と脳天に板…出席簿を振り下ろされる一夏。いくら少々乱暴だからいって、流石に実の姉に対して島津が生んだバトルマシーン扱いはないだろう。私は学習能力のない親友に呆れながら、彼女に話しかける。
「お久しぶりですちふ…織斑先生。兄がいつも世話になっています」
「ああ、久しぶりだな浦雪。私の方こそ色々と世話になっている。気にすることはない」
彼女の名前は織斑千冬(オリムラ チフユ)。織斑一夏の姉であり、今一番ホットな世界大会である、IS世界大会〈モンド・グロッソ〉の初代女王という凄まじい経歴の方である。まあその正体は弟大好きブラコンのダメダメお姉ちゃんなのだが。
「何か言いたいことがあるのか浦雪」
「いいえ何も先生。だからアイアンクローはやめて下さい先生。先生の腕力じゃ私の頭はトマトみたいにつぶれアッー!」
めきめきと嫌な音を立てる私の頭蓋骨。千冬さんの特技、読心術と必殺のアイアンクローは今日も絶好調である。私にとってはあまりよくないことだが。
「はあ…なんでお前も幸多(コウタ)もこう一言多いのやら…」
一頻り私の頭をぎりぎりした後、そう言ってため息をつきながら私を解放する。頭がへこんでないか確認する私を横目に、千冬さんは彼女の弟に話しかける。
「…それで織斑、さっきのアレはなんだ」
「いや千冬姉、俺は」
ごちん、と拳骨が一夏の頭に落ちる。ついに出席簿から拳骨にランクアップである。ちなみに、私が見た限りで、千冬さんのおしおき技で最大規模のものは彼女の悪友に対しての筋肉バスターである。アレはすごかった。惚れ惚れするくらい綺麗な筋肉バスターだった。
一通り一夏を叱責した千冬さんは、自分の自己紹介を始める。今の女性の一番の憧れの存在であろう千冬さんに沸き立つ女の子達を横目で見ながら、私は窓の外を見る。
空は雲一つ無い快晴。やさしい春の風に乗って桜の花びらが舞っている。IS学園に入ることになったときは正直どうしようかと思ったものだが、いざ入ってみれば、なかなか楽しめそうなところだ。
(『如何なる状況も楽しんでこそ真の男』と言うしね。…状況に悲観なんてしない、目いっぱい楽しんでやろうじゃないか)
外の風景を見ながら、私はそう心の中で呟いた。
「うぐ…」
「んもー、だらしないぞ一夏ー」
色々あった最初のホームルームはそれ以降何事もなく終わり、IS学園最初の授業も終わった。私は自分の席を離れ、一夏の席の傍に行く。一夏と言えば、IS学園のハイレベルな授業に早くもノックアウトされていた。
「こ、これが天下に轟くIS学園の授業、まさかあの電話帳レベルの参考書がほぼ基礎のことだとは…。ちゃんと勉強してなかったら危なかったぜ…」
「そりゃあISは最新テクノロジーの塊で、兵器としても最高ランクのシロモノだからね。特にPIC(パッシブ・イナーシャル・キャンセラー、慣性制御装置)とか今までの常識を覆すすごいモノなんだよ?慣性制御なんてSFだよSF?」
「そりゃあわかるけどよ、いくら何でも詰め込みすぎじゃないかコレ?さっきの授業とか1時限目にあんなに覚えることがあるなんて…」
「そりゃあそうだ。さっきの授業は復習だよ復習。普通ISの知識は小さい頃から少しずつ積み上げていくものなんだよ。」
「それってつまり…俺達は10年分の知識を二週間で叩き込んでたってことかよぉ!?」
頭を抱える一夏。
そんな風に授業についての愚痴を呟いていた私達に近づいてくる一人の少女。千冬さんを彷彿とさせるきりっとした目つきに黒髪のポニーテールといったどことなく侍を彷彿とさせる少女に私は覚えがあった。
「や、箒(ホウキ)ちゃんおひさ、元気だったかい?」
「あ、ああ、久しぶりだな理人」
彼女の名前は篠ノ之箒(シノノノ ホウキ)。私と一夏の幼なじみである。
「箒、お前どうしてIS学園にいるんだ…?」
「それは…わ、私の勝手だろっ」
一夏は思わぬ幼なじみとの再開に目を丸くしている。まあ、さっきの気まずいホームルームのとき一夏は助けて欲しそうに箒ちゃんの方向を向いていたのだが。
「理人、少しいいか?一夏を借りるぞ」
「いいよ、ごゆっくりー」
「そうか、すまない。…一夏、こっちだ」
「ま、待てよ箒!」
きびきびと歩いて教室の外に出る箒ちゃんを追って一夏も教室の外に出る。おそらく箒ちゃんは久しぶりに会えた
さて、一夏が行ってしまったので暇になってしまった。クラスの女の子は話しかける勇気がないのか遠巻きに見ているだけだ。一昔前のライトノベルならばやれやれとか言いながら机に突っ伏すのだろうが、こんな男子が一人しかいない状況で誰とも話さないのは流石にキツい。ここは私から話しかけてみることにしよう。よし、じゃああの活発そうな女の子に…
「ちょっとよろしくて?」
…どうやら先手を取られてしまったようだ。
試し書きです。更新は不定期ッス